平成27年度 国際観光学部和泉研究室研究活動報告「大阪府八尾市における地域づくり研究」
国際観光学部和泉研究室は「地域・観光の創造(地域資源や人的ネットワークを活用しながら、地域づくりや観光振興のための新たなデザインプランを思考・提案し、地域の方々と共創的に実践する)」を研究テーマとしています。平成27年度、3回生ゼミは、大阪府八尾市をフィールドに研究活動を展開しています。
大阪府の中河内地域に位置する八尾市は、面積41.72?、人口269,631人、高齢化率26%の特例市です。大阪市、柏原市、東大阪市、藤井寺市、松原市と市境を隣接させ、地形地理的には生駒山地を東側に持しています。大阪中心部にもアクセスがよく、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンや大阪観光を楽しむ外国人観光者も視野に入れた取り組みなどが、今後、期待されるところです。
さて、近年の全国的な傾向ですが、八尾市においても、出生率よりも死亡率が上回り、人口減少、小中学校の統廃合などが進んでいます。とりわけ、高安地区では、その傾向を顕著に看取することができます。このような状況を鑑み、あらたな展開を見出すべく、市としても何らかの対策を講じていきたいと考えられているようであり、八尾市政策推進課より本研究室へ高安地区を中心とした地域づくりデザインの提案依頼がありました。
なお、今回のケースにおいては、「空き校舎の活用」を前提とするものであり、その活用方案の提案の中心に「空き校舎の活用」を据え、周囲の地域資源の活用を思考するものです。
研究活動は、まず、3回ゼミ18名を4グループに分け、行政資料などの書面資料から八尾市の現況を把握することからはじめました。そして、数回の現地調査(フィールドワーク)を実施し、グループにおけるディスカッションを重ねながらデザインをまとめ、平成28年3月に八尾市役所において、グループごとに地域づくりデザインを提案するというプロセスで展開しました。
以下に、その研究活動のプロセスを記すこととします。
大阪府の中河内地域に位置する八尾市は、面積41.72?、人口269,631人、高齢化率26%の特例市です。大阪市、柏原市、東大阪市、藤井寺市、松原市と市境を隣接させ、地形地理的には生駒山地を東側に持しています。大阪中心部にもアクセスがよく、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンや大阪観光を楽しむ外国人観光者も視野に入れた取り組みなどが、今後、期待されるところです。
さて、近年の全国的な傾向ですが、八尾市においても、出生率よりも死亡率が上回り、人口減少、小中学校の統廃合などが進んでいます。とりわけ、高安地区では、その傾向を顕著に看取することができます。このような状況を鑑み、あらたな展開を見出すべく、市としても何らかの対策を講じていきたいと考えられているようであり、八尾市政策推進課より本研究室へ高安地区を中心とした地域づくりデザインの提案依頼がありました。
なお、今回のケースにおいては、「空き校舎の活用」を前提とするものであり、その活用方案の提案の中心に「空き校舎の活用」を据え、周囲の地域資源の活用を思考するものです。
研究活動は、まず、3回ゼミ18名を4グループに分け、行政資料などの書面資料から八尾市の現況を把握することからはじめました。そして、数回の現地調査(フィールドワーク)を実施し、グループにおけるディスカッションを重ねながらデザインをまとめ、平成28年3月に八尾市役所において、グループごとに地域づくりデザインを提案するというプロセスで展開しました。
以下に、その研究活動のプロセスを記すこととします。
① ゲストスピーカによる説明
平成27年5月25日(月)の専門演習の時間、本学南キャンパスにおいて、八尾市役所政策推進課の職員の方々にゲストスピーカーとして来学いただき、八尾市の現状などの説明を伺いました。この説明をもとにフィールドワークで注目する点などを整理しました。
② 第1回フィールドワーク
平成27年6月20日(土)に八尾市高安地区を中心にフィールドワークを実施しました。休日にも関わらず、政策推進課の方々が同行してくださいました。この日、俊徳丸鏡塚古墳などに代表される高安古墳群、神立茶屋辻、水呑地蔵尊、玉祖神社などの地域の歴史資源を中心に地域の理解を深めました。とりわけ、学生は、「大阪都心部と近距離であるにもかかわらず、生駒山地が提供する豊かな自然を感じることができる地」ということを顕著に感じたようで、このことは結果的に、自分たちの地域づくりデザインに反映されることとなりました。
③ 第1回中間報告会
平成27年11月30日(月)の専門演習の時間、本学南キャンパスにおいて、八尾市役所政策推進課の方々をお招きし、第1回中間報告会を開催しました。この時点でデザインは未完成でしたが、互いに刺激を受けるべく、自分達のグループの方向性を他のグループにオープンにしました。また、報告会の後半では市役所の方々にディスカッションに加わっていただき、質問などにお答えいただきました。
④ 第2回中間報告会
平成28年1月25日(月)の専門演習の時間、本学南キャンパスにおいて、八尾市役所政策推進課の方々をお招きし、第2回中間報告会を開催しました。前回の報告会後、各グループで方向性や内容を再構築したものをゼミ内でオープンにしました。また、来月実施する最終のフィールドワークで確認したいポイントなどを各グループで整理しました。
⑤ 第2回フィールドワーク
平成28年2月22日(月)・23日(火)にフィールドワークを実施しました。
最終の確認をするために再び高安地域を訪れました。また、アクトランド八尾の職員の方に地域の自然環境などについてご説明いただきました。また、来月される地域づくりデザインのプレゼンテーションに向け、最終調整をしました。
最終の確認をするために再び高安地域を訪れました。また、アクトランド八尾の職員の方に地域の自然環境などについてご説明いただきました。また、来月される地域づくりデザインのプレゼンテーションに向け、最終調整をしました。
⑥ 地域づくりデザインの提案
平成28年3月2日(水)、八尾市役所において地域づくりデザインを提案しました。
なお、各グループの提案内容は、以下の通りです。
なお、各グループの提案内容は、以下の通りです。
提案した地域づくりデザインの内容 | |
---|---|
① | 「ものづくりのまち〜八尾の企業と地域の人々を結ぶ〜」 |
八尾の企業と地域の人々の更なる結びつきを。地域の若者が地域の企業へ就職するという地域内循環への第1歩。 | |
② | 「学びと健康を取り入れた八尾のまちづくり」 |
誰もが気にする「学び」と「健康」に注目。地域の方々が、自身の地域で過ごす時間が増えればそこから何かが始まるのでは。 | |
③ | 「ツーリズム×活性化〜用意したのはすてきな街と私たちらしさ〜」 |
インバウンドの課題解決地としての八尾。関空・ミナミ・USJ・京都などに近いという好条件地であることにあらためてスポットを照射。 | |
④ | 「子育てにやさしい地域づくり」 |
地域の維持のkeywordは「子育て世代の獲得」。子育て世代に魅力的に思ってもらうには。その一側面へのアプローチ。 |
各グループのデザインの内容については、今後、ブラッシュアップの必要があることは否めませんが、各々、グループで課題を見つけ、その解決策を自分たちで導き、自分たちの言葉で発表してくれました。
地域が地域に目を向けるという状況を創造するためには、何らかのきっかけが必要だと考えられますが、その手段の1つとして第3者的要因も有効に機能する可能性があります。当該研究活動が、地域の方々に地域のことを知ってもらうきっかけを提供することに繋がればと考えるところです。
なお、本研究室では当該学年の研究活動を踏まえ、八尾市における研究活動を継続する予定です。
地域が地域に目を向けるという状況を創造するためには、何らかのきっかけが必要だと考えられますが、その手段の1つとして第3者的要因も有効に機能する可能性があります。当該研究活動が、地域の方々に地域のことを知ってもらうきっかけを提供することに繋がればと考えるところです。
なお、本研究室では当該学年の研究活動を踏まえ、八尾市における研究活動を継続する予定です。
追記
和泉研究室では八尾市をフィールドに下記のような研究活動も実施し、多面的に地域づくり研究を展開しています。
和泉研究室では八尾市をフィールドに下記のような研究活動も実施し、多面的に地域づくり研究を展開しています。
① 「観光地域づくり—銭湯で八尾のまちを活性化しよう—」
銭湯を観光資源と捉えて八尾を活性化するデザインを思考しています(継続中)。
② 「八尾バル」へのスタッフ参加
地域のイベントにスタッフとして参加させていただき、地域の事を学んでいます(平成28年3月も参加させていただきます)。
③ ウォーキングツアーの企画・実施
平成28年3月5日(土)に和泉ゼミ1〜3回生の希望者が、しおんじやま古墳学習館の協力のもとに、企画したウォーキングツアーが実施されました。八尾市高安地域には、『伊勢物語』で著名な在原業平の恋に関する伝説が残っていることから、それをテーマにしたツアー「タカヤスコイメグリ」を企画・実施しました。ツアーは、好評で遠方は名古屋から参加してくださいました。
当日、お客様への説明は学生が担当、昼食の業平弁当も学生が発案し、地域の名店「佑和」さんとのコラボにより誕生しました(例えば、業平の恋の伝説には笛が登場しますが、その笛は「フキ」で、『伊勢物語』には竜田川の記述があるので「竜田揚げ」を入れてもらうなどなど)。また、お弁当の包紙も学生がデザインしました。
当日、お客様への説明は学生が担当、昼食の業平弁当も学生が発案し、地域の名店「佑和」さんとのコラボにより誕生しました(例えば、業平の恋の伝説には笛が登場しますが、その笛は「フキ」で、『伊勢物語』には竜田川の記述があるので「竜田揚げ」を入れてもらうなどなど)。また、お弁当の包紙も学生がデザインしました。