新今宮TICから新今宮AICへ(岩崎陽向)
2018年11月から,新今宮TIC(Tourist Information Center)が場所も移転し,新今宮AIC(Area Information Center)として,リニューアルオープンしました。毎週土曜日,日曜日は阪南大学松村ゼミの学生たちが,その他の曜日は,大阪府簡易宿所生活衛生同業組合職員が新今宮AICにいて,10時から16時まで,来訪する人の問い合わせに対応しています。私たち1年生の岩崎陽向と田渕愛恵の二名は,松村先生の入門ゼミで新今宮TICのことを学び,「新今宮AICでボランティアやらんか」という先生の呼びかけに応じて,11月17日(土),24日(土)とスタッフ参加しました。
松村ゼミが運営してきた新今宮TIC(Tourist Information Center)は,2016年から窓口での観光情報の提供業務を休止していました。新今宮TICの業務は,1)観光情報の提供と旅の相談,2)外国人向けのまち歩きツアーの企画・実践,3)地域活性化を目的とした活動や調査研究です。松村先生によると,このうちの1)を一時的に休止して,ここ数年は特に2)・3)に力を注いできたので,新今宮TICそのものは,決して閉鎖していた訳ではないそうです。窓口業務の労力を地域活動へ使うことで,壁画を描いて賑わいを生む西成WANや,大阪のライブエンターテイメントを盛り上げる活動,外国人モニターツアーの実施や新今宮周辺の民泊の調査など,新今宮TICを拠点として成果を挙げてきました。
窓口業務を休止した理由は,創設当初と比べて,利用者が大きく減ったからだそうです。利用者が減った原因としては,例えば,スマホとWi-fiが普及して外国語の観光コンテンツも充実してきたから,新今宮周辺の宿泊施設スタッフの外国人対応能力が飛躍的に向上したから,新今宮TICで問い合わせの多かった内容を盛り込む形で,「新世界・西成食べ歩きMAP」や「OSAKA SHIN-IMAMIYA GUIDEBOOK」を作成して,宿泊施設で配布するようになったから,などと松村ゼミでは話し合われたそうです。また,窓口業務では,2015年夏くらいから,違法な民泊へ泊まろうとする利用者からの問い合わせが増え,「違法な民泊業者を助けるのは嫌だ,地域のためにもならない」,と先生もゼミ生たちもみんな疑問を持ったそうです。
では,なぜ,新今宮TICの窓口業務を,新今宮AICとしてリニューアルオープンしたのか。その理由は,新今宮周辺に宿泊している外国人のニーズが,多様になり変容してきたことを実感したからだそうです。新今宮周辺に滞在する外国人のなかで,最近,何度も訪日経験のあるリピーターが増え,長期滞在する外国人も増え,ワーキングホリデーで再来日した外国人も増えています。かつて求められたのは単純な観光情報や旅の相談でしたが,新たなニーズとして,長期滞在するためのアパートやワーキングホリデーで働ける場所を探す人も増えています。
新今宮周辺の地域の様子も,この数年でずいぶんと変わったそうです。星野リゾートがJR新今宮駅北側の空き地に進出することはよく知られています。私たちも先生の案内でフィールドワークして確認したのですが,数軒のホテルがすでに新築され,違法なものも含めて民泊も急増しています。お洒落な飲食店やバーもできました。これからは,観光客のための単純な情報だけではなく,地域にある様々な施設や組織と外国人をつなぐような存在が求められています。新今宮AICは,観光情報だけでなく,地域の色々な情報を広く集め,それらと外国人をつなぐ役割を果たします。学生スタッフが新今宮AICの運営に慣れ,スキルが向上したら,新今宮AIC発のまち歩きツアーも定期的に行えるよう,準備も進めています。
松村ゼミが運営してきた新今宮TIC(Tourist Information Center)は,2016年から窓口での観光情報の提供業務を休止していました。新今宮TICの業務は,1)観光情報の提供と旅の相談,2)外国人向けのまち歩きツアーの企画・実践,3)地域活性化を目的とした活動や調査研究です。松村先生によると,このうちの1)を一時的に休止して,ここ数年は特に2)・3)に力を注いできたので,新今宮TICそのものは,決して閉鎖していた訳ではないそうです。窓口業務の労力を地域活動へ使うことで,壁画を描いて賑わいを生む西成WANや,大阪のライブエンターテイメントを盛り上げる活動,外国人モニターツアーの実施や新今宮周辺の民泊の調査など,新今宮TICを拠点として成果を挙げてきました。
窓口業務を休止した理由は,創設当初と比べて,利用者が大きく減ったからだそうです。利用者が減った原因としては,例えば,スマホとWi-fiが普及して外国語の観光コンテンツも充実してきたから,新今宮周辺の宿泊施設スタッフの外国人対応能力が飛躍的に向上したから,新今宮TICで問い合わせの多かった内容を盛り込む形で,「新世界・西成食べ歩きMAP」や「OSAKA SHIN-IMAMIYA GUIDEBOOK」を作成して,宿泊施設で配布するようになったから,などと松村ゼミでは話し合われたそうです。また,窓口業務では,2015年夏くらいから,違法な民泊へ泊まろうとする利用者からの問い合わせが増え,「違法な民泊業者を助けるのは嫌だ,地域のためにもならない」,と先生もゼミ生たちもみんな疑問を持ったそうです。
では,なぜ,新今宮TICの窓口業務を,新今宮AICとしてリニューアルオープンしたのか。その理由は,新今宮周辺に宿泊している外国人のニーズが,多様になり変容してきたことを実感したからだそうです。新今宮周辺に滞在する外国人のなかで,最近,何度も訪日経験のあるリピーターが増え,長期滞在する外国人も増え,ワーキングホリデーで再来日した外国人も増えています。かつて求められたのは単純な観光情報や旅の相談でしたが,新たなニーズとして,長期滞在するためのアパートやワーキングホリデーで働ける場所を探す人も増えています。
新今宮周辺の地域の様子も,この数年でずいぶんと変わったそうです。星野リゾートがJR新今宮駅北側の空き地に進出することはよく知られています。私たちも先生の案内でフィールドワークして確認したのですが,数軒のホテルがすでに新築され,違法なものも含めて民泊も急増しています。お洒落な飲食店やバーもできました。これからは,観光客のための単純な情報だけではなく,地域にある様々な施設や組織と外国人をつなぐような存在が求められています。新今宮AICは,観光情報だけでなく,地域の色々な情報を広く集め,それらと外国人をつなぐ役割を果たします。学生スタッフが新今宮AICの運営に慣れ,スキルが向上したら,新今宮AIC発のまち歩きツアーも定期的に行えるよう,準備も進めています。
新今宮AICのスタッフを務めて(田渕愛恵)
新今宮AIC(Area Information Center)は,大阪市西成区の太子交差点の東南にあります。太子交差点に立ち堺筋の南側を向けば,新今宮AICの場所は必ずわかります。上の写真のように,新今宮AICの外壁には素晴らしい巨大なアートが描かれていて,人の目をひくからです。
このアートは西成WANの一環として,ブラジル人アーティストのTitiFreakさんが,色々な国の人たちが集まる新今宮AICをイメージして,オープンに合わせて11月初旬の連休に描いてくれました。アートは外壁から堺筋沿いの新今宮AICのシャッターへとつながっていますが,新今宮AICの運営中は残念ながら,シャッターをあげているため全ては見えません。TitiFreakさんのアートの力で,外壁をスマホで撮影する通行人も多く,新今宮の新たなインスタ映えスポットになりつつあります。
新今宮AICはまだリニューアルオープンしたばかりで,スマホを見て動く人も相変わらず多いので,窓口へ来る旅行者はそう多くありません。でも,堺筋沿いに色々なイベントや公演のポスターを貼り出し,誰でも自由に観光資料をとれるコーナーがあるので,立ち止まって,ポスターを見て,資料をとっていく旅行者や通行者はかなりいます。私たちは,松村ゼミの先輩たちから,大阪の観光事情や外国人に対応する方法などを学び,窓口で対応するための資料を作成して時間を過ごしています。松村先生が来られたら,先生の案内で食事に行きがてら,新今宮や新世界を中心にフィールドワークして回っています。宿泊施設やレストランや,地域の重要な場所を教えていただきながら,どのお店の何が美味しいのかとか,昔ここでこんなことがあったとか,これからこの場所はこうなる予定だとか,一つ一つ確認しながら歩きます。
新今宮AICには利用者だけではなく,色々な人たちが訪ねて来られて,色々な情報が集まります。例えば,11月には道頓堀GOTTAや近鉄アート館のスタッフが,ポスターとチラシを持って,宣伝に来られました。新今宮AICの堺筋を挟んだ向かい側が,西成ジャズのライブハウスDonna Lee at KAMA PUBなので,ミュージシャンやお客さんらも,AICの運営の様子を見に来られました。
11月24日(日)には毎日新聞の記者とカメラマンが新今宮AICの取材に来られ,12月1日(土)の毎日新聞夕刊にAICを紹介する記事が掲載されました。取材に来られた日は,2025大阪万博の開催が決まった翌日なので,新聞記者と松村先生がその話題で盛り上がっていました。11月初旬にTitiFreakさんが壁画を描いていた時も,西成WANについてのテレビ取材があったそうで,その模様は12月18日(火)の「雨上がりのAさんの話」という番組で放映されたそうです。
来年のラグビーワールドカップでも世界から日本へ旅行者が集まるでしょうが,2025大阪万博に向けて,大阪を訪れる外国人旅行者はますます増え,新今宮周辺のホテルに泊まる人も確実に増えるでしょう。外国人旅行者にとっても,住んでいる地域の人たちにとっても,快適に過ごせる地域づくりが大切だ,と私たちはゼミで学びました。新今宮AICのスタッフを続け,そうした地域づくりに少しでも貢献したいと思っています。
このアートは西成WANの一環として,ブラジル人アーティストのTitiFreakさんが,色々な国の人たちが集まる新今宮AICをイメージして,オープンに合わせて11月初旬の連休に描いてくれました。アートは外壁から堺筋沿いの新今宮AICのシャッターへとつながっていますが,新今宮AICの運営中は残念ながら,シャッターをあげているため全ては見えません。TitiFreakさんのアートの力で,外壁をスマホで撮影する通行人も多く,新今宮の新たなインスタ映えスポットになりつつあります。
新今宮AICはまだリニューアルオープンしたばかりで,スマホを見て動く人も相変わらず多いので,窓口へ来る旅行者はそう多くありません。でも,堺筋沿いに色々なイベントや公演のポスターを貼り出し,誰でも自由に観光資料をとれるコーナーがあるので,立ち止まって,ポスターを見て,資料をとっていく旅行者や通行者はかなりいます。私たちは,松村ゼミの先輩たちから,大阪の観光事情や外国人に対応する方法などを学び,窓口で対応するための資料を作成して時間を過ごしています。松村先生が来られたら,先生の案内で食事に行きがてら,新今宮や新世界を中心にフィールドワークして回っています。宿泊施設やレストランや,地域の重要な場所を教えていただきながら,どのお店の何が美味しいのかとか,昔ここでこんなことがあったとか,これからこの場所はこうなる予定だとか,一つ一つ確認しながら歩きます。
新今宮AICには利用者だけではなく,色々な人たちが訪ねて来られて,色々な情報が集まります。例えば,11月には道頓堀GOTTAや近鉄アート館のスタッフが,ポスターとチラシを持って,宣伝に来られました。新今宮AICの堺筋を挟んだ向かい側が,西成ジャズのライブハウスDonna Lee at KAMA PUBなので,ミュージシャンやお客さんらも,AICの運営の様子を見に来られました。
11月24日(日)には毎日新聞の記者とカメラマンが新今宮AICの取材に来られ,12月1日(土)の毎日新聞夕刊にAICを紹介する記事が掲載されました。取材に来られた日は,2025大阪万博の開催が決まった翌日なので,新聞記者と松村先生がその話題で盛り上がっていました。11月初旬にTitiFreakさんが壁画を描いていた時も,西成WANについてのテレビ取材があったそうで,その模様は12月18日(火)の「雨上がりのAさんの話」という番組で放映されたそうです。
来年のラグビーワールドカップでも世界から日本へ旅行者が集まるでしょうが,2025大阪万博に向けて,大阪を訪れる外国人旅行者はますます増え,新今宮周辺のホテルに泊まる人も確実に増えるでしょう。外国人旅行者にとっても,住んでいる地域の人たちにとっても,快適に過ごせる地域づくりが大切だ,と私たちはゼミで学びました。新今宮AICのスタッフを続け,そうした地域づくりに少しでも貢献したいと思っています。