今回のフィールドワークの探求テーマは「コミュニケーション能力」。
「マツコの知らない世界」他、メディア露出も多いビヨン・ハイバーグ氏がプロデュースする「タワーナイブズ」にお邪魔して、マーケティングの定義=「売れる仕組みづくり」「顧客の課題解決」における重要な要素である「スタッフの卓越したコミュニケーション能力」がいかに「現場」で発揮されているか?を学びました。
ゼミで教授する理論がいかに現場で活用され、それがどのような成果を挙げているか、そしてそれが如何なるビジネスであっても応用可能であることを繰り返し学ぶ森下ゼミ。
学習面だけでなく、否応なしにこれから就活へと歩みだすゼミ生にとって、ライバルと「差別化できる武器」とは何か?を考える機会になりました。

学生の声

池永 真白
「安心」
 私は、タワーナイブズのフィールドワークを通してキーワードは「安心」だと考えました。そのように感じたのには2つのポイントがあると分析しました。 1つ目は、スタッフさんの接客の仕方です。実際に顧客に接客をしているところを見ているとスタッフさんが淡々と説明しているのではなく、事ある毎に相手の目を見て笑顔で話し、実際に包丁を使用してもらい感想を聞くなど、接客より会話に近い印象を受けました。また翻訳機などを使用しなくても様々な言語を話せるスタッフさんが多いので、顧客は母国語で話すことが出来てより安心できる要因になっていると考えました。
  2つ目は、ビヨンさんの顧客と向き合う姿勢です。包丁をどれだけ製造しても、1つ1つビヨンさんが確認していると仰っていました。そのため品質が保証され買った人が周囲の人に宣伝したり、プレゼントするためにもう1つ買うなどの良いループに繋がっているのだと考えました。 
 また、顧客自身がSNSにあげた投稿などが話題を呼び、更に顧客が集まるとお聞きして、SNSを企業やお店が活発に行うことが現代のマーケティングにとって絶対だと思っていたので、驚いたと同時に新しいなと感心しました。
  スタッフさんの親しみやすいコミュニケーション能力は、顧客にこのお店なら安心して商品を買うことが出来る、知り合いに紹介することが出来ると思わせると分かりました。この学んだコミュニケーション能力を今後のプレゼンテーションで活かし、顧客が安心できる案という点にも着目して大丸の改善案も更に発展させていこうと考えることのできた貴重な経験になりました。
 
今村 彩華
「広告なし!ネット売り切れの包丁」
  今回、新世界にあるタワーナイブズにフィールドワークを訪問し、たくさんのお話を聞きました。こちらのお店は包丁を製造し、売るお店です。お店の至る所に包丁や刃物が置かれてあり、包丁として1番高いもので200万円もの包丁がありました。実際に普通の包丁とこちらの包丁の差を野菜を切って比較させて頂いたのですが、人参であれば断面のなめらかさやトマトでは中の水分の量に大きな違いがありました。あきらかに「差別化」が実現されていました。
 そんな凄すぎる包丁はネットでは完売となっており、広告は一切出していませんでした。ここまでの売れ行きの源泉には「卓越した接客のコミュニケーション力」があると感じとれました。こちらのお店ではたくさんの言語が飛び交っており、来られるお客様に合わせて接客を変えていました。言葉の壁というものがないように感じました。そして、見て・触ってをお客様に体験してもらうことで良さ(差別化ポイント)を紹介していることが素晴らしいです。インバウンドのお客様が多いことから、この良さを間近で体験したいという思いがあるからではないかと考えました。 
 ここまでたくさんのお客様が来るのに、お店からの広告がないことにびっくりしました。方法としてお客様にSNSを使って発信してもらい、発信してくださった人には包丁に名入れを無料でするといった特典がありました。そして、その名入れも目の前でしてくださります。そうするとお客様はたくさんの人に紹介し、知った人がまた紹介するといったサイクルができていました。とても現代的な方法でお店を発展させているのだなと感じました。
 
 高瀬 義幸
「体験・経験価値」
 今回の校外学習では初めて包丁の業界について学ぶことが出来ました。まず店内に入ると包丁だけでなくナイフやアイスピックといった様々な刃物が展示されていて、店奥では実際に包丁を製造している過程を見ることができる内装になっていました。この造りは、ゼミ合宿で訪問した「ラコリーナ近江八幡」と類似するものがあると感じました。
 包丁にも様々な形と種類があり、片刃や両刃の違いやそれぞれの用途についても初めて知ることばかりでした。実際に野菜を切ったものを触った時も断面の違いに驚きました。包丁のはじまりもタバコ包丁という意外なところからの派生だということもおもしろい歴史だと感じました。
 はじめは外国人従業員の方だけがコミュニケーション能力が高いと思っていましたが、実際にお店に行ってみると店員の皆さん全員がコミュニケーション能力が高く細かい説明までしてくれるからこそリピーターが増えると感じました。リアル店舗に来てもらい、「体験、経験」に価値を置く戦略だと感じました。
 店員の人達と実際に話してみると、本格的な語学勉強は働き始めてから学んだという人や、高卒で色んな国を旅して経験を積んで勉強したという人もいて、とても有意義な話が出来ました。