森中由貴

9月17日(火)に、基礎演習(2年生)2名で日本銀行大阪支店を訪問しました。日本の中央銀行である日本銀行の役割や日々の業務について、そして、大阪支店旧館の歴史などについて詳しく教えていただきました。

日本銀行大阪支店は、Osaka Metro(御堂筋線)の淀屋橋駅を下車し、徒歩5分弱の場所にあります。淀屋橋は本町と並ぶ歴史あるオフィス街です。この辺りには、日本銀行大阪支店の他にも、大阪府立中之島図書館や中央公会堂など、美しい近代建築が点在しています。
見学ツアーでは、まず日本銀行の機能や役割を解説したDVDを視聴しました。そのあと、新館にある営業室ロビーから実際に職員の方々が業務を行っている窓口の様子を見学しました。この日はちょうど一般の方が交換のために持ち込んだ古い紙幣や貨幣のチェック(鑑定;かんてい)が行われていました。なお、今年7月3日から新紙幣が発行されていますが、引き続き古いお札も使えます。 続いて、辰野金吾氏による設計である旧館(階段室・記念室)では、日本銀行大阪支店の歴史等をお聞きしました。辰野氏は、日本の近代建築の礎を築いたといわれ、ヨーロッパ風ルネサンス様式の作品を数多く残しています。関西にも彼の作品が数多くあるので、興味のある方は探してみるのも良いかもしれません。
階段室では、旧館が建設された当時(1903年)の部材を再使用して復元された正面内玄関と階段を見学しました。ステンドグラスには、銀行の地図記号(分銅;ふんどう)が入っていました。日本に銀行がまだなかった江戸時代、お金に関わる業務を行っていた両替商は分銅を使用していました。これを銀行の地図記号のモチーフにしたのです。

旧館では、記念室も見学することができました。この記念室は、明治時代の建築当時の部材を再利用して復元されており、以前は応接室(貴賓室)として利用されていたそうです。高い天井には、ステンドグラスが並び、それらの間には鳳凰や日銀マークの浮き彫り細工(レリーフ)の施された彫刻を見ることができました。日銀のマークは、みなさんがお財布に持っているお札にもあります。「めだま」のようなマークです。ぜひ探してみてください。
資料展示コーナーでは、新しく発行された紙幣に施された様々な工夫・技術について教えていただきました。また、引き換えの対象になる現金(損傷現金)の鑑定や災害時の日銀の活動、そして傷んで使えなくなったお札(銀行券)などに関する資料を見ました。ちなみに、傷んで使えなくなったお札は裁断され、トイレットペーパーなど別の用途に利用されます。
さらに、1億円(模造)の重さも体験しました。1億円(1万円札が1万枚)の重さは約10kgです。

学生のコメント

《田中唯翔さん》
 日本銀行大阪支店の見学をして、お金について学びました。破れた紙幣を機械でチェックしているのではなく、人の目でしっかり確認しているのを見ていて、驚きました。2024年から新しいお札にも偽札防止の為に様々な工夫がされていて、それは言われないと分からない所まででした。今回このような体験をさせて頂いて、お金との向き合い方を改めようと思いました。

《村雲陽さん》
日本銀行大阪支店を見学していちばん心に残っていることは、破れてちぎれてしまったお札はあとどれくらい残ってるかで交換してもらえる額が変わるということでした。例えば半分にちぎれたお札は半額で、3分の2以上残っていれば全額で交換してもらえるそうです。
他にも日本のお札の偽造防止技術がとても優れていることも印象に残っています。その技術は、お札にある日本銀行の印章にブラックライトを当てるとオレンジに光ったり、見る向きで人物の写り方が変わるホログラムなどがあり、簡単には真似できないものでした。
最後に1億円の重みも体験出来て、とても良い経験になりました。