11月26日、韓国日報社が主催した「日韓国交正常化 60周年記念フォーラム」で日韓の経済・経営の協力関係について相互利益を模索する方法や考えを交換する場に経営学部・千島准教授が参加しグローバルリーダーシップ交代と日韓経済協力のテーマで講演を行いました。
当日は、日韓両国から参加した専門家による討論会も開かれ、トランプ次期米国大統領時代における両国の立場から戦略的な知見に基づき協力する施策について言及があり、会場からも多くの質問と応答が交わされました。
千島准教授は、普段はイノベーションを講義する立場から、予定しているトランプ次期米国大統領の就任を「創造的破壊」という言葉で例えました。この言葉は、オーストリアの経済学者シュンペーターが提唱し、これまでの競合勢力図が塗り替えられることを指し、既存の技術・製品・手段の革新、社会(市場)構造、顧客心理の変化が関係します。新たな価値が普及する過程を革新的なビジネスモデルに変わるプロセスとして見ることができますが、このようなことが既に進んでいるという点を説明しました。また、従来の秩序にそわないルール設定(友好国に対する追加関税措置)やそうした状況に対する是正対応が貿易取引にも現れ、こうした状況に対する課題が両国の主要企業に(サムスン電子・SKハイニックス・日本製鉄 等)突き付けられています。
日韓連携で想定されるテーマや範囲については、半導体を軸としたエコシステム形成や重要物資の共同調達の可能性を取り上げ、必ずしも大きなテーマで連携/協力を進める必要はないとしつつ、少子化・地方都市部との不均衡是正、IoT製品の動力エネルギーの共同開発、中小企業によるICTを活用した政策ベースの協力などを新たな価値創造のアイデアとして提案しました。
なお、当日の模様は以下からご覧頂くことができます。