産官学連携先:KCI京都服飾文化研究財団 学芸員・五十棲亘様

 去る10月29日、流通学部・安城ゼミでは、京都国立近代美術館とKCI(京都服飾文化研究財団)のコラボレーションによる特別展「LOVEファッション——私を着がえるとき」展の見学会を行いました。見学に先立ち、KCI学芸員の五十棲亘氏から、学芸員の仕事がどのようなものであるかご説明いただいた上で、今回の展示のテーマと出品作品について詳しいお話をうかがうことができたのは、ゼミ生にとって、非常に貴重な機会となったようです。
 展覧会タイトルの「LOVE」とは、「着ることへの愛」であり、一つではないその愛の形に「自然にかえりたい」「きれいになりたい」「ありのままでいたい」「自由になりたい」「我を忘れたい」という5つの視点から迫ったのが今回の展示です。流通学部では、ファッションが内包する葛藤や矛盾にまで考察を促す機会はなかなか少ないように思いますが、今回の展示を通じて、ゼミ生一同、ファッションについて考える多角的な視点を身に着けることができたのではないでしょうか。
  • KCI学芸員の五十棲氏によるレクチャーの様子

  • バレンシアガ、2022年秋冬オートクチュールコレクションのドレス

  • ジュンヤ・ワタナベ、2000年秋冬コレクションのジャケットとスカート

  • 今回の特別展のポスターにも写真が使用されたコムデギャルソンの2020年春夏コレクション

学生活動状況報告

■流通学部3年 植田 愛衣
 今回、「LOVEファッション展」を見学し、美術館を訪れる以前から気になっていたヘルムート・ラングの2000年代前半の作品が最も印象に残っています。どうやって身に着けるべきものなのか正解も分からず、マネキンを使わずに展示されている状態では衣服ではないもののようにも見えてきて、これはファッションなのかアートなのかと考えさせられました。非常に興味深かったです。

■流通学部3年 甘利 俊介
 展覧会を見学する前に学芸員の方から直接説明をいただくことで、一つ一つの衣装がどのような意図で展示されているのか知ることができ、とても貴重な時間となりました。
 最も印象に残ったのは、ヘルムート・ラングのコーナーで、当時の衣服のあり方に問いかけを発するような迫力がありました。それに続けて、ラングのもとでアシスタントとして活動していたことのあるコスタス・ムルクディスの衣服が展示されていたのも、印象的でした。コスタスも、90年代後半から2000年代初頭のラングが使用していたような異素材を取り入れており、服のデザインに両者の繋がりを感じることができた点が興味深かったです。

参加学生一覧

井野 壮志、 義村 真海、 石戸 杏奈、 福田 沙弥、 宮城 杏海、 甘利 俊介、 恒田 楓、 妻木 萌香、 山本 七海、 植田 愛衣、 登 佑香、 別苻 志遠、 渡 夢現、 栗原 幸、 山内 華、 相方 麻央、 伊井 涼馬、 井上 和奏、 神野 ことみ、 河内谷 優音、 阪口 光、 島田 結介、 関森 留果、 辻野 宏成、 東芝 裕莉、 福田 はるな、 豆畑 太優、 山中 誠也、 坂上 七海