台北を歩き,夜市を極める(レポーター:松村嘉久)
総勢12名での合宿調査
台北での調査期間中の宿泊費・食費・調査活動費などは同支援事業から支出されました。窪堀・河嶌はヨーロッパ旅行帰りで1日遅れて立ち寄り,1日早く帰阪したので,松村先生も含めて延べで56泊のフィールドワークとなりました。宿舎はMRT圓山駅近くの快適な滞在型のホテル(圓山商務賓館Bentley Park Suites)で,松村はツインを独占,学生たちはツインかトリプルに入りました。1泊1人あたりで3,800円くらい。亜熱帯の台北は蒸し暑いが,このホテル洗濯機が各部屋のベランダに備え付けてあり大助かりでした。
夜市をハシゴして食べ歩こう!!
夜市の調査なのでやるべきことはわかりやすい。とにかく,数多くの夜市を訪ねて参与観察することが大切。つまりは毎夜毎夜,夜だけでなく昼間も夜市へ行き,観察しながらとにかく食べ歩く。わかりやすい目標として「体重5kgアップ計画」と松村が名付けました。5泊6日のフィールドワークで訪問した夜市は,大龍街夜市,延三夜市,臨江街観光夜市,華西街観光夜市,梧州街夜市,広州街夜市,西昌街夜市,寧夏夜市,双城街夜市(双城美食街),師大夜市,永康街夜市,士林観光夜市の合計12ヶ所でした。
ところ変われば夜市も変わる?!
しかしながら,美味しい「小吃」や台湾料理を食べ,マンゴージュースを飲み,夜市の賑わいを楽しむ点は共通しています。夜市だけでなく,生きているニワトリが売られているような,いわゆる一般的な市場もいくつか見学しました。台北では高級百貨店・コンビニ・市場などは多いが,不思議なことに,日本のようなスーパーマーケットをほとんど見かけない。その原因は何なのか。活気のある夜市と閑散とした夜市,その違いは何なのか。ホテルの1室に集まってのミーティングで話し合いました。
夜市調査は夜,ならば昼は…
松村も久しぶりに龍山寺界隈をじっくりと歩きました。かつての赤線地帯は閉鎖された店が多く,人通りは少なかった。ぼちぼちとインナーシティの再開発が始まったようで,新たな観光スポットやマンションなどが建設されていました。この他,台北市役所の関連部署を訪問し,台北駅近くの書店街で関連資料を買いました。
次回もし台北調査をするなら九分調査?!
さて,九分は急傾斜をうまく利用したコンパクトな街並みで,土産物屋やレストランや民宿が集積する一方で,お墓や民家なども数多く,魅力的な空間編成のところ。観光地としてのイメージも,メディア露出との関連で大きく変容しました。もし次に台湾で現地調査する機会に恵まれるならば,絶対に九分だ…,と私もゼミ生幹部も確信しました。
参加学生から寄せられた感想
佐藤有の感想
台湾の夜市文化も独特です。八角などの香辛料のニオイが漂う夜市は,たくさんの露店の電気で明るく,わくわくしました。夜市は日本で想像していたよりも,ひとつひとつの規模が小さいと感じました。「観光夜市」と名付けられているにもかかわらず,観光客は私たちだけ??…,というローカルで規模の小さな夜市もありました。
士林夜市以外では4日目に訪れた寧夏夜市が印象に残しました。日中は通行も疎らな道路なのにも関わらず,日が傾き始める頃からどこからともなく屋台が現れ,次第に活気を帯びてくる。約130もの屋台が並ぶ賑やかな夜市だ。屋台の横や裏には簡単なイートインスペースが設けられ,そこで食事を楽しむ人も多い。驚いたのはテイクアウト。日本では考えられないが,チャーハンだってラーメンだって,ビニール袋にそのまま無造作に詰めて持ち帰る。テイクアウト用の容器に入れてからビニール袋に入れるのではなく,ラーメンを具とスープと一緒にそのままビニール袋へ…。地元の人からすれば,まさにファストフード感覚なのであろう。
丸市将平の感想
笹部和平の感想
王穎・王雪の感想
夜市の数は多いが,規模は想像していたよりも小さかった。夜市によって人気メニューが違うそうだが,地元の人にしかわからないことも多い。夜市での主な消費者は外国人観光客ではなく,国内観光客や地元の台北市民である。外国人観光客に人気のある夜市は,海外の雑誌などでよく紹介されたところで,地元の台北市民によると,決して一番美味しいところではない,とのことであった。地元台北市民のお薦めは,寧夏夜市だった。
河嶌友紀の感想
夜市は観光化されているところもありましたが,私たちが訪問したほとんどのところは,主に地元の人が利用していました。ニオイも夜市屋台街は独特で,臭豆腐の臭いニオイが漂い,揚げ物や香辛料など色々なニオイがそれに混ざります。でも食べ物は美味しかった。
九分での山登りがとても印象に残っています。酸素が薄い感覚は初めてだったし,登りきった達成感は最高でした。ただ頂上からの景色が見えなかった…,残念。台北ではわずか3泊過ごしただけですが,様々な発見のある所だと思いました。機会があればまた行きたい。
窪堀愛子の感想
何より楽しかったのはやはり夜市。様々な食材が並び,客を呼び込みながらおばちゃんたちが調理する様は,迫力満点でした。どこの国でもおばちゃんパワーは凄いなと感じました。外国人観光客にとっても,食材の新鮮さと調理の過程が自分の目で確かめられ,地元の人々との交流も期待できる夜市は,魅力的なところであり間違いなく貴重な観光資源となっていました。
多田恵理の感想
私,若松君,仲田さんの3名は,2008年夏の韓国慶州調査に引き続き,松村先生の海外フィールドワークに参加させていだきました。異文化に触れるのはとても楽しく,街を歩いているだけで色々と学ぶことがあります。
若松大智の感想
台北最大の士林観光夜市では,昼間は野菜や魚など生鮮食品を売っていた市場が,夜になるとそれらが全部撤去され,土産物屋に変わっていたのには驚きました。昼と夜の街の様子が全く異なり,早朝から深夜まで人で賑わっていました。早朝から日中は主に地元の人たちが,夕方からは仕事帰りの台北市民,台湾各地や海外からの観光客が利用していました。
私は阪南大学に入ってから韓国に3回行き,「海外と言えば韓国」という感覚になっていましたが,国が違えば文化も違い,台湾の良さがよくわかりました。今後も色々な国へ行き,異文化を感じてみたいと思いました。
仲田美穂の感想
昨年夏は韓国に行きましたが,韓国では韓国独特のニオイを,台湾でも台湾独特のニオイを感じました。留学生の王穎さんによると,台湾のニオイは中国大陸のニオイとは微妙に違うそうです。市場は特にそのニオイが強烈なところ。日本はいったいどんなニオイがするのだろう??
マウン・キントゥザーの感想
今回,台北の調査に参加してとても良かったと思います。最初は不安もありましたが,先輩たちも優しかったし,知らないことも丁寧に教えてくれたので,毎日が楽しかったし仲良くなりました。またこういう機会があったら是非参加したい。
台北でのフォトギャラリー(全て松村撮影)
到着初日の夜,ホテル近くの夜市へ
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とりあえず蒸し餃子と小籠包
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マンゴーたっぷりのかき氷
故宮博物院は行かなあかんやろう!!
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ここは必見,院内は撮影禁止
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台湾少数民族についても学ぶ
昼間の市場
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屋台の人も仕入れに来る士林市場
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新鮮なニワトリ?!
臨江街観光夜市にて その1
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日本と何か違うが美味しいおでん
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小物も豊富でレディースはスイッチオン
臨江街観光夜市にて その2
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服飾・小物の屋台エリア
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食べ物の屋台エリア
龍山寺界隈 その1
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龍山寺の門前にて
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龍山寺近くの市場
龍山寺界隈 その2
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かつての赤線地帯はレストラン街に
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華西街観光夜市のゲート
龍山寺界隈 その3
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昼間の梧州街観光夜市
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移動式の屋台だが出店するところは決まっている
寧夏夜市にて
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台北名物・牡蠣の卵とじ
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台北の香りが漂う料理の色…
九分での登山 その1
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登山口あたりの展望台にて
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8合目くらいまでは快晴でした
九分での登山 その2
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頂上にて視界最悪,誰や雨女は…,遭難やん
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下山途中に晴れ九分市街地を一望
九分にて その1
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何これ?? 美味しそう
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中元節(お盆)のお供えブタ
九分にて その2
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たまたま入ったレストラン
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アヒルの茶葉煮込み,美味かった
九分にて その3
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レストランの屋上で,基隆港が見える絶景
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黄金博物園で坑道に入る
九分から基隆へ
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日帝時代の金の精錬所跡
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基隆あたりの美しい海岸線
士林夜市にて その1
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夜市の入り口
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活気ある厨房
士林夜市にて その2
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臭豆腐に挑戦しました
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入り口近くの繁盛店
士林夜市にて その3
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ワンタン麺が美味い!!
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台湾B級グルメの見本市のよう
双城美食街にて
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オフィス街にあり昼も営業
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イートインスペースもある
師大夜市にて
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師大夜市のおでん屋の仕込み
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街中に日帝時代の古い住宅が…
永康街夜市にて
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昼間はレストラン街
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人気店は昼からにぎわう