第40回堺まつりを 学生たちが応援
2013年10月19日(土)・20日(日)に堺まつりが開催され、学生たちがマップの配布、舞台のアシスタント、マスコットキャラクターの補助などを担当しました。1974年に始まった堺まつりは今年で第40回目を迎えます。大小路で行われるパレードもディズニーのキャラクターが去年以上に数多く登場し、盛り上がりを見せました。これまで、国際観光学部は堺市でさまざまな観光事業や民間活動を支援してきましたが、このたびは堺市最大の年中行事である堺まつりを応援しようと、清水苗穂子ゼミ・和泉大樹ゼミの学生たちが20日のパレードをサポートしました。当日はあいにくの雨となりましたが、学生たちは懸命に活動をしてくれたようです。
我々は前日の19日に参加し、パレードに先立つ市民の催しを手伝いました。19日の来訪者を迎える一方で、20日のパレードをPRしなければなりません。裏方の役目ですが、学生にとっては、意義のある活動です。イベントの表舞台に立つ人たちを裏で支えるスタッフには献身的な働きが要求されます。むしろ、社会に出ると、どのような業務であれ、ほとんどが裏方の仕事に終始します。縁の下の力持ちとなることの厳しさと意義を知ることができる貴重な体験であるのです。19日に参加した学生は4回生の泉田真美子さん・今福義明君・井本有亮君・北山亜純さん・孔シュさん・河野充宏君、3回生の植林明日香さん・王欣さん・高飛娜さん、2回生の掛尾敦史君、塩路ゼミ3回生の原田晴香さん・岩本まゆみさん・小倉里菜さん・吉川慎也君・白井琢馬君、森重ゼミ1回生の岡優貴さん・合田絵里奈さん・古屋佑果さんの18人です。以下、植林さん・岡さん・合田さんの活動報告を綴ります。
※なお、この学生教育研究活動は阪南大学学会の補助を受けています。
※なお、この学生教育研究活動は阪南大学学会の補助を受けています。
スタッフジャンパーを着ることの意味
国際観光学部3回生 植林明日香
10月19日(土)と20日(日)の2日間行われる第40回堺まつりにボランティアスタッフとして参加しました。南海高野線の堺東駅に集まったのは朝の10時。堺市役所に到着したころには、今にも雨が降り出しそうな天気でした。案の定、2日目は雨になったようです。私たちが参加したのは1日目の19日でした。地域の民間団体や専門業者が会場にテントを並べての出店が催しのメインでしたが、ときおりステージで市民たちによる演技もあり、まつりの気分は十分に高まっていました。この日、スタッフとして参加者した学生は18名。堺市役所前の市民広場会場とザビエル公園でのなんばん市会場の二手に分かれて活動に当たりました。
私を含む8名の学生は市役所から歩いて15分ばかりのザビエル公園に移動し、なんばん市のスタッフに加わりました。ボランティアの仕事は「堺まつり総合ガイドブック」を来場者に配布することでした。約2000部が渡されました。担当者の説明を受けたのち、2人1組となって、人通りの多い場所に立って配布し始めます。配布に当たっては、担当者から何点かの注意事項を告げられました。「ひとたびスタッフジャンパーを着れば、あなたたちはスタッフとなります。自覚を持って下さい」との注意が最も心に響きました。たとえ自分が学生であったとしても、スタッフジャンパーを着れば、来場者は学生だとは思ってくれません。学生としての甘えは許されないということです。考えてみれば、当り前のことではありますが、働くに当たって、とても大切な心構えです。それを改めて言葉にされると、否が応でも意識させられます。「気を引き締めて頑張ろう」という気持ちで任務につくことができました。
私は同期の王欣さんと2人でステージの付近に立ち、ガイドブックを配りました。前をゆく来場者に差し出すのですが、すでに持っている方や、困った顔をして「いらない」と断る方も多く、なかなか受け取ってもらえません。「よし、それならば」と考えたのが笑顔作戦です。満面の笑顔で一人ひとりに声をかけ、相手と目を合わせました。「受け取って下さい」という願いをアイコンタクトで伝えます。そうしたところ、思いのほか効果があり、前よりも受け取ってくれる人が増えました。「ありがとう」と言ってもらえることも多くなりました。笑顔の私たちに話しかけやすかったのか、道や場所を尋ねられることも多くなりました。笑顔作戦は大成功です。昼からはみるみるガイドブックの余りも減り、その日の任務は終了しました。
私を含む8名の学生は市役所から歩いて15分ばかりのザビエル公園に移動し、なんばん市のスタッフに加わりました。ボランティアの仕事は「堺まつり総合ガイドブック」を来場者に配布することでした。約2000部が渡されました。担当者の説明を受けたのち、2人1組となって、人通りの多い場所に立って配布し始めます。配布に当たっては、担当者から何点かの注意事項を告げられました。「ひとたびスタッフジャンパーを着れば、あなたたちはスタッフとなります。自覚を持って下さい」との注意が最も心に響きました。たとえ自分が学生であったとしても、スタッフジャンパーを着れば、来場者は学生だとは思ってくれません。学生としての甘えは許されないということです。考えてみれば、当り前のことではありますが、働くに当たって、とても大切な心構えです。それを改めて言葉にされると、否が応でも意識させられます。「気を引き締めて頑張ろう」という気持ちで任務につくことができました。
私は同期の王欣さんと2人でステージの付近に立ち、ガイドブックを配りました。前をゆく来場者に差し出すのですが、すでに持っている方や、困った顔をして「いらない」と断る方も多く、なかなか受け取ってもらえません。「よし、それならば」と考えたのが笑顔作戦です。満面の笑顔で一人ひとりに声をかけ、相手と目を合わせました。「受け取って下さい」という願いをアイコンタクトで伝えます。そうしたところ、思いのほか効果があり、前よりも受け取ってくれる人が増えました。「ありがとう」と言ってもらえることも多くなりました。笑顔の私たちに話しかけやすかったのか、道や場所を尋ねられることも多くなりました。笑顔作戦は大成功です。昼からはみるみるガイドブックの余りも減り、その日の任務は終了しました。
そうして私たちの試みは成功したのですが、下級生たちは慣れない仕事に困惑したようです。後半には疲労のため笑顔が少なくなっていました。担当者から厳しい言葉をいただきました。「コンパニオンの仕事を知っていますか。彼女たちはハイヒールでまる1日立ちっぱなしでも、最後まで満面の笑顔を保持するのですよ。仕事とはそういうものです」と。笑顔の大切さを経験しただけに、この言葉は実感でき、仕事の厳しさを痛感しました。いい経験をさせていただきました。
ボランティア精神が支える市民まつり
国際観光学部1回生 岡優貴
国際観光学部では1回生を対象とした「観光実習導入」という実践的な授業があり、学生たちがフィールドワークに出かけることを勧めています。私はガイダンスで説明をいただいた堺まつりの仕事に興味を引かれ、ボランティアスタッフとして参加させていただきました。このたびの堺まつりは2013年10月19日と20日の2日間にわたって行われました。19日は来村多加史先生が専門演習の学生十数人を引率して会場イベントを手伝い、20日は清水苗穂子先生と和泉大樹先生が観光実習導入の1回生数十人を引率してパレードを手伝うことになりました。私は19日に参加し、来村ゼミ4回生・3回生の先輩方に混ざって活動をしました。堺まつりの運営拠点はザビエル公園の「なんばん市会場」と堺市役所前の「市民広場会場」に設けられ、私たちも2班に分かれました。私は同期の合田絵里奈さんや古屋佑果さんたちと共になんばん市会場のスタッフとなりました。会場となったザビエル公園内は、堺刃物コーナー・堺各地特産品コーナー・なんばんグルメコーナー・なんばん市ステージなど、来場者が楽しめるコーナーばかりで、盛りだくさんです。公園の周辺には専門業者の屋台も出ていて、町じゅうにまつりの賑わいが感じられます。
ボランティアの任務は、来場者に「総合ガイドブック」を配布すること、公園内の各コーナーを覚えて案内することの2点でした。ガイドブックをただ配るのではなく、笑顔で愛想よく出迎えることを心がけました。午前中に私と古屋さんの持ち場であった公園東側の出入り口付近では、企業PRコーナーの1つとして、JTが「ひろえば街が好きになる運動」という活動を行っていました。コンパニオンのスタッフが公園内に落ちているゴミや落ち葉を率先して拾っています。その姿を見て幼児園児や小学生ぐらいの子供たちも参加し、積極的にゴミを拾い集めています。子どもたちはふざけずに、一生懸命に取り組んでいます。彼らなりにボランティアの意味を理解しているのでしょう。にぎやかなイベントの一方で、こういう奉仕活動が行われていることに心を打たれ、「こちらも頑張らなければ」という気持をもってガイドブックを配布しました。
ボランティアの任務は、来場者に「総合ガイドブック」を配布すること、公園内の各コーナーを覚えて案内することの2点でした。ガイドブックをただ配るのではなく、笑顔で愛想よく出迎えることを心がけました。午前中に私と古屋さんの持ち場であった公園東側の出入り口付近では、企業PRコーナーの1つとして、JTが「ひろえば街が好きになる運動」という活動を行っていました。コンパニオンのスタッフが公園内に落ちているゴミや落ち葉を率先して拾っています。その姿を見て幼児園児や小学生ぐらいの子供たちも参加し、積極的にゴミを拾い集めています。子どもたちはふざけずに、一生懸命に取り組んでいます。彼らなりにボランティアの意味を理解しているのでしょう。にぎやかなイベントの一方で、こういう奉仕活動が行われていることに心を打たれ、「こちらも頑張らなければ」という気持をもってガイドブックを配布しました。
午後からは公園西側のステージ周辺に移動しました。ステージでは市民グループによるジャズダンスや「すずめ踊り」などの演技が行われ、大勢の来場者が長椅子に腰かけて楽しんでいます。配っている総合ガイドブックを見ると、すずめ踊りは仙台城築城に関わった石工衆の「はねっこ踊り」をルーツとして創作され、一説によれば約400年前、堺の石工たちが舞った踊りだと書かれていました。扇子を両手に持ち、力強く大きく身体を動かして踊る姿に迫力が感じられます。会場をよく見ると、私たち学生だけでなく、ボランティア協会の高齢者から保育園児まで、幅広い世代が共にまつりを支えています。その様子に市民まつりの意義を感じ、今後も末永く続けられることを確信しました。
最初にして貴重な体験ができました
国際観光学部1回生 合田絵里奈
10月19日(土)に行われた堺まつりに、ボランティアスタッフとして参加させていただきました。このような活動をするのは初めてです。国際観光学部に入学した当初から、いろいろな活動に参加したいと思っていましたが、勇気が出せず、なかなか一歩が踏み出せませんでした。そのような時に、仲のよい学生から「一緒に堺まつりに参加しないか」と声をかけられたのです。そのおかげで、有意義な体験をさせていただきました。感謝しています。
市民まつりは堺市役所前の市民広場とザビエル公園のなんばん市で開催され、私はザビエル公園でガイドブックの配布と道案内を担当することになりました。当日は曇り空で、ときおり雨も落ちてくるあいにくの天気でしたが、ひっきりなしに人が訪れ、雨空を吹き飛ばすようなにぎわいを見せていました。仕事に先立ち、運営本部の担当者からガイドブックの配布に当たっての注意事項が告げられました。「ボランティアの学生とはいえ、スタッフジャンバーを着ている以上、来られるお客さまは、あなたたちのことを堺まつりのスタッフとして見ています。苦情を受けないよう、きちんと対応してください」との厳しい言葉に気が引き締まります。
初めての慣れない仕事である上にそういう注意も受けて、最初はとても緊張しましたが、先輩や先生がとても優しく親切に接してくださったおかげで、そのうち緊張もほぐれ、任務に打ち込めるようになりました。「はたして受け取ってくださるのか」という不安をもって臨みましたが、いざ配り始めると、意外に快く受け取ってくださいます。立派なガイドブックに目が止まるのでしょうか。街角の広告チラシ配りでは、たぶんこうは行かないでしょう。受け取るときに「ありがとう」と言って下さる方もいて、励まされました。
市民まつりは堺市役所前の市民広場とザビエル公園のなんばん市で開催され、私はザビエル公園でガイドブックの配布と道案内を担当することになりました。当日は曇り空で、ときおり雨も落ちてくるあいにくの天気でしたが、ひっきりなしに人が訪れ、雨空を吹き飛ばすようなにぎわいを見せていました。仕事に先立ち、運営本部の担当者からガイドブックの配布に当たっての注意事項が告げられました。「ボランティアの学生とはいえ、スタッフジャンバーを着ている以上、来られるお客さまは、あなたたちのことを堺まつりのスタッフとして見ています。苦情を受けないよう、きちんと対応してください」との厳しい言葉に気が引き締まります。
初めての慣れない仕事である上にそういう注意も受けて、最初はとても緊張しましたが、先輩や先生がとても優しく親切に接してくださったおかげで、そのうち緊張もほぐれ、任務に打ち込めるようになりました。「はたして受け取ってくださるのか」という不安をもって臨みましたが、いざ配り始めると、意外に快く受け取ってくださいます。立派なガイドブックに目が止まるのでしょうか。街角の広告チラシ配りでは、たぶんこうは行かないでしょう。受け取るときに「ありがとう」と言って下さる方もいて、励まされました。
このようなイベントが行われると、下手をすれば辺り一面がゴミの山となります。ザビエル公園では「ゴミの分別について楽しく学んでいただこう」という趣旨で清掃活動が行われていました。まつりの開催に伴う公園のゴミをどう処理するか、ではなく、まつりを開催することによって公園を以前よりも美しくする試みです。積極的な姿勢に感心させられます。子どもでも安全かつ簡単にゴミが拾えるようなゴミバサミも開発されていて、この方面の活動が進んでいることも知りました。子どもたちも率先してゴミを拾っていました。
調べてみると、堺まつりは堺の歴史や文化、魅力を伝える行事であると謳われています。自由都市として中世から商業や工業が発達した堺では、今でも市民が「ものづくりのふるさと」であることを自負しています。その魅力を発信する堺まつりを発展的に続けるため、私なりにアイデアを出してゆこう。そう思わせてくれる一日でした。初めてのことで緊張しましたが、貴重な体験ができたことに感謝しています。