9月3日(月) 新今宮TIC報告 (レポーター:4回生 昌山志保)

【スタッフ】昌山志保(4),橋田翔子(2),兪穎伶(4,午前中のみ)
【利用者】7組10名。このうち3組3名が外国人で,スイス,イギリス,フランスからの方々でした。来訪者はいませんでした。
 今日のTICスタッフは,予定していた4人のうち,急遽2人が来られなくなり,私と2回生の橋田さんの2人で運営することになりました。ゼミ連絡網で応援を頼んだところ,急な呼びかけにも関わらず,4回生の兪穎伶が「午前中の予定は空いている」,と手伝いに駆けつけてくれました。

 8月末から利用者が少なく,ランチブレイクを利用すれば,2回生ながら経験豊かな橋田さんとなので,二人でも充分運営できるのですが,新今宮TICの運営は,少なくとも3名体制が基本です。
 スタッフも色々な理由で来られなくなることがあるかと思います。でもその際は,とにかく早く,行けないということが分かった時点で,自分で代役を探すか,ゼミ連絡網で事情を説明して,応援を要請してください。
 午後から2人で運営したのですが,橋田さんがいつもに増して,積極的に利用者対応してくれました。今の2回生では,橋田さんがたぶん最も早くから最も多く,TICスタッフとして活動してくれていて,英語でのコミュニケーション力にも磨きがかかってきたので,もう安心して任せられます。外国人利用者の問い合わせも,簡単なものばかり,大きな問題もなく,1日が終わりました。

松村先生から脱線気味のひと言@イスタンブール

 松村ゼミの鉄則のひとつは,自分のスケジュールは,自分で責任を持ってしっかりと管理することです。
さて,私は,人間とは不平等でもあり,平等でもある存在だと感じています。不平等だと感じるのは,生まれた家がお金持ちか貧乏か,円満な家庭か無茶苦茶な家庭か,それが自分の意志では選べない点です。
 逆に,とてつもなく平等だと感じるのは,どんな家庭に生まれようが,どんな境遇で育とうが,生まれてくるときは絶対にハダカで空っぽ,それからの人生はみんな,1年365日で1日24時間は同じ,そしていつかは必ず死ぬというのも同じです。

 要するに,万人に平等な時間をどのように使い,どのように生きるのか,全てがそれにかかっています。悲しいかな人間はいつ死ぬのかわからないので,大きなビジョンを描くことも大切ですが,それは必ずしもあてになりません。なので,今をどう生きるのかに傾注しながら,その延長線上で将来を見据えて行くべきです。
 自分で考えて自分の意志で選び,自分で飛び込み精一杯やっていれば,例え,道半ばで力尽きても,少なくとも納得でき後悔はしないと思います。話がかなり脱線しましたが,自分のスケジュールをしっかりと管理するのは,その大切な第一歩だと思ってください。

 自分にとって,TICスタッフよりも重要な予定が入ったら,それは絶対的に尊重するので,遠慮なくそちらを選んでください。体調不良でどうしょうもない場合もそうですが,自分で判断すると同時に,責任を持って事後の対策や応援要請を行ってください。ゼミのネットワークで必ず何とかなるし,何とかならなくても何とでもなるものです。その判断と行動,それへの反省の積み重ねが,人間を育て人格を形成していきます。
 ところで,十数年ぶりに訪れたイスタンブールは,驚くほど大きく変容していました。さすがに世界を代表する国際観光都市,レベルの高い観光資源がとても分厚くコンパクトに分布していて,街そのものが国際観光学を学ぶ格好のテキストです。
 安くて良いホテルやレストランも見つけたので,トルコ・イスタンブール,ぜひ卒業旅行の候補地にしましょう。

9月4日(火) 新今宮TIC報告 (レポーター:4回生 高橋菜央)

【スタッフ】高橋菜央(4),谷河里香(3),安居かおり(関西外国語大学4)
【利用者】1組2名。マレーシアからの方々でした。来訪者はありませんでした。
 今日は関西外国語大学4回生で私の友人の安居かおりさんが,TICに助っ人として参加してくれました。安居さんはカナダへの長期留学経験があり,英語がバッチリなので,英語リーダーを務めてもらいました。

 新今宮周辺に来るのは初めてという安居さんに,TICのことや地域のことなどについて説明しました。午前中は利用者がなかったので,ランチブレイクを利用して,みんなで通天閣方面へ向かい,食べ歩きMAPを見ながら歩き串かつの「だるま」で食事しました。
 お昼過ぎにマレーシアのカップルが来られ,「おすすめのローカルフードを教えて欲しい」との問い合わせでした。たこ焼き,うどん,串かつと新今宮には色々あるのですが,私たちがいつもよく利用するお好み焼きの「狐狐Coco」をおすすめしました。

 今日のスタッフの谷河さんは,この8月,マレーシアを旅したこともあり,会話が弾みました。とても感じの良いカップルで,一緒に写真を撮らせていただきました。
 せっかく安居さんに参加してもらったのですが,今日は利用者が少なく残念でした。安居さんから聞いて驚いたのですが,関西外国語大学には私たちのゼミに相当するものがないらしく,松村ゼミの活動にとても興味を持ち,「ぜひ,また参加したい!」と言ってくれました。
 最後に,今日から記録ノートが30冊目に突入しました! 先輩たちから引き継いだ記録ノート,これからもしっかり続けていきましょう。

松村先生からのひと言

 かつて何度か関西外国語大学から助っ人に来てもらったことがあります。安居さん,ご協力ありがとうございました。ぜひ,また来てください。
 記録ノートは30冊目か…,確か1冊目のノートを100均へ買いに走ったのは,7代目の石橋涼子だったのでは…,「継続は力なり」貴重な財産です。

9月5日(水) 新今宮TIC報告 (レポーター:3回生 谷河里香)

【スタッフ】内田裕規(4),谷河里香(3),清水翔平(4),新田麻紀(4)
【利用者】2組3名。全て外国人で,スイス,イングランドからの方々でした。
【来訪者】フランス国立東洋言語文化大学のパスカル先生,濱中勝司(OB),橋田翔子(2)

 大衆演劇の立て看板,9月公演のポスターに変わっています。9月の朝日劇場は,松村先生も好きな里見要次郎座長の公演です。「チケットは売っていません」という但し書きも足してあります。
 さて,本日最初の問い合わせは,スイスからの利用者で,「マスターカードが使える銀行はどこ?」というものでした。確認するとマスターカードで現金を引き出したいということでしたので,Q’s MALL内のセブン銀行ATMを紹介しました。この方は,これから,奈良観光に行くとおっしゃっていました。
 12時過ぎ,イングランド人の2人組が,「ホテル太洋はどこ?」とやって来られました。ホテル太洋はTICの道路向かい,表に出て指差すと,「こんなに近くまで来ていたのか!!」という感じの反応でした。とても大きなバックパックを背負っておられ,今まさに新今宮に到着しました,という感じの方々でした。
 来訪者にカウントしましたが,この夏,何度もTICをご利用いただいているフランス国立東洋言語文化大学のパスカル先生が来られました。大衆演劇にも非常にご関心を持たれていて,フランス人旅行者のため,大衆演劇のため,何か貢献したいと思われているそうです。松村先生と色々ご相談したいとのことでしたので,松村先生のお名刺をさしあげ,直接ご連絡していただくよう伝えました。日本人よりも日本語の上手いとても素敵な白髪の紳士です。松村先生,よろしくお願いいたします。

松村先生からのひと言

 パスカル先生へはイスタンブールから,9月7日に新今宮TICでお待ちしていますとのメールを,何語で送っていいのかわからず,フランス語は全くできないので,とりあえず英語で書いて送りました。私も何度かTICでお見かけしたのですが,正式にご挨拶をかわすこともなく,ぜひゆっくりとお話ししたいと思っていました。

9月6日(木) 新今宮TIC報告 (レポーター:3回生 WU XIAOTING)

【スタッフ】昌山志保(4),WU XIAOTING(3),CUI YUANYUAN(3)
【利用者】3組8名。このうち2組7名が外国人で,台湾,チェコからの方々でした。来訪者はいませんでした。
 今日は終日曇り空で,少し涼しくなりました。最初の利用者は台湾から来られたグループでした。京都の祇園四条への行き方と,ここから京都行のバスが出ているのか,などを質問されました。私はCUIさんとでどのような観光をする予定なのかを伺い,するっと関西2dayチケットか3dayチケットをあるので,それを使って,地下鉄御堂筋線と阪急電車で京都河原町駅への行き方をおすすめしました。

 お昼過ぎ,日本人男性が一人で来られ,「このへんのハローワークはどこですか?」と聞かれました。新今宮TICは観光情報を提供するところなので,このような質問があると,どう対応したらいいのか困ります。昌山先輩が南海新今宮駅近くの「あいりん労働福祉センター」を紹介されました。果たしてここで良かったのか…。
 14時半頃,チェコからのカップルが,大阪の地図が欲しい,何か歴史的な建物を見に行きたい,と来られました。大阪には1日滞在するだけとのことで,もう時間があまりないので,私たちは大阪城をおすすめしました。とても素敵なカップルで,一緒に撮影させていただきました。

松村先生からのひと言

 この報告メールはイスタンブールで受信し,関空行の帰りの飛行機(12時間)のなかで,このひと言を書いています。
 さて,各鉄道会社が発行するお得チケット,なかには外国人旅行者しか購入できないものもあります。上手く使いこなすと,とてもお得なものも多く便利です。
 季節によっては発売されていなかったり,購入場所や購入条件が限定されているものもあります。この手のお得チケットの類は,定期的に情報を収集して共有するようにしておきましょう。

9月7日(金) 新今宮TIC報告 (レポーター:1回生 竹村磨美・1回生 中川光華)

【スタッフ】清水翔平(4),内田裕規(4),竹村磨美(1),中川光華(1)
【利用者】1組3名。インドネシアからの方々でした。
【来訪者】加藤宏実(4),高橋菜央(4),小林志帆(4),小路望(4),大宅和佳(3),松村先生,テレビ大阪の穴倉さんと西村さん,フランス国立東洋言語文化大学のパスカル先生,西口宗宏OIG委員長,再びテレビ大阪の穴倉さんと西村さんの計12名。
 午前中,松村ゼミの4回生と3回生の先輩方がTICに集結し,後期のゼミ活動について,色々と相談されていました。途中から松村先生も加わり,社会人基礎力育成グランプリ2012に出場するのかしないのか,西成ライヴエンターテイメントフェスティバルを具体的にどう行うのか,キャンパスベンチャービジネスグランプリには参加するのかどうか,などなどを真剣に話されていました。
 昼前に,テレビ大阪のスタッフが近々行われる予定のロケ取材の下見と打合せのため来訪され,松村先生と色々ご相談されておられました。

 午後2時半前,フランス国立東洋言語文化大学のパスカル先生が,松村先生を訪ねて来られました。パスカル先生は大衆演劇も研究されていて,大阪だけでなく東京浅草の劇場も行かれたことがあり,フランス語や日本語で大衆演劇について書かれたこともあるそうです。西成から新世界にかけての地域事情についても,松村先生が驚くほどお詳しく,「私がパスカル先生にご案内させていただくような場所は,もうありませんね。」と感心されていらっしゃいました。両先生は意気投合されて,今後も連絡を取り合って,大衆演劇の発展のため,お互い協力し合うことを確認されていました。
(以上,竹村磨美)

 14時半過ぎ,インドネシアからの3人組が来られました。問い合わせ内容はとても簡単で,「ホテル東洋はどこですか?」でした。内田先輩が看板の見えるところまで行き,看板を指さしながら案内されていました。日本へは観光で来られていて,大阪の前は神奈川県を観光されていたそうです。
 15時過ぎ,テレビ大阪のスタッフ2名が再び来訪され,松村先生と竹村と私も一緒に,オーエス劇場へ行き,ロケ取材の下見や交渉を行きました。オーエス劇場の岸本正人社長ともお会いでき,岸本社長から,かつて西成には多くの芸人が住み,新今宮界隈は劇場や寄席がもっと多くあったしたという,面白いお話を伺いました。
 オーエス劇場からTICへ帰ると,OIGの西口宗宏委員長が,松村先生の帰りを待ってらっしゃいました。大阪集客プラン事業へ申請する内容についてのご相談とのことでした。
 本日は,利用者こそ1組だけだったけれども,入れ代わり立ち代わり色々な来訪者がお越しになり,色々なことが相談され決まった1日でした。先輩方からTICは単なる観光情報を提供する場ではなく,まちづくりの拠点である,との説明を受けましたが,その意味が少しわかったような気がします。
(以上,中川光華)

松村先生からのひと言

 トルコのイスタンブールから帰ってきた翌日で,少し時差ボケが残っていましたが,来客が多くとても有意義な1日となりました。パスカル先生の大衆演劇やこの地域への造詣の深さには驚くばかりで,フランスにおける日本文化研究のレベルの高さを実感しました。

9月8日(土) 新今宮TIC報告 (レポーター:3回生 谷河里香・3回生 大宅和佳)

【スタッフ】大宅和佳(3),谷河里香(3),竹村磨美(1),中川光華(1)
【利用者】3組5名。このうち2組4名が外国人で,ロシア,スペインからの方々でした。【来訪者】松村先生
 9時半頃に松村先生が来られ,「大阪維新の会の市議会議員や府議会議員が,あいりん地域の視察に来はるから,案内せなあかんねん。誰か手伝って!!」とのことで,3回生の大宅和佳を連れて,10時前にあいりん地域の視察案内へ向かわれました。太子1丁目の国際ゲストハウス地域の視察はわずか20分の予定。とてもTICにお連れする余裕はないので,「道路向こうで紹介だけするから,合図したらみんなで分かりやすいように手を振って!!」とのことでした。

 11時前,道路向こうのホテル東洋前に,松村先生が案内する議員さんたちのグループを発見。松村先生が手を振られたので,それに応じて,私たちもTICのカウンターから手を振りました。そのすぐ後に,大宅さんは松村先生と分かれて,TICに帰って来ました。
 11時半過ぎ,TICにはロシア人のカップルが来られ,「天王寺動物園に行きたい」とのことでしたので,大阪CITYマップを見せて,場所を説明しました。「この地図はいくらですか?」と聞かれ,「Free!」と答えると,とても嬉しそうにTICを後にされました。(以上,谷河里香)


 私(大宅)は松村先生と一緒に,朝からホテル東洋とホテル中央オアシスの部屋を見学できるように段取りしてから,大阪維新の会の議員さんたちを,オアシスのロビーで待ちました。到着予定は10時半前。

 西成区の臣永区長も来られるとのことで少し緊張していたのですが,臣永区長は何と自転車に乗って,10時半前に西成区役所職員とともに到着。少し遅れて,大型観光バスで大阪維新の会の議員さんたちが着かれました。この観光バスに乗ってあいりん地域を視察されるつもりなのか…と驚きました。私は太子1丁目の視察のみ同行して,萩之茶屋方面には行かず,TIC業務に戻りました。
 さて,14時半過ぎ,日本人男性の方が,TICの前に立てかけている大衆演劇のポスターを指差しながら,「朝日劇場ってどこにあるの?」と質問されました。東京都にお住まいの方で,たまたまTIC前の看板を見かけ,里見劇団を知っていたので,久しぶりに見に行こうと思った,と話されていました。
(以上,大宅和佳)

松村先生からのひと言

 さすがに大型の観光バスであいりん地域内は案内できないので,あいりん労働福祉センター横で議員さんたちには降りていただき,3グループに分かれて,徒歩で同センター内やセンター周辺を案内しながら現状を説明しました。
 TICは大学生ボランティアの力だけで,年間170日前後も運営しているとの説明に,議員のみなさんはとても感心され,「これからも大阪のため頑張ってください」,という声援もいただきました。

9月9日(日) 新今宮TIC報告 (レポーター:4回生 山崎育美)

【スタッフ】劉沖(4),山崎育美(4),兪穎伶(4)
【利用者】2組3名。2組とも外国人で,イタリア,カナダからの方々でした。
【来訪者】濱中勝司さん(OB),仲田美穂さん(OG)の計2名。
 今日は午前中,午後からともに,利用者は1組ずつでした。
 午前中の利用者の方はイタリア人のカップルでした。新大阪に宿泊されているそうで,仲の良いカップルでした。
 「カードでお金をおろしたい」とのことだったので,最初は天王寺のQ’s MALLにあるセブン銀行をすすめましたが,その後の予定を聞くと「高野山に行くつもりです」と言われました。

 調べると難波なら銀行もあり,高野山へ行く南海電車もあるので,通天閣の真下から難波に行く無料送迎バスが出ていることを伝え,なんばWALK内のセブン銀行をすすめました。高野山へは難波から南海電車で行くと便利で,「高野山・世界遺産きっぷ」というお得なチケットもある,と伝えました。
 ランチブレイクを利用した昼食休憩からTICに帰ると,タイミングよく,この春卒業された松村ゼミOGの仲田美穂さんが訪ねて来られました。久しぶりの再会で,色々なお話ができ,とても楽しいひと時を過ごしました。

松村先生からのひと言

 この日は朝からオープンキャンパスだったので,ずっと南キャンパスにいました。美穂に会いたかったなあ,残念。
 これまで,多くの卒業生たちが,西成でのまちづくりやTICの運営と深く関わり,色々な活動や努力を積み重ねて,地域との信頼関係を築きあげてくれました。現役のゼミ生たちが,この地域でいきいきと活躍できるのは,間違いなく卒業生たちのおかげです。