産官学連携先:LLP日本香りデザイン協会

 今年度の安城ゼミ2回生を対象とするキャリアゼミでは、LLP日本香りデザイン協会様のご協力のもと、本学経営学部平山ゼミと連携し、「阪南大学のイメージアップのための香りづくり」を目的とする活動を行った。前期には、調香や香水の歴史の基本に関するレクチャーいただいた上で、グループごとに、どのようなターゲットに向けてどのようなコンセプトで香りづくりをするかの企画をプレゼン。後期には、合計2回、前期に考えた企画を形にするべく調香を体験した。さらに、来年度に向けて、ボトルデザインやパッケージデザインに関する学習・考察に取り組み、実り多いキャリアゼミ活動となった。
  

学生活動状況報告

■流通学部2年 阪口 光
 調香の際、自分の中でどんなイメージの香りにしたいのかを考え、こういった香りにするにはこの香りを入れるというのを事前に調べていたが、実際に調香してみると、予想したものと全く違う香りになったり、数滴の差で別のものになってしまったり、とても難しかった。同時に、これだけの多人数で1つの商品を作り上げる苦労も実感することができた。

■流通学部2年 神野 ことみ
 自分の思い描いたような雰囲気の香りにするために、何をどのぐらい調合するのかの微調整が一番難しいと感じた。入れたいものを全部加えて調合すると、かえって想像と違うものになってしまうこともある。製品化を実現するためには、「あれもこれも」と欲張らないことも重要かもしれない。

■流通学部2年 関森 留香
 ボトルデザインは、コストを考えると、どうしても単調でどこにでもありそうなものになってしまいがちだと感じた。どの企画プレゼンでも、派手で実現しにくいデザイン案が多かったため、今後はコストを考えながら個性を出せるような工夫をするべきだと考えた。

学生集合写真

参加学生一覧

栗原 幸、 山内 華、 相方 麻央、 伊井 涼馬、 井上 和奏、 神野 ことみ、 河内谷 優音、 阪口 光、 島田 結介、 関森 留果、 辻野 宏成、 東芝 裕莉、 福田 はるな、 豆畑 太優、 山中 誠也、 坂上 七海

連携先コメント

LLP日本香りデザイン協会
代表 三澤 朱実 様

 近年、香水をはじめとするフレグランス製品は、多くの若者に関心のあるアイテムの一つとして益々広まってはいますが、香水を楽しむための様々な知識や社会現象となっている「香害」を招かないためのマナー、また香水が製品化され市場に流通するまでの流れなどはあまり知られていないと感じます。
 講義では、香水についての知識を深めるため色々なタイプの香水や香水に使用されている香料を鑑賞したり、香水を製品化するために必要な知識については、既に製品化し販売している私自身の香水を実例として取り上げながら説明を加えていきました。更に、製品化を目指した香水実習では、生徒各自が阪南大学のイメージを言語化する作業から始まり、それを一つ一つの香りへと結び付けていきながら調香をおこない、オリジナル香水へと仕上げていきました。
 今回の一連の学びを通して、一つの企画を様々な観点から考え意見を出し合いながら商品化という完成した形へと結実させていくことの難しさや、仲間たちとともに試行錯誤しながらやり遂げていく達成感を体験することが、やがて社会へ出た後に何かの機会で役立てることができたなら幸いに思います。

教員コメント

経営学部
安城 寿子 教授

 後期の調香体験に先立ち、グループごとに、どのような層に向けてどのような香りを作ろうとするのかプレゼンを行ってもらった。今年度のお題は「阪南大学のイメージアップのための香りづくり」。当初、多くのゼミ生が、「阪南大学」や「阪南大学らしさ」にこだわり、本学のスクールカラーであるグリーンや校章のリバティ・ウィングにちなんだ企画を考えていたが、企画をまとめるための試行錯誤の中で「このような形で『阪南』にこだわる必要はないのではないか」という発想の転換が見られたのは一つの成長であったように思う。言うまでもなく、「阪南大学のイメージアップ」を目的とする企画だからといって、香水そのものに「阪南大学」や「阪南らしさ」がダイレクトに表現されていなければいけないというわけではない。そのことに自発的に気づいて柔軟な発想の転換に基づくプレゼンができただけでも、今年度のキャリアゼミ活動には大きな意味があったと言える。