2012年7月14日(土)新今宮TIC報告(レポーター:3回生 CUI YUANYUAN)

【スタッフ】井上咲季(4)☆・CUI YUANYUAN(3)◎・WU XIAOTING(3)
☆はENGLISH LEADER,◎は報告者,( )内は学年。
【利用者】6組8名。うち5組7名は外国人で,オーストラリア・香港・オランダからの方々でした。
【来訪者】松村先生・いつも資料を持ってきてくれる地域の方

 昨日13日の平野郷でのまち歩きツアーは,時々大雨が降り大変でしたが,今日は昨日とは違い晴れて蒸し暑い1日でした。新今宮TIC前の人通りはあまり多くなく,利用者も少なかった。スタッフは3名,松村ゼミでたぶん一番英語の上手い井上先輩がいたので,英語対応は全く問題ありませんでした(写真は鶴橋コリアンタウンのまち歩きツアーの下見:2012年7月5日)。
 朝の最初の利用者は,昨夜のまち歩きに参加したオーストラリア人男性でした。連泊するつもりだったゲストハウスが,連休の土曜日ということもあり予約で満員,連泊できなくなり困って相談に来られました。連休の土曜日で京都の祇園祭も重なり,新今宮界隈のゲストハウスはおそらく,どこも満室状態のところばかり。新今宮TICの隣のホテル中央も,ホテル中央セレーネも満室。私たちはパンフレット『大阪の安い宿』を渡し,ここに載っているゲストハウスをひと回りしてキャンセル待ちするしかない…,とアドバイス。

 このオーストラリア人男性は昼前に,「ホテル東洋でキャンセルが出て,部屋が見つかった」と再来され,「部屋が決まったので安心して観光できる。今から行けるところでどこか良いところはないか。」と尋ねられました。彼が行ったところと今後の予定を聞き,みんなで相談して,「奈良がいい。」と奈良市街地の観光をお薦めしました。つい先日,奈良のまち歩きを紹介する英語のフリーペーパーが,新今宮TICに届いたので,それを渡しました。この方は,7月15日(日)の鶴橋コリアンタウンのまち歩きツアーにも参加されるとのことです(写真はまち歩きの最終打合せの様子:2012年7月12日)。
 昨夜の平野郷まち歩きツアーに参加した香港人男性も,15日のツアーの参加申込書を持って来られました。彼はFACEBOOKで昨夜のまち歩きツアーについて,「すごく雨が降ったけど,ツアーに参加して良かった。」と書かれていました。このまち歩きツアーの様子については,松ゼミWalkerで紹介される予定です。

瀬戸内海の島々を巡りたいオランダ人家族(レポーター:4回生 井上咲季)

 7月14日の午後,オランダ人男性が新今宮TICに旅の相談に来られました。家族で岡山県の離島に行きたいが,日本語がわからないので,問い合わせもできなくて困っている,という内容でした。彼はホテル中央に宿泊するフリスビーのオランダ代表選手でした。国際大会が終わり,同伴で来日した家族とゆっくり日本を楽しもうと,奥様がロンリープラネット(LP)を読んでいたところ,瀬戸内海の離島の紹介が気に入り,家族で行こうとなったそうです。
 本来,新今宮TICはホテルや民宿の情報を調べて提供するだけで,その予約や手配は利用者自身に行ってもらいます。ところが,今回の場合は,全く日本語がわからない方で,日本語以外の情報がほぼない観光地でした。それに私は岡山県倉敷市の出身,地元の岡山へ行きたいという外国人と出会い,何とか力になりたいと思いました。そこで松村先生に相談して,今回は特別,私たちが宿泊先に電話して事情を説明することになりました。

 LPに掲載されていたホテルに電話するとすでに満室。そこで,白石島のローカルな民宿を探すと,ビーチに近くとてもリーズナブルなところがありました。電話してみると,とても親切な民宿で,外国人もたまに来られるようで大歓迎とのことでした。
 その民宿の情報を伝えると,「妻と相談してくる…」とホテル中央へ帰られました。数分後,今度は奥さんと寝起きのお子さんを連れて再来,細かい情報を確認してからその民宿を予約され,お礼にとアムステルダムのポストカードをいただきました。
 後で調べたのですが,白石島は岡山県笠岡市に属する瀬戸内海の島で,とても景色が良く,海水浴も楽しめるところでした。地元岡山に行きたいという外国人がいて,その外国人の旅を手助けでき感謝され,とても嬉しい1日となりました。

松村先生からのひと言

 旅行業法や通訳案内士法などの規制で,新今宮TICで行えるサービス内容は,かなり制限されます。海外のTICでは,例えば,ホテルやチケットの手配で手数料収入を得て,それが運営費の一部になっているところもあります。日本のTICでそのようなところは,おそらく皆無に等しいことでしょう。日本では,公的機関か半官半民で税金を使って運営するか,私たちのように,ボランティアベースで運営するか,この二つが中心です。
 新今宮TICでも,将来的には,旅行代理店へ就職して経験を積んだOBやOGを呼び戻し,正式な3種旅行代理店としての営業許可を取得し,ボランティアベースでなく独立採算で運営できる方向性を模索しています。チケットのブッキングができれば,その手数料収入だけでもかなりの額になると思います。
 新今宮界隈が外国人旅行者で溢れかえるようになれば,充分実現できる夢であり,大学が支援する学内ベンチャー企業として立ち上げれば,話題性も高く在校生の就職先にもなるのでは…,とボチボチながら本気で考えています。

7月15日(日)新今宮TIC報告(レポーター:4回生 山崎育美・4回生 高橋菜央)

【スタッフ】高橋菜央(4)☆・山崎育美(4)◎・川原美穂(4)・松川和矢(2)
☆はENGLISH LEADER,◎報告者,( )内は学年。
【利用者】15組30名。うち10組22名は外国人で,韓国・アメリカ・台湾・コロンビア・スウェーデン・メキシコの方々でした。
【来訪者】清水ゼミのみなさん6名,吉兼秀夫先生と阪南大学大学院生2名,松村ゼミ3・4年生ほかまち歩きツアー参加者たち多数

 今日は7月入ってからの2回目の松村ゼミ・新今宮TIC主催のまち歩きイベント「鶴橋コリアンタウンツアー」の日でした。朝からとても暑い1日でしたが,三連休の最中ということもあり,新今宮TIC前の人通りも多いように感じました。フリスビーの世界大会が終わり,バカンスモードに入った外国人選手も,新今宮界隈にあふれていました。
 まち歩きツアーは外国人参加者を連れて,13時前にはスタート(写真はまち歩きツアー出発前に混みあう新今宮TIC)。新今宮TICスタッフだった1回生の松川君もツアーに同行したので,昼からは4回生3名で新今宮TICを守りました。
 まち歩きツアーは松村ゼミの学生にとっての晴れ舞台,外国人と楽しい時間を共有できるので,基本的にゼミ生たちはまち歩きツアーに参加したがります。今回,事前に新今宮TICの運営スタッフに入る予定だったのは,私と松川君の2名のみ。3回生は経験を積むため,全員まち歩きツアーに参加。結局,4回生全員でジャンケンをして,負けた高橋さんと川原さんが新今宮TICに居残ることになりました。(以上,山崎育美)
 新今宮TICの利用では,ホテル中央セレーネで合宿していたフリスビーのコロンビア人選手たちが,2回ほど来られました。「泳げるビーチへ行きたい。」「ユニバーサルスタジオジャパンへ行きたい,その近くで泳げるか。」「海遊館は海に近いだろう,泳げるか。」などなど,たくさんの質問を受けました。

 泳げて楽しめるビーチなら須磨海岸,近場なら二色浜とすすめました。「この辺りにはフリーで見られるストリートのショーはないのか?」の質問には困りました。最近松村ゼミで大人気の大衆演劇のオーエス劇場をすすめましたが,「入場料1,300円か…,フリーではないのか…」と残念そうでした。
 数名でカウンターに来られて,スペイン語でお互いに相談しつつ,そのうちのひとりが代表で頑張って英語で質問する…といった感じでした(写真の手前はチェックアウトしたオランダ人選手,奥はこれからバカンスを楽しむコロンビア人選手)。
 昼過ぎに来られたスウェーデン人男性は,京都の祇園祭の情報を詳しく尋ねられました。新今宮TICには京都のMAPもあるので,それを差し上げて,いつくらいにどの通りを山鉾の行列が通るのか,ネットで調べて丁寧に説明しました。それと,とにかく人出が多くて暑いので,Take care of yourself! とアドバイスしました。7月24日・25日は,大阪で天神祭があります。新今宮TICの運営日とは重なりませんが,問い合わせが多いことでしょうから,しっかりと調べておきましょう。(以上,高橋菜央)

松村先生からのひと言

 祇園祭は確かに世界ブランドですが,とにかく見るのが大変。私は長い学生時代,中国の雲南省や貴州省にて,数多くのお祭りを見学した経験があります。その経験から語るならば,祇園祭のような有名で大規模なものよりも,私たちがツアーで連れて行くようなローカルなお祭りの方が,地元民との交流もあり,絶対に楽しく面白い。
 毎年この時期になると思うのですが,大阪の夏(7・8・9月)は同時多発お祭り。毎週土日になると,大阪の各地で盆踊りが開かれ,だんじりが走り回り,花火大会もあります。この状況を早く観光資源化しなければいけません。「夏になったら大阪へ行け,大阪へ行けば必ずお祭りと出会える!!」。このようなイメージができれば,日本国内はもとより,東アジアから大阪へという旅人の流れが形成されることでしょう。