五感とは、視覚(見る)・聴覚(聞く)・味覚(味わう)・触覚(触る)嗅覚(嗅ぐ)、5つの感覚のことです。現代社会では様々な情報やデータが溢れ、極端な話ですが五感に頼らずスマホがあればあらゆる情報にたどり着くことができます。


千島ゼミでは、イノベーションの研究領域で五感が製品に与える影響と効果について調査をしています。例えば、人がリフレッシュした感覚を持つ製品、記憶に残る品質などです。こうした五感を上手に活用した製品やサービスは顧客に新たな刺激を与えることにもつながり、 iPhoneが「知覚品質」に優れた製品であることは、よく知られています。
このような研究領域を知る機会として、緑松祭(11/3~4)に来場された高校生以上を対象に香水づくりとブランディングの研究テーマ領域を持つ安城ゼミとコラボレーションで「香りのアンケート調査」を実施しました。両ゼミは、2回生と3回生の複数の学年でグループを構成し、普段は異なる講義を受講しながら交流する機会が少なかったため、それぞれ関心を持っていることや知りたい領域などについて意見交換する貴重な時間となりました。
 
嗅覚は五感の中でも唯一、脳内で記憶を司る海馬に直接信号を送ることができます。そこで今回は200年以上の歴史を持つ塩野香料 株式会社(https://shiono-koryo.co.jp/) 協力のもと、あらゆる香りを前情報がなく嗅いだとき、人がどう感じ、どの様な記憶と結び付けるのかを調査しました。具体的には市販されている香水をブランド名やボトルなどを伏せた状態で参加者に嗅いでもらい、その香りの印象を答えていただきました。

安城ゼミ・千島ゼミ生のコメント

・「ローズ」「シトラス」「シダーウッド」など、香りを嗅ぐ前にその香りが何であるかを言葉で伝えられた場合と、そうでない場合では回答が異なることに気がつきました。
・私たちの感じ方が前提条件で変わることがわかり、とても驚きました。
・ブランドというラベルが消費者の心理に与える影響の大きさを肌で感じることができました。
・塩野香料社が市場や顧客との接点をとても大切にしていることがわかった貴重な機会でした
アンケート調査結果は、多くの来場者からご協力を頂き、想定した数を大幅に超える結果となりました。なお、今後は回答傾向の仮説を検討する作業とその理由を裏付ける情報を探す等、回答結果の分析を 企業と共に行いながら、商品化の検討・提案や知覚品質をより深く理解する時間をそれぞれのゼミで持つ予定です。

調査回答にご協力いただいた皆様には、この場を借りて御礼を申し上げます。

参加した学生

安城ゼミ(6名)
宮城 杏海、東芝 裕莉、島田 結介、関森 留果、河内谷 優音、福田 沙弥
 
千島ゼミ (19名)
白江 悠羽、岡本 登夢、北川 大智、田守 大輔、平田 実、植村 祐斗、門田 祐弥、木下 昭華
藤崎 優斗、三木 勇人、吉岡 大夢、中尾 歩基、秋野 妃苗、岩永 空也、亀矢 蒼太
辻岡 大空、築澤 穂高、南 樹一、菊地 彗流