塩路ゼミ3年生が吹田浜屋敷でフットパス交流会

2020年11月17日に、国際観光学部 塩路研究室3年生13名と2年生6名が吹田市浜屋敷「吹田歴史文化まちづくりセンター」で吹田市民の方々とフットパス交流会を行いました。2年生は先輩たちの活動の見学という形で参加しました。これまでこのHP記事で報告してきましたが、学生たちがそれぞれのコースを2回歩いた中で、良かった点や気づいた点、フットパスだけでなく、まちづくりという観点から考えたことなどを浜屋敷で発表し、吹田市民でもある吹田まち案内人や浜屋敷の方々と意見交換を行いました。この交流会を通して、そこに暮らしている人々の視点や考えと自分たちとの違いに気づいたり、自然環境や生活する上でのインフラ整備について考えることができました。その地域を歩き、住民の方々と交流することで、まちづくりにつながる新しい発見があリました。今回は、吹田市での活動の総まとめの報告です。本年度は、新型コロナウイルスの影響で全ての活動が秋に延期されましたが、浜屋敷の方々の暖かいお気遣いとご協力によって、吹田でのまち歩きと交流会が無事開催できました。ここに改めまして感謝申し上げます。

浜屋敷で手に入れた自分以外の視点
3年生 松井 春香

 塩路ゼミは、11月7日に浜屋敷で行われた吹田フットパス交流会に参加しました。この交流会は、2度にわたるまち歩きで感じた事、考えた事を吹田まち案内人の方に聞いていただける貴重な機会でした。自分たちが発表出来る楽しみも、別のコースでまち歩きを行った違うグループの発表を聞く楽しみもありました。
 私を含む、千里ニュータウンを歩いたグループは、大きく分けて3つの内容で発表を行いました。まず初めは、歩いたコースの紹介です。私たちは、吹田まち案内人の方に案内していただいた1度目と、自分たちだけで歩いた2度目では、コースを大幅に変更しました。そのため、簡単な地図を作成し2通りのコースを説明しました。私たち自身、改めてまち歩きでの発見を思い返し、記憶を整理することが出来たと思います。
 次に、歩いてみて良いと感じた点です。主に、自然の豊かさやインフラ設備の水準の高さが挙げられました。このコースは、「ぎんなん通り」や「紅葉通り」など四季を感じられるポイントがあるため、飽きずに歩くことが出来ます。また、公園や緑地も多く、道路の整備もしっかりとしている点から、まち歩きにも、住むのにも適した場所だと言えます。
 最後に、改善する余地のありそうな点についてです。私たちは、食事をすることの出来る場所の少なさを挙げ、それに対して吹田まち案内人の方々が住民視点で意見を下さいました。住民視点で言うと、緑の多いまちに店を増やしたくないというのが本音だそうです。変わってほしくないという想いと、作ったところでそもそも利用客も少ないという点から、折角、公園や緑地帯が多いのだから、景色を楽しみながら、持参したお弁当を食べてほしいとおっしゃっていました。私は地元が田舎なので、「何もないけれど、そのままがいい」という気持ちはよく分かります。ただ、実際に私たち「よそ者」が訪れてみると、不便さは感じました。住む人を第一に考えるにしても、まち歩きを進めるのなら、無視は出来ない課題です。
 例えば、店を増やすのは難しいにしろ、パンフレットにお弁当を買うことの出来る場所の記載は必要だと考えました。また、お弁当や飲み物を買える場所自体、まち歩きのコースには少なく、出発地である駅のコンビニで買っておくのが、適切だそうです。それなら、コンビニの前に「まち歩きに出かける方へ」のような見出しで、ここで買い物をしておくべきという旨の、お知らせを貼っておくのも課題の改善に繋がると思います。
 発表をしてみて、当たり前ですが、住民の方とよそ者の視点では、大きなギャップを感じました。基本的に千里ニュータウンは、住むことが第一にあり、まち歩きは追加要素です。そのため、やはり住民の賛成が得られる範囲で、より良いまち歩きが出来るような工夫を提案する必要があります。そこの匙加減は難しいと思いますが、色んな人の立場になって、多角的に物事を考える重要性を学べました。
 他のグループの発表では、同じ吹田でも全く違う吹田の魅力や、課題を知ることが出来ました。提案していた改善案も、斬新なアイデアが多く、刺激を受けました。今度は、歩いたコースを入れ替えて、違った角度から吹田でまち歩きをしたいです。

まち歩き交流会 ㏌ 浜屋敷
3年生 小林 瑞祈

 11月17日に、私たちが千里ニュータウンのまち歩きのコースを歩いて良かった点、気になった点などを、吹田のまち案内人の方々に発表する交流会が開催されました。吹田の浜屋敷という江戸時代の吹田村の旧庄屋屋敷で行われました。吹田市が寄贈を受け、今では歴史と文化のまちづくりの活動や、交流の場として幅広い年齢層の人たちが利用する場所になっています。屋敷と言うので、私は古い施設を想像していたのですが、実際は数年前に建てられたような綺麗さで、私たちが利用した和室も美しく、とても大切に使われている施設だと思いました。
 千里ニュータウン班、JR吹田駅前の商店街班、北千里班に分かれて模造紙に地図を描き、私たちが歩いたルート、良いと思った点と気になった点を書き出していきました。塩路ゼミの2回生も6人見学に来ていて、私の班のワークに参加していた2人は、2回目のまち歩きに参加していなかったにも関わらず、一生懸命に手伝い、千里ニュータウンに興味を持とうとしていて、2年生の真面目さに感動しました。限られた時間の中での作業は、去年の但東町でのフットパスの活動を思い出しました。良かった点と気になった点を書き出していく中で、良かった点よりも気になった点のほうが、多く出てきました。これは、千里ニュータウンの良かった点が少なかったというわけではなく、言葉にするのが難しい良さがたくさんあるということだと思います。つまり、実際にまち歩きをしないと感じることができない良さが多いということです。
 私たちの班が最初の発表でした。時間ギリギリまで、準備の時間がかかってしまい、打ち合わせも満足にできなかったので、発表を終えた頃には冷や汗がでました。気になった点の中で、コンビニや飲食店が無く、まち歩きをする中で休憩するところが少ないので、休憩できるところを作ったほうが良いという提案をしました。しかし、浜屋敷の方から、あくまで千里ニュータウンは地域住民の住んでいる場所で、コンビニや飲食店を作ってしまえば、観光客などが大勢来てしまい、緑の多い千里ニュータウンの良さが失われるという意見が出されました。私は全くその通りだと思いました。私たちのようなよそ者の都合で、「コンビニや飲食店を作って」と言われても住民の方からすれば勝手な要求です。
 私たちはあくまでも、そのまちの良さや理想、雰囲気を尊重しつつ改善したほうが良い点を提案していかないといけない、ということを強く実感しました。最後になりますが、今回、まだコロナ禍で大変な中、私たちの活動に協力して下さった吹田まち案内人の方々にはとても感謝しています。

浜屋敷交流会の感想
2年生 西井 咲優香

 今回、私は、11月17日に行われた浜屋敷交流会に参加し、先輩方の発表を見学しました。先輩方は、吹田市の千里ニュータウン緑地帯、北千里、吹田の商店街の3か所を3つのチームに分かれて、2回歩いたそうです。そして、フットパスをして感じたこと、わかったこと、気になった点を吹田まち案内人の方々に発表するという会でした。私は、千里ニュータウン緑地帯チームに入り、発表に向けての準備から発表まで見学しながら作業の手伝いをしました。
 まず、歩いた道のりの地図を描きました。出発地から到着地までの周辺の池や建物、通りの名前など、歩いて見えたものを付箋やマジックを使い、色分けしながら、模造紙に描いていきました。次に、歩いてみて、良かった点や気になった点を最初に描いた地図を見て、思い出しながら書いていました。良かった点については、遊歩道が土や木のチップで作られていたことなど、歩いた上で感じたことや、利便性を兼ね備えているなど、目で見て気づいたことを挙げていました。気になった点については、公共のお手洗いの手入れやごみ箱の未処理など、フットパスを楽しむために改善したほうがよいことを挙げていました。その中で、ヒメボタルの生息地に、街灯が少ないため、ホタルが生息していない時期のみ街灯を付けるのはどうかという提案に対して、まち案内人の方が、生息地が暗くて危ない道になっているのは十分承知しているが、街灯を付けてしまうと多くの人が通り、ホタルが生息しなくなってしまう恐れがあるという意見を下さいました。フットパスを楽しむ側としての意見とその町に住む人側の意見があり、改善するには、その両方が納得のいくものを提案するか、どちらかの意見を尊重するかのどちらかになると感じました。
 北千里チームも、歩いて見て、良かった点、気づいた点を挙げていましたが、気づいた点で、クルドサックで急な階段がある道に注目していました。急な階段だと小さな子どもやお年寄りの方が上りにくく、大変ではないかという内容でした。私たちが普通に通っている道が、お年寄りや障害のある人たちにとって危険な道かもしれないということに気づいていることに感心しました。
 商店街チームは、2人から3人に分かれ、商店街に並ぶ店の店主を訪ね、商店街の歴史や客層、店同士の雰囲気などを調査していました。商店街を歩いて見るだけでなく、どんな店があるのか、そこの店の人たちは何を感じているのかなど、実際に店に立ち寄って、インタビューするという調査内容に感銘を受けました。
 3つのチームの発表を聞いて、実際に歩いてみることで、その道の良さや気づきを得ることができるとわかりました。また、フットパスを楽しむ側とその地域の住民のどちらともが納得できるようにすることが大切で、今回、その難しさについても知ることができました。

浜屋敷での交流会を終えて
3年生 小野田 伊吹

 11月17日、塩路ゼミではそれぞれ吹田市で行ったフットパスの活動報告をするため、交流会という形で吹田歴史文化まちづくりセンター・浜屋敷を訪れました。
 報告を始める前に、計2回行ったフットパスの感想や疑問点などを、吹田まち案内人の方に報告、質問しながら、模造紙に地図を書いていきました。私たちは、歩いていてもスーパーやコンビニがあまり見当たらなかったことを疑問に思い、質問しました。その回答としては、大型ショッピングセンターが周辺にあるので住宅地に作っても栄えないから、ということでした。千里ニュータウンは、吹田市と豊中市合わせて12の住区から構成されており、千里ニュータウンが建設された当初は、各住区に郵便局や美容室、病院などを含む「近隣センター」と呼ばれる商業施設が設けられていました。しかし、時代とともにそれらは衰退し、それと同時に周辺に大型ショッピングセンターができたことからそちらを利用する人が増えてしまったとのことでした。
 そういった貴重な話を聞きながら地図が完成し、発表の時を迎えました。グループは全3チームで、私たちの発表は2番目だったのですが、1番目のチームの発表に対してかなり鋭い指摘があったのでとても緊張しました。案の定、私たちの発表にも厳しい意見をいただき、やはり実際に住まわれている方の意見は何より大切であると感じました。
 私たちのチームは、1回目にまち案内人の方と歩いたコースと、2回目に自分たちだけで歩いたコースを説明し、その後、気づいたことと、こうすればもっと住みやすい街になるのではないかと感じた点を発表しました。地図を作成している際にスーパーやコンビニが少ない理由を知りましたが、住んでいる人にとって近くに気軽に行けるスーパーがある方が便利なのではないかと考え、スーパーやコンビニを増やしてはどうかと提案しました。しかし、住民の方々はスーパーやコンビニを増やすことで自然が失われてしまうと懸念していました。実際に、南千里公園の中に新しくできたカフェは、人もたくさん来て栄えているようですが、公園に元々いた野鳥などが人が集まったことによりどこかへ行ってしまったとのことでした。また、街灯が少ないと感じ、それも市民の安全のために増やすべきではと提案しましたが、吹田市にはヒメボタルが生息しており、街灯をつけることでヒメボタルがいなくなってしまうのだそうです。これらの話を聞いて、住んでいる人々がとても自然を大切にされているのだと改めて実感しました。私も歩いてみて、千里ニュータウンの人々が自然を大切にする気持ちがよく分かりました。そして、高齢の方々にとって街がうるさく賑わうのはあまり嬉しいことではないかもしれません。今回の交流会に参加していただいた浜屋敷の方々でも近くにスーパーがなくて不便と感じることがあるようでしたが、自然を守るためには仕方ないことだと考えておられるようでした。しかし、今の時代は誰でも車を持っているわけではなく、遠くのスーパーにわざわざ通うのはかなり大変です。若い女性からすると街灯の少ない道を歩くのは不安です。どの地域にも言えることですが、これから吹田市を担っていくのは今住んでいる若者や若い家族であり、そういった方たちがスーパーや街灯がなくて不便と感じておられるのであれば、設置も検討するべきなのではないかと私は感じました。
 今回、浜屋敷で交流会を行い、実際に住んでおられる方々の話を聞かせていただいたことはとても貴重な経験となりました。若者目線でこうした方がいいと言うのは簡単ですが、長年そこに住んでいないとわからないことがたくさんあり、それを聞かずに良いまちづくりはできません。吹田市でいうと自然と人が共存してきた街のように、地域にはそれぞれ特色があり、都会と同じものを建て、同じことをすれば良いというわけではないということを今回の活動ではっきりと学びました。次の活動ではもっと深い調査と考察ができるよう、今回の学びを今後の活動にしっかり反映していきたいと思います。

吹田フットパス交流会
3年生 大谷 純香

 私たち塩路ゼミ3回生は、11月17日(火)に浜屋敷で行われた吹田フットパスの交流会に参加しました。1回目に、吹田まち案内人の方と歩いた北千里コースと2回目に私たちで歩いた青山台・古江台コースから見つけた良い点や提案などを考え、意見交換をしました。
 どう説明すれば、相手にわかりやすく伝えられるのかを考えながら、模造紙の作成に取り組みました。1回目に案内してくれた丹羽さんからこう書いた方がわかりやすいとアドバイスをいただきました。丹羽さんに、私たちが2回目に歩いた道を説明している際、今起きているロータリーの事情について教えてもらいました。ロータリーは、円形になっており、歩いても回ることができるようになっているにも関わらず、遠回りをするのが大変だという高齢者が増えており、ロータリーを横断している人がいるという苦情があるそうです。その話を聞いて、私たちは改善策を考えました。北千里コースのグループから出た提案は、柵をたてるという意見でした。横切ると、事故が起こりやすいので、柵を作ることで横断する人が減るのではないかと提案の1つとして挙げました。
 2つ目の提案は、クルドサックを挙げました。私たちは、2回目にも住宅街にクルドサックを見つけ、クルドサックの階段を上りました。とても急な階段で息があがりました。年配の方は、もっと辛く苦労しているだろうなと考えました。それについて丹羽さんに質問してみると、年齢が上がるにつれて上り降りが大変なので、年配の方はいつも遠回りして歩いていると教えてもらいました。その話を聞き、どうすれば遠回りをせずに行くことができるのかと北千里コースのメンバーで考えた結果、「ユニバーサルデザイン」を目指してもらうのが最も良いという意見が出ました。クルドサックを無くすということはできないけれど、せめてユニバーサルデザインにして急な階段を減らす取り組みなど年配の方にとって良いと思われる提案を考えました。
 次に、私たちは「コンビニやレストランなどが少ないから住宅街に増やするのはどうか?」と質問する予定でしたが、すでに前に発表した緑地帯チームが質問してくれました。この回答として、まち案内人の方から、外から来る人は、レストランやコンビニなど必要だと思うが、千里ニュータウンに長年住んでいる人からすれば、レストランやコンビニがなくても不便だと思っていないというものでした。例えば、南千里公園に新しくできた「バードフリー」というカフェがあります。この店ができる前は、カワセミやヤマドリがいて自然が豊かだったそうです。しかし、カフェができたことによりカラスや鳩が多く集まるようになり、カワセミやヤマドリがいなくなってしまいました。まち案内人の方たちは、とても残念だと話していました。地域の人からすれば、レストランやコンビニが建築されてしまうと、自然の豊かさが消えてしまうというのです。千里ニュータウンは、緑地を造ったのに、レストランが建築されたらそれを壊されるのだと言っていました。住民の方にとって、緑をなくすことはできないのだと改めて知ることができました。また、コンビニやレストランなどを住宅付近に造らない理由がもう一つあります。それは、外から来た人たちは、レストランで昼ごはんを食べたりするけれど、千里ニュータウンに住んでいる人は、あまり利用しないため、経営が成り立たないからです。千里ニュータウンができた当初、車の普及がなく喫茶店などを利用する人は多かったそうですが、現在は車が普及しているため、箕面のイオンや豊中のイズミヤなどに行くため、コンビニやレストランを造ってもすぐに潰れてしまうことを知りました。
 交流会を通して、私たちが考えた意見や提案について、まち案内人の方々は共感して下さり、私たちが考えた意見を参考にさせていただきますと話してくれました。その言葉は、とても嬉しかったです。私たちが考えていた内容が伝わっていたと感じました。交流会は、私にとって素晴らしい経験になり、地域の方々とも、親睦を深める良い機会になりました。この活動を通して、改めて吹田市をより良い街にしたいと感じました。このような交流会を大切にして、今後多くの知識を身に付けていきたいと思います。

浜屋敷:北千里のまち歩き
2年生 宮本 采芽

 私たちは北千里チームの話を聞きました。北千里駅から離れるとスーパーやコンビニが少ない状況にあります。その理由として、近辺に大型のショッピングセンターが分散していて、住民は車を使ってショッピングセンターに行くからです。そのため、北千里駅には歯医者や病院、郵便局などの生活に必要最低限の施設が集中しています。
 住民でもあるまち案内人方々は、「クルドサック」は若い頃は便利で良いものが出来たと言っていたが、歳をとるにつれて、十数段の階段を登るのが辛くなってきて、遠回りをせざるを得ないようになった人が多いそうです。また、北千里駅周辺には食事処がないことが問題点として挙げられていました。学生の目線では食べる場所がなく、不便さを感じますが、町案内人の方の意見としては自然を第一に考えていることからレストランやカフェを造らずに弁当を持参して芝生でピクニックをして自然を感じてほしいと言っていました。もう一点、街灯が少ないことも問題点として挙がっていましたが、これもヒメボタルの生息地を守るためでした。確かに街灯を増やすと観光客は増加しますが、それに比例して観光客による公害が増えてホタルがいなくなってしまうそうです。以上のことから北千里は観光客からすると不便を感じるところがありますが、町の自然を守るためにあえて都市化を進めていないことが分かりました。地域の方々もそれを承知の上で生活しているそうです。
 町案内人の方によると、北千里はあくまで「フットパス=道」であって、留まるところではない、観光客用に作られた町ではないから、たとえレストランやコンビニが増えてもうるさくなるだけだと言っていました。本来なら住宅街にはあるべきではないものだそうです。北千里コースの地図を見てみると、公園や学校が多いと感じました。ファミリー層にとっては住みやすい町であると思いました。地元住民の視点も全員が同じというわけではないので暮らしやすさの基準の判断が複雑だと感じました。発表や話を通して、暮らしと環境を上手く結びつけることは難しい問題だと思いました。
 先輩方の作業や発表を実際に見学してみて、まち歩きを通して発見したこと、改善点を挙げ、提案をうまくまとめていて、町をよく見ていると感じました。また、発表においてもコースの説明の際に、場所や建物の説明など詳しい情報があり分かりやすかったです。はきはきと堂々としていてかっこいいなと感じました。そして、自分の発表の部分でなくてもフォローに入ってチームワークが見られました。発表後の質問にも上手く受け答えをしていて、良いお手本を見ることができました。

交流会のフィードバックを通し考えさせられたこと
3年生 立野 愛

 私たち塩路ゼミ3回生は、ゼミの中で3グループに分かれ、吹田市の千里ニュータウンコース、緑地帯コース、商店街コースを調査しました。その調査結果を、先日、11月17日に、吹田歴史文化まちづくりセンター(浜屋敷)で行いました。
 1回目の調査は、まち案内の人たちと一緒に行い、コースの案内と説明をしていただきました。2回目の調査は、1回目の調査とは別の日に、再度、自分たちだけで吹田に出向き、調査を行いました。浜屋敷の交流会では、私たちゼミ生はこの2回の調査を通して、自分たちが感じたそのコースの魅力や改善点などを、まち案内人をしてくださった方々と話し合い、全体に向けて発表しました。
 私たちは、商店街コースを歩き調査を行ったので、吹田にある商店街について、どういったルートでコースを歩いて調査を行ったのか、商店街の魅力、そして、今ある商店街の現状と2回目の調査で行った聞き取り調査の結果も踏まえ、発表を行いました。私たちは、現に今、吹田にある商店街の継続、維持についてまち案内人の方々に何か良い提案ができればと考え、2回目の調査を行いました。そのため、2回目の調査では、現在、商店街が残っている通りを主に歩いて調査を行いました。
 私たちは、商店街で店を開いている人に直接話を伺った結果を、まち案内人の方々に発表しました。「私たちだけでは普段、聞くことのできない話を聞けてうれしい」という事をおしゃってくれたので、とても嬉しかったです。また、別コースを案内してくださった案内人の方からは、「なぜ、柳通り商店街や寿緑通り商店街を歩かなかったのですか?」という質問をいただきました。私たちはその質問に対し、「柳通りや寿緑通りは、今はもう住宅街になっていしまっているので、その通りの調査を行いませんでした」と答えました。その質問に対し、まち案内人の方は、「私たちはそういった柳通りや寿緑通りなどの、過去に商店街があった場所がなぜ今は住宅街になってしまったのか、という事をあなたたちに調査してほしかったという思いがありました」とおしゃっていました。私は、その言葉を聞き、とても考えさせられました。確かに、今ある商店街を残していく事、その方法を聞き取り調査によって、明らかにしていくことはもちろん大切だと思います。しかし、今ある商店街を、これから先、維持し、これ以上無くさないようにするためには、そういった、今ではもう住宅街になってしまった柳通りや、寿緑通りなどといった通りにこそ、足を運び、調査するべきであったのではないかと感じました。そのような通りにこそ、商店街がなくなってしまった理由や、また、これから先、これ以上商店街を無くさないためのヒントなど、今ある商店街を歩いただけでは気づけなかった事など、多くのことが柳通りや寿緑通りには隠されていたのではないのかと感じました。
 今回、浜屋敷で行った発表会で、私たちがまち案内人の方々からいただいた多くの質問や感想は、私たちにとってとても大きな気づきとなり、また、調査結果に対する、住民の方々からのよいフィードバックになったと思います。また、これから先、何か別の調査をしていく上で、大切なことを教えていただきました。
 今回、このような貴重な体験をさせていただいたことをありがたく思い、新しく気づかされたこと、調査をする上での大切な視点の持ち方など、得た多くの改善点を活かして、次の調査につなげていきたいと思いました。

吹田まち歩きを終えて
3年生 森田 竜也

 11月17日火曜日、吹田市浜屋敷にて吹田まち歩きの発表が行われました。北千里チーム、緑地帯チーム、商店街チームに分かれて発表しました。まず、現地で各自昼食をとりながら発表について打ち合わせをし、2回のまち歩きはどこをどう歩いたか話し合いました。そして、発表のためのワークショップを各チームで行いました。この日の発表には、塩路ゼミの2回生も6人来ており、各チームに2人ずつ分けられ、ワークショップを手伝ってもらいました。どのチームも順調に進み、まち案内人の方の話も聞きながら、自分たちが吹田市を歩いてどう感じたかを伝えました。
 約1時間半に及ぶ作業が終わり、発表の段階に移りました。まち案内人や浜屋敷の方々、ゼミの2回生の前で発表するのは少し緊張しました。発表の中で、印象に残っているのは、北千里チームの提案で階段ではなくスロープを導入してみるともっとフットパスがしやすくなるというものや緑地帯チームの各所のトイレを定期的に掃除した方がよいという提案です。自分では、歩いていてそういう点に気づかなかったので参考になりました。
 私のチームである商店街チームは最後の発表でした。私は、2回目のまち歩きが体調不良でできなかったため、チームのみんなに助けられながらの発表になりました。みんなしっかりまち歩きをして調べていました。発表では、1回目に歩いた時と2回目で歩いた時の違いやまち案内人の方が教えてくれたこと、昔は商店街が栄えていたが、スーパーができたことによって衰退していったことを踏まえて、具体的な提案をしました。吹田市内にいくつかある大学と共同してイベントを開催できないかやフリーマーケットなど地域を巻き込んだイベントができないかという提案を伝えました。
 また、浜屋敷では、吹田まち案内人をやる方の人数が減っていて、かつ高齢化して困っている現状があるということで、どうすれば人が集まるか、自分たちで考えました。最も近隣の大和大学や関西大学、吹田東高校などの学生に協力してもらい、まち案内に興味を持ってもらう案や、ピクニックなどの楽しくて気軽なイベントを企画して家族連れや若い世代を取り込む案、まち案内の方法を伝授する際にSNSなどを活用して現在のまち案内人の方々が吹田市がどういうところなのかを紹介、案内している動画や音声を残せるようにする案が出ました。
 最後に、今回の吹田まち歩きを終えて、コロナ禍でなかなかゼミ活動ができなかった中で久しぶりのゼミ活動で少し疲れました。しかし、今回のゼミ活動は、久々ということもあり、自分がこのゼミに入って何をしたかったのか思い出しました。フットパスをして様々な知識を得ることができ、吹田まち案内人の方々とのコミュニケーションもでき、とても充実した活動となりました。改めて塩路ゼミに入って良かったと思える活動内容でした。また、吹田まち案内人の方々と今後もっと交流ができたらなと感じました。

吹田市の取り組みを聞いて
2年生 横井 香穂

 今回3回生が調査していた吹田市のフットパスについての発表を浜屋敷で見学させていただきました。先輩方の発表から、今まで知らなかった吹田市の魅力や地域で起こる問題点や取り組みについて詳しく知ることができました。
 まずはJR吹田駅をすぐ出たところにある12の通りの商店街についてです。多くの通りがあり、飲食店、八百屋、着物屋など長い所で創業から約65年も続いている店が立ち並んでいています。店によっては、3代目の方が経営していたり、高齢の店主が長年営業しているそうです。商店街は経営者の方々や、商店街を活気づけたいと一生懸命取り組んでいる組合によって、長年に渡り守られている事を感じました。若い人が経営している店もあります。その店主は吹田市に住んでいて、この商店街を盛り上げたいという思いがあり、SNS などを利用し、若年層を集客されているそうです。店の後継者世代は、地元を離れ大手企業や会社に就職してしまうことが多いそうですが、私はこの方のように若い人が地域の良さに気づき地域に貢献できるような取り組みをする人が増えるといいなと感じました。そのためにも地域を知ってもらう事や、興味を持ってもらう大切さにも気がつく事ができました。浜屋敷の方のお話の中に今の商店街の組合は高齢のメンバーが多いという事を聞きました。長年商店街を見てきた方々と若い経営者の方が関わり、話し合いを重ね、試行錯誤をするともっと良い商店街ができるのではないのかと考えました。
 私は今回の発表を見学して、様々な視点から物事を感じ考えることができました。その一つとして私は最初、便利な生活に慣れ、コンビニ、スーパー、飲食店があれば若者が来るだろう、快適に楽しめると思っていました。しかし、実際吹田市民で町案内人の方の話の中に、便利にはなるかも知れないが、コンビニや飲食店が設置される事により、ハトやカラスはいてもほかの珍しい鳥がいなくなったり、街灯をつける事によりヒメボタルがいなくなってしまう可能性もあると聞きました。昔からこの地域の良さは公園が多く、自然豊かであり、ヒメボタルが生息し、その美しさを知っているからこその貴重な意見だと思いました。それと同時にこのことを知らずに、観光客を呼ぶために、活性化させるためと無知なまま取り組んでしまう恐ろしさも感じました。地域の方の意見を取り入れて話し合いを重ねることが大切と考えました。
 今回は見学だけの参加でしたが、先輩方が時間をかけ詳しく調べたことや新しい提案などを直接聞くことができました。また地域の方々が吹田市をよりよいものにしたいという熱い思いや考えを直接感じることができ、とても貴重な経験でした。先輩方のように私もこれからのフィールドワークを通して多くの事を学んでいきたいと感じました。