国内研究記その3 ニースの青い空の下でポートフォリオデータ分析を語る

 7月の後半は,フランスのニースで開催されたThe Seventh International Conference on Emerging Networks and Systems Intelligenceにて,“An Analysis of educational Big Data in University using Mobile e-Portfolio System with Smart Concierge”のタイトルにて教育のビッグデータの分析と活用方法について発表しました.この研究は,ビッグデータ解析の手法に関する研究で,今回の分析対象となったのは,教育用に開発・運用されているe-ポートフォリオシステムです.前回のロンドンの教育系の学会ではe-ポートフォリオのデータを分析して教育的知見を得ましたが,今回のニースでの発表はe-ポートフォリオに蓄積されたビッグデータの分析手法の提案とその活用方法の紹介でした.
 学会自体は150名程度のこじんまりとした国際会議です.ひとつのセッションの参加者は20,30人であり,ディスカッションをするにはちょうど良い規模の学会です.今回のポートフォリオデータの分析方法はビジュアルな解析方法と,その活用についてでした.外国の研究者たちも興味深く聴講してくれて,有意義な時間がすごせました.
 ただ,ニースはすばらしい避暑地です.アラブの大富豪もバカンスに訪れるという一流の観光地です.そのすばらしい避暑地にいながら,海にも入らずに青いニースの空の下でビッグデータ分析を熱く語るわれわれは,他の観光客から見れば違和感を感じずにはいられないでしょう.きっと私たち研究者はニースの青い海と空よりも,コンピュータの中に蓄積されたビッグデータのほうが素敵に思えるし,コンピュータの中のデータの中を散策することはニースの海岸を散策するより面白くて楽しいです.つまり,学会参加者たちはこんなオタッキーな人物ばかりです.
 今回の発表論文は,ありがたいことに推薦論文としてセレクトされ,来年の国際学会論文誌への投稿が決まりました.来年の2月に向けて,論文誌投稿用の論文作成に着手します.