活動テーマ:フットパスを使った豊かな地域づくり
連携先:吹田歴史文化まちづくり協会


 私たち塩路ゼミは、キャリアゼミとして2017年4月吹田歴史文化まちづくり協会の協力のもと、「フットパスを使った豊かな地域づくり」というテーマで活動を始めました。5月には、同協会の「吹田まち案内人」の方々の案内で、吹田市の南千里・神崎川・緑地公園の3つのコースに分かれ「まち歩き」を実施し、その後自分たちだけで歩きコースの範囲やルート、その中でのポイントなどを探しました。11月には北九州で開催された「全国フットパスカレッジフォーラム」に参加し、12月には石川県金沢市金沢星稜大学で開催された日本観光研究学会においてポスターセッションを行いました。2018年3月には、吹田市の浜屋敷にて吹田まち案内人の方に向けて1年間の報告会を行いました。以下に2017年度の活動の具体的な詳細を報告します。

国際観光学部 3年生 山口 大葵

学生活動状況報告

 2017年4月、塩路ゼミでは、「フットパスを使った豊かな地域づくり」というテーマのもとキャリアゼミ活動を開始し、5月に同協会の「吹田まち案内人」の方々の案内で、吹田市の南千里・神崎川・緑地公園の3つのコースに分かれ「まち歩き」を実施し、5月から9月にかけて私たちたち学生だけで同じエリアを歩き、吹田市の良さ、歴史的建造物や古風な街並みを見つけることができました。
 11月には北九州で開催された「全国フットパスカレッジフォーラム」に参加しました。ここでは私たちが8月に研修で行ったイギリス・カナダ・日本のそれぞれフットパスの在り方についての研究結果の発表を行いました。全国各地から集まった大学生とプレゼンを行い、議論する場でありました。全国各地のフットパスの在り方、考え方があり、参考になった報告会でした。また、福岡県中間市の「中間フットパス」にも参加し、住民の方々との交流もできました。
 12月には石川県金沢市金沢星稜大学で開催された日本観光研究学会においてポスターセッションを行いました。イギリス、カナダ、日本での調査報告をし、フットパスの認知度が低いことが分かり、フットパスをする意味、その目的について質問が多くありました。理解者が増えるとフットパスによる地域の活性化に繋がることを伝えました。
 2018年3月には、吹田市の浜屋敷にて吹田まち案内人の方に向けて1年間の報告会を行いました。調査活動を行ったイギリス、カナダ、兵庫県但東町、大阪府吹田市の4つの地域について報告しました。事例を挙げ、案内人の方との意見交換を通して、その地域の魅力をフットパスを通じて知ってもらい地域活性化に繋げることや、地元住民に誇りを持ってもらうことが、大前提である結論に至りました。

国際観光学部 3年生 山口 大葵

参加学生一覧

(2年生)
遠藤 菜緒、井手 駿介、上田 綾子、歌川 ひいな、大橋 麻実、川本 策也、三枝 寛和、島田 麻衣、田村 晃大、中田 亮輔、中山 大輔、永野 実優、橋本 優希、古川 英希、前田 果歩、藪内 拓真、吉田 翔一
(3年生)
庄田 美幸、山口 大葵、平 大貴、上村 瞳、大西 風香、岡本 和哉、岸村 優子、新田 里咲、畑田 麻奈、早川 啓太、福喜多 大輝、松本 拓誠、山口 智也、山下 和樹、山西 駿祐
(4年生)
薗田 輝弥、藤原 ロッテー、池側 杏、沖本 光平、唐崎 隼、田中 葉月、徳永 豊、中尾 美帆、永田 稜、萩原 竜太郎、淵上 貴弘、舟引 千春、三井 紅実子、山口 実土里、山本 美帆、神坂 彩矢

ゼミ集合写真

連携団体担当者からのコメント

吹田歴史文化まちづくり協会
瓢風 正男氏

 塩路ゼミの「吹田市でフツトパスとまちづくり活動」は、2016年から始まり、3年目となります。その間、旧吹田村、山田、江坂・垂水、佐井寺、南千里、神崎川川畔、春日・緑地公園、北千里水辺、岸部、北千里公園の10コースを歩いて戴きました。
 江戸時代から吹田市内に点在している集落に残っている古民家や、古道の面影を探りながら歩き、高度成長期の人口急増に伴い建設された、新しい住宅街・高層マンション群の出現など大きく変貌した吹田の町。希少価値的な存在の自然の風景、人口的な公園、河川敷公園など変化に富んだまち歩きを経験して戴いたと思います。
 「吹田まち案内人」は今までの経験から予め計画したコースを歩き、予定した場所で説明する観光に重点を置いたスタイルのガイドの傾向があります。しかし後日、学生さんだけで「まち案内人」のコースから外れて独自の判断で歩き、喫茶店や店舗に入り、地域住民と接するなど体験しながらまち歩きされたことが報告会で発表され、その内容を拝聴して「吹田まち案内人」の今後のまち歩きのあるべき姿のヒントを学びました。
 今後は、「観光マップ」吹田市の発行マップを参考にして、歩く距離と地域を絞りテーマを決めて地域の人々との交流を深めて地域密着と体験を重視したまち歩きを勧めるようにしたいと思います。

教員のコメント

国際観光学部 塩路 有子教授

 4月に開始当初は、まち歩きもしたことがない学生たちでしたが、4月から5月に吹田まち案内人の方々と一緒に吹田市内の3つのコースをチームごとに歩き、5月に自分たちだけで歩いたことで、歩くからこそ見える、感じる地域の歴史や暮らしがあり、それを知ることで地域や人との関わりについて考えたようです。
 その後、夏休みにカナダでのトレイルやイギリスでのフットパス調査、北九州市立大学での学生同士の交流、福岡県中間市でのフットパス体験と兵庫県但東町でのフットパスづくり、金沢での学会ポスター発表を通して、自分たちが調べ発見した内容をまとめ、口頭で発表し、さらにその内容をもとにして他者と意見を交換するという、社会人にとって不可欠な力を身につけることができたと思います。また、すべての活動にグループワークで取り組んだことで、仲間と意見をぶつけ合いながらも協調して仕事を進めるという社会における実践的な姿勢を学んだようです。
 さらに、発表するさいには、学生同士、目上の社会人、年配の地域の人々、それぞれに対して自分たちの考えをどのように伝えればよいのかを工夫するようになりました。また、福岡や兵庫県但東町で地域の現状を自ら歩いて知り、地域の人々と交流して学んだことは、実社会における人との関わりの大切さと喜びを身をもって知る機会になったと思います。