ホテル中央「オアシス」のモニター宿泊について (レポーター:松村嘉久)

フィールドワークの着想

 松村ゼミは2009年4月26日(日)から28日(火)にかけての2泊3日で,「新今宮からの日帰り観光をフィールドワークする」という企画を実行した。阪南大学国際観光学科の1・2年生にも広く声をかけ,3日間で延べ120名を超える学生が,関西圏の著名な観光地や地元大阪の観光地を巡り,外国人個人旅行者の目線からはどのように見えるのか,という視点からフィールドワークを行った。その成果はゼミ生たちがまとめているので,近々,このホームページで報告されることでしょう。
 ここでは,なぜこんな大がかりなフィールドワークが実現したのか,そのいきさつを紹介しておきます。

ほんまにタダですか

 新今宮で観光案内所を試験的に運営していた今年2月のことでした。ホテル中央グループの山田純範(よしのり)会長が観光案内所を訪れ,私との間でこのような会話がありました。
 山田会長 「中央グループが新しいホテルをこのゴールデンウィークにオープンする予定なんです。松村先生のところのゼミ生さんたちに,モニターで宿泊していただいて,国際観光学を学ぶ学生さんの目線から色々とご意見をいただきたいんです。新しいシステムがちゃんと動くか,オープン前に確認したいんです。」
 私 「モニター宿泊ということはタダですか。」    
 山田会長 「当然です。」
 私 「何人くらい泊めていただけますか。」    
 山田会長 「100人でも大丈夫です。」
 私 「えぇ,100人もですか。ほんまにタダで泊めていただけるんですか。」
 山田会長 「こちらからお願いしているんですから,当然です。連休前なんで学生さんが集まりにくいかもしれませんが,お願いできますか。10名でも100名でも構いません。」

頭のなかでスパークした!!

 その後,私の頭のなかでいくつかの懸案がスパークしました。最初に思い浮かんだのは,2009年度入学のAO入試の新入生たちに,「関西以外からの学生が多いから,入学したら私が大阪や関西を案内したるわ。」と入学前教育で約束したことでした。
 次に,観光案内所の常設化と関連して,新今宮を拠点とした日帰り観光の情報収集が不可欠なこと,そうした情報収集に関わり観光案内所の運営にボランティア参加してくれる優秀な学生をゲットしなければならないこと,このふたつが同時に思い浮かびました。
 最後に,松村ゼミは現代GPのキャリアゼミなので,確か予算がついているはず…。
 以上から出てきた答えは…
 「うちのゼミ生を核として,AO新入生とやる気のある2年生を勧誘してメンバーを募り,モニター宿泊を有効利用させてもらい,新しいホテルにタダで合宿して,キャリアゼミの予算で関西圏の観光地に学生たちをフィールドワークに向かわせる。そして,その成果は観光案内所の常設に活かし,参加した学生たちを観光案内所の中核メンバーに勧誘する。」でした。

山田会長とホテル「オアシス」のスタッフに感謝!!

 ゼミの幹部に相談すると,「それは面白い,楽しそう。」との賛同を得て,実現することになりました。全ては山田会長からのお申し出がきっかけとなり,念願の「新今宮からの日帰り観光をフィールドワークする」という企画が実現するに至りました。
 山田会長に深く感謝いたします。また,グランドオープン直前の多忙な時期にもかかわらず,学生たちをあたたかく迎え入れていただいたホテル「オアシス」のスタッフの皆様方,本当にありがとうございました。
 さて,私にとっても五十数名が一斉に動く久しぶりの大規模なフィールドワーク。その成果は学生たちからの報告に委ねるとして…。ここではモニター宿泊で出た学生からの意見や感想などをまとめて報告したい。国際観光学科の学生といっても,特にAO入試の新入生などは1ヶ月前までは高校生。宿泊施設に関する知識や宿泊経験もまだまだ不充分であり,なかには的外れな意見や感想もありますが,ホテルスタッフから丁寧なご応答をいただいたので,それもあわせて紹介します。

新今宮にオアシスが湧き出た!!(レポーター:松村嘉久)

オアシスの概要

 オアシスはホテル中央グループの6軒目の新築ホテルであり,地域の期待も集まるなか,2009年5月2日(土)にグランドオープンした。住所は大阪市西成区太子1-9-15,電話番号は06-6647-6130。ホームページ(http://chuogroup.jp/oasis/)は日本語・英語・韓国語・中国語・タイ語の五ヶ国語で作成されていて,ここから予約もできる。
 最寄り駅の地下鉄御堂筋線動物園前駅からは徒歩で3分,堺筋線動物園前駅やJR大阪環状線新今宮駅からは徒歩で5分ほど。南海電鉄の新今宮駅からでも10分歩けば着く。大通りから一本南に入ったところにあり,少しわかりにくいかもしれないが,この界隈で最も背の高い新築の真っ白な建物なのでとても目立つ。
 建物は10階建て。1フロアーに客室が12部屋あり,各フロアーの作りは全て同じである。各フロアーの1号室から7号室までが通天閣を臨む北側,8号室から12号室までが遠く堺市を臨む南側に位置する。1階はフロントと広い共用のオープンスペースのみで客室はなく,総客室数は108部屋である。

部屋は快適,これで3,300円?!

 各フロアーの部屋の内訳はシングル9部屋,ツイン3部屋。各階の7号室は広めでソファーベッドがあり,トリプル対応もできる。廊下はシンプルであるが,明るく広い。畳敷きの和室は601・701・801号室の3部屋のみでいずれもツイン,その他の客室は全てフローリングの洋室である。部屋の広さはシングルで12平米くらい。照明がとても明るく窓も広いので,手狭な感じは全くしない。
 何よりもありがたいのが,客室全てにユニットバス・ウォッシュレット付きトイレ・冷暖房が完備されていて,24時間熱いお湯が使い放題なことである。
 備品としては,机・椅子・液晶テレビ・ドライヤーなどがあり,タオル・バスタオル・バスローブ・歯磨きセット・使い捨てスリッパがアメニティグッズとして置かれている。
 新今宮界隈の簡易宿所・ビジネスホテルで全室バス・トイレ付きところは,ここ「オアシス」だけである。各客室には高速LANケーブルがあり,インターネットも使い放題。ベッドも布団も快適で安眠できる。部屋の出入りはカードキーで行い,廊下やエレベーターには防犯カメラがあり安心。これでシングルが1泊3,300円,ツインが6,600円,トリプルが9,900円,と激安の料金設定になっている。

広く充実した1階のオープンスペース

 1階フロントは明るく,早朝から深夜まで英語対応もできる親切なスタッフが常駐している。タイ語・中国語を話すスタッフもいる。深夜を過ぎると入口の自動ドアは閉まるが,外からカードキーでドアが開くシステムが採用されているので,深夜の出入りにも不便さは全く感じない。フロント前のロビーは広々としていて,オアシスのイメージで水路が掘り込まれ水が流れている。
 1階の共用オープンスペースはとても広く充実している。インターネットにつながったパソコンが3台あり,これも無料で利用できる。常時ホットコーヒーが無料で提供されている。各部屋にトイレはあるが,1階オープンスペースにも身体障害者対応の広いトイレが三箇所ある。共用スペースはバリアフリーになっている。この他に,飲み物の自動販売機,コイン式の洗濯機・乾燥機も設置されていて,自炊設備もある。四人掛けのテーブル3台,三人掛けソファー2台があり,商談や会議などもできる。バックパックやトランクなども軽々と収納できる大型のコインロッカーも設置されていて,無料で利用できる。
 今回のフィールドワークでは,50名を超える大人数がオープンスペースに集結したが,グループごとに集まって簡単な打ち合わせが行えた。夜には松村ゼミと2年生有志の20数名でミーティングも行えた。

モニター宿泊した学生からの意見や感想(編集責任:松村嘉久)

仲田美穂(2回生)

 部屋は白基調で落ち着いていて,枕は軽く低反発で寝やすかった。バスローブ・タオル・歯ブラシセットがベッドの上にあり,ユニットバスにはシャンプー&リンスとボディーシャンプーがありました。ただ,ルームカードキーに印字されている文字がカタカナなので,外国人旅行者には分かりにくいのではないか,と思いました。外国人ならばローマ字表記で印字できるのでしょうか?
(「オアシス」スタッフより)
 もちろん,ローマ字表記で印字できます。カードキーは深夜0時以降の正面玄関の出入りでもご利用いただけます。また,オアシスではポイントカードシステムも導入いたしました。
 1泊で1ポイントがたまり,1ポイントで200円の値引き,10ポイントで1泊サービスさせていただいております。長期滞在やリピート利用される方にお得なシステムですので,是非ともご利用ください。

桑本聡美(1回生)

 モニター宿泊では朝食はなかったが,どんな朝食が用意されるのでしょうか。
(「オアシス」スタッフより)
 朝食としては,クロワッサン2個・インスタントスープ・珈琲or紅茶をご用意させていただいております。このセットで200円いただいております。就職活動でご利用の学生さんの宿泊プランでは,これを無料で提供させていただいております。

田中陽・和田昂之(ともに1回生ツイン利用)

 田中:ツインに呼び鈴・インターホンがなく,カードキーが1つしか貰えなかったので,相部屋の子が戻ってきた際,とても不便でした。
 和田:1泊3,300円であの部屋なら,値段は申し分ないと思う。ツインに宿泊したが,今まで泊まったホテルとは違い,照明が明るく窓も広く,開放的な印象を受けた。
(「オアシス」スタッフより)
 貴重なご意見,ありがとうございます。
 カードキーは基本的に1部屋1枚の方針で対応させていただいております。しかしながら,ツイン部屋にお二人でご宿泊される場合で,お客様から特段のご要望があれば,それに個別対応させていただく形で,もう1名分のカードキーを発行させていただくよう改善いたしました。次回ご利用の際はお気軽にお申し付けください。

田谷成美(2回生)

 オアシスは想像していた以上に設備がよかった。1泊3,300円は新今宮の簡易宿所としては高いかもしれませんが,設備が良くて清潔なので,女性でも外国人でも安心して宿泊できると思いました。例えば,女性専用のフロアをつくって,新今宮で女性1人でも安心して宿泊できるということをアピールすればいいのではないかと思います。共用スペースにはコーヒー以外に,お湯・電子レンジ・自動販売機などがあるともっと便利だなと思いました。
(「オアシス」スタッフより)
 貴重なご意見ありがとうございました。「女性でも安心」という観点は,我々スタッフもとても重要だと考えております。オアシスではエレベーター内・フロント・各階フロアー部分などに防犯カメラを備え,スタッフが注意深く目を配っております。また,現在のところ,2階・3階を禁煙タイプの女性専用フロアーとさせていただいております。
 モニター宿泊の際はまだ設置しておりませんでしたが,現在では1階に,大きな湯沸かしポット・電子レンジ・清涼飲料水の自動販売機なども設置してございます。

戸川恵梨子・生田実里・仲井直生・牧野彩花(全員1回生)

 戸川:部屋にティッシュや飲み物用・うがい用のコップがあればいいと思いました。無料のコインロッカーもあり,建物も全て綺麗で良かった。
 生田:1泊3,300円であれだけきれいなホテルに泊まれるのは,とてもいいと思います。しかし,部屋の備品が少ないように感じました。ティッシュや綿棒,歯を磨く時に使うコップなどあればもっと快適に過ごせると思いました。シャンプーもあわなかった。タオルもあと1枚あれば便利だと思いました。
 仲井:他のホテルに泊まったことがないのですが,オアシスは綺麗でびっくりしました。部屋にドライヤーがあり便利。壁の空気窓もかわいらしかった。
 牧野:3,300円の値段はすごく魅力的で,フロント・ロビーの雰囲気もとても素敵でした。ツインも広く部屋もとても綺麗で快適でした。少し不安に感じたのは,部屋で電話してる声,喋ってる声が漏れていて,壁が少し薄いのかなと思いました。あと,シャンプーインリンスではなく,女性のことを考えてシャンプーとリンスは別の方がいいと思いました。
(「オアシス」スタッフより)
 ご意見をいただいた皆様以外にも,モニター宿泊していただいた多くの方々から,客室内の備品やアメニティグッズに関するご意見やご要望をいただきました。快適な空間を如何にリーズナブルな価格で提供するのか。我々も頭を悩ますところです。この件に関しましては,最後にまとめてお答えさせていただきます。

小林志帆(1回生)

 フロントの接客の方々はとても親切で親近感が持てました。お客さんが来た時のチェックインをパソコンで操作されていましたが,パソコンが1台しかなく,多忙時には対応が難しいのではと思いました。
 今回はJR新今宮駅からホテルまで,松村ゼミの先輩に案内していただき,駅から近いと分かりました。でも,駅からの経路をホテルのホームページなどでうまく伝えないと,場所が分かりにくいと思います。周りの宿泊施設より清潔感があり,入りやすい雰囲気なのでお客さんの利用も増えると思いました。
(「オアシス」スタッフより)
 ありがとうございます。ハード面での改善は,コストとの兼ね合いから,なかなか難しいところもございます。スタッフの接客やサービスなどのソフト面は,皆様からのご意見を真摯にうかがい,積極的に改善するよう今後とも努力してまいります。
 モニター宿泊からグランドオープンを経て現在まで,最もフロントが混雑・混乱したのがモニター宿泊の時で,皆様をお待たせしてしまいました。申し訳けございません。現在ではスタッフ一同,フロントのシステムにも慣れ,フロント業務を以前よりは随分はやくこなせるようになりました。オアシスをご利用のお客様は個人客が多く,大人数での団体利用はほとんどありませんので,今のところパソコン1台で頑張る所存でございます。ただし,システムのバックアップも必要なので,もしもの時に代替できるよう,設備の更なる充実を図りたいと思います。
 オアシスの場所がわかりにくいとのご意見も多くの学生さんからいただきました。この点に関しましては,地図や案内方法を改善するとともに,松村先生と皆様方学生ボランティアによる新今宮観光案内所の常設運営に強い期待を寄せております。今後ともご協力ください。

尾松真理絵・前田紗央里(ともに2回生)

思いつくまま箇条書きで書きます。
1. シャワーの温度調節についての注意書きがなく,いきなり熱湯が出てきてやけどしそうになった。
2. 浴室と部屋の段差が高いと感じた。
3. 隣の部屋や同じ階で騒いでいる声がかなり聞こえたので,日本語・外国語で部屋置きの注意書きを備えた方がよい。私たちのように団体で利用する客は少ないかもしれないが,もし団体利用の申し込みがあれば,同じフロアーに集めた方がよい。
4. 入浴時,浴室に着替えを置くスペースがなく不便だった。
5. コインロッカーが部屋の数に比べて少ないので,ロッカーが足りない時は,フロントで荷物を預かるなどのサービスも必要だと思った。
6. フロント横のコーヒーメーカーのところに湯沸かしポットを常備すべき。
7. クシや綿棒などのアメニティグッズは,部屋に常備するか,フロント横の共用スペースに置き,必要な人が自由にとるようにすればいい。
8. 私の泊まった部屋からの景色はよかったが,下の階に泊まった友人の部屋は,窓の向こうが隣のビルの窓で,景色どころかカーテンを開けられなかった。上の階と下の階が同じ料金ならば,絶対に上の階の方がいい。窓からの景色が違うのに,同じ料金ならば,納得がいかないのではないでしょうか。
(「オアシス」スタッフより)
 厳しくも的確で鋭いご意見ばかりで,とても参考になります。本当にありがとうございました。
 1・3は確かにご指摘の通りで,フロントで配布する注意書きの作成にとりかかりましたので,近々改善できるかと存じます。2は部屋の構造上の問題ですので,今のところどうしようもございませんが,注意書きでの対応などを検討いたしております。4はコストのかかる話ですので,直ちにとはいきませんが,的確なご意見なので,将来の設備改善の際に優先的に考えさせていただきます。
 5・6はもう対応いたしております。フロント裏にも広いスペースがございますので,ロッカーに入らないような大きなお荷物でも,預からせていただきます。お気軽にフロントにお申し付けください。
 7はとても魅力的な発想で参考になりました。アメニティグッズの不備を補完するためにも,1階の共用オープンスペースを充実させる方向を現在検討しています。
 ご意見8は宿泊施設の宿命でもありますが,とても厳しいご指摘であり,今後とも検討していきたく存じます。将来的には宿泊プランや宿泊価格などと連動させて,お客様に納得していただけるよう,努力を重ねていきたいと存じます。

若松大智(2回生)

 1泊3,300円であの設備は文句の言いようがない。サービス面でも,私の部屋のドアが開かなくなった際,スタッフの方々が丁寧に対応して下さり,非常に好感が持てました。
 細かい部分で少し気になった点はありました。例えば,廊下での会話が部屋のなかまで聞こえてしまうので,廊下でのマナーをお客様に気をつけてもらうことが大事になってくると思います。
 今までとは違った客層を狙うオアシスは,今後の新今宮の活性化の起爆剤になると思います。従来の簡宿ではないからこそ出来る取り組みが,オアシスにはあると思うので,これから外国人旅行者,国内旅行者ともに沢山の旅行者で賑わうホテルになって欲しい。
(「オアシス」スタッフより)
 客室で快適かつ静かな空間をお楽しみいただくためにも,1階の共用オープンスペースの更なる充実を図っていきたいと考えております。
 力強い励ましの言葉,本当にありがとうございます。国内外からの旅人たちに都会のオアシスを,快適にくつろげる空間を,リーズナブルな価格で提供できるよう,スタッフ一同で力を合わせて頑張りますので,今後ともよろしくご支援ください。

「オアシス」スタッフ一同より(責任編集:「オアシス」マネージャー 増田力)

 先日のモニター宿泊では,まだ工事中の設備も多々あり,スタッフもシステムに不慣れであったため,学生の皆様におかれましては,何かとご不便を感じられたことと存じます。どうかご容赦ください。皆さんのモニター宿泊で設備やシステムの具合を確認させていただき,モニター宿泊終了後には数多くの貴重なご意見やご感想をいただきました。おかげさまをもちまして,5月2日(土),無事グランドオープンすることができました。本当にありがとうございました。
 我々スタッフ一同は,都会のなかのオアシスのような快適な空間,のどの渇きや心身の疲れを癒し明日への活力を蘇らせるような空間づくりを目指し,それを観光や出張で疲れた旅人やビジネスマンに,出来るだけリーズナブルな価格で提供できるよう,日々努力を重ねております。「快適さの追求」と「リーズナブルな価格」,この相反する二つの使命を両立させるため,我々スタッフ一同はいつも頭を悩ませています。
 モニター宿泊していただいた学生の皆様の多くから,客室にこれがあればもっと便利だろう,これがあればもっと快適だろう,というご意見やご感想をいただきました。皆様に是非ともご理解いただきたいのは,快適な空間づくりを1泊3,300円という枠のなかで実現していかなければならない,ということです。我々が目指すオアシスは,第一に,色々な国や地域の色々な人たちが気軽に立ち寄れるところでなければならない,と考えています。そのためにも,「リーズナブルな価格」は是非とも維持していきたいところです。
 今後の方針といたしましては,プライベートな客室内部と共用のオープンスペースを分けて考え,その両者を相互補完的に充実させる方向で,オアシスのような空間の形成を試みて行きたいと存じます。客室内部の備品やアメニティグッズや設備は,誰もが必要とするものをしっかりと見極め,コストが許す範囲で順次導入していきたいと存じます。一方,共用のオープンスペースは,様々な宿泊客の様々なニーズに対応できるよう,出来る限り充実させていきたいと考えております。
 例えば,コップ・綿棒・クシなどのアメニティグッズはご使用されないお客様も多く,衛生上の問題もあるので,スタッフの目の届く共用スペースに置き,ご自由にお取りいただく,という具合に対応していきたいと考えております。共用オープンスペースを充実すれば,お客様が自然とそこに集まり,とりわけ海外からの個人旅行者様の場合は,お互いの交流や情報交換が促進され,本当のオアシスのような空間が生まれるかもしれない,と期待いたしております。
 新今宮に泉が湧き出しオアシス空間ができるよう,我々スタッフ一同は今後とも努力してまいりますので,よろしくご協力・ご支援ください。