連日オーエス劇場で大衆演劇を楽しむ!! (レポーター:教員 松村嘉久)

 11月19日(月)・20日(火)と二日連続で,オーエス劇場に大衆演劇の夜の部を見に行きました。19日(月)も20日(火)も,2回生が3名,3,4回生も何名か参加しました。
特に圧巻だったのは20日(火),劇団大川の椿裕二座長の弟,三代目大川竜之助さんがゲスト出演するということで,平日の夜の部にも関わらず,来場者が200名を超えるダブルの大入りでした。
 後半の歌舞ショーでは1万円札のおひねりが続出。舞台の合間の椿座長と竜之助さんの兄弟トークも,とても面白く,会場をわかせていました。
 椿座長も竜之助さんも,他の役者さんたちも,芝居ではヤクザものやサムライなどの男役で勇ましいのですが,歌舞ショーでは見事な女形へ変身されるので,驚くばかりです。わずか1,300円の入場料で,これほどたっぷりと楽しめるエンターテイメントは,大衆演劇しかないのではないでしょうか。

緊急事態発生で緊急招集の緊急対応!! (レポーター:3回生 大宅和佳・4回生 小林志帆)

 緊急事態発生の知らせは,11月20日(火)の22時前,突然,松村先生からゼミ連絡網で回って来ました。その内容は,11月23日(金)・24日(土)と天王寺APAホテル横のCafé Grainfield(左写真)で行う予定だった西成ジャズが,誰にもどうしようもない理由から,中止せざるを得ない状況になった,というものでした。
 松村先生からの最初の連絡では,ホテル中央グループに,23日と24日も西成ジャズに場所を提供していただけないか,と現在交渉しているので,もしOKがでれば,ゼミの総力を挙げてこの緊急事態に対応して,何としてでもライブを行うので,みんなも協力してください,とのことでした。
 翌21日(水),松村先生から再び,23日(金)はホテル中央オアシスのロビーで17時から19時までの2ステージ,24日(土)はホテル中央セレーネのロビーで19時から20時までの1ステージへ変更して,西成ジャズライブを開催することになった,との連絡が来ました。(以上,大宅和佳)

 幸いなことに22日(木)はゼミ日だったので,13時半に新今宮TICへ集合して緊急対応することになりました。緊急事態発生時の松村ゼミの対応力と瞬発力は抜群で,西成LOVEフェスの学生実行委員会にも連絡が回り,時間の空いている学生全員に緊急招集がかかり,20名を超える学生が集まりました。
 ジャズライブで販売する飲み物の買い出し,楽器やアンプの搬出と搬入,ライブ会場のセッティング,ホテル中央オアシス周辺への挨拶回りなど,22日(木)はいくつかのグループに分かれて準備を進めました。楽器のセッティングを終えた後,ホテルオアシスの階上や周辺へゼミ生たちが散らばり,ドラマーの松田順司さんに,思いっきりドラムを叩いていただき,ホテルロビーからの音漏れ状況もバッチリ確認しました。そして,17時前には全ての準備を何とか終え,あとは,23日(金)のライブ当日を迎えるのみとして解散しました。(以上,小林志帆)

松村先生からのひと言

 西成,あいりん地域,釜ヶ崎には,何か不思議な互助の精神(お互いに助け合う気持ち)が根付いています。困った時はお互いさま,「助けて」と叫ぶと色々な人が支援してくれます。日雇いや野宿という厳しい現実のなかから生み出されてきた精神かもしれません。ドラマーの松田さんには,何度もお世話になっているので,ここが踏ん張って恩返しする時です。ゼミのみなさんも,どうかよろしくご協力ください。
 さて,オアシスのロビーで松田さんがドラムのセッティングをしている際,ホテルのフロントスタッフが何度も松田さんに,「松村先生,松村先生」と呼びかけていたそうです。松田さんと私は,どうやらよく似ているらしい…。

ホテル中央オアシスロビーでの西成ジャズライブ!! (レポーター:3回生 村上恵美・4回生 井上咲季)

 ホテル中央オアシスロビーでの西成ジャズライブの当日23日(木),急な呼びかけを受け,スタッフとして駆け付けられたのは,清水翔平(4),井上咲季(4),加藤宏実(4),村上(3)の学生4名,松村先生,ゼミOBの濱中勝司さん,先生の友人のおじさんの7名だけでした。
 楽器や会場のセッティングは,昨日22日(木)にほぼ終えていたので,私たちは会場で販売する飲料の準備を行いました。
 まず必要なのが飲料を冷やす氷。これは「新世界・西成 食べ歩きMAP」で紹介させていただいたレストランを,「業務に支障のない範囲で,製氷機の氷をわけてください」と松村先生と清水さんで回られました。30分ほどで大きな二つのクーラーボックスは氷で一杯になりました。日頃からのTICでの地道な活動が地元との強いネットワークを築いていると実感しました。加藤さんと私は,おつりの準備に走りました。(以上,村上恵美)

 私たちは,何か学園祭に出店しているような感覚で,ワクワクしながら,ライブを待ちました。この日のボーカルは杉山千絵さん,エレキギター,ウッドベース,ドラムの4人編成のバンドでした。
観客は私たちを除いて,2ステージとも10数名くらい。ホテル中央グループの山田純範会長夫妻も,ご来場いただきました。杉山さんのボーカルは,軽快で洗練されていて,ホテルのロビーの雰囲気ともマッチしていました。
 ライブは19時きっちりで音を止め,終了。その後,清水さん・濱中さん・おじさん・ドラマーの松田さんらで,楽器を自動車に積み込み,すぐ近くのホテル中央セレーネへ移動。
 セレーネロビーでの楽器のセッティングは,24日当日午後に行うことになり,その日は20時過ぎにいったん解散。松村先生のお誘いで,何名かは通天閣近くの焼肉屋「原軒」に行きました。その原軒で何と,俳優の赤井英和さんご一行と遭遇しました。松村先生が「おはようございます」と声をかけると,「おう!!」とひと言応じて2階の座敷へ。その後は20人くらい男女が続き,噂通りの豪快な人だなと思いました。(以上,井上咲季)

松村先生からのひと言

 清水君と氷をもらいに回りましたが,お好み焼き屋の「狐狐」,季節料理の「坂」,洋食レストランの「タカラ」,うどんおそばの「おたべや」など,どのお店も二つ返事のOKで,大量の氷をくださいました。
 その他にも何軒かのMAP掲載店舗にお電話させていただきましたが,どこも,「どうぞ,どうぞ,何ぼでも」という感じで,あっという間に用意していた二つのクーラーボックスが満杯になりました。何でもないことのようですが,本当にありがたいこと。お店のみなさん,ありがとうございました。そして何よりもオアシスのフロントスタッフのみなさん,ありがとうございました。

ホテル中央セレーネロビーでの西成ジャズライブ!! (レポーター:4回生 高橋菜央・4回生 井上咲季)

 24日(土)の準備と手伝いに駆け付けたのは,高橋(4),和田昂之(4),井上咲季(4),谷口真帆(1),野崎楓(1),松村先生,ゼミOBの濱中勝司さん,先生の友人のおじさんの8名でした。楽器のセッティングと会場の設営のため,16時過ぎにセレーネロビーに集合。ドラマーの松田さんの指示のもと,机や椅子を動かし,アンプや楽器を運びセッティング。1時間ほどで終わりました。
 明日25日(日)が大阪マラソンの本番だったこともあり,セレーネの宿泊客のほとんどが,マラソンランナーかその付き添いの方々。音を出すのは20時からの1時間だけですが,さすがに気を使います。
 初めてのライブ会場ということもあり,この日のボーカルのはらさちこさんは17時過ぎに来られ,ピアノの元岡衛さん,ベースの井出厚さんも18時頃には来られ,早々に軽く音合わせされました。これが予想以上の大音量でした。松村先生によるとボーカルのはらさんが,静かなバラードよりも元気な曲が得意なので,どうしても音が大きくなってしまうのだそうです。(以上,高橋菜央)

 この日の観客は1ステージだけにも関わらず,昨日よりも多く,15名を超える方々がずっと聴いておられました。はらさん個人のファンがおられるようでした。
 とても嬉しかったのは,観客のなかにホテルセレーネの宿泊客がおられたことです。フランス人女性の宿泊客の方は,本日TICを利用された方でお誘いしたこところ,最初から最後まで聴いて楽しんでくださいました。
 この他にも,コインランドリーを利用しに降りてきた宿泊客やチェックインしたての宿泊客が,演奏に耳を傾けてから部屋へ戻られました。
 演奏は21時かっきりに音を止め終了。ソファーの位置を少し直して,楽器に布をかけ,この日はそのまま楽器を放置,明日のフィナーレに備えました。明日25日(日),松田さんは成田屋とセレーネで計3ステージあるので,早々に解散。
 解散後は,松村先生のお誘いで,1年生の後輩も連れて昨日に続いて焼肉の原軒へ。私は二日連続の原軒となりました。(以上,井上咲季)

松村先生からのひと言

 今回のオアシス・セレーネのロビーでのライブ許可をいただいたのは,ホテル中央グループの山田敏博さんでした。現場からは当然ながら反対する声もあがったのですが,敏博さんの「地域の発展に役立つのであれば…」という英断で,両日の緊急ライブは実現しました。その山田敏博夫妻が,お子さんを連れて,セレーネでのライブを聴きに来て下さいました。本当に嬉しい限りです。ありがとうございました。
 今回のライブの形では,ホテル側にメリットは全くなく,デメリットばかり。フロントスタッフには多大なご迷惑をおかけしました。ホテルの宿泊客や周辺の住民からは,深刻なクレームが入ることもなかったようで,それが何よりでした。
 何ごともそうですが,やってみて初めてわかることが多々あり,やらなければ何も始まりません。12月のゼミで,反省すべきところを洗い出し,しっかりと反省したいと思います。

西成ライブエンターテイメントフェスティバルのフィナーレ!! (レポーター:4回生 昌山志保・4回生 谷河里香)

 西成ライブエンターテイメントフェスティバルの最終日である25日(日),松村ゼミを中心とする西成LOVEフェス学生実行委員は,基本,全員集まることになっていたので,この日のスタッフは軽く20名を超えました。
 23日(金)・24日(土)にお手伝いした学生もいるので,もうライブ運営のノウハウはバッチリでした。学生実行委員の集合時間は19時,楽器や座席のセッティングは昨日に終えていて,ライブの開始は20時からなので,本当にゆっくりと時間が流れました。
 飲み物の在庫が少なくなっていたので,2回生の松川和矢君と山下喜央君が,動物園前二番街の酒屋へ買い出しに走ってくれました。飲み物の値段は私たちで決め,もし収益が出たら,炊き出しに寄付することも決めました。
 ライブ会場で色々と準備を進めていると,「今日の西成ジャズの会場はここですよね」,と尋ねて来られる方が何名かいて,今日の客の入りはよさそうだな,という予感がしました。(以上,昌山志保)

 19時半頃,成田屋でのライブを終えてミュージシャンがセレーネに移動して来られました。今日のライブはボーカルなしで,ピアノ・ベース・テナーサックス・ドラムの4人編成でした。リハーサルは楽器の音量調整くらい,わずか3分ほどで終わりました。
 この頃から観客が続々と入って来られ,その数はざっと20数名を超え,私たち学生実行委員を加えると50名を超す大入りでした。TICのパイプ椅子を総動員しても全く足りず,立ち見の出る大盛況でした。
ライブではドラマーの松田さんが,西成ライブエンターテイメントフェスティバルについて語り,スキャットで歌うなど大活躍,演奏でもこれぞプロ,という技を魅せていただきました。アンコールにも応えて,ライブは21時ちょうどに終わりました。
 人手が豊富だったので30分ほどで全ての後片付けを終え,ミュージシャンと学生実行委員で記念撮影。松田さんと松村先生が固い握手を交わされてから解散しました。
 16日から始まった西成ライブエンターテイメントフェスティバル2012,ライブ会場の変更というハプニングもありましたが,終わってみれば本当にあっという間で,やって良かったと思いました。(以上,井上咲季)

松村先生からひと言

 この10日間を通して,「やっぱりライブっていいなあ」とつくづく感じました。と同時に,西成ジャズのミュージシャンたちも,大衆演劇の役者さんたちも,「やっぱりみんなプロなんだなあ」とつくづく感じました。テレビやインターネットが全盛の時代,笑かしているのではなく笑われているだけの芸のない芸人,聴き流され使い捨てられるだけの薄っぺらい音楽が溢れかえっています。プロがプロとして,ライブで観客を感動させて生きていける場所,それをどのように生み出すのかは,文化の根底と関わる問題です。西成にはそれが生き残り,しっかりと根付いていることも,この10日間で実感しました。
 私は西成ジャズでもお馴染みの臼井優子さんが歌うMy Funny Valentineが大好きです。彼女のCD『Summer Me』にもこの曲は収録されていて愛聴していますが,ライブで聴く方が断然良く,何度ライブで聴いてもそのたびに胸がキュンとなります。ライブは聴衆も巻き込んだ一期一会の世界,そこでは色々な奇跡が起こります。みんさんも,ぜひ,西成のライブに行って,奇跡の目撃者になってください。