【松ゼミWalker vol.193】外国人旅行者を銭湯SENTOへ誘う方法を探る! (教員 松村嘉久)
大阪府公衆浴場組合との協働で外国人モニターツアー実施
ここ2,3年で大阪を訪れる外国人旅行者が急増したことは,誰の目にも明らかでしょう。関西空港を発着するLCC(格安航空会社)便が増え,アジア諸国からの訪日ビザが緩和され,円安が続いていることが追い風となっています。日本の安全・安心・安定が維持されれば,今後も東京オリンピックに向かって,外国人旅行者は増え続けるに違いありません。
現在の大阪の街場では,急増する外国人旅行者を自らの商売のなかへどのように取り込むのか,ということが喫緊の課題となっていて,新今宮TICの実績を知る人々から,私の研究室へ最近,色々な相談や依頼が来るようになりました。
そんななか,大阪府公衆浴場組合から,外国人旅行者を銭湯SENTOへ誘う方法を探りたいので協力して欲しい,という依頼が大阪観光局を経由して舞い込んできました。
私の母方の実家は,大阪市阿倍野区美章園で「天竜湯」という銭湯を営んでいました。もうずいぶんと前に廃業したのですが,子供の頃のお正月は,銭湯の広い脱衣場でいとこたちと騒ぎ,祖父や祖母,おじやおばらと楽しい時間を過ごした記憶があります。そのような事情もあって,私は銭湯に,強い愛着と良い思い出を持っています。「銭湯の振興のためなら,ぜひひと肌脱がせていただきたい」,と二つ返事で協力を承諾しました。
その後,大阪府公衆浴場組合のもと「外国人銭湯入浴促進会議」が組織され,私が委員長を務めることになり,外国人モニターによる銭湯体験ツアーが企画されました。
外国人モニターツアーの企画催行は,松村研究室の得意分野です。こうしたモニターツアーでは,外国人留学生で代替することが多いのですが,私たちは新今宮TICの活動を通じて,ガチンコの外国人観光客モニターを集められます。今回も大阪府簡易宿所同業組合の協力を得て,10月2日(金),7ヶ国12名の外国人モニターを集め,銭湯体験ツアーを行いました。
現在の大阪の街場では,急増する外国人旅行者を自らの商売のなかへどのように取り込むのか,ということが喫緊の課題となっていて,新今宮TICの実績を知る人々から,私の研究室へ最近,色々な相談や依頼が来るようになりました。
そんななか,大阪府公衆浴場組合から,外国人旅行者を銭湯SENTOへ誘う方法を探りたいので協力して欲しい,という依頼が大阪観光局を経由して舞い込んできました。
私の母方の実家は,大阪市阿倍野区美章園で「天竜湯」という銭湯を営んでいました。もうずいぶんと前に廃業したのですが,子供の頃のお正月は,銭湯の広い脱衣場でいとこたちと騒ぎ,祖父や祖母,おじやおばらと楽しい時間を過ごした記憶があります。そのような事情もあって,私は銭湯に,強い愛着と良い思い出を持っています。「銭湯の振興のためなら,ぜひひと肌脱がせていただきたい」,と二つ返事で協力を承諾しました。
その後,大阪府公衆浴場組合のもと「外国人銭湯入浴促進会議」が組織され,私が委員長を務めることになり,外国人モニターによる銭湯体験ツアーが企画されました。
外国人モニターツアーの企画催行は,松村研究室の得意分野です。こうしたモニターツアーでは,外国人留学生で代替することが多いのですが,私たちは新今宮TICの活動を通じて,ガチンコの外国人観光客モニターを集められます。今回も大阪府簡易宿所同業組合の協力を得て,10月2日(金),7ヶ国12名の外国人モニターを集め,銭湯体験ツアーを行いました。
モニターツアーの成果を踏まえて「銭湯八策」を提言
私はこのツアーをアテンドして,フランス人やイタリア人やカナダ人ら7名と一緒に,西成区の「ニュー浴ハウス ウェルネス」で入浴。「素っ裸になるのはさすがに恥ずかしい」との意見もありましたが,銭湯体験そのものは大好評。外国人モニターたちはたっぷり1時間以上かけて,電気風呂やサウナ風呂も楽しんでいました。この銭湯体験ツアーとモニター会議の様子は,2015年11月発行の『大阪浴場新聞』第189号で紹介されています。
外国人モニターによる銭湯体験ツアーの成果を踏まえて,私は「外国人観光客の急増と入浴促進:銭湯八策」という文章をまとめ,12月16日(水)開催の大阪府浴場組合の会合で講演させてもらいました。この会合には河内天美駅西側の新マネキ温泉の経営者もご参加されていました。坂本龍馬の船中八策をもじったこの講演では,どのようにすれば,外国人観光客たちに銭湯を認知してもらい,銭湯を楽しんでもらえるのか,そのための組織づくりや企画も含めて提言しました。
急増する外国人観光客の存在をどのようにして具体的な消費行為につなげるのか,これは現在の大阪の街場での課題のひとつです。銭湯側が積極的に外国人観光客を受け入れるのか,それとも外国人観光客に銭湯文化を受け入れてもらうのか,恐らく答えはその両者のせめぎあいのなかにあります。インバウンド時代の到来を受けて,日本のサービス業は「おもてなし」の本質を問い,サービス業の原点へもう一度立ち返るべきだ,と私は思います。
外国人モニターによる銭湯体験ツアーの成果を踏まえて,私は「外国人観光客の急増と入浴促進:銭湯八策」という文章をまとめ,12月16日(水)開催の大阪府浴場組合の会合で講演させてもらいました。この会合には河内天美駅西側の新マネキ温泉の経営者もご参加されていました。坂本龍馬の船中八策をもじったこの講演では,どのようにすれば,外国人観光客たちに銭湯を認知してもらい,銭湯を楽しんでもらえるのか,そのための組織づくりや企画も含めて提言しました。
急増する外国人観光客の存在をどのようにして具体的な消費行為につなげるのか,これは現在の大阪の街場での課題のひとつです。銭湯側が積極的に外国人観光客を受け入れるのか,それとも外国人観光客に銭湯文化を受け入れてもらうのか,恐らく答えはその両者のせめぎあいのなかにあります。インバウンド時代の到来を受けて,日本のサービス業は「おもてなし」の本質を問い,サービス業の原点へもう一度立ち返るべきだ,と私は思います。