【松ゼミWalker vol.225】西成WANの応援歌 「ここから…いまから」

 西成の公共性の高い壁にアートを描く活動,西成Wall Art Nippon(WAN)の応援歌が,2017年5月末,ついにリリースされました。2014年春から始動した西成WANは,西成アート回廊プロジェクト実行委員会(代表・松村嘉久)のもと,地元出身ラッパーのSHINGO★西成さんが総合プロデューサーとなり,地元の子どもたちや住民,アーティストや協賛企業などの支援を得ながら,これまで第1弾,第2弾,第3弾,第4弾とアート活動を展開してきました。その過程で,私もゼミの学生たちも,実に多くのことを学び,かけがえのない仲間ができました。

 この西成WANの原点は,やはり第1弾の作品「ここから いまから」(2015年1月制作)です。私たちにとっては,ここからはじまる,いまからはじめる,これから色々なことが起こるだろうが,何か思い悩んだらここへ戻って,自分たちの原点を確かめ,どの方向へ歩めばいいのか考えるような場所,となっています。写真はSHINGO★西成さんや地元協力者との記念撮影。
 西成WANの第1弾,第2弾でアーティストが描いたメッセージは,SHINGO★西成さんが構想したいくつもの手書きメモのなかから,スタッフらが意見を出し合いながら選びました。第1弾,第2弾とメッセージを選ぶなか,「これってそのまま曲になりそうやん,みんなが元気になるような,西成WANの歌をつくって欲しいなあ」という声があがりました。SHINGO★西成さんは,「わかりました」と静かにうなずいていました。
 2016年末のとあるゼミ日,私とゼミ生たちは阪南大学あべのハルカスキャンパスに集合。その日はゼミ終わりに,SHINGO★西成さんやRed Bullほかのスタッフと合流して,西成WANの打ち合わせがありました。ゼミ生が多く残って参加しているのを見て,SHINGO★西成さんは,「ちょうどええわ,みんな聴いてくれへん,先生も聴いてください」,と手書きの歌詞のコピーをみんなに配り,突然,歌い始めました。
 パソコンから流れるとてもシンプルなカラオケで,マイク無しのナマ歌。SHINGO★西成さんの語りかけるようなラップから始まり…,「どんなことがあろうと いつもそばにいるよ アセラズクサラズアキラメズ ここから いまから やればいい はじめればいい」,というサビのメロディが耳に残りました。フルコーラス聴いて,私は「ええ歌やなあ,今日この場におったゼミ生はラッキーやわ」と思いました。

 その後,この時の曲がレコーディングされ,西成WANの映像満載のプロモーションビデオも撮影,2017年5月末に,SHINGO★西成さんのアルバム『ここから…いまから』がリリースされました。このアルバムに収録されている「鬼ボス」という曲のプロモーションビデオは,2016年12月末に南港の海岸ギャラリーCASOで行ったCOLOR EXHIBITIONの作品をバックに撮影。同じく「エエやん」のプロモーションビデオには,松村ゼミの学生たちも一瞬だけ映り込んでいます。西成WANで描いたグラフィティを背中に歌う「ここから…いまから」は,このアルバムの代表曲です。
 2017年5月25日(木),SHINGO★西成さんから直々に,初回限定版のサンプルをいただき,ケースにサインしてもらいました。SHINGO★西成さんが私に書いてくれたメッセージは,「先生の背中と言葉 伝えていきます!」でした。松村ゼミは西成ジャズも応援しています。近い将来,西成ジャズとSHINGO★西成さんとの共演で,この曲を聴きたいものです。西成WANの応援歌「ここから…いまから」,松村ゼミの関係者もぜひ応援しましょう。
 なお,西成WANのこれまでの活動が,日本経済新聞電子版の映像記事「ウオールアート次々誕生 大阪・西成の街に彩り」に掲載されています。以下のアドレスで視聴できるので,ぜひご覧ください。

日本経済新聞 電子版 映像記事