過疎化が進む地方では地理的特徴を活かしてスポーツ・文化・観光を結びつけることにより、新たな地域ブランドや日本ブランドが生まれる可能性があります。連携先の兵庫県美方郡香美町は但馬牛や香住ガニといった山と海の食の宝庫とも知られ、冬は多くのスキー客が訪れる関西有数の観光地であります。近年では山陰海岸ジオパークが世界ジオパークにも認定され、貴重な地形・地質遺産を数多く観察できる場所でもあります。

 毎年夏には広大な山を走って駆け巡る「姫ボタル瀞川平トレイルラン」の大会が開催され、キャリアゼミを通じて2016年から大会運営に参画しています。大会運営にボランティアとして関わるだけでなく、オリジナルエイドでの飲食の企画や応援は毎回学生らが工夫を凝らして提供しており大会名物となっています。

 今回は、本学のキャリアゼミの活動の一環で、11回目を迎える「姫ボタル瀞川平トレイルラン」に参画するなかで連携先の魅力を発信し、地域活性化に繋げる方策を検討することを目的とします。

学生活動状況報告

流通学部3年 東谷 悠司

参加学生一覧

木下 佳奈、 小竹 葉月、 武内 映璃、 田中 智也、 土持 智沙、 諌山 清志、 田中 美玲、 東谷 悠司、 前田 純、 荒井 璃桜、 大柱 海斗、 児玉 花林、 仁尾谷 昴正

連携先コメント

株式会社むらおか振興公社
田丸 明人 様

 瀞川平の雄大な自然、森を生かした「第11回姫ボタル・瀞川平トレイルラン」の大会を2023年7月2日に開催しました。本大会には541名の参加申し込みをいただき、490名が出走し、完走率98.1%でした。前日まで強雨もありコース状況等心配しましたが、当日は一転快晴となり、瀞川山・鉢伏山の山頂では雲海も見られたようです。このような厳しい自然環境下で絶景が見られ、エイドサービスも以前のように温かいおもてなしができ、選手の皆様には大変喜んでいただきました。

 暑くなり熱中症も危惧されましたが発症者もおらず、大きな怪我もなく無事に大会を終えることができましたこと、これもひとえに、大会へのご指導、エイド運営、アンケート、元気が出る応援など、多方面に渡りご協力をいただきました先生と学生さんのお陰だと本当に感謝の気持ちでいっぱいです。学生の皆様が目配り、気配りできるのも先生のご指導によるものだと気持ちよく拝見させていただきました。

 大会本部として、至らないところも多々あったこととは存じますが、また第12回の大会にも是非お越しくださいますようお願い申し上げます。

教員コメント

流通学部 流通学科
早乙女 誉 教授

 2016年度からはじまった兵庫県香美町における株式会社むらおか振興公社様との産学連携も今年度で8年目を迎えました。今年度は、これまでと同様に2023年7月に現地に行って、姫ボタル瀞川平トレイルランの運営補助、2024年2月に現地にて成果報告会を開催することができました。

 2022年度の大会運営自体は大きな課題を残す結果になってしまいましたが、それをそのままにせず、参加した先輩学生が大阪に戻ってからすぐさま改善点を整理してくれました。それを今年度の主担学年の学生たちが引き継いで、トレイルランイベントの現場で改善策を活かすことができました。失敗して終わるのではなく、学年を越えてPDCAサイクルを回して次につなげた好事例です。さらに、今回の参加者も帰阪後にすぐさま良かった点や上手くいかなかった点などをまとめてくれたので、2024年2月に実施した成果報告会で香美町の皆様と有意義な意見交換をすることができました。

 本ゼミの香美町での活動は今年度でいったん終了となりますが、ここで培った実践と課題分析、改善策の実行のサイクルを他のフィールドでも活用して行く予定です。香美町の皆様とこれまでの活動に関わってくれた学生と卒業生に心よりお礼申し上げます。