【松ゼミWalker vol.189】 第3回 西成ジャズオールスターズ“夢の祭典”へ参加して(4回生 平山あかね)

経験と想いを引き継ぐ大切さ

 2015年10月11日(日)・12日(月祝)の二日間,「第3回 西成ジャズオールスターズ“夢の祭典”」が西成区萩之茶屋の難波屋で開催されました。もう毎年恒例の行事に定着したこのイベントを,今年も松村ゼミは応援しに行きました。
 イベント開催に先立ち,ゼミのなかで,まだあまり地域のことや西成ジャズのことを知らない新2回生や新3回生のため,これまでのゼミと西成ジャズとの関係について,【松ゼミWalker】のバックナンバーを見せながら,先生から詳しいご説明がありました。
 先生のご説明を簡単に紹介すると,こんな感じになります。難波屋という立ち飲み屋は,西成のなかでも特別な存在であり,ジャズや色々な音楽を聴くため,他地域からわざわざ難波屋へお客さんが来るのは,とても重要。この地域の賑わいを復活させるためには,西成ジャズと大衆演劇は絶対必要なコンテンツであり,みんなで支えて盛り上げて行かなければならない存在。何よりも,先生自身がジャズ好きで,なかでも西成ジャズのライブ感が大好きで,西成ジャズ代表の松田順司さんを「兄貴」と敬愛している,そうです。
 思い立ったら即行動がゼミの変わらぬ姿勢。2012年10月,西成ライブエンターテイメントフェスティバル2012(西成LOVEフェス2012)を,釜ヶ崎のまち再生フォーラム主催「第171回まちづくりひろば」で発表(【松ゼミWalker vol.106】)。その後は学生実行委員会を組織して,2012年11月に西成LOVEフェス2012を行い(【西成LOVEフェス2012 vol4】)。その翌年2013年8月には,西成LOVEフェス2013も行いました(【松ゼミWalker vol.123】)。

 西成ジャズに関しては,2013年9月開催の「第1回 西成ジャズオールスターズ“夢の祭典”」へ参加し,西成で新しい伝説が生まれた瞬間に立ち会いました(【松ゼミWalker vol.126】)。続く2014年10月開催の「第2回 西成ジャズオールスターズ“夢の祭典”」にも参加して,台風の直撃で混乱するなかイベントを支えました(【松ゼミWalker vol.157】【松ゼミWalker vol.158】)。
 ゼミと西成ジャズとの関わりを振り返ると,9代目の先輩方に始まり,私たち12代目の4回生と13代目の3回生の一部は,第2回“夢の祭典”からお手伝いしています。今回の第3回“夢の祭典”からは,14代目の新2回生も加わります。先生はいつも,「経験や想いを上から下へ引き継ぐのが大切やから,日々のスタッフを決める時はよう考えて組んでや」とおっしゃります。
 今年のスタッフは,初日11日が,平山あかね・宗政巨地・川瀬将之(以上4回生),竹中さおり・高岸佳梨・辻勇之介・小山舞・小幡晶子・左近未来・あは・みづき・じゅり・みき(以上3回生),三宅亜紗未・大西美咲・西崎拓真(以上2回生)の16名。2日目の12日は,平山あかね・栃原智美・南亮輔・JUDY・JEEN(以上4回生),竹中さおり・辻勇之介・小幡晶子・福田葵(以上3回生),川畑成美・辻彩佳(以上2回生)の11名でした。このうち,4回生の全員と3回生の竹中・高岸・辻は昨年度の経験者,新2回生12名のうち5名が参加してくれたので,次世代への引き継ぎも何とかなることでしょう。

 さて,2日間にわたり出演したミュージシャンは30数名,二日とも14時開場の15時開演,終演は21時でした。ドラムは全て松田さんが演奏しますが,その他のミュージシャンは15分から30分くらいの間隔で入れ替わります。入場料は前売り券が1,000円,当日券は1,200円,ライブ会場への出入りは自由。
 ゼミが担当したのは,ライブ会場入り口でのチケットの販売ともぎり,ライブ会場内での飲食物提供の補助が中心でした。この夏,私たちはなんばパークスのイベントをお手伝いして,その際,「GO! NAMBA!」のTシャツをいただきました。会場は「難波屋」なので,全員,このTシャツを着て参加しました。
 私はライブ会場内の担当でしたが,昨年度も経験しているので,先生から後輩たちの指導を任されました。難波屋の筒井マスターからは,「とにかく元気に,声を出して行きましょう」とのアドバイス。ライブ会場は立ち見も含めて,二日ともいつも満杯で,ものすごい人口密度で息苦しくなるくらいでした。

 二日目のライブ終了後,学生スタッフたちも,ミュージシャンたちの打ち上げパーティに参加させていただきました。そこで,西成ジャズ代表の松田順司兄貴や,出演ミュージシャンたちから私たちに,「本当にありがとうございました。」と感謝の言葉をいただきました。私たちのために用意していただいていた座席は,何と,ミュージシャンたちよりも上座。松田兄貴の思いやりがヒシヒシと伝わりました。
 二日間連続でスタッフ参加した3回生の小幡晶子さんの誕生日は,この打ち上げ日の翌々日。それを聞いたピアニストのパクヨンセさんが,「ニアピンですね,みんなで誕生日を祝いましょう」と言い出して,松田さんを中心にミュージシャン全員が,小幡さんのため,「Happy Birthday」が大合唱してくださいました。私たち4回生は卒業してしまいますが,打ち上げパーティに出た2・3回生は,来年も一緒に頑張ろう,と思ったそうです。

松村先生からのひと言

 打ち上げパーティの翌日,私の携帯には,松田兄貴から「大変お世話になり,本当にありがとうございました。生徒さん達にもくれぐれも,宜しくお伝えしてください。皆さん本当に良くやってくださいました。来年もどうぞよろしくお願いいたします。」とのメールが入っていました。出演していたミュージシャンや西成ジャズの常連ファンからも,学生スタッフをねぎらうメールをいただきました。
 人という文字は,誰か他人を支えて,誰か他人に支えられていないと成り立ちません。そうするなかで信頼や友情や思いやりを経験的に学び,身体で覚えてゆきます。これは教室での講義を聞くだけでは学べないことであり,ある意味でゼミ活動の究極の目的でもあります。この8月末から10月にかけて,なんばパークスでのイベントを支え,西成WANを支え,西成ジャズを支え,現場と共育しました。