その1:現代中国学会関西部会を仕切る!!(6月5日,レポーター:松村嘉久)

昨年に続き今年もお願い…(写真は高速道路がビルのなかを通過する学会会場近くの不思議な景観)

 日本現代中国学会の理事長は,松村の大学院時代の恩師である佐々木信彰先生(元・大阪市立大学経済学部教授,現・関西大学経済学部教授)が務めていらっしゃいます。その縁もあって,松村は同学会関西部会事務局のメンバーとして活動させていただいています。昨年の現代中国学会関西部会(2009年6月13日)に引き続き,今年6月5日(土)に開催された関西部会も,関西事務局の先生方の指導のもと,松村ゼミに受け付けから会場の設営・仕切りまでを任せていただきました。
 会場は梅田の摂南大学大阪センター,集合は8時半。参加者は80名くらい。この日は,松村ゼミ3・4回生の精鋭8名が集まりました。ボランティアで参加したいと申し出た学生はもう少し多かったのですが,学生バイト料がいただけるとのことだったので,必要最小限に近い人数にまで絞り込みました。
 松村は朝一番から「中国北京における出稼ぎ労働者・住宅困窮者・ホームレス」とのタイトルで学会発表するので,ゼミ生たちは関西部会事務局の先生方の指示のもと,テキパキと動き,準備を進めました。関西部会は大きなトラブルもなく盛会のうちに終了しました。シンポジウム会場でマイク回しを担当したゼミ生は,「議論が白熱して,本気でケンカしているみたいでびっくりしました」とのこと。関西の学問的土壌は,学会会場では徹底的にやりあって,懇親会でさらに白熱し,最後は仲良く握手して分かれるところにあります。私もそういう環境に育てられました。
 学会も結婚式場も街歩きツアーも仕切る心構えは同じ。場の空気を読んで自分がどう動けばいいのか考え行動することです。事務局の先生方からは「合格。本当によく気がつき,動いてくれる学生さんたちですね。」と褒めていただきました。

その2:インド人学生とボランティアガイドで交流を深める!!(6月12日,レポーター:高橋はる香)

誰か参加するか??

 6月12日土曜日,松村ゼミの4名(高橋はる香4年・茶谷みなみ4年・タン=イーヘン3年・井上咲季2年)が,インド工科大学のインド人学生の大阪視察をボランティアとして案内してきました。松村先生によると,松村ゼミのホームページ記事を閲覧された(財)日本国際協力センターの方から,「インド人学生の大阪視察をボランティアで案内してくれる学生を紹介していただけませんか」,との連絡が突然入ったとのこと。松村先生からゼミの連絡メールで「突然やけど,誰か参加するか??」と希望者が募られ,先に述べた4名が名乗りをあげ実現しました。
 (財)日本国際協力センター(以下JICE)は,国際協力や国際交流などの事業を行っている財団法人です。今回私たちが案内したのは,国際交流プログラムのひとつである「21世紀東アジア青少年大交流計画」を利用して来日したインド工科大学のから学生さんたちでした。毎年5千人を超えるアジアからの学生や青少年たちが,この事業で日本に招聘されているそうです。
 松村先生からのお誘いのメールを受けて,私は真っ先に参加を希望しました。その理由は,私が海外旅行中に出逢った多くの旅人たちが,「一番良かった国」との問いに決まって挙げるのが「インド」で,一度はインドに行ってみたい,インド人と交流してみたいと思っていたからです。

予定はがっちり!! パナソニックでびっくり!!

 予定は千里阪急ホテルに8時半集合し,その後にパナソニックセンター大阪を視察して,インドレストランでランチを食べ,大阪城を見学するというコースでした。インド工科大学の学生は14名(うち女性2名),案内する側は私たち4名と大阪大学大学院男子院生1名,JICEのスタッフ2名だったので,総勢21名でした。
 外国人向けの街歩きには慣れている私も,初対面では少し緊張しましたが,パナソニックセンターのある京橋へ向かう電車内での会話で緊張は解け,話は弾みました。彼らの日本滞在は約10日と短く,主に大学との交流,日本企業の訪問などでスケジュールが埋まっていて,大阪滞在は3日間,大阪大学との交流や奈良観光が予定されているとのことでした。
 パナソニックセンターの展示は,どれも最新技術ばかりで,最近話題になっている3Dテレビも皆で体験しました。工科大学で勉強している学生なので,皆さんパナソニックの技術や製品にとても興味を示されていました。何よりも案内した私たちも感動しました。
 ランチタイムはインド料理店のアルナーチャラムへ。ベジタリアン席と普通席の二つに分かれ,ランチが来るまでアドレス交換をしたり,インド料理の話で盛り上がりました。ランチはナン・カレー・チキン・サラダ・ライスのプレートで,とても美味しかった。インドでは右手を使って食べるのがマナーとのことで,私たちもインド人学生のしぐさを手本に挑戦しました。

インドは多様な国…

 ランチ後は大阪城へ。「暑い,暑い」と悲鳴をあげる私の横でインド人学生たちは余裕の表情。「インドはもっと暑いよ」とサラッと言われました。大阪城へ行く途中の会話でインド事情を聞きました。
 インドは多様な宗教・言語・文化が共存していて,今回訪日した学生もそれぞれ宗教が違い,英語・ヒンディー語以外にローカルな州の方言を話せる方もいるとのことでした。インド工科大学は,インド中部の都市ハイデラバード(Hyderabad )にあり,学生には寮生活が義務付けられているそうです。休みの日はゲームをしたり,パソコンをしたりする学生が多かった。女子学生からは「日本ではなぜエンジニアになる女性が少ないの?」と質問され,インドの結婚のシステムなど恋愛話でも盛り上がりました。印象的だったのはある学生が,「インドに来る観光客が興味を示すのは,インドの貧富の『貧』の部分だけだ」と言ったことでした。
 そして,一番意外だったのは,日本が誇る「SUSHI」を全く知らなかったことでした。「日本食は食べた?」との恒例の質問に,答えは全て「NO」。彼らの滞在プログラムでは,ホテルでの朝食以外は全てインドレストラン。宗教上の問題には配慮しなければならないでしょうが,日本食にも是非ともトライして欲しいところです。私たちがインドに行って,カレーを全く食べず,存在すら知らないなんてあり得ない…。

日本橋に行こう!!

 楽しい時間は過ぎるのが早く,あっという間に解散する16時になりました。しかし,私やゼミのメンバーは,彼らにもっともっと大阪を知ってもらいたい,と感じていました。スケジュールがびっしり詰まった日本滞在,彼らのために何か出来ないのか。率直に彼らにどこに行きたいのと聞いたところ,大半の学生が電気屋で買い物をしたいとのこと。ならば,私たちが夕食までの2時間を利用して,日本橋を案内しようということになりました。当然,参加は自由。JICEスタッフが夕食時間とホテルまでの帰り方を説明され,「スタッフと帰る人は?」と聞いたところ…見事に0名。結局,インド人学生全員が日本橋へ向かうことになりました。
 残念ながら与えられた時間が少ない。アニメが好きの学生がいたため,まずはアニメグッズのあるお店へ。フィギュアなどを購入していました。その後は某大型電気店へ行き,デジカメや時計を見て回りました。楽しい自由時間はもっとあっという間。難波駅へ向かい,彼らの帰り方を確認してお別れ。全員がお互いにかたい握手をして,いつかまた会えることを願いました。

松村先生からの一言

 インド人学生との交流,お疲れさまでした。有意義な時間が過ごせたようで何よりです。人との付き合いで大事なのはもてなしの心,相手をおもんばかり行動することが大切です。今回のインド人学生,良い息抜き,良い国際交流になったことでしょう。JICE職員には迷惑だった…??。
 6月12日の土曜日,松村は新今宮TICにて東京から視察に来られた大学関係者の対応があり,インド人学生らは高橋さんらに丸投げしました。翌13日からは2泊3日で北海道旭川出張,と風邪気味の身体を酷使しました。でも,忙しくても,知的な刺激があって楽しい方がいい。体調も声もボロボロでしたが,旭川ではとてもいい人たちと出会え,有意義な議論ができました。またゼミで話します。
 時に,はる香。インド人学生を案内した後,もしかしたら,新今宮へ帰って,茶谷みなみの誕生日を祝い,皆で盛り上がった??? 気になる証拠写真(お好み焼き『西成わだ』店長ブログより引用)があるねんけど…。

その3:金城学院大学との共同街歩きツアー近づく!!(レポーター:勝元暁美)

準備万端,後は当日20日を待つのみ!!

 第3回外国人向け街歩きツアーが迫ってきました。6月20日(日)に名古屋の金城学院大学の日野みどりゼミと共同で実施します。行き先は住吉大社・堺市方面,松村ゼミではお馴染みのコースですが,今回は金城学院大学とのジョイントでの実施です。
 すでにゲストハウスのロビーには手書きポスターを張り出し,チラシの配布と参加者勧誘もお願いしました。ゼミ生による下見も終わり,後は当日を待つのみです。
 金城学院大学の女子学生12名は,引率する日野みどり先生とともに,19日(土)に大阪に到着予定。日野先生は松村先生の中国研究・フィールドワーク仲間で,先日開催された現代中国学会関西部会でもご指導いただいた方です。19日は松村先生の案内で,松村ゼミ有志とともに鶴橋・コリアタウン界隈をフィールドワークする予定です。その後,日野ゼミは新今宮へ移動して,ホテルセレーネに宿泊し,翌日20日の街歩きツアーに臨みます。

その4:異業種交流会に松村先生とゼミ生有志が参加(レポーター:仲田美穂)

大阪日日新聞の取材を受ける!!

 6月17日(木)は松村先生からのお誘いがあり,充実した1日を過ごしました。
 まずは,14時に新今宮TICに松村先生・丸市将平先輩と私が集まり,大阪日日新聞の記者から,TICの活動やまちづくりへの取り組みについて取材を受けました。この日,松村先生は風邪のため鼻声で喉も不調,「熱ないから頭は動くねんけど,しゃべるのが辛い…」とのこと,私たちが松村先生をフォローしました。取材は1時間少しで終わりいったん解散。松村先生はホテルセレーネにチェックイン,休息されたようです。

異業種交流会へ!!

 次の集合は,18時10分にJR天王寺駅北口のミスタードーナッツ前。集合したのは,松村先生・丸市先輩・仲田・橋本果奈・勝元暁美の5名でした。行き先は,大阪商工会議所天王寺・阿倍野支部主催の異業種交流会経営サロン。この日は松村先生が「新今宮観光インフォメーションセンターの意義と可能性」とのタイトルで講演されます。
 「途中で声が出えへんようになるかもわからん。その時は,美穂がフォローしてや。」と松村先生から私に講演会のパワーポイントのコピーが手渡されました。「えぇ,私が…ですか?? どんな会なんですか??」
 「俺も初めて行くから,ようわからん。声が飛んでもうたら,洒落にならんから,ホンマに頼むで。」とのこと。
 会場には,年齢層も仕事もバラバラな個性的な方々が15名(女性2名)集まり,私たち5名を加えて20名でした。この日の講演は,参加者の一人であるKANADECRAFTの西野秀幸氏が,ネットでライブ配信するとのこと。会場の雰囲気を感じとられた松村先生,非常用のスイッチを入れられたようで,持ち時間の60分間,元気にしゃべり続けられました。
 講演後は,参加者個々人が感想や意見を述べることになっていて,私たちにも発言が求められました。あたふたしながらも,全員なんとかクリア。「尽きない話はその後の懇親会で…」となり,JR天王寺駅北側のとある居酒屋さんへ,会場にいたほぼ全員が移動。私たち学生もご一緒させていただきました。
 松村先生は「茶臼山を古戦場跡にする会」の川村真章氏や「大阪城甲冑隊」の河井計実氏と,私たちは税理士・デザイナー・社会保険労務士の方々と盛り上がりました。楽しく有意義な懇親会は22時過ぎに,大阪じめでおひらきとなりました。

松村先生からの一言

 肉体的には辛かったけど,精神的には刺激を受け充実した1日でした。フラメンコギターの第一人者パコデルシアは,ジャズやロックのギターリストとの交流で,独自の音楽世界を築き上げていきました。異業種交流会にはそれと同じような緊張感があり,互いに触発しあうものがあります。自分の殻は自分ではなかなか壊せないが,異業種と交流することで意図も簡単に打ち破れることがあります。大事なことは変わることに憶病にならず,そういう変化を促す環境に自ら飛び込んでいくことです。