阪南大学国際観光学部和泉研究室は「地域・観光の創造(地域資源や人的ネットワークなどを活用しながら、地域づくりや観光振興のための新たなデザインプランを思考・提案し、地域の方々と共創的に実践する)」を研究テーマとしています。平成27年度から兵庫県養父市大屋において、豊富な地域資源を観光資源として活用する観光地域づくりデザインを思考・実践し、コミュニティーベースの経済振興を生成しながら、地域基盤の強化や活性化を目指すという取り組みを養父市商工会との産学連携という形態で共創的に展開させています。
平成30年度は、「農」と「観光」をキーワードに、国家戦略特区における潮流の中で産地化が期待される「ニンニク」に着目し、市内事業者の今後の新商品開発や販路開拓の一助となることを目的に、アンケート調査およびそれを踏まえた新たな加工品や新メニューレシピの提案などを行いました。
また、「播但貫く、銀の馬車道 鉱石の道~資源大国日本の記憶をたどる73kmの轍~」として「日本遺産」の認定を受ける「明延鉱山」(錫では日本一の鉱量を誇った)のある明延地区の2棟の空き家の活用にも取り組んできましたが、平成31年3月10日に今年度の最後の取り組みとして第2回目となる空き家の活用を行いました。ここではこの活動について紹介します。
平成30年度は、「農」と「観光」をキーワードに、国家戦略特区における潮流の中で産地化が期待される「ニンニク」に着目し、市内事業者の今後の新商品開発や販路開拓の一助となることを目的に、アンケート調査およびそれを踏まえた新たな加工品や新メニューレシピの提案などを行いました。
また、「播但貫く、銀の馬車道 鉱石の道~資源大国日本の記憶をたどる73kmの轍~」として「日本遺産」の認定を受ける「明延鉱山」(錫では日本一の鉱量を誇った)のある明延地区の2棟の空き家の活用にも取り組んできましたが、平成31年3月10日に今年度の最後の取り組みとして第2回目となる空き家の活用を行いました。ここではこの活動について紹介します。
研究活動のプロセス
ここで、あらためて今年度の明延地区における2棟の空き家の活用について振り返っておきたいと思います。これまでの一連のプロセスは下記の通りです。
明延地区のフィールドワーク[平成30年5月14日]
明延地区を理解するためにフィールドワークを行いました。
※2018年5月22日のHP記事で紹介しています。
※2018年5月22日のHP記事で紹介しています。
2棟の空き家の活用を含む明延地域を活性化するデザインの提案[平成30年9月17日〜19日]
9月17日〜19日午前中、明延地区の方々へのヒアリング調査、山の上にあるトロッコ軌道の清掃作業とトロッコ乗車体験、鉱山学習館の清掃などの活動を通じて、地域への理解を深めながら、4つのグループごとに「2棟の空き家の活用を含む明延地域を活性化するデザインの提案」のため、明け方までパワーポイントの作成などの準備を行い、19日午後、地域の方々へ発表しました。また、地域の方々とBBQをご一緒させていただき親睦を深めました。 ※2018年9月27日のHP記事で紹介しています。
2棟の空き家の活用①[平成30年11月4日]
11月の一円電車運行イベント(かつて鉱山で使用されていた電車の運行・乗車イベント)において、鉱山稼働時に使用されていた2棟の空き家建物を活用しました。明延川沿いに建つ建物では、よもぎ餅と桑茶をふるまいながら、自分たちが制作している養父市大屋地区のPR動画の放映や特産品を販売しました。山側に建つ建物は、写真パネルなどを展示して養父市大屋地区の魅力を紹介する小さなミュージアムとして活用しました。※2018年11月20日のHP記事で紹介しています。
現地における企画・調整会議[平成31年2月17日]
第2回目の2棟の空き家の活用に向けて、現地(養父市商工会大屋支部会議室)において企画・調整会議を行いました。※2019年3月5日のHP記事で紹介しています。
2棟の空き家の活用②[平成31年3月10日]
従来、イベントを開催していない時期でしたが、ゼミ学生が企画・調整したコンテンツを中心としてイベントを開催し、2棟の空き家を活用しました。
※以下で紹介します。
※以下で紹介します。
今年度2回目となる2棟の空き家の活用について
先に記したように、11月4日、第1回目となる2棟の空き家の活用については、「よもぎ餅と桑茶をふるまいながら、自分たちが制作している養父市大屋地区のPR動画の放映や特産品の販売」と「写真パネルなどを展示して養父市大屋地区の魅力を紹介する小さなミュージアム」として活用しました。
3月10日、第2回目となる今回は、「古着と1円雑貨の販売」と「ニンニクの産地化を目標に新たな加工品として提案した「にんにくクッキー」の試作品と特産品の桑茶を無料で振る舞う「鉱山(ヤマ)の茶店」」という内容で2棟の空き家を活用しました。
なお、本番の前日から小学校をリノベーションした宿泊施設である明延自然学校へ宿泊して準備を行いました。
3月10日、第2回目となる今回は、「古着と1円雑貨の販売」と「ニンニクの産地化を目標に新たな加工品として提案した「にんにくクッキー」の試作品と特産品の桑茶を無料で振る舞う「鉱山(ヤマ)の茶店」」という内容で2棟の空き家を活用しました。
なお、本番の前日から小学校をリノベーションした宿泊施設である明延自然学校へ宿泊して準備を行いました。
【会場となった空き家】 左:古着と1円雑貨の販売 右:鉱山(ヤマ)の茶店
「古着と1円雑貨の販売」
古着の販売については、ゼミ学生が自宅から自身や家族の衣服、約200点を持ち寄って販売しました。また、「一円電車」にちなんで「1円雑貨」も販売しました。
【前日の準備】会場となる空き家でディスプレイ
【当日】小さな会場が多くの方々で賑わいました。ありがとうございました。
鉱山(ヤマ)の茶店
学生提案の「にんにくクッキー」の試作品と特産品の桑茶を無料で振る舞いました。
また、地域で最大規模のにんにく生産者である「兵庫ナカバヤシ」さんの「にんにくおかき」もPRさせていただきました。
【前日の準備】にんにくクッキーづくり・会場となる空き家のセッティング
【当日】兵庫ナカバヤシさんの「にんにくあられ」はもちろんですが、学生が提案し、試作品をつくった「にんにくクッキー」も好評! 確かに美味しかったです。
【当日】地域の方々のブース「喫茶一円電車」でもスタッフとしてご一緒させていただきました。
まとめ
以上が、明延地区の2棟の空き家の活用に関する取り組みです。
この取り組みは、単にイベントの賑わいづくりの一翼を担うという類のものではなく、明延地区の「可能性を発信する」という思考が盛り込まれた取り組みです。
この取り組みは、単にイベントの賑わいづくりの一翼を担うという類のものではなく、明延地区の「可能性を発信する」という思考が盛り込まれた取り組みです。
現在、明延地区の集落人口は100名を下回ります。その大半が高齢の方々です。このような状況下、地域の方々だけの手による地域づくり・活性化は困難であるため、「明延地区はおもしろい地域だ」、「明延地区では様々なことができる」など、地域外の様々な方々に明延地区に興味・関心をもっていただく必要があると考えられます。わたしたちはこの明延地区の「可能性の発信」を顕著に意識しながら様々なコンテンツの展開を思考・実践してきました。今後も地域との共創的な展開を継続させていきたいと考えています。
小雨が降る時間帯もありましたが、たくさんの方々が足を運んでくださいました。
ありがとうございました。
小雨が降る時間帯もありましたが、たくさんの方々が足を運んでくださいました。
ありがとうございました。
売上金の一部を「鉱石の道」明延実行委員会へ寄付させていただきました。
当該研究活動は、3回生17名(稲垣紗菜・岩田悠佑・清水遼・山下美羽・高田有規子・小田原由依・甲斐雅人・川野瑞歩・窪悠里・田中晃太・大門沙紀・冨田いずみ・中野美紅・野崎伶奈・ボウティ・松岡愛・門前周)による活動です。