片渕ゼミでは、「気候変動(地球温暖化)がもたらす様々な問題の探究」と「それらの問題の解決策の1つである自然エネルギー発電所の実態調査」を研究テーマとしてゼミ活動をしております。2024年10月24日(木)に片渕ゼミの2回生は、淡路島にある「CEF南あわじウィンドファーム」(風力発電所)を視察見学に行ってきました。

 CEFウィンドファーム・グループは北海道から山口県まで4ヶ所のウィンドファームと2ヶ所の風力発電施設、風車総数35基をもつ民間企業です。また100基以上の風力発電機を建設したメーカーでもあります。今回訪問した南あわじウィンドファームは、85メートルのタワーに42.7mプロペラ(ブレード)を付けた風車を15基備えた発電所でした。南あわじ市は瀬戸内海の安定した風が見込める風況の良い地域とのことで、年間の発電量は48,000,000kwhを誇ります。この発電量は平均的な一般家庭の年間電力消費量の12,000世帯分に相当します。私たちが3年前から自然エネルギーの調査をしてきたなかでは最大の発電量です。
 4基の風車を上の写真で見ることが出来ます。スペースを広く取りますので、大きな公園のようでした。
 タワーにはロケットの入構口のような扉があり、中に入ることが出来ます。メンテナンスが必要な際に入ります。
 ブレード(羽根)の形が美しいです。プロペラ機を思い起こします。1.5~2.0mのわずかな風でも回転しますが、発電を開始するのは風速3.5m/sからです。風がないときは停止し、発電も止まりますが、24時間発電することができます。風力発電の日本の総電力に占める割合はごくわずかで、約0.9%です(2021年)。
 認定NPO法人地球環境市民会議(CASA)が試算した省エネ対策と再エネ促進で脱炭素社会を実現する「CASA2050モデル」では、2030年の発電量の内訳は原発・石炭・石油での発電はゼロ、ガス火力43%、再エネ57%となっています。2040年には再エネ電力100%になるとして、その内訳は、風力46%、太陽光34%、水力9%、その他10%としています。
 風力発電は日本で高い潜在性をもっていることがわかっています。現状の風力発電の占める割合はこのシナリオからすると不十分です。地球温暖化を止めるためには、さらなる普及が求められているといえるかと思います。
 取り換えのためにおかれたブレードの一部です。その大きさが実感できます。一方で、これだけ大きなものが85mの上空を回転しているのを日々見続ける地元の人が景観を口にするのも分からないではありません。なるべく、住んでいる人の少ない箇所への設置が望まれますし、地元の了解と地元の利益になるような開発が必要不可欠になるだろうと感じました。

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