活動テーマ:観光マーケティングに関する研究と実践
産学連携先:株式会社名門大洋フェリー


 大谷ゼミでは観光マーケティングを実践的に学ぶために、フェリーを利用する旅行者を増やすための活動に取り組んでいます。実際にフェリーを運航している企業3社にご協力いただき、それぞれを担当する3つのチームに分かれて活動していますが、そのうち私たちのチームは、大阪南港・新門司港を結ぶ株式会社名門大洋フェリーが力を入れているオウンドメディア(自社媒体)によるプロモーションについて、実際に利用できるコンテンツを提案しようという活動を行っています。
 まずターゲットを私たちと同年代の20代女性と定め、統計資料などを利用してその動向やニーズについて調べました。特に20代女性が「グルメ」を目的・動機として旅行していることに注目しました。次に、フェリーや現地観光の強みや弱みを探りました。フェリーでは特に、他の交通機関での移動には無い空間的・時間的自由が最大の強みだという結論に至りました。また、福岡県は「食」で全国的にブランド力があり、福岡県も「食」に力を入れてプロモーションを行っていることから、これを福岡県の強みとして生かしたいと考えました。このほか、観光業界をはじめさまざまな業界で行われているプロモーションの事例研究を行いました。
 そして9月には名門大洋フェリーの本社を訪れインタビューをさせていただき、明確にターゲットを絞ったプロモーションが少なく、特に若者に対するプロモーションは、Instagramによる情報発信に力を入れつつあるものの、若者のニーズを把握することに苦労されているという印象を受けました。そのため、若者をターゲットとする提案を行うことにしました。
 以上をふまえ私たちは、20代女性をターゲットに福岡の「食」と名門大洋フェリーを組み合わせた旅を提示し、その魅力を訴求することにしました。9月には実際にフェリーを利用し福岡市・福津市・太宰府市に訪れ、船や観光スポットを取材をするとともにプロモーションに必要な写真素材の収集を行いました。
 それをもとに、「満腹」と「福岡」を組み合わせた「満福」という造語を用いた「女子の幸せ満福旅」・「満福女子旅」と題するコンテンツを企画し、ブログ風のウェブサイトを制作する作業を進めています。また、これまでの活動の成果を生かし船内での過ごし方の特集記事を提案するなど、名門大洋フェリーが発行しているフリー冊子「船の旅 FREE」の編集にも協力させていただいています。

学生活動状況報告

国際観光学部3年
辻田 莉菜

 株式会社名門大洋フェリー様との取り組みには昨年度から参加させていただいています。昨年度までは自分たちでの取材を中心に活動してきましたが、それに加え今年度はありがたいことに先方よりお声がけいただき、船内誌制作のお手伝いもさせていただいております。そのため、先方と意見を交換させていただく機会が増え、先方のお考えをお聞かせいただくとともに、私たち20代の視点からの意見をお伝えすることができるようになりました。
 9月に行ったフィールドワークでは、初めて自分が中心になって企画を立てました。事前調査で得られたことをもとに綿密な企画書を作成したことに加え、後輩2人がフィールドワーク中に積極的に動いてくれたことで、成果の多いものとなりました。
 同世代の方がフェリーで行く福岡・九州旅行に関心を持っていただけるよう、これからも先方と意見交換を重ねながら、よい提案を完成させたいです。

国際観光学部3年
中埜 由紀乃

 昨年度に引き続き株式会社名門大洋フェリー様との取り組みに参加させていただいています。今年度は福岡とフェリーを組み合わせた「女子の幸せ満福旅」をタイトルとしたプロモーション提案を目標とする活動に取り組んでいます。全体との予定が合わず9月のフィールドワークには参加できませんでした。しかし、女性の旅のニーズ、全体の旅行者のニーズ、福岡県やフェリーの強みを研究したことをもとに作成した企画書があるため、今後も機会をいただけるならばまたフィールドワークを行いたいと考えています。
 今年度は船内誌「船の旅FREE」の制作に関わらせていただいています携わらせていただくことができました。私たち20代の意見を生かしたページを作るというミッションをいただき、定期的にメンバーと集まり会議を行いました。新しい取り組みだったため、これまで以上に力が入りました。
 私は何事にも一人で突っ走ってしまうところがあります。この活動を通して、周りの意見に耳を傾け、受け入れることで、自分には無い考えを知り、それが学びになることに気がつきました。また、さまざまな業界・企業のプロモーション事例を調査したとき、福岡県は国内はもちろんインバウンド誘致にも面白いイベントや広告宣伝を展開していることを知るとともに、自分では思いつかないことをたくさんの企業が行っており、消費者としてたくさんの影響を受けていることがわかりました。この活動で良い提案ができるよう頑張ることに加え、プロモーションについてより多くのことを学び、将来は多くの人々を魅了するプロモーションを提案できる人材になりたいです。

ゼミ集合写真

参加者一覧

辻田 莉菜、中埜 由紀乃、森本 彩音、山口 紗弥