塩路ゼミ1年生が京都で観光調査

2021年11月28日に、国際観光学部 塩路研究室1年生10人が京都で観光調査を実施しました。八坂神社と清水寺で50人の観光客にインタビュー形式のアンケート調査を行い、清水寺界隈の商店20店においても同様の調査を行いました。今回は、事前学習も含めて、京都でのフィールドワークを通して学んだ京都の観光の現状や感じたこと、考えたことなどを報告します。1年生は、次にこれらの調査結果を分析整理し、ゼミ内でパワーポイントを使って発表し、さらにレポートにまとめる予定です。

京都観光の現状

1年生 松本 千咲菜

 私たちは今回のフィールドワークで京都観光の現状について調べました。11月28日に、清水寺周辺でフィールドワークを行うにあたり、事前調査として本やインターネットを通して京都の観光について調べました。その中でオーバーツーリズムに関する問題が多く浮かびました。オーバーツーリズムとは、観光地において観光客が著しく増加することにより地元住民の生活や景観に悪影響を及ぼし、交通渋滞やトイレ不足などといったインフラ問題を引き起こす現状のことを言います。
 コロナウイルス感染拡大前は外国人観光客も多かったため、観光地でのオーバーツーリズム問題が目立っていました。そのため私たちは今回のフィールドワークで観光客と商店を対象にアンケート調査を行い、現在のオーバーツーリズムの状態について調べました。私たちは近畿県内の観光客がほとんどだと予想していましたが、関東地方からの観光客も多くいて驚きました。観光客のほとんどが紅葉を目的に京都を訪れていました。観光客の数が想像していたより多く、コロナウイルスの感染状況の落ち着きが大きく影響していると感じました。また、前回のGo Toトラベルキャンペーンを利用していた人は少なかったけれど、もしもう一度Go Toトラベルキャンペーンが再開されたら利用したいと思っている観光客は多くいました。

 次に、商店アンケートからも様々な京都観光の現状が見えてきました。緊急事態宣言が解除され商店への規制も緩まったため、ほとんどの商店は営業を再開しており、特に飲食店は列ができるほど多くの観光客でにぎわっていました。コロナウイルスのピーク時に比べたら観光客は増えたものの、コロナウイルス流行前と比べると日本人の観光客だけでなく外国人観光客も大幅に減少していることがわかりました。コロナウイルスの感染症対策も各店舗しっかりとされており安心して訪れることができました。
 今回のフィールドワークを通して京都観光の現状は、私たちが予想していたものとは違いました。コロナウイルスの感染状況の落ち着きとワクチン接種の普及により他県からの観光客も多く、本来の観光地、京都の姿を取り戻しつつあるように感じました。このまま世界的にもコロナウイルスの感染拡大を抑えることができれば、海外からの観光客も取り戻すことができるのではないかと思います。加えて、観光客増加に伴うオーバーツーリズム問題の再発を防ぐことも京都の観光地における目標の一つになるのではないかと考えました。

京都観光と日本の魅力

1年生 福田 壮吾

 11月28日に京都にフィールドワークに行くことが決まり、私はその事前準備として山上徹の『京都観光学』を読みました。同書によると、「団体旅行者が着実に減少し、個人旅行者が増加している」とありますが、京都を訪れると、実際には、団体旅行者が多く、修学旅行者の数の多さが目立ちました。今回は、京都で実施したフィールドワークを通してわかったことや考えたことについて報告します。
 当日は、新型コロナウイルスがある程度、落着いていた時期だったせいか、外国人旅行者も見られ、欧米や東南アジア系の個人旅行者数が多いと感じました。また、商店街では新型コロナウイルスに対する感染対策がしっかり行われており、アルコール消毒や検温が常に行われていました。
 八坂神社でのインタビューでは、友人と京都の紅葉を見に来たという旅行者が多く、主に視覚的な刺激を受けるために京都に訪問している人が多かったです。新型コロナウイルスで制限されていた観光や旅行ができるようになってきており、視覚的、見聞的なストレス発散をしに旅行に来る観光客が多いようでした。
 お昼ご飯を食べてから、清水寺に向かいました。清水寺に向かう途中の商店街の人数制限や消毒の徹底など、観光客が不安なく楽しめるように様々な工夫が施されていました。清水寺には外国人観光客や、高校の修学旅行生が目立ちました。清水寺でのインタビューでは、「コロナが落ち着いたから訪れた」という回答が最も多かったです。ワクチンを打ったという人がほとんどで、二回目も打ったという人が過半数を占めていました。

 商店へのインタビューとして外国人観光客が多い京都で、どのようにしてやり取りをしているのかという質問で、電子翻訳機を使用しているとの意見が多かったです。中国人が多いので、中国語を話せる人を雇って対応したり、ジェスチャーで伝えたりしているなどの意見もありました。マスクとソーシャルディスタンスで片言の英語や中国語では伝わりにくいなどの問題点もあり、身振り手振りで伝え、マスク越しでも笑顔でお客様をもてなすホスピタリティを大切にしているようでした。
 新型コロナウイルスが少しずつ減少し、観光業が少しずつ回復していくはずなので、私は観光が再び日本の経済を支える時が戻ってくると思っています。SNSやグロ—バル化が進む世の中で、日本の歴史や趣のある風景を色々な角度から世界に発信することができるようになりました。私は今回のフィールドワークを経験して、今まで伝えきれていなかった日本の美しい魅力を海外の人たちに伝えたいと思いました。
 そして、新型コロナウイルスの影響で海外旅行に行けず、国内旅行をする人が多い中で、京都では日本でしか感じることができない「日本の魅力」を再認識することができました。海外旅行のできなかったこの2年間は私たち日本人にとって、日本の多くの魅力を見つける為の時間だったのではないかと感じました。