京都や奈良と比べて、「大阪の街は歴史がない」と言う人がいます。神戸や東京と比べて、「大阪の街はダサイ」と言う人もいます。ところがどっこい!!　大阪は京都・奈良・神戸はもちろん、東京にもないエキゾティックな魅力にあふれる街です。
　2009年の松村ゼミでは、「Let's walk around OSAKA（大阪を歩こう）」と題し、外国人個人旅行者（Foreign Individual Tourists: FIT）を対象に、5回の街歩きを実施する予定です。FITの目から見れば、大阪はカルチャーショックを受けるワンダーランド。大阪の街を歩き倒した「大阪の達人」である松村ゼミの学生たちが、FIT向けに街歩きコースをプロデュースして案内します。
　街歩きに参加するFITは、大阪国際ゲストハウス地域創出委員会（OIG委員会）の協力のもと募る予定です。OIG委員会はFITを積極的に誘致することを目的として、新今宮界隈の簡易宿所の経営者有志が結成した組織です。
　最近、大阪市・大阪観光コンベンション協会・大阪商工会議所などが連携して、大阪コミュニティ・ツーリズム推進連絡協議会を設立しました。この協議会は街歩き観光の魅力を発信しています。しかしながら、従来の街歩き観光の主なターゲットは日本人の中高年の団塊世代。FITは外国人の若者が多いので、彼らの楽しめる街歩きコースはとても少ないのが現状です。そこで松村ゼミでは、大阪コミュニティ・ツーリズム推進連絡協議会とも連携して、従来の街歩き観光の空白を埋めるべく、FITを対象としたものを提案し実行したいと思っています。
　Let's walk around OSAKAは、FITに大阪の「ありふれた日常」と「ささやかな非日常」を楽しむ街歩きを提案する野心的な試みです。学生がプロデュースしたコースを学生たちの案内で歩き、決して背伸びをしない等身大の「大阪」を外国人に見てもらう。大阪の観光振興や都市再生はそこから始まるかもしれません。