【新今宮TICの運営報告vol.26】 2013年6月の新今宮TIC報告

6月1日(土) 新今宮TIC報告 (レポーター:3回生 橋田翔子)

【スタッフ】大宅和佳(4),橋田翔子(3)
【利用者】5組8名。この全てが外国人で,タイ,フランス,ポーランド,カナダからの方々でした。このうち1組1名はリピーターでした。
【来訪者】松村先生
 最初の利用者は,ホテル中央セレーネに泊まっているタイ人女性3人組でした。問い合わせ内容は,「今から木津卸売市場に行きたい」とのことでした。新今宮TICには何度もスタッフ入りしていますが,木津卸売市場のことを尋ねられたのは,初めての経験でした。現在,中央卸売市場のある福島区の街歩きツアーを松村ゼミで企画しているのですが,この問い合わせで確かな手応えを感じました。
 次に来られたフランス人は,関西国際空港への時刻表が欲しいとの問い合わせで,よくある問い合わせなので,何の問題もなく対応できました。対応を終えた後,大宅先輩から,外国人の方は日本語を読めない人が多いので,何番ホームから列車が出るのかも伝えてあげたほうがいい,とアドバイスいただきました。確かに,南海電鉄の新今宮駅は少し複雑な構造をしているので,その通りだと思いました。3組目はポーランドからのカップルで,「大阪の地下鉄の1dayパスはありますか」との問い合わせに,英語でやりとりしてニーズを伺い,「OSAKA海遊きっぷ」をお薦めしました。
 4組目のカナダ人はリピーターで,この周辺の安くて清潔なホテルの情報が欲しいとのことだったので,パンフレット『大阪の安い宿』を使い,ホテル中央セレーネやホテル中央オアシスをお薦めしました。記録ノートを見返してみると,この方は前回利用時に,「長期滞在したい」とのことだったので,ホテルを変えられるのではないでしょうか。

 最後に来られたフランス人は,色々と相談されました。まずは,この周辺の地図が欲しい,次に,ケガをしたので病院を教えて欲しい,とのことでした。外国人旅行者向けの医療に関しては,この春に作成した英語版『OSAKA・SHINIMAMIYA GUIDE BOOK』に,問い合わせ先が掲載されています(写真参照)。
 もう一つの質問は,携帯電話で利用するSIMカードはどこで買えるのか,というものでした。海外では携帯電話のSIMカードを入れ替えれば,国境を越えても使用可となるところが多いそうです。しかしながら,日本の場合は,日本で日本専用の携帯電話を買ってもらわなければ,SIMカードは事実上使えず,とても不便なのです。日本はFree Wi-Fiの整備もあまり充実していないため,海外からの観光客に優しい国とは決して言えません。今回の問い合わせでそれを痛感しました。
 さて,本日の利用者のうち,2組がフランス人でした。松村先生から伺ったのですが,夏休みが近づいてくると,新今宮TICの利用者ではなぜか不思議と,フランス人とスペイン人が増えてくることが,記録ノートの分析から明らかなのだそうです。

松村先生からのひと言

 私はアジア地域を中心に世界各地を旅して回りました。その経験のなかで,訪れた国や地域の生活を知ろうとするならば市場へ行けば良い,ということを学びました。市場へ行けば,そこの住民が何を食べ,何を着ているのかが分かります。スーパーマーケットでもいいのですが,やはり市場の方が,商人と住民のやりとりも観察できるので,圧倒的に面白い。木津も中央も,鶴橋も天満も黒門も,やはり市場は面白い。
 私は携帯電話事情に極めて疎いのですが,日本の携帯電話が世界標準から大きく外れ,「ガラパゴス」と呼ばれるほど,良く言えば独自の,悪く言えば使い勝手が悪く,グローバルスタンダードから外れた進化を遂げてきたことくらいはわかっています。私も,海外旅行用の携帯端末を1台持っていて,旅先に着いたらSIMカードを買って使っています。訪日外国人はここが「ガラパゴス」とは知らず,私と同じような感覚で日本に来られていると思います。
 なお,6月2日(日)は,松村ゼミ全員が,1・2年生のフィールドワークの指導や街歩きツアーの下見を行ったため,新今宮TICは運営しませんでした。

6月8日(土) 新今宮TIC報告 (レポーター:2回生 平山あかね)

【スタッフ】大宅和佳(4),橋田翔子(3),平山あかね(2)
【利用者】6組12名。この全てが外国人で,インドネシア,オランダ,カナダ,マレーシア,シンガポール,香港からの方々でした。来訪者はなし。
 朝,新今宮TICの道路を挟んだ向う側に,何かのロケバスが止まっていて,外が騒々しく感じました。先日,MBS『水野真紀の魔法のレストラン』で,ジャニーズの亀梨和也さんが,松村ゼミ御用達の新世界「おたべや」へロケ取材に来た,と聞いていたので注目していたのですが,誰も出てきませんでした。
 1組目のインドネシアからの男女2名ずつのグループは,全員20代前半くらいで学生旅行のような感じでした。次に来られたオランダ人女性は,「新今宮から京都の河原町への行き方を教えて欲しい」とのこと。私は普段,阪急電鉄を利用しているので,この問い合わせは簡単。JR大阪駅経由で阪急梅田まで歩き,阪急電鉄に乗り換える最も安い方法(片道560円)をお教えいたしました。
 大宅先輩によると,荷物が多い場合などは,地下鉄堺筋線を利用して動物園前駅から淡路駅まで行き,そこで阪急京都線へ乗り換えた方が,歩く距離が圧倒的に短く分かりやすく便利。でも片道620円かかる,と教えていただきました。この60円の差は微妙ですが,確かに荷物が重たければ,JR大阪駅から阪急梅田駅への移動は大変なので,選択肢のひとつになると思いました。

 お昼前に来られたマレーシア人のおじさんはとても親しみやすい方で,英語で「歩き回ったからもう疲れた。あなたたちは自転車を持っていますか。持っていたら貸して。」と来られました。この界隈のホテルに宿泊されている方ではなかったので,ホテルの無料貸自転車は無理…,ホテルみかどの「HUBchari」を紹介しました。
 最後の香港人利用者はまだ10代に見える若い女性で,「JR KANSAI WIDE AREA PASSを買いたいのですが…」と来られました。このパスは外国人旅行者だけを対象とした超お得チケットで,城崎温泉や岡山も含めて広く関西圏限定で4日間の乗り放題で7,000円というものです。関空特急はるか,山陽新幹線にもこのチケットで乗車できます。これまでのJR PASSは日本国内で購入できなかったのですが,こちらのパスは何と,JR新今宮駅のみどりの窓口へパスポートを持って行けば買えるそうです。
 JRが販売する外国人旅行者向けのお得チケットは,英語版『OSAKA・SHINIMAMIYA GUIDE BOOK』でも紹介されています(写真参照)。外国人旅行者にとって,日本での移動費はとても高い,という感覚があると聞きましたが,これらのパスを上手く利用すれば,決してそうとは言い切れません。このような情報を知っている人と知らない人では,訪日観光のお得感はかなり異なることでしょう。

松村先生からのひと言

 新今宮から河原町,60円高くても私なら,堺筋経由の淡路駅乗り換えで行きます。この60円を節約するのは,かなりヘビーなバックパッカーでしょうが,JR大阪駅と阪急梅田駅との距離を経験的に知っていれば,淡路駅乗り換えを選択する可能性が大きいと思います。

6月9日(日) 新今宮TIC報告 (レポーター:3回生 関伽緒里)

【スタッフ】袁麗萍(3),関伽緒里(3)
【利用者】5組10名。このうち4組7名が外国人で,アメリカ,中国,インドネシアからの方々でした。
【来訪者】動物園前サイエンスカフェのボランティア学生1名。
 最初のアメリカ人男性は,大阪に3日間滞在するとのことで,大阪でのお薦めの場所と姫路の行き方を教えてください,とのことでした。会話しているうちに,スパワールドに反応されたので,パンフレットを渡したら,どの時間帯に行くのがベストかと聞かれました。私たちは土日を避け,お昼から夕方にかけて行けば存分に楽しめる,とアドバイスしました。姫路行きに関しては,姫路までの行き方とともに,新今宮TICにある姫路の観光パンフレットをお渡ししました(写真参照)。

 2組目に来られたのは中国人の若いカップルでした。本日のリーダーは中国人留学生の袁麗萍だったのでラッキー,中国語で対応してもらいました。海遊館へ行きたい,大阪市内で面白いところはないのか,美味しいものを食べたいなどなど,色々と尋ねられていましたが,袁麗萍が全て中国語で応え『新世界・西成 食べ歩きMAP』を渡していました。
 その後に来られた外国人利用者は全てインドネシア人,2組4名でした。問い合わせは簡単で,大阪城・日本橋への行き方などでした。
 本当に最近,インドネシア,マレーシアからの訪日旅行者が増えていることを,新今宮TICのスタッフをしていて実感します。男性の服装はごく一般的なことも多いのですが,インドネシア人男性のなかには,涼しそうな民族衣装を着ている方もいらっしゃいます。インドネシア人も,マレーシア人もイスラム教徒の女性は,スカーフで頭を覆っている方が多いので,見た目でわかります。
 午後からは利用者はなしで来訪者のみ。動物園前サイエンスカフェを主催されている大阪大学のボランティア学生が来訪されました。6月29日(土)に松村先生が,『観光まちづくりを考える。─新今宮周辺・商店街のこれから─』というタイトルで講演されるとのことで,「松村先生がいらっしゃればご挨拶と打ち合わせを…,チラシは足りていますか…」と名刺とチラシを持ってお越しくださいました。
 この方は先月も松村先生を訪ねて来られたのですが,会えなかったとのこと。しかし残念ながら,この日も松村先生が新今宮TICに来られる予定はなし…。講演日が近づいてきたので,色々と講演の内容について打ち合わせをしたい,まだ松村先生と面識がないのでぜひご挨拶したい,とのことでした。
 松村先生の名刺をお渡しして,「何かとお忙しい方なので,メールで直接ご連絡ください。」とお伝えすると,「先日新今宮TICでお名刺をいただき,メールではご挨拶いたしました。」とのこと。松村先生は堅苦しい挨拶や電話でのやりとりが苦手な方なので,メールで連絡された方が上手く行きますよ,とアドバイスしておきました。

松村先生からのひと言

 動物園前サイエンスカフェのボランティア学生とは,運の巡り会わせが悪くて会えていません。とても熱心で真面目で誠実な学生であることは,メールからも伝わってきました。しかし,このあたりの観光まちづくりのことをしゃべるなら,ご心配は無用です。長年の蓄積があるので,話す内容は,会場に来られた人たちの顔を見てからでも決められます。気楽に行きましょう。

6月15日(土) 新今宮TIC報告 (レポーター:2回生 上垣彩夏)

【スタッフ】福崎美帆(2),上垣彩夏(2)
【利用者】全くなし。
【来訪者】大宅和佳さん(4),ホテル東洋のスタッフの計2名。
 今日は朝から天気が悪く,新今宮TIC前の人通りも少なかった。午後から雨が降り出すと,午前中はちらほらあった人通りが,ほぼ途絶えてしまいました。
 2回生だけで運営しているのを心配して,4回生の大宅和佳先輩がバイトへ行く途中,様子を見に立ち寄ってくださいました。大宅先輩は雨模様のなか通行人が少なく,利用者が来そうにもないので,「こんな日は無理せんと,早く閉めて帰ってもええねんよ。」というアドバイスを残して帰られました。
 昼前,ホテル東洋のスタッフの方が,『OSAKA SHIN-IMAMIYA GUIDE BOOK』と『新世界・西成食べ歩きMAP』の英語版の在庫がなくなったのでください,と来られました。外国人旅行者からとても好評で,無くなるペースがとても速いそうです。

 2回生だけでやることもなく暇なので,この機会に新今宮TICのなかを紹介したいと思います。
 新今宮TICの中へ入ると,ホワイトボードが目隠しも兼ねて置かれています。新今宮TICの備品のほとんど,例えば,ホワイトボード,長机,パイプ椅子,エアコンなどは,ホテル中央グループから無償で貸していただいています。家賃や光熱費は全く不要,全てホテル中央グループが負担。有線LANもあるのですが,隣のホテル中央の無線LANがとどくので,許可をもらって使用させていただいています。
 松村ゼミからは,ノートパソコンやプリンター,図書や雑誌・地図など案内資料,カウンターの椅子,こまごまとした消耗品などを提供しています。小さな家電製品,例えば,冷蔵庫,掃除機,扇風機,CDラジカセなどは,卒業生の方々が寄付してくださったそうです。何よりも,運営スタッフは全て松村ゼミが取り仕切り担当しています。

 壁にかかったコルクボードには,街歩きツアーやゼミ旅行での記念撮影写真,かつて報道された新聞記事の切り抜きなどが飾られ,不定期に差し替えられます。長机の上には,松村ゼミがかつて獲得した様々な表彰状や記念品が,無造作に立てかけられています。大宅先輩のイチ押しは,建築家・安藤忠雄さんのサインが彫り込まれた記念品で,松村ゼミの宝物のひとつだそうです。
 新今宮TICの場所はかつて,ホテル中央のロッカー室だったのでコンクリートむき出しの構造。壁も天井も所々に穴があいていますが,ポスターやカレンダーなどで上手く隠されています。
 さて,13時過ぎから雨がとても激しくなってきたので,松村先生と相談のうえ,いつもより早めの14時過ぎに新今宮TICの運営を終了しました。

松村先生からのひと言

 梅雨時,日本人も外国人も,あまり外を出歩かなくなります。そんな時は無理する必要はありません。

6月16日(日) 新今宮TIC報告 (レポーター:4回生 吉田あゆこ)

【スタッフ】吉田あゆこ(4),濱中勝司(OB)
【利用者】1組1名。日本人女性でした。来訪者なし。
 昨日からの雨があがり,気温は30度を超え,とても蒸し暑い日となりました。ここ最近,梅雨の季節ということもあり,海外からの旅行者が少ないのか,新今宮TIC近くの街中を歩く外国人の姿がめっきり減りました。この梅雨が明けると,日本の夏祭りを楽しみに来日するリピーターや旅行者で,毎年新今宮TICは賑わい始めます。
 今日唯一の利用者は20代の日本人女性で,新今宮TIC前でタクシーを降り,スパワールドへの行き方を尋ねました。JR大正駅近くで乗ったタクシー運転手がスパワールドの場所を知らなかった,とかなり怒っておられました。
 さて,OBの濱中さんからは「今日はもう来そうにないよ,人通りが少ないから」と,午前中のみで運営を終えた方がいいとのアドバイスをいただきました。本日,阪南大学では今年度初めてのオープンキャンパスが行われていて,ゼミ生の何名かはそちらに参加していました。またこの日は,松村ゼミの3回生を中心とする日中韓台の学生たちが,東京秋葉原にて,日中韓三国協力事務局(Trilateral Cooperation Secretariat)」主催の「Trilateral New Wave:日中韓大学生プレゼンテーション・ビデオコンテスト」に出場していました。

 さて,今日は,本日のスタッフであり,新今宮TIC報告でもよく名前の出てくるOBの濱中勝司さんについて,ご紹介させていただきます。濱中さんは2007年3月卒業の松村ゼミ3代目で,当時は国際コミュニケーション学部だったそうですが,卒業時の成績はオールAで総代を務められたそうです。写真は卒業式後に阪南大学同窓会の倉橋眞一会長より,総代の記念品を授与された際のもの(松村先生より提供)。
 年齢はよくわからないのですが,もうお孫さんがいてリタイアされています。かつて広島大学をご卒業されて製薬会社に就職され,営業職でバリバリ活躍されて退職された後,第二の人生を積極的に切り開こうと,阪南大学国際コミュニケーション学部国際観光学科に編入学されたそうです。
 ゼミ選択の際の面接で「この人だと直感した」という理由で松村ゼミ入りを決められたそうです。それ以来,卒業されてからも聴講生となり,阪南大学と関わり続け,松村ゼミのご意見番として,ゼミ活動にも参加し続けておられます。松村先生も濱中さんに絶大なる信頼を寄せられていて,何か大事な局面では必ず濱中さんに意見を求められます。
 その濱中さんから,昼からの運営は無理して行う必要ない,とのご意見をいただきました。松村先生からもゼミ活動が分散する1日なので,新今宮TICの運営は無理しなくていい,と事前にご指導を受けていたので,私たちはコンテストの結果を楽しみにしつつ,新今宮TICの運営を午前で終えました。

松村先生からのひと言

 1年に何度か,色々なイベントや活動が重なり,ゼミの戦力が足りなくなる日があります。そんな時は,無理をしないで,ゼミ生たちが自らの判断で臨機応変に対応するよう指導しています。ここ一番,自分の目の前の状況が,何としてでも踏ん張らなければならない重要な局面か,それほどでもない局面か,そこを判断する能力も大事だと思います。この日,東京秋葉原組は全力傾注が不可欠,オープンキャンパスは普段通り,新今宮TICは閑散期なのでこの判断でいいと思います。
 濱中さんのゼミ活動支援には本当に感謝しています。と同時に,生涯何かに挑戦し続ける,前を向いて積極的に生きる,という姿勢に敬意を持っています。濱中さんがご存知ないのは,初代の松村ゼミ生7名くらい。まさに松村ゼミの生き字引です。

6月22日(土) 新今宮TIC報告 (レポーター:3回生 橋田翔子)

【スタッフ】山中彩帆里(3),橋田翔子(3),谷河里香(4),谷村恵理(4),中川光華(2)
【利用者】3組3名。全て外国人,アメリカ,フランスからの方々で,このうち1名はリピーターでした。
【来訪者】松村先生

 今日は梅雨の合間の久しぶりの快晴で,新今宮TIC前の人通りも多いと感じました。私は3年間にわたり新今宮TICでボランティアを行ってきましたが,今日の午前に初めて,「ちんどん通信社」のちんどん行列と出会い感動しました。
 新今宮TIC近くのパチンコ屋さんが新装開店らしく,その宣伝に回られていたのですが,その途中にわざわざ新今宮TICへ立ち寄ってくださいました。「ちんどん通信社」の林幸治郎社長とお話させていただいたのですが,林社長は松村先生のご友人で,阪南大学の非常勤講師を務めていたこともあるそうです。
 最初の利用者のアメリカ人は,この周辺の美味しいレストランを教えて欲しい,今晩に何かのパーティは無いのか,という問い合わせでした。食べ歩きMAPを手渡し山中さんに説明してもらっている間に,ネットでパーティを調べたところ,日本橋方面でのコスプレのパーティがヒットしたので,お見せしたところ,興味津々のご様子でした。
 とてもフランクでお話し好きの方で,新今宮TIC内に貼ってある写真などもご覧になり,30分ほど時間をつぶして帰られました。私たち学生がボランティアで運営していると伝えると,とても驚き褒めてくださいました。7月13日(金)催行の平野郷街歩きツアーにお誘いしたのですが,「その頃には帰国している…」と残念そうにされていらっしゃいました。この男性,午後に再来され,また色々とお話をして帰られました。

 二組目のフランス人は,「富士山に行きたいが,大阪からのアクセス手段は…」という問い合わせでした。つい最近,富士山が世界文化遺産に登録されることになったので,今後,この種の問い合わせはますます増えると予想されます。
 色々と調べて,やはりバスが最も安く,近鉄バスと富士急行バスが運営する「フジヤマライナー」が近鉄阿部野橋駅から出発するので便利,とお伝えしました。すると,富士山へ行くには,大阪から,京都から,東京からのどれが最も便利か,と質問を変えられました。私たちが「それは当然,東京からです」と答えると,「では東京へ行ってから富士山へ行きます」と旅程を決められました。富士山への行き方はもっと詳しく調べて整理しておく必要があります。
 さて,今日はスタッフが多かったので,谷河先輩と中川さんが昼から自転車で,大衆演劇7月公演のポスターをもらいに回ってくれました。浪速区新世界から西成区を巡るわけですが,この猛暑のなかではとても大変。出発してから1時間を過ぎて心配し始めた頃,二人はようやく帰ってきました。帰り道で谷河先輩が迷い,気が付いたらJR芦原橋駅の近くにいたそうです。6月公演がまだ続いているので,ポスターの貼り替えは行っていません。月末のスタッフでよろしくお願いします。

松村先生からのひと言

 富士山の世界文化遺産登録は,新今宮地区にとっても嬉しいニュースでした。今後,間違いなく富士山行きの問い合わせは増えるので,ゼミで対応できるよう調べましょう。

6月23日(日) 新今宮TIC報告 (レポーター:3回生 池田千紘)

【スタッフ】弘田愛美(3),池田千紘(3),キム・テギョン(3)
【利用者】6組8名。全て外国人で,タイ,アメリカ,スウェーデン,フランス,マカオからの方々でした。このうち3組4名はリピーターでもありました。
【来訪者】兪穎伶(M1),許善美(3),和田昂之さん(OB)の計3名。
 今日は小雨模様で,人通りは少なかったものの,利用者はそこそこあり全て外国人でした。
 朝イチで来られたアメリカニューヨークからの男性は,昨日も来られたリピーターでした。運営日によってスタッフが変わることをご存じなかったようで,「昨日の英語の上手い学生は…」と山中さんを探されていたようです。

 問い合わせは,雨の日でも楽しめるところはありますか,という内容でした。私たちはスパワールドをお薦めしたのですが,イマイチの反応でしたので,グランフロント大阪,あべのハルカスもお薦めしました。
 新今宮からならではの行き先のひとつなのですが,地下鉄堺筋線「天神橋筋6丁目駅」下車すぐの『大阪くらしの今昔館』もお薦めしました。ここならば地下鉄堺筋線で雨に濡れることなく行け,日本一長い天神橋筋商店街も雨に濡れることなく楽しめるスポットです。写真は6月2日のフィールドワークで同館を訪れた時のもの(松村先生より提供)。浴衣の貸し出しをしていて,外国人から好評だそうです。
 さて,このアメリカ人はとてもお話し好きで,九州や高知を訪れた時の写真を見せてくれ,奈良のレストランや京都のバーのことなども逆に教えていただきました。数時間後にまた来られて,来週に四国の高松に行くが,安くていい行き方を教えてくれませんか,とのことでした。やはり高松へは高速バスが便利で安いのでお薦めしました。
 フランス人男性2名も,昨日からのリピーターの方々でした。昨日印刷してもらった大阪・東京からの富士山行きのバス料金表が分かりにくいので説明してください,という内容でした。普通運賃と格安運賃の違いがあり,降りる場所が違えば運賃も違うので,確かに非常に分かりにくいものになっていました。ゼミOGで大学院1年生の兪穎伶さんが,バイト前に新今宮TICへ立ち寄ってくれたのですが,兪穎伶さんの助けも借りて,何とか理解していただけました。
 この日は交換留学生の許善美も新今宮TICを訪ねて来ました。韓国から友達たちが遊びに来たらしく,その友達らに美味しい「うどん屋」や「お寿司屋」を教えてあげたいが,どこがいいと思うかと相談を受けました。私たちは迷わず,いつも松村先生に連れて行ってもらっている新世界の「おたべや」と動物園前商店街の「すし寛」を薦め,『新世界・西成 食べ歩きMAP』を渡しました。許さんはこの後で友達たちと合流すると言い残し,とてもウキウキした様子で新今宮TICを後にしました。
 その後,OBの和田昂之さんがお父さんと新世界へ飲みに来られたらしく,そのついでに,お菓子の差し入れを持って,新今宮TICを訪ねてくださいました。ありがとうございました。

松村先生からのひと言

 雨の日の新今宮起点の過ごし方も,ゼミで考えて用意しておくべきですね。新今宮を拠点に動く場合,雨天は重要な要素のひとつです。

6月29日(土) 新今宮TIC報告 (レポーター:3回生 山下喜央)

【スタッフ】関伽緒里(3),山下喜央(3)
【利用者】1組1名。香港人男性でした。
【来訪者】松村先生

 本日はまず,大衆演劇のポスターの貼り替えにとりかかりました。大衆演劇のポスターは役者さんの写真部分と劇場情報部分で成り立っているのですが,浪速クラブと梅南座の7月の劇場情報が見当たりませんでした。大衆演劇ネットで休館日ほかを調べ,手書きで付け足しましたが,不備があれば補足してください。
 昼から松村先生が来られたのですが,7月の大衆演劇公演は,オーエス劇場の市川英儒座長と朝日劇場の橘大五郎座長の女形による踊りが美しく,お薦めだそうです。鈴成座の大川竜之助座長も人気のある方だそうです。
 集客力のある役者さんが新世界から西成にかけての5座に出演されると,ホテル中央セレーネやホテル中央オアシスなどには,役者さんを追っかけて地方から大阪に来られたおばさんやお姉さん方が,よく宿泊されるそうです。
 さて,本日の利用者は香港人男性1名のみ。問い合わせは,新今宮から難波へ行きたい,とのことでした。最寄りの地下鉄御堂筋線動物園前駅から2駅で「なんば駅」なので,それを案内したのですが,なぜか「南海電車がいい」とのこと。南海電車の新今宮駅は新今宮TIC前から高架部分が見えるので,英語の得意な関さんが駅を指さしながら案内しました。
 なぜ南海電車がいいのか私たちは尋ね忘れましたが,地下鉄ならば運賃は200円,南海電車ならば150円ということに気づきました。南海難波駅を降りてすぐの目的地だったのかもしれませんが,コスト面から地下鉄は初乗り運賃が高い,ということも影響しているのかもしれません。新今宮TICのスタッフの多くが,御堂筋線でいうと「天王寺駅」から「動物園前駅」まで移動するのですが,大した距離でもないのに200円もかかるため,たいていは歩いて移動しているのが現状です。大阪の地下鉄の初乗り運賃の高さは,どうにかして欲しいものです。

 この日,松村先生が来訪された目的のひとつは,歌手・大西ユカリさんのポスターを新今宮TICへ貼り出すことでした。通天閣地下劇場での大西さんのラストコンサートが6月26日(水)に開催され,松村先生も地元のお友達たちと行かれたそうです。ラストコンサートは飛び入りゲスト続出,新今宮TICにも来てくれたことのあるSHINGO☆西成さんも来て,とても盛り上がったそうです。
 その通天閣地下劇場は6月末で惜しまれながら閉鎖,7月からはお化け屋敷として生まれ変わる予定です。NHK総合放送の夕方のニュースで劇場閉鎖がとりあげられ,松村先生がコメントされていたのを観た方もいらっしゃるかと思います。このニュース番組をゼミの時間に見せていただいたいのですが,大西ユカリさんもインタビュー出演されていて,松村先生は「形はどうあれ初共演や」と喜ばれていました。
 松村先生は劇場閉鎖の決定を,ニュースになる遥か以前に聞きつけ,事態の改善に向けて「何とかしようと新世界を走り回ったが,どうしようもなかった」そうです。
 松村先生と大西ユカリさんとは「自称・飲み友達」と言い切る仲なので,せめて通天閣地下劇場での最後の姿を見届け,これからも大西ユカリさんを応援し続けよう,と心に誓われたそうです。

松村先生からのひと言

 通天閣地下劇場の閉鎖はとても残念なニュースでした。もう少し時間をかけて議論していれば,存続に向けてもっといい知恵が浮かび,いい結果が残せただろうに…。大西ユカリさんは,7月から心機一転,千日前のライブハウス「ANOTHER DREAM」にて,毎月最終水曜日の「大西ユカリショー」をやりはります。新しい小屋も記念すべき100回ライブに向けて,ユカリ色に染めて行きましょう。

6月30日(日) 新今宮TIC報告 (レポーター:3回生 キム・テギョン)

【スタッフ】松川和矢(3),キム・テギョン(3)
【利用者】5組6名。全て外国人で,韓国,スウェーデン,ニュージーランド,スコットランド,オーストラリア,サウジアラビアからの方々でした。
【来訪者】濱中勝司さん(OB),兪穎伶さん(OG)

 本日の5組の問い合わせのうち,3組が大阪城と海遊館についてでした。やはり大阪城や海遊館は,大阪屈指の集客力を持つスポットなのは間違いありません。私たちスタッフは何度も案内した経験があるので,難なく対応できる問い合わせです。
 利用者のなかのサウジアラビア人男性は,OGの兪穎伶さん(OG)が,ホテル中央セレーネから連れて来られました。大阪市立大学医学部で会議があるそうで,そこへの行き方について尋ねてこられたので,地図をコピーし口頭で案内しました。
 後で気が付いたのですが,新今宮TIC前から同大学医学部の建物が確認できるので,指さしながら案内すればよかったと思いました。大阪観光にも興味を持たれていたので,大阪周遊パスも紹介させていただきました。
 今日は日曜日だったので,海外発行のカードを利用できるATMについての問い合わせが,ニュージーランドとスコットランドから来た男性2人組からありました。この問い合わせについては,最も案内しやすく場所もわかりやすく,行って楽しいQ’s MALLのSEVENBANKのATMを紹介します。海外の観光都市ならば,街の至るところに外貨両替のできる民間の施設がありますが,日本ではこれほど外国人旅行者の多い新今宮でさえも全くありません。1998年の外為法改正で外貨両替の規制緩和は大幅に進展したと学びましたが,民間の外貨両替施設が必要である場所であっても出来ていない現状から,まだまだ多くの問題を抱えていると思います。

 スウェーデンから来られた男性は,高野山への行き方を尋ねてこられました。高野山にはとても興味がありぜひ行きたい,とのことでした。私たちは『OSAKA SHIN-IMAMIYA GUIDE BOOK』をお渡しして,南海電車利用の行き方とお得チケットについて説明しました。
 松村ゼミの3年生はほぼ全員が,松村先生ご担当の「国内観光実習」を履修しています。今年の夏休みはこの実習で,高野山のインバウンド観光の受け入れ態勢や実態を調査することが決まり,現在色々と下調べをしています。私も含めて高野山へ行ったことのない新今宮TICスタッフが多いので,この夏休みの調査実習を心待ちにしています。
 6月も本日で終わり,梅雨明け宣言も間もなくされることと思います。例年,7月に入り夏祭りのシーズンが到来するにつれ,新今宮に滞在する外国人旅行者が徐々に増え,8月から9月初旬にかけて観光ハイシーズンのピークとなります。新今宮TICの運営は,7月は暦通りの土日運営,8月は頑張って毎日運営し,9月から再び土日運営へ戻る予定です。この間,観光実習やまち歩きツアー,外国人宿泊者へのアンケート調査なども行うので,とても充実した夏休みになりそうです。

松村先生からのひと言

 1998年の外為法改正の際は,大阪ミナミの街なかの普通のレストランや小売店でも,ドルで支払えるようになる…,とメディアでは大騒ぎだったと記憶しています。あの騒ぎはいったい何だったのか…。