2019年度中山ゼミでは、「大阪のナンバー1を巡り外国人観光客の受け入れ状況を調べる」というテーマで6月15日に初めてのフィールドワーク(FW)を実施した。まず、日本一高いビル、あべのハルカスに集合、大阪市で唯一の国の特別史跡である大阪城に行き、日本一長い商店街として有名な天神橋筋商店街を歩き、最後に「西」日本で一番低い天保山に登頂した。
 そのうち、大阪城と天神橋筋商店街で「外国人観光客の受け入れ状況」について事前調査をしたうえで、以下の項目について現場調査を行った。
  1. 多言語対応の状況
  2. 外国人に特化したサービスの有無
  3. 大阪城の土産物店の売れ筋商品と天神橋筋商店街のおすすめ
  4. 外国人観光客へのインタビュー
 なお、本報告は以下の構成となっている。

1.大阪城     執筆者:長谷川紗江(参考文献も含む)

  1. 多言語対応チーム       :近藤うらら
  2. インタビューチーム      :杉本真悟
  3. 土産物チーム         :轟紫帆
  4. サービスチーム        :宮本采芽
  5. 参考文献

2.天神橋筋商店街    :田中杏(参考文献も含む)

  1. 1・2丁目          :山出梨奈
  2. 3・4丁目          :松田健吾
  3. 5・6・7丁目        :河辺太一
  4. 参考文献

3.個人感想文

  1. 岡田沙羅
  2. 市村まい
  3. 藤本優生
(中山惠利子)

国際観光学部1年生「大阪FW2019」中山ゼミ報告

1.大阪城   長谷川紗江

 初代大坂城は広く知られているように、豊臣秀吉によって1583年に天下統一の拠点として権威と権力を象徴するために築城が始まった。しかし、1615年に徳川家康が大坂夏の陣で豊臣家を滅ぼし、初代大坂城は落城した。1620年に徳川秀忠が西日本支配を確立し、より豪壮な新城を築くために初代大坂城を地下に埋めて再築城に着手したが、この二代目は落雷によって1665年に焼失した。これ以降長い間、天守台しかない状態であったが、1931年(昭和6年)、当時の大阪市長であった関一が大阪人の夢と願望を象徴するため、当時最新の建築工法を用いて築城されたのが現在の大阪城(三代目)である。初代大坂城は埋められたため地下に遺構が発見され、地上の石垣や堀には徳川時代のものも残っている。
 大阪城の見どころは、天守閣以外にも沢山あり、巨石もその中の一つである。中でも、本丸入口に入ってすぐにある蛸石は1度見たら忘れられない程の大きさで、こんなものが運べるのかと不思議に感じた。観光客は皆、記念撮影を撮っていた。
 この大阪城がここ数年で大きい変化を遂げている。ウォーカープラス「大阪インバウンド最前線」によると、2017年に天守閣のそばにある元・大阪市立博物館を「ミライザ」という土産物や飲食店の他に忍者体験や幻影博物館が入る施設に変え、大阪城の近くには「ジョーテラス」という土産物店と飲食店が入る施設をつくった。また、2019年には外国人観光客を対象とした劇場型文化施設「クールジャパンパーク大阪」ができた。このように、外国人観光客をターゲットにした取り組みも進んでいるという事が、事前調査でわかった。
 では、現在大阪城にはどのくらい外国人観光客が来ているのだろう。大阪観光局「来阪外国人旅行者数」の2018年データによると、大阪の外国人観光客は1,141万6千人である。また、前述の「大阪インバウンド最前線」によると、大阪城公園全体では日本人も外国人も含めて年間約1,200万人が来場しており、大阪城天守閣への入館者は約270万人である。そのうち、外国人観光客はほぼ半分の約130~140万人(これは大阪に来る外国人観光客の約12%である)ということである。しかし、私たちが天守閣を訪れたときは、外国人観光客のほうが日本人観光客よりずっと多いと感じた。
 大阪城では、4つのチームに分かれて、調査を行った。各チームの報告は、下線の者が執筆を担当した。
  • 多言語対応チーム   市村まい・近藤うらら・長谷川紗江
  • インタビューチーム  岡田沙羅・杉本真悟・松田健吾
  • 土産物チーム     轟紫帆・藤本優生・山出梨奈
  • サービスチーム    河辺太一・田中杏・宮本采芽

多言語対応チーム
近藤うらら

1.事前調査
 私たち多言語対応チームは大阪城がどの程度多言語対応をしているかについて調査した。
 ウォーカープラス「大阪インバウンド最前線」によると、インバウンドが増加して最も変わったことは、天守閣で日英中韓4カ国語対応の熱中症注意のアナウンスや何かあった時の海外からの観光客の誘導アナウンスなどを用意したことである。また、日本語表記だけだったパンフレットやお店のメニューを多言語対応にしたそうである。さらに、この連載が書かれた2018年8月には、それぞれの施設のリーフレット・ガイドブック・ホームページの多言語対応に着手しているところだということもわかった。
 また、大阪に来る外国人観光客の国・地域別の数を大阪府のホームページから調べると、中国、韓国、台湾の順番であった。そのため、日本語、英語のほかに中国語と韓国語の対応をしていることが分かる。

2.現場調査
 大阪城天守閣に入るため待っている間、事前調査どおりに、熱中症対策のアナウンスが4カ国語で流れていた。事前調査ではわからなかったが、天守閣のスタッフには4カ国語それぞれの担当者がおり、天守閣の入館者の半分を占める外国人がより理解を深められるようにパンフレットも4カ国語で翻訳されていた。中国人観光客が多いためか、中国語対応のパンフレットの在庫が少なかった。土産物屋やレストランなどが入っているミライザではボランティアスタッフがそれぞれ話せる言語のバッチを付けていた。飲食店のメニューにも4カ国語が使用されていた。また、大阪城公園の敷地内に設置してある看板や誘導案内もほとんどが4カ国語で表記されていた。さらに、ウォーカープラスでは多言語化に着手していると書かれていたリーフレット・ガイドブック・ホームページもすでに4カ国語版がそろっていた。ただ、天守閣内にある歴史に関する展示物の説明は主に日本語と英語であり、中国語や韓国語は少なく、説明の内容も薄かった。英語、中国語、韓国語に対応した音声ガイドがあるので、それで補っているのだろう。

3.まとめ
 事前調査で調べた以上に現状では日、英、中、韓の4カ国語対応が増えていた。反対に、4カ国語以外の言語がほとんど見受けられなかった。スタッフに聞いた話では、英語圏以外の来場者にも英語で説明できることが多いため、英語が話せるスタッフが多いそうだ。しかし、インバウンドが増加した近年では英語以外の言語しか使えない観光客も増えているであろう。そういう観光客に日本の良さをもっと深く知ってもらうためにも、今後もその他の言語を増やしていくことが必要であると思う。

インタビューチーム
杉本真悟

1.調査内容
 私たちは、大阪城で外国人観光客にインタビューをした。インタビュー内容は、①出身国、②大阪城を見てどう思ったか、を共通してすべての調査対象者に聞き、誰ときたか、次にどこに行くのかなどの質問は状況に合わせて聞いた。①・②を中心として聞いた理由は、大阪城はどのような国の人が訪れ、どのように魅力的に感じるのか、実際に見た感想が知りたかったからだ。
2.現場調査
 大阪城では9組の外国人観光客グループに話を聞いた。その結果を以下の表にまとめる。
国名(グループごと) 大阪城の感想 その他
イギリス Amazing!
(素晴らしい!)

家族で来た

スペイン Beautiful
(美しい)

友達と来た。
次に観覧車に乗るために梅田に行く。

アメリカ Impressed
(印象的だ)

次に東京に行く。
日本の歴史が好きで大阪城を訪れた。
1週間日本に滞在する予定で、その3日間は
大阪で過ごす。

ブラジル Interesting
(興味深い)

この後、水族館にいく。

オーストラリア Cool
(かっこいい)

お土産は買わない。
武器・兵士が好きで大阪城に来た。

イギリス Fun
(楽しい)

暑いから、この後は飲み物を買いに行く。

オーストラリア Fantastic
(素晴らしい)

休暇で来ている。
東京でお土産を買うから、大阪では買わない。
広島→大阪→東京に移動する。

オランダ Beautiful
(美しい)

2人の子どものためにおもちゃを買った。
子ども2人と夫と来ている。
大阪に3日間滞在している。

中国・ドイツ・台湾
の3人グループ

Cool・
Nice view
(かっこいい・
いい眺めだ)

同僚と休暇で来ている。
お土産は買わない。
この後ミュージアムに行く。

3.まとめ
 事前調査でわかっていたことではあるが、現場に行った率直な感想は、外国人観光客が非常に多い、とりわけアジア圏からの観光客が多いということである。しかし、私たちがインタビューした外国人観光客の出身に見るように、アジア圏以外からの観光客も少なくなかった。観光客に大阪城の感想を聞くと、天守閣の外観に感銘を受けている人が多かった。また、日本の武器や兵士に興味をもって大阪城を訪れたという観光客もいた。私たちは、大阪城は日本的な建造物として魅力があるから外国人観光客に人気があると考えていたが、中には日本の歴史や武器などに興味を持って訪れている観光客がいることが新たな発見だった。さらに、インタビューをした観光客の中では、大阪城でお土産を買う人が少なかったことが意外だった。
 今回は英語による初めてのインタビューだったので、前の晩に寝られないくらい緊張した。しかし、実際に外国人観光客に話しかけると、自分たちの英語を一生懸命理解しようとしてくれたり、簡単な英語で答えてくれたりして、不安や緊張は吹き飛び、天神橋筋商店街では自分から進んでインタビューしたくなるほどだった。また今回は、質問内容も簡単なことしか聞くことができず、事前に準備していた他の質問も緊張でド忘れしてしまったり、アジア系の外国人に対して英語で話しかける勇気が出なかったり、と反省点があった。次回は事前準備をもっとしっかりして、アジア系を含むより多くの外国人観光客に積極的に話しかけ、相手の話をさらに深く詳しく聞いていくようなインタビューをすることを目標にしたい。

土産物チーム
轟紫帆

1.事前調査
 私たちは、大阪城の土産物について調べた。事前調査では、大阪城観光ガイドというWEBサイトから、大阪城の敷地内に土産物屋は5か所あることがわかった。天守閣にミュージアムショップ(1F・展望台8F)が2か所、ミライザ大阪城に大阪城本陣と忍屋、ジョーテラスに1か所である。また、お土産としてよく売れているものは、インバウンドに関係なく、配布しやすい物であることが分かった(ウォーカープラス連載第1回「大坂インバウンド最前線」)。また、事前に天守閣ミュージアムショップで売られている大阪城限定品を一覧にした。

2.現場調査
 はじめに、大阪城天守閣に行った。天守閣内は外国人観光客でにぎわっていた。ミュージアムショップでも外国人観光客の割合が高かった。外国人観光客の購入品を観察してみると、手軽に持ち運びのできる小物がよく売れており、その中でもキーホルダーが売れていた。値段を見ると、500円以上の商品ばかりで、私たちは少し高いと思ったが、外国人観光客は購入していた。1Fのミュージアムショップにはお菓子などが多く販売されていた。レジの店員に外国人観光客がよく購入する土産物について尋ねると、アジア系の外国人観光客はのぼり旗や武器のレプリカなど日本の伝統的なものや事前に調べた大阪城限定商品をよく購入し、欧米系の外国人観光客は持ち運びに便利な絵はがきやキーホルダーを購入するとのことであった。
 次に、ミライザにある大阪城本陣に行き、外国人観光客がよく購入する商品について店員にたずねた。すると、やはりミュージアムショップの店員と同様にアジア系とヨーロッパ系で購入するものがはっきりと異なることが分かった。アジア系の観光客は和菓子や九谷焼きなど日本でしか買えないものを好んで購入しているそうだ。和菓子の中でも、こんぺいとうや抹茶の商品が売れているということである。抹茶は事前調査でも人気があると書かれていた(前述ウォーカープラス)とおりである。また、お菓子以外の商品としてはハローキティーのおしゃべり人形や、ぐでたまのクリアファイルが良く売れているということであった。なお、ミライザには忍者グッズや戦国グッズを多数取り揃えた忍屋もあったが、時間がなくてこちらは調べられず、残念であった。
 最後にジョーテラスに行った。今までの土産物屋と異なり、大阪城から少し離れているからなのか、大阪城にちなんだ商品が少なく、大阪名物の商品が多いと感じた。レジの店員によると、今の季節は大阪城Tシャツが最も売れているそうだ。また、来年開催される東京オリンピックの公認キャラクターストラップも売れているそうだ。

3.まとめ
 FWに行く前の事前調査では、大阪城に関連した商品や配布しやすい商品が外国人観光客に人気だということだったが、現場調査でも大阪城に関連した商品や、配布しやすくかつ運びやすい商品がよく購入されていることが分かった。また、新たに分かったのは、アジア系と欧米系では購入するものが異なるということである。アジア系の人のほうが日本の伝統品や大阪城にちなんだ商品を購入しているということから、日本の歴史や伝統的な品が好きな人や旅の思い出を形に残したい人が多いのではないかと感じた。さらに、多言語で書かれた写真撮影禁止の注意書きがあるにもかかわらず、写真を撮ろうとしている人がいたので、もう少しわかりやすく注意喚起をしたほうがいいのではないかと思った。

サービスチーム
宮本采芽

1.事前調査
 私たちは、外国人観光客に特化したサービスについて調査した。
2018年5月3日の産経新聞によると、「来年2月には外国人観光客をメインターゲットにした劇場『クールジャパンパーク大阪』(仮称)も開業する計画だ」と書かれており、実際訪れるとこの劇場は本年(2019年)2月に開業されていた。また、ウォーカープラス「大阪インバウンド最前線」連載第一回によると、インバウンド向けのイベントやサービスとして西の丸庭園に七夕の笹を置いて願い事を書くということや、「ジョーテラス」に着物を着られるお店があり、そこで連携して浴衣体験が出来ることが分かった。さらに「ミライザ」には「侍・忍者体験」と「イリュージョンミュージアム」があることも分かった。「イリュージョンミュージアム」とは、「ミライザ」ホームページによると、世界各国のマジックやイリュージョンに関する歴史的資料を展示していたり、最新のイリュージョンを体験できたりショーが楽しめたりする新しいタイプのミュージアムだそうである。

2.現場調査
 ジョーテラスでは、七夕の時期に関係なく花火や祭りといった行事に日本人よりも多くの外国人観光客が浴衣体験をしたり、着た姿を写真に収めたりすることが分かった。ミライザの「侍・忍者体験」は、平日は外国人観光客の方が多く日本人観光客はほとんど居ない。土日祝日は平日に比べて地方から来た日本人観光客も多くなるが、外国人観光客はそれよりももっと多いそうである。四季のない国からの観光客は、四季を楽しむために大阪城を訪れるので、季節によっても来場者数は変動するようだ。「イリュージョンミュージアム」は、理由は定かではないが9割が外国人観光客であることが分かった。言葉がわからなくても見るだけで内容が把握できるので、外国人観光客が訪れ、日本人観光客は大阪城に来てまでイリュージョンミュージアムに行こうとは思わないからではないだろうか。「クールジャパンパーク大阪」は事前調査によると外国人観光客をメインターゲットにした劇場ということだったが、実際は外国人観光客はほぼ居なかった。その劇場の人の話では、情報発信が足りておらず(チラシを置いているだけ)、外国人観光客がまだ知らない、また、大阪城天守閣から離れていて認識されていないという理由があるそうだ。

3.まとめ
 大阪城公園はここ数年で新しい施設が開業している。そこでは、日本の文化を体験でき、楽しむことが出来る。日本人観光客より外国人観光客に向けたサービスを提供していると感じられた。その中で、「クールジャパンパーク大阪」は外国人観光客をメインターゲットに建てられたにもかかわらず、外国人観光客にはまだあまり認識されていないため、今後はSNSで拡散するなど、運営側がもう少し宣伝に力を入れていくべきであろう。

大阪城の参考文献

2.天神橋筋商店街   田中杏

 天神橋筋商店街とは、天神橋を起点として、北は天神橋筋7丁目まで伸びる全長約2.6キロの商店街のことである。天神橋筋商店街の「筋」とは、大阪の南北の通りのことである。長さは日本一といわれ、端から端まで歩くのに約40分かかる。江戸時代、2丁目にある「大阪天満宮」の門前町として栄えたのが始まりだ。もとは南の大川、北の淀川から大阪天満宮に行く参道だった通りに店が集まって商店街となった。現在はインバウンドブームを背景に外国人観光客も多いようだが、地元の人のための商店街となっていて、インバウンド対策は行っていないそうだ。また、商店街のHPも多言語対応はされていない。
 天神橋筋商店街では、以下の4人1チームで調査を行った。各人の調査担当は大阪城公園における調査担当と同じである。また、下線が執筆担当者である。
  • 1・2丁目   市村まい・杉本真悟・田中杏・山出梨奈
  • 3・4丁目   近藤うらら・轟紫帆・松田健吾・宮本采芽
  • 5・6・7丁目 岡田沙羅・河辺太一・長谷川紗江・藤本優生

1・2丁目
山出梨奈

1.多言語対応(調査担当:市村まい)
 事前調査で地元客に向けた店づくりをしているとあったとおり、多言語対応している店はごく少数だった。調査した中では、6店舗だけが多言語対応していて、その言語は日本語・英語が多く、その他に簡体字・ハングルで対応している店舗もあった。商店街に掲げられたFree-Wi-Fiののぼりは英語のみに対応していた。
2.サービス(調査担当:田中杏)
 事前調査では、地元客の生活に必要な商品を重視しているので、外国人観光客に合わせたサービスは特に行っていないということであった。商店街の店の人によると、やはりこの商店街では外国人観光客に特化したサービスは行っていないそうだ。

3.外国人観光客におすすめしたい店やもの(調査担当:山出梨奈)
 私たちは、「天満天神MAIDO屋」をお勧めしたい。お店の人によると、外国人観光客が購入する商品の中でアジア系とヨーロッパ系で唯一共通しているものは、日本の伝統的なお土産だそうである。
オススメする商品
小さいだるま:大阪城で外国人観光客が持ち運びやすい商品を購入していたので、持ち運びがしやすくて、日本の伝統的なものであることがおすすめ理由である。
4.インタビュー(調査担当:杉本真悟)
 外国人観光客が増えていると事前調査にはあったが、地元客を重視している商店街なので、大阪城ほど多くはなかった。1、2丁目では3組の外国人観光客に話を聞いた。その結果を以下の表にまとめる。
国名 天神橋筋商店街を訪れた理由 その他
イギリス

東京よりも人がフレンドリーだ。

なし。

オーストラリア

中心街であるため。

広島を訪れた後、大阪を訪れた。

アメリカ

仕事帰り。

13年間日本に住んでいる。
日本の女性が好みで、女性を探す
ために日本に来た。

5.大阪天満宮
 天満にあるため、「てんまのてんじんさん」との呼び名で親しまれている。創建は天暦3年(949年)であり、毎年7月24日・25日には、千年余り前から続く「天神祭」が開催されてい
る。手水と参拝の方法を事前に調べて実際にやってみた。またおみくじを引いてみた。
6.まとめ
 大阪城では、外国人観光客向けのサービスや多言語対応が当たり前のようにあったが、天神橋筋商店街は、事前調査通り外国人観光客に特化したサービスはほとんどなく、多言語対応をしている店舗がいくつかあるだけであった。ただ、土産物屋が一つあり、日本の伝統的な商品が売られており、そこには外国人観光客が訪れていることがわかった。その土産物屋の店員によると、この商店街には外国人向けのサービスはないということであった。外国人観光客も少なく、やはり天神橋筋商店街は観光客のためではなく、地元住民のための商店街だと強く感じた。多言語対応はほとんどなかったが、多言語対応が進む日本で、地元住民のための昔ながらの商店街は大切にしていくべきではないだろうか。

3・4丁目
松田健吾

1.多言語対応(調査担当:近藤うらら)
 多言語で書かれていたポスターは大阪城より少なく、書かれていたのはfreeWiFiや換金の外国人観光客にとっては、最低限の案内で放送も日本語でしか流されていなかった。中にはスマホ用メニューが携帯で読み取れるようにQRコードを印刷したポスターが店先に貼ってあるところもあった。しかし多言語対応がしっかりされているとは感じなかった。

2.サービス(調査担当:宮本采芽)
 大阪城とは違い、商店街は外国人観光客に特化したサービスは特になかった。地元向けの商店街ということが窺える。

3.外国人観光客におすすめしたい店(調査担当:轟紫帆)
     店名:あんこくらわんか餅の世界
     つぶあん  280円
     こしあん  300円
     さつまいも 330円 土日限定
     宇治抹茶  350円 土日限定
     常温で14日保存可
 天神橋筋商店街3,4丁目では日用品が多く売られており、土産物屋がないことが分かった。私は、最中は日本人が食べる和菓子の代表としておすすめしたいと思った。

4.インタビュー(調査担当:松田健吾)
 まず3.4丁目は1番栄えているも関わらず、外国人観光客が少なかった。デンマーク出身の男の人にインタビューすることが出来た。商店街には休暇で訪れているということであった。奥さんと訪れており、宿泊はこの商店街より少し離れたところにしているらしい。

5.まとめ
 実際に、商店街を訪れてみると事前調査とは異なり、外国人観光客は少なく、地元民に適したお店ばかりが並んでいた。例えば、日用品のレンタル屋があり、シャンプーや化粧品などを貸し出していた。ほかの商店街ではみかけない店なので、大変興味深かった。
 訪れた私たちの感想としては、地元の人向けの店や商品ばかりで、観光客に受けないため、観光スポットには向いていないと思った。と同時に、地元民からすればとても役立つ商店街であるとわかった。

5・6・7丁目
河辺太一

1.多言語対応(調査担当:長谷川紗江)
 外国人観光客に向けての言語対応は全くしていなかった。下記の画像にある通り天神橋筋六丁目にあった案内板では、お店の名前すら日本語で書かれていた。多言語で書かれていたのは、外国人に対するマナー等の注意喚起ばかりで、天神橋筋商店街を楽しめるような観光客への配慮は見受けられなかった。
2.外国人に特化したサービス(調査担当:河辺太一)
 ある店でこの商店街には外国人に特化したサービスはあるかとインタビューをしたところ、とくにサービスはしていないと言われた。では、このお店では何かサービスをしているかと聞いたが同じく特にしていないという回答だった。また、他の店では外国人が買い物をしていたが、店員は日本人に対するのと変わらずに日本語で接客をしていた。

3.外国人観光客におすすめしたい店(調査担当:藤本優生)
  • 成田屋(呉服屋)

 この店をお勧めしたい理由は2つある。まず1つ目は浴衣や下駄が格安で売られており、低価格で和装体験ができる点だ。そして2つ目は、女性用だけでなく男性用も多数用意されているので、男性も気軽に購入することができると思ったからだ。

4.外国人インタビュー(調査担当:岡田沙羅)

 オーストラリア人観光客3人組(母、子2人)にインタビューをした。子供2人は私たちと同世代で、初めての日本旅行だと言っていた。母親は一度訪れたことがあるらしくもう一度来たかったから連れてきたそうだ。インタビューをしたのは1組だったが、ほかにもたくさん外国人観光客や在住している外国人が訪れていた。
5.7丁目
 事前調査では7丁目まで商店街だと書かれており、実際に行ってみると「天七商店街」と書かれた袖看板があった。しかし、5、6丁目と比べるとアーケードがなく、夕方から営業する居酒屋が多くシャッターが閉まっていた。また、天神橋は8丁目まであるが、その先はのぼり坂になっていて淀川を渡る橋につながっている。
6.まとめ
 天神橋筋商店街は、地元感溢れる場所だった。多言語対応が少ないにも関わらず、5・6丁目には外国人観光客が結構歩いており、その中でも現地に住んでいる外国人や一度来たことがある観光客から人気を得ているようだった。天神橋筋7丁目は他の場所に比べて人もほとんど歩いておらず店も多くはなかったのに対し、5・6丁目は若者向きではないが、日本ならではの伝統的な店が立ち並び、活気があった。天神橋筋商店街に来る外国人観光客の多くは、地元のものを日本語で購入するという経験をするために訪れるのではないだろうか。

天神橋筋商店街の参考文献

3.大阪FW感想

FWをするにあたって大切なもの
岡田沙羅

 私が今回のFWを通して大切だと感じたことは3つあります。
 まず1つ目は事前調査の大切さです。高校までで経験した社会見学やFWはほとんど何も調べることなく見学先の学芸員の方や係の方に教えてもらうだけでした。しかし事前に調べて行くことによってより詳しく知ることができ、また事前調査と違った結果が出たことが面白かったです。特に天神橋筋商店街では外国人に特化したサービスを行っていないという事前調査から、外国人観光客はあまりいないのではないかと予想していたにも関わらず、私が担当した5~6丁目にはかなりの外国人観光客が訪れていたのが驚きでした。
 そして2つ目は積極性の大切さです。私はインタビューチームに所属していましたが、いざ話しかけるとなると少し消極的になってしまいました。文法を勉強して検定を取っても使えなければ意味がないし、ましてや話しかけることすら委縮してしまっては英語を使えるとは言えないなと痛感しました。しかし実際にインタビューを始めるとつたない英語でも聞き取ろうとしてくれたり、わかりやすくゆっくり話してくれたりと、とても話しやすい方たちばかりでした。もしまたインタビューの機会があれば、自信をもって話しかけられるようにもっと英語力をつけたいです。また用意した質問だけでなくフォローアップクエスチョンを自然に行えるように知識をつけたいと思います。
 3つ目はチームワークの大切さです。中山ゼミはみんな仲が良くてチームワークは抜群だと思います。大阪城でのインタビューの際、自分から話しかけに行けなかったのを同じチームメイトやSAがフォローしてくれたり、ほかのチームメイトが話しているときに会話の途中であまり通じていないなと感じたときは自分がほかの表現で話したりと、お互いに助け合うことができたと思います。天神橋筋商店街ではそれぞれ違うミッションがあり、多言語表記の看板を見つけたら多言語対応担当者に教えたり、外国人へのおすすめを探す担当者の課題ではみんなでお店を探したりと協力することができました。
 以上の3点と先生からのフィードバックより、次回の目標を設定することができました。「外見や生活言語で判断せずに積極的に話しかける」です。今回のFWの際、私は観光客同士の会話を聞いて、この人たちは英語圏の人だからインタビューしてみよう、この人たちは韓国人だから英語で話しかけられない、などと自己判断してしまいました。アジア人も英語が堪能なひとはたくさんいるし、日本語を勉強していて話せるかもしれないのに無意識のうちに避けていました。事前調査のデータで観光客の上位を占めている中国人、韓国人にインタビューできなかったことは今回の反省点だと思います。このFWで感じたことを次回に生かしてより良い活動にしたいです。

大阪城は外国!?
市村まい

 今回のFWで私の担当は「多言語対応」であった。大阪城と天神橋筋商店街が外国人観光客のためにどの程度多言語で表記したりアナウンスしたりしているか調べた。
 大阪城では、入ってすぐの案内板から多言語対応されており、事前調査どおり、設置されている看板のほとんどが日本語、英語、繁体字、簡体字、韓国語で記されていた。外国人観光客を歓迎している雰囲気を感じた。大阪城公園内は見渡す限り外国人観光客で、日本にいるのに外国に来たかのような気分になった。天守閣の入り口ではアナウンスが英語でも放送されており、館内の至る所に置いてあったパンフレットやリーフレットも多言語対応されていた。中でも繁体字と簡体字は中国人観光客が多いためか、なくなっているものもあった。館内の音声ガイドから看板、展示物の説明まで全ての案内に多言語が使われていて観光で訪れた外国人が不自由なく見学出来るようだった。スタッフの方に何ヶ国語話せるのか尋ねてみたところ、全員が全ての言語を話せる訳ではなく、それぞれの言葉担当のスタッフがいるそうだ。スタッフの方は日本人だけではなく中国人や韓国人も多く見られた。ミライザには多言語を話せるボランティアガイドもいて、外国人観光客のためのサービスが整っていた。
 次に、天神橋筋商店街1丁目と2丁目の調査をした。事前調査ではこの商店街は地元住民のための商店街であり、外国人観光客のためのサービスは行なっていないようだった。実際足を運んでみて初めに感じたことは大阪城と比べると、外国人観光客が少ないということだった。雨が降っていたのも原因の1つだと思うが、店や看板が多言語対応されていないことも外国人がいない要因だと思った。近年インバウンドが増加している中で観光地は外国人のためのサービスを増やしている傾向にあるが、天神橋筋商店街は昔ながらの商店街で、地元住民が気軽に訪れやすい場所だと感じた。1・2丁目の100店舗以上ある中で多言語対応している店は数店舗だった。
 天保山は想像以上に低く、どこが頂上なのかわからない程だった。天保山という山がある事は知っていたが、行ったこともなかったし行こうと思ったこともなかった。初めて目の当たりにして、これは本当に山なのかと思った。
 今回のFWでは、知っているが行ったことはない大阪の観光地に行くことができて良い機会になった。大阪に住んでいるからか、自ら大阪の観光地に行こうとも思わなかった私にとって一から調べて現場調査するという事はとても良い経験だったと思う。改めて大阪の知らなかったことも知ることができ、また、知っていたこともより深く学ぶことができた。最後には中山ゼミ全員で夜ご飯を食べてとても楽しいFWだった。先生、2人のSAを含め全員で行けたことが楽しさを増したと感じた。

FWから学んだこと
藤本優生

 大阪フィールドワークは、4つのチームに分かれて調査しました。私は大阪城では土産物チーム、天神橋筋商店街では、外国人におすすめしたい店または物を探す担当でした。
 まず、最初に大阪城に行きました。天守閣の中を探索してみて日本人よりも外国人観光客の多さに圧倒されました。大阪城は小学校の修学旅行で訪れましたが、そのときには外国人観光客は今ほど多くはありませんでした。天守閣に展示された刀や甲冑を真剣に見ている外国人観光客の姿を見て、ただ歩いたりその土地ならではのものを食べたりして、観光地を巡るだけでなくその国特有の文化を知る観光も有意義だなと感じました。観光地での外国人観光客のマナー違反やルール違反が問題視されていますが、大阪城を訪れている観光客にそのような行動は見られませんでした。私が担当した土産物屋は、大阪城では多くの外国人でにぎわっていました。私も旅行に行ったらお土産をたくさん買いたいので、その気持ちは世界共通だと思いました。
 天神橋筋商店街は初めて訪れましたが、多言語表記の看板が少なく地元の人でにぎわっている印象を受けました。外国人観光客を受け入れてその人たちが楽しい旅になるようにサービスを提供することがこの商店街の目的ではないことは事前調査でわかっていましたが、私が調査した5・6丁目には外国人観光客が意外といたので、これからは自然と増える外国人を迎え入れることが課題となっていくのではないかと感じました。
 天保山の事前調査では、天保山は標高4.5mの日本で二番目に低い山として有名だということでした。実際に行ってみると、どれが山なのかわからないぐらい低い山でした。しかし、天保山山頂と書かれた標識が設置されていたり、山に登った印として登頂証明書が配布されていたりして日本で二番目に低いのを誇りにしているように感じられました。私たちも晩御飯を食べたお店で、一人一人登頂証明書をもらいました。
 今回、大阪フィールドワークをして、将来公務員になって地元を活性化させたいという思いが強くなりました。私の地元は天神橋筋商店街のように何もしなくても観光客が来てくれる、という場所ではないので、OSAKA INFOのような観光スポットを掲載したサイトを作ったり、そのサイトに表示される言語を多言語用意したりすることで情報発信をして、まずは外国人観光客に訪れてもらいたいと思いました。また、大阪城のような観光スポットだけでなく、天神橋筋商店街のような、地元の人でにぎわっている場所にも外国人観光客は興味を持つと思ったので、外国人観光客に特化したサービスをすることだけが外国人観光客を増やす手段ではないとも感じました。地元民を大事にすることが外国人観光客を呼び寄せる場合もあるということを知ることができました。