【松ゼミWalker vol.141】西成アート回廊プロジェクトは絶対に実現させる!!

Wall Art Artistの一成さんを迎えての打ち合わせ(教員 松村嘉久)

 阪南大学で入学式のあった2014年4月1日(火)の夕方18時から,大阪市立大学西成プラザにて,(仮称)西成アート回廊プロジェクトの打ち合わせ会議がありました。集まったのは敬称抜きで,ありむら潜(釜ヶ崎のまち再生フォーラム事務局長),西口宗宏(OIG委員長),寺川政司(近畿大学建築学部),上田假奈代(NPOココルーム代表),SHINGO☆西成(HIP HOP MC),一成(デザイナー),松村嘉久(阪南大学国際観光学部)の7名でした。
 デザインを本職とする一成さんは,ウォールアート(Wall Art:壁画)のアーティストでもあり,このプロジェクトを提唱したSHINGO☆西成さんから,「経験が豊富で,西成のことを本気で考えてくれている,信頼できる奴」とご紹介いただきました。

 その一成さんから,一体どのようにして壁画を描くのか,どのようなペンキや道具やバックアップが必要なのか,どのくらいの時間と労力と予算がかかるのかなどなど,とても具体的なことを教えていただき,このプロジェクトの実現に向けた課題を洗い出しました。
 一成さんは,かつて参加されたWall Artを描くイベントでの経験を踏まえて,とても有意義なアドバイスをくださったので,私の頭のなかで,ボーとしていたこのプロジェクト現場のイメージが,くっきりと浮かび上がりました。
 今後は,色々な人や組織が参加・協力したくなるような企画書を松村と寺川で書いて,先日の再生フォーラム(【松ゼミWalker vol.139】 SHINGO☆西成さんらと西成アート回廊プロジェクトの実現に向けて語り合う!!)に集まったメンバーを核として実行委員会を組織し,地域や関係各所へ企画の実現に向けて働きかけて行こう,ということになりました。

とにかくWall Artの現場を見に行こう!! (3回生 栃原智美)

 2014年4月13日(日)の新今宮TICは,3回生の栃原智美と4回生の原田雪帆さん,ゼミOBの濱中勝司さんの3名で,朝9時から運営していました。  13時過ぎ,松村先生が新今宮TICへ立ち寄られ,「アメリカ村,Wall Artで検索かけて,あと,大阪,工場跡地,Wall Artでも探して」との依頼がありました。私と原田さんで色々と検索して,いくつかのWall Artの存在を発見して報告したところ,松村先生から再度,「そのWall Artがどこにあるのか,正確な場所も調べて」とお願いされました。  松村先生は先日4月10日(木)のゼミのなかで,西成アート回廊プロジェクトの進み具合について詳しくご説明され,「近いうち,大阪にあるWall Artの現場を見に行っとかなあかんな」とおっしゃっていました。私たちが探し当てた壁画の場所は二箇所,ひとつは,ミナミのアメリカ村のど真ん中,もう一つは,地下鉄四つ橋線の北加賀屋駅が最寄りの名村造船所跡地でした。どちらの場所も新今宮TICからだと,地下鉄を利用すれば行きやすいところ。  時計を見るとまだ14時過ぎ…,「とにかくWall Artの現場を見に行っとかな,話が始まらんよな。おるメンバーだけで今から行こうか。」と松村先生は突然おっしゃいました。みんなで相談した結果,新今宮TICは超ベテランの濱中さん一人に任せて,松村先生と私と原田さんの3名で,探し当てた二箇所の壁画を見に行き,次回のゼミで報告することになりました。

 まず,私たちは地下鉄御堂筋線で動物園前駅から大国町駅まで行き,そこで四つ橋線に乗り換えて北加賀屋駅へ向かいました。北加賀屋駅構内には,4号出口へ誘うワープロ打ちの案内があり,そこに「名村造船所跡地 Studio Partita / Black Chamber / Creative Center」と書かれていました。英語での案内があるのは外国人も見に来るからなのかと話しながら駅を出て,人通りの少ない工場街を歩くこと10分くらい。目的地の名村造船所跡地へ到着しました。
 名村造船所跡地は近代化遺産に登録されていて,その工場跡地を取り囲む防潮堤をキャンバスとして,2010年から「Wall Painting Project 03」が行われ,壁画作品が残されています。不思議なキャラクターが手をつないで並ぶ作品「b.Friends on the wall」は,ひとつひとつのキャラクターが違うため,ふと気がつくと端から端まで,ゆっくりと見て歩いていました。西成には世界各国から旅行者がたくさん集まって来るので,色々な国の人たちが民族衣装を着て手をつないでいるような壁画もいいな,と松村先生らと語り合いながら鑑賞しました。

 松村先生によると,釜ヶ崎のまち再生フォーラムのありむら潜さんは漫画家でもあり,「カマやん」ほか数多くのキャラクターを生み出されているそうなので,それを並べて描くような場所があっても面白いのではないか,とおっしゃっていました。
名村造船所跡地の周辺では,あちらこちらでいわゆる「落書き」も見受けられましたが,壁画作品そのものには全く落書きが無いことも確認しました。壁画作品を見ながら,もし壁画が無かったらどのような風景になのか,想像してみたのですが,絶対に壁画のある方が,明るく華やかで楽しくて良いと感じました。
 次に,再び地下鉄に乗って四ツ橋駅まで行き,アメリカ村へ向かいました。日曜日のアメリカ村は大賑わい,ヒップホップな若者やロックな服装の人も多く,渋い外車で乗りつけて愛車を路上で展示している人たちもいました。街なかの照明灯もアートしていて,お店のディスプレイや看板なども個性的で独特のセンスを感じるまちです。私たちはアメリカ村の三角公園から歩いてすぐの壁画を見に行き,その周辺を散策しながら道頓堀川まで出て,解散しました。
 実際,壁画を見て回って,何百色ものペンキがなくても,上手く工夫すれば楽しい壁画が描けることがわかりました。また,色々な人たちが集まって,ワークショップで作品の構想を練り,みんなで協力してひとつの巨大な壁画作品を仕上げて行くイメージもわきました。
  • 名村造船所跡地の防潮堤の壁画

  • アメリカ村の高速道路高架下の壁画

  • お洒落な照明灯と外車と壁画 at アメリカ村

  • これが普通の柱だと…普通のホテルか