活動テーマ:泉南市における観光地域づくり
産学連携先:泉南市教育委員会社会教育課


 国際観光学部和泉研究室は、大阪府泉南市を研究活動のフィールドの1つとしています。これまでにも、このキャリアゼミの制度を利用して、泉南市に所在する観光にも力を入れている岡田浦漁港など、多くの活動に取り組んできました。今年度については、泉南市教育委員会社会教育課からの「現在、泉南市では観光やまちづくりを意識して、文化財などの地域資源の活用を進めようとしていますが、第3者の観点が有効ではないかとの考えから、活用案について地域の方々へ提案して欲しい」という依頼のもと、フィールドワークを実施し、地域の文化財などを活用するデザイン案を地域の方々へ向けて提案し、さらにそのデザイン案を地域の方々の意見も加えて、ブラッシュアップを行い、より実現性の高い案へ整えました。
 来年度は、このデザイン案をベースとして、地域の方々との共創的な展開へとつなげていきたいと考えています。とても楽しみです。

学生活動状況報告

 泉南市における地域資源の活用案を考えて提案するというこの活動は、もちろん、私たち(学生)が主体となって行ったものですが、地域の方々とともになされたものでした。例えば、9月に実施したフィールドワークでは、泉南市教育委員会社会教育課のみなさん、地域の駅であるJR西日本和泉砂川駅の職員のみなさん、ボランティアガイドさんなどの地域の方々が同行してくださり、地域資源や地域事情などを説明してくださいました。また、1月に開催した活用デザインの発表会においても、多くの方々が私たちの発表を聞くために集まってくださり(少し緊張しましたが・・・)、発表後に多くの意見や質問をいただきました。
 私たちの活動を振り返ると、このような地域の方々のご協力があったからこそ、活用デザイン案をつくりあげることができたのではないかと思いました。
 今後、地域では私たちの活用デザイン案をもとに、実際に活用してみたいとのことでしたが、ぜひ、実際の活用についても関わっていきたいと思いました。
国際観光学部 高田 有規子

参加学生一覧

稲垣 紗菜、岩田 悠佑、清水 遼、山下 美羽、高田 有規子、小田原 由依、甲斐 雅人、川野 瑞歩、窪 悠里、田中 晃太、大門 沙紀、冨田 いずみ、中野 実紅、野崎 伶奈、FANG DI、松岡 愛、門前 周

ゼミ集合写真

連携団体担当者からのコメント

泉南市教育委員会 社会教育課
河田 泰之 様

 泉南市では、地域の方々とともに文化財などの地域資源の活用を進め、まちづくりや観光振興へつなげていこうと考えています。みなさんの提案してくださった活用案の中には、これまで気が付かなかったような内容も見られ、なるほどと感心しました。今後、この提案をもとに地域の方々とともに活用を進めていこうと考えています。ありがとうございました。

教員のコメント

国際観光学部
和泉大樹 准教授

 泉南市における当該活動では、地域の方々と関わり、話す機会が多く見受けられた。フィールドワークでは、多くの地域の方々の同行のもと、学内での資料調査からは抽出できなかった内容など、地域目線での教示を受けた。また、活用案の提案報告においては、学生が「たくさん来てくださっている。緊張する。どうしようー」と声をあげる程、多くの方々の出席を得たが、その中で、鋭いコメントや難しい質問に短時間で考えを整理して答えなければならないという、教員があまり提供することができない学びの時間を経験させていただいた。これら一連のプログラムでは、地域を思考するうえで、現地に足を運ぶことがいかに重要なのかを再確認するとともに、自身の思考を他者(地域の方々)に伝えるには、どのようにすればよいのかという問題と向き合ったのではないかと考える。そして、来年度、自分たちの活用案のいくつかが実践に結びつくという結論を聞かされたときは、自分たちの思考が社会に認められたという自信につながることになったと想像する。
 学生にとってはとても貴重な経験であった。
 地域のみなさま、ありがとうございました。記して感謝します。