塩路ゼミ4年生が山形県上山市でクアオルトウォーキング

2022年11月18日から20日まで国際観光学部 塩路研究室4年生が山形県上山市と山形市で2泊3日の合宿を行いました。同4年生は、コロナ禍でその大半の学生生活を過ごしてきたため、これまで遠隔地への調査旅行が制限されてきました。昨年度のキャリアゼミ活動では、大阪府の吹田市で千里ニュータウンエリアをまち歩きを行いました。ニュータウンのまちづくりとその変化について、歩くことと地域住民の方々との交流を通して、開発や観光と人々の暮らしについて考えてきました。そのような中で、ようやく他地域との比較調査が実現しました。今回の合宿では、日本のクアオルト事業としては先進的な取り組みをおこなっている山形県上山市を訪れ、同市が促進しているクアオルトウォーキングを実際に体験することができました。また、温泉地でもある同地域内を散策したり、地元の産物を食べたりしながら、フットパスとの違いや共通点などについて学ぶことができました。その後、山形市では山形の歴史や観光地としての魅力について考えることができました。上山市でのウォーキングイベント参加に際しましては、上山市市長の横戸長兵衛氏のご厚意をはじめ、市政戦略課クアオルト推進室の佐々木慶氏には上山市のクアオルト事業とクアオルトウォーキングに関する資料をご提供いただきました。さらに、NPO蔵王テラポイト協会理事長の木村秀泰氏とガイドの皆様には、ウォーキングイベントに学生たちを快く迎え入れていただき、ウォーキング中には優しく丁寧なご指導をいただき、大変お世話になりました。ここに記してて感謝申し上げます。ここでは、4年生が山形での合宿を通して感じたことや考えたことなどをそれぞれ報告します。

自然の中を楽に歩くクアオルトウォーキング
 4年生 西井 咲優香

 私たちは、11月19日に山形県上山市で開催された「クアオルト健康ウォーキングイベント」に参加しました。上山市は、山形県の南東部に位置しており、江戸時代には上山藩の城下町として栄え、現在は上山温泉で知られています。今回は、クアオルトウォーキングで学んだことや体験して感じたことを報告します。
 まず、クアオルト(Kurort)とは、ドイツ語で、クア(Kur)「治療・保養のための滞在」とオルト(Ort)「場所・地域」という言葉が合わさった言葉で、「療養地・健康保養地」を意味します。ドイツのクアオルトは、国が認定した特別な地域で、治療、緩和、予防に効果のある4つの自然療養要素(土壌・海・気候・クナイプ式)を活用しており、医療保険が適用されます。このドイツのクアオルトを基本に、日本の風土や文化、国民性に合わせたものが日本型のクアオルトです。
 日本では、自治体をあげて健康づくりに取り組むことで地域住民の健康向上だけでなく、国民健康保険や介護保険を担う自治体の経営に効果を与えるなど、健康づくりを進めるための社会環境を整備してきました。現在では、国内26地域で健康ウォーキングをはじめとするクアオルトの取り組みが実施されています。その中の一つで、クアオルトの先進地域となっているのが、今回私たちが参加した山形県上山市の日本型クアオルトです。
 上山市では、ドイツの気候性地形療法を学びながら、ドイツのミュンヘン大学から気候性地形療法コースとして5か所8コースの認定を得ています。気候性地形療法とはクアオルトでは、心筋梗塞や狭心症のリハビリテーション、高血圧、骨粗しょう症等の治療に利用される自然を活用する運動療法です。日本での気候性地形療法は、クアオルト健康ウォーキングとして生活習慣病や認知症、ロコモティブ・シンドロームの予防、翌日まで継続する心理的な効果など、医療ではなく、心身の健康づくりや健康寿命の延伸に活用されています。今回私たちが歩いた西山コースは、全長3.1キロメートル、高低差110メートルの初心者に優しいコースです。
 クアオルト健康ウォーキングは、個人の状態に応じた無理のない歩行が基本で、常に50パーセントから60パーセントの力で歩けるよう、心拍数を測って、歩く速さを調整しながら歩きます。歩く前に血圧と心拍数を測り、まずは自分の体力に合わせてゆっくり歩きました。そしてコース中に数カ所ある心拍数計測地点で手首や首などから自分で心拍数を測り、それを踏まえて自分で歩く速さを調整していきます。実際に歩いてみて、自然の中を歩くことでリフレッシュができ、ペースも自分に合った速度で歩くので、疲れることなく、普段運動をしない私でも楽しみながら歩くことができました。
 道中にお手洗いが完備されており、そこにウォーキング途中に雨が降った時に避難できる部屋もありました。今回、参加した時期が11月だったこともあり、イチョウや紅葉が山道に散っていて、秋らしさを感じました。途中おやつとして上山市産のフルーツも頂き、元気が出ました。また、ウォーキング終わりには、上山市の旬の食材をふんだんに使用した「クアオルト弁当」を頂きました。山形で有名な芋煮や菊の和え物などが入っており、栄養バランスの考えられたお弁当で心身ともにリフレッシュしました。
 今回「クアオルト健康ウォーキング」に参加して、クアオルトウォーキングは地域住民の健康を向上させるだけでなく、観光客でも楽しめるものだと感じました。今回のイベントに参加していた人々は小さな子どもからお年寄りの方までいました。老若男女問わず参加でき、一人ひとりに合ったペースで頑張らず楽に行えるため、誰でも簡単にできるウォーキングだと感じました。また、専門のガイドの方も一緒に歩くので、山歩き初心者の方でも安心して参加することができ、このクアオルトウォーキングを通してヘルスツーリズムとしての取り組みをさらに拡大していけるのではないかと思いました。これまで、ゼミではフットパスについて勉強してきましたが、自然を感じながら歩くだけでなく質の高い運動ができる部分で、クアオルトウォーキングは日本の高齢化社会において健康促進に役立つのではないかと思いました。

健康のための「クアオルトウォーキング」での発見
 4年生 宮本 采芽

 私たちは、ゼミ合宿として11月18日から2泊3日で山形県を訪れました。伊丹空港に集合し、伊丹空港から飛行機で山形空港に移動しました。2日目の午前中に山形県上山市のクアオルト健康ウォーキングに参加しました。前日は大雨で当日の天気も心配だったのですが、無事晴れて気温も暑くも寒くもなく丁度良かったです。このイベントには小さい子供からお年寄りの方まで幅広い年齢層の人が参加していました。
 クアオルト(Kurort)とはドイツ語で、クア(Kur)「治療・療養、保養のための滞在」とオルト(Ort)「場所・地域」が合わさった言葉で、「療養地」という意味です。クアオルト健康ウォーキングは、ドイツのクアオルトで活用されている、気候性地形療法の手法やコースの基準を基本とし、日本の自然環境や気候に適合させ、路面の傾斜や変化、安全対策などに配慮した運動指導です。これにより、生活習慣病や認知症、翌日まで継続する心理的な効果など、医療だけでなく、心身の健康づくりや健康寿命の延伸に活用しています。
 いくつかコースがある中で、今回私たちは自然休養林を活用した西山コースを歩きました。心拍数計測地点案内板がある場所で心拍数を計測しました。心拍数の目安は、160から年齢を引いた数です。脈拍数は15秒間計測し、4倍して1分間の脈拍数を記録します。この数字を160から年齢を引いた数と照らし合わせて歩く速さを調整します。上りの時は脈拍数が速く、下りは上りに比べて遅かったです。普段、脈拍数を意識して歩いたり運動したりする機会がないので、これを機にこれから意識していこうと思いました。
 歩いているときも、ガイドの方がいろいろと教えてくれました。特に印象に残っていることは、柑橘系に似た特有の香りが「クロモジ」という植物です。柑橘系の香りがあるだけでなく、樹皮を残したクロモジの材で作られた爪楊枝は高級品として茶席の和菓子などに添えられています。また材が白くて美しく、緻密かつ均質で加工しやすいことから細工物などにも使われるそうです。お話を聞いて自然を楽しみ学ながら歩くこともいいなと思いました。
 途中、皆で周囲の山々に向かって「ヤッホ!」と短く大きな声を出しました。きれいにやまびこが返ってきて驚きました。普段、大声を出すことはなかなかないため、とてもスッキリしました。そして、スタート地点に戻り、ストレッチをした後、かなり身体が軽くなっていました。私は健康効果があって、身体も心もリフレッシュできるこの「クアオルトウォーキング」がもっと広まってほしいなと感じました。今回は山形県上山市のクアオルトウォーキングに参加しましたが、機会があれば他のところのクアオルトウォーキングにも参加してみたいです。

心もお腹も満たされた上山市
 4年生 里田 裕理

 11月19日、私は山形県上山市が行っている「クアオルト健康ウォーキング」に参加しました。「クアオルト」とは、ドイツ語で療養地・健康保養地を意味します。ドイツのクアオルトは、高品質な長期滞在型の療養地で、 治癒 緩和・予防に効果のある4つの自然の治療要素「土壌・海・気候・水療法のクナイプ式」 を活用し医療保険が適用される国が認定した特別な地域です。日本型のクアオルトは、地域の自然環境や温泉を活用する「運動指導」を主にして、医療としてではなく、住民の健康づくりや予防を推進するものです。日本での気候性地形療法は「クアオルト健康ウォーキング」として、ドイツの手法を基本にしながら、 生活習慣病や認知症、ロコモティブ・シンドロームの予防、翌日まで継続する心理的な効果など、医療ではなく、心身の健康づくりや健康寿命の延伸に活用しています。
 上山市は「心と体がうるおうまち」として、 日本型クアオルトに取り組む先進地です。私たちは自然休養林を活用した気持ちの良い「西山コース」を歩きました。朝9時から健康チェックシートの記入をし、血圧の測定などを行い、イベントの開会式で上山市市長のお話や準備体操などを終えた後、ウォーキングを始めました。
 少し歩くとコースの途中に心拍数計測地点がありました。15 秒間の自分の心拍数を計測し、その数字を4倍した1分間の脈拍数と「160-年齢」をして出てきた数字を比べ、自らの歩く速さを調節します。これらの取り組みから自分に合ったペースで歩くことができ、健康を保つための工夫がされているのだと感じることができました。
 ウォーキング途中で行ったトイレの近くに、手書きの西山ふるさと公園の地図がありました。公園に生えている木々や動物などが詳しく絵で表現されていました。その地図は上山市の子どもたちが書いたと教えてもらいました。普通のよくある一般的な地図よりも手書きのほうが目につきやすく、見ていて楽しくなりました。
 どこを見渡しても紅葉が綺麗で、アウターがいらないくらいの丁度良い気候の上山市を訪れ、このイベントに参加することができて良かったと思いました。ウォーキングの途中で頂いたシャインマスカットとピオーネは今まで食べた中で一番美味しく感じました。ウォーキングの間、楽しみにしていた上山市の食材を使った「クアオルト弁当」もとても美味しくて、もう1つ食べたいと思いました。急な坂道などは殆どなく、友だちと沢山おしゃべりをしたり、写真を撮ったりしながら楽しく歩くことができ、自然に触れ、心もお腹も満たされ充実した1日でとても良い思い出になりました。

心も体も健康にする旅
 4年生 横井 香穂

  私たちは、山形県上山市でクアオルトウォーキングを体験しました。上山クアオルトでは、ドイツで行われている温泉や気候、自然を利用し疾病を緩和・予防する自然治療法をもとに、自然あふれる地域、整えられたウォーキングコース、温泉を利用し、ヘルスツーリズムが行われていました。専門的知識のある地元のガイドが毎日ウォーキングを開催し、無理のない程度で自分に合わせたコースや歩く速度を調節できます。
 お年寄りの方の健康維持のためだけでなく、普段体験することない少し足場の悪い山道、街を一望できる景色、森林浴をすることができ、自然を感じリラックスすることができる時間でした。実際に小さい子供からお年寄りの方まで幅広い年齢層で参加しており、地域の方々の交流の場にもなると思いました。クアオルトウォーキングを行ったことで自分の両親や祖父母も体験してほしいと強く感じました。
 私はこのような取り組みがされていること、クアオルトという健康法を知りませんでした。まだまだ知らない方が多くいると思います。多くの方に知ってもらうためにも今回私たちが参加したような山形パナソニックとコラボし抽選会などのイベントを行い、知るきっかけを与えてくれるイベントが増えると良いと感じました。SNSでクアオルトの魅力や上山市の景色などを載せることで、興味を持つ人が増え、山形に訪れる人が増えると思いました。
 その後、私たちは高橋フルーツランドを訪れました。ここでは旬の果物が売られていたり、果物の販売所の近くにはカフェがあり、地元で採れた野菜や旬の果物を使ったパフェ、果物の切れ端で余ったものをソーダーで割ったりと地産地消、エコな取り組みが行われていました。カフェの店内はビニールハウスを利用し、おしゃれな装飾がされていて、SNS映えする店でした。「フルーツ王国」山形県でとれた新鮮なフルーツを食べることができるため、観光客にとても良い店だと感じました。地域で採れた食材を使った店の充実は観光を盛り上げ、地域にも大きく貢献することを改めて思いました。
 最初は山形県の大きな観光名所や特産物などについて知りませんでしたが、実際に訪れると、ヘルスツーリズムが行われていたり、自然と温泉が多くあったり、リフレッシュできる環境、美味しい特産物があることを知りました。この二泊三日で山形県の魅力に触れることができました。そして、実際に足を運ぶことで地域の方の温かさや地域の良さを知ることができました。私たちが体験したような山形県の良い所を発信し、多くの方に知ってもらいたいと思いました。

4回生になって初めてのゼミ合宿 in山形
 4年生 菊崎 陽登

 私たち塩路ゼミ4回生は、11月18日から20日にかけて山形県へゼミ合宿に行きました。2回生、3回生の時は新型コロナウイルスの影響で、長期調査はもちろん、フィールドワークなどの活動もあまり出来ずにいました。そんな中、後期が始まったと同時に、ゼミ合宿の規制も緩和され今回のゼミ合宿が企画されました。
 初日は、昼に大阪伊丹空港を飛び立ち、14時頃に山形空港に到着しました。この頃にはもう雪が降って寒さが厳しいのかと想像していましたが、天気も良く過ごしやすい陽気でした。山形空港に着いてからは、3班に別れてレンタカーに乗り、1泊目にお世話になる「果実の山あづま屋」旅館へ向かいました。道中は、山々の景色を眺めながら、普段大阪で感じることができない自然を堪能しました。旅館に到着後すぐにチェックインを済まし、周りを散策しました。周辺は「かみのやま温泉」と言い、足湯など温泉地の香りを感じることができました。散策途中に雨が降り始めると気温がグッと下がり東北の寒さを痛感しました。旅館の近くの中華料理屋で晩御飯をいただき、翌日のクアオルトウォーキングに備えました。
 2日目は、上山市で毎日開催されている上山市クアオルトウォーキングの15周年記念「クアオルト健康ウォーキングイベント」に参加しました。コロナ禍になってから家から出る機会が少なくなったせいか、開始早々息が上がりましたが、山の澄んだ空気や紅葉などを五感で味わうことができ、イベント終了後には身も心も軽くなった気分になりました。
 2日目に泊まる山形市内のホテルに行くまで時間があったので、「高橋フルーツランド」に立ち寄りました。ここでは山形県名産のラ・フランスやピオーネが使われたフルーツパフェやアイスクリームを堪能しました。その後、市内のホテルにチェックインをして、晩御飯を皆で食べました。
 3日目は山形県郷土館「文翔館」を見学しました。文翔館は、山形県山形市の中心部にある国の重要文化財「山形県旧県庁舎及び県会議事堂」を修復・利活用している施設です。この場所は映画「るろうに剣心」の撮影で実際に使用された場所であり、「るろうに剣心」ファンの私はとても興奮しました。その後、3班に別れ自由行動をしました。私たちの班は、「千と千尋の神隠し」のモチーフとなったと言われている銀山温泉に行きました。歴史ある木造建築、ガス灯の温もりを感じることができ、ノスタルジックな雰囲気に包まれ、ジブリ映画の世界に迷い込んだ気分になりました。
 2泊3日という短い期間でしたが、初めて大阪から離れた合宿で、4回生になってようやくゼミ活動らしい事ができました。そしてこのゼミ合宿を通して同期のみんなと仲が深まりました。卒業するまでにもう一度合宿を計画して、より仲を深め、残り少ない大学生活に良い思い出を作りたいと強く感じました。
 

自然を感じることのできたゼミ合宿
 4年生 寺田 観洋

 11月18日~20日の3日間、私達塩路ゼミ4年生は合宿で山形県を訪れました。伊丹空港から約1時間半、飛行機に乗って山形空港に到着しました。山形空港の周りには大きな建物がなく、飛行機も少なかったことから滑走路が広く感じました。また、周りには果樹園が多かったもの印象的で、早速、都会では見ることのできない景観を味わうことができました。
 山形空港から上山市の旅館まで車で移動し、そこから上山市内を散策しました。上山市は城下町として栄えていた歴史を持っており、上山城や武家屋敷を見ることができました。上山城は現在、郷土資料館として中に入ることが可能でした。私たちは時間の関係で入ることができなかったので、実際に入って山形の文化や歴史を学びたかったなと思いました。夕食を済ませて夜には友人と蔵王の展望台へ行きました。その日は雨だったにも関わらず、山形の夜景を一望することができました。
 2日目は朝早くに集まり、上山市主催のクアウォルトのウォーキング記念イベントに参加しました。この日は前日とは違い歩くのに最適な天気でした。クアウォルトはドイツで「健康保養地・療養地」を指し、医療の一つとして採用されています。上山市でも健康促進を図るためにイベントを開催していました。私たちも実際に約3㎞の西山コースを2時間ほどかけて登りました。周りの木々は色づき始めており、秋を感じさせる景観を楽しみながら登山をすることができました。私は歩くことが好きなこともあり、このウォーキングは楽しい運動になりました。
 午後は上山市の高橋フルーツランドを訪れ、地元の果物を食べました。この時期はラ・フランスやシャインマスカットが旬ということもあったため、とても甘く、普段果物を食べない私でも、すぐに完食しました。
 地元の果物を食べた後は、上山市を後にして、県庁所在地でもある山形市へ向かい、現地のホテルで宿泊しました。山形駅周辺は多くの飲食店や百貨店等で賑わっていました。それでも夜になると閑散としており、大阪の都会とは違う静かな街といった印象を受けました。
 3日目は山形市内の旧庁舎である「文翔館」を訪れました。文翔館は国指定重要文化財に登録されており、山形市の重要な物品が展示されており、旧庁舎の復元された当時の貴賓室や部長室などを見ました。県の初期におけるまちづくり構想について知ることができ、太平洋戦争時には疎開先として多くの小学生を受け入れたなど山形の歴史を学ぶことができました。建物の中庭から見る外壁や時計台などが最も当時の面影を残しているように見えました。
 その後、昼食をとり、山形駅の施設内でお土産などの買い物を済ませました。山形駅では東京方面へ向かう新幹線も見ることができ、後日調べると、東京から2時間ほどで山形まで行けるとのことでした。空港へ戻った後、飛行機で大阪へ戻り、ゼミ合宿は終了しました。
 2泊3日のゼミ合宿を通して、大阪では味わうことのできない自然やその地域の魅力を体験することが出来ました。これまでゼミでは吹田市でまち歩きを行ってきましたが、また違う視点から地域について理解することもできました。とくに2日目のウォーキングでは現地の人と会話をして、地域の人の温かさを直接感じることができました。また、ゼミ生の今まで知らなかった一面も知ることができ、楽しい時間を過ごすことができました。残り少ない学生生活になりましたが、この学びを活かし、将来にも役立てていきたいと思います。

山形の歴史と健康、名物堪能
 4年生 荒川 和音

 11月18日から2泊3日のゼミ合宿で山形へ行きました。今までコロナ禍により合宿やフィールドワークで国内や海外など遠隔地に行くことが出来ませんでしたが、今回初めて合宿することができて、いつも以上にゼミ生同士の仲も深まり、思い出に残る旅になりました。
 1日目は、関西空港から山形空港まで飛行機で向かい、レンタカーを借りて上山市周辺に向かいました。天気は残念ながら雨が続きましたが、上山城やかみのやま温泉街を探索しました。向かう道のりには、武家屋敷通りがあり、その中でも特に印象に残った武家屋敷「森本家」では、森本家の初代七郎兵衛孝が藤井松平氏四代の丹波国篠山城主であった忠国に召し出されて代々松平氏の家臣となっていました。元禄10年松平七代通信が、上山城3万石の領主として入部したときは、森本氏三代秀盛の時代だったと記載されていました。他にも神社などが並んでいて昔の城下町を感じることが出来ました。
 2日目には、かみのやまクアオルトウォーキングに参加し、健康に良いウォーキングのコースを案内してもらいました。軽めの山歩きですが、ドイツ仕込みの専門ガイドさんによると、ドイツのクアオルト(健康保養地)には、気候の力を活用し、野山の傾斜地を歩くと運動効果等が高まる「気候性地形療法」というウォーキングがあるそうです。そして、ドイツでは、医療保険のもと、心筋梗塞や狭心症のリハビリ、高血圧の治療、また生活習慣病の予防、季節性の気分障害の改善に活用されていることを聞いて感心しました。実際に歩いてみると、結構な坂を上り定期的に心拍数を測ることで、自分が息切れしているかどうかなど知ることができました。ガイドさんが途中計測しながら案内してくれたので、安心して山を登ることが出来ました。上山城が紅葉で囲まれていて秋を感じました。
 そして山形市へ移動しました。最終日には、市内の「文翔館」へ行きヨーロッパ風の建物を見学し、山形の歴史も学ぶことができました。その後、山形駅周辺で有名な蕎麦とフルーツサンドを食べてお土産を購入し、帰路につき飛行機に乗りました。
 今回の合宿では、山形名物の玉こんにゃく、芋煮、フルーツをおなか一杯堪能しました。食だけでなく、上山市のウォーキングのガイドさんや通りすがりの人などにも声をかけていただき、とても親切に接していただきました。上山市は、散歩やまち歩きなどで探索することが好きな私には最適な場所でした。夕方4時には真っ暗になり、東北の秋を実感しました。しかし、夜になると温泉に入ったり、ドライブで蔵王に行ったりと、1日中充実した3日間を送ることができました。

自然にあふれた山形県
 4年生 市村 まい

 11月18日から20日にかけて私たち塩路ゼミ4年生は山形県へゼミ旅行に行きました。私は山形県を初めて訪れました。訪れる前までは山形県に何があるのか、どんな地域なのか全く知りませんでした。実際山形県を散策して感じたことを以下述べていこうと思います。
 18日の昼に伊丹空港を出発し、約1時間で山形県に到着しました。空港でレンタカーを借りて1泊目の上山市の旅館あづま屋に向かいました。道中は道路が広く建物が低い印象を受けました。大阪とは違って空気が澄んでいたのを覚えています。旅館に到着し、荷物を下ろしたあと、私たちは上山城へと向かいました。夜だったのでライトアップされていました。今回は行けませんでしたが、中には資料館と4階には展望台があるそうなので次に機会があれば中に入ってみたいと思いました。
 2日目は、クアオルト健康ウォーキングに参加しました。「クアオルト」とは、ドイツ語で健康保養地・療養地という意味です。このウォーキングは、がんばらなくても高い運動効果が期待できる歩き方をレクチャーしてもらいながら、楽しく歩く運動ができます。その日は老若男女問わず約80名の人々が参加していました。私たちが参加したコースは約3kmで山道は急な坂や狭い道があり、軽い運動にはちょうど良い道と距離でした。進んでいくと上山市を一望に見渡せるポイントやりんごの木、落ち葉が敷き詰められた秋を感じられる場所、わたあめの香りがする木など、ただ歩くだけではなく五感で楽しめるウォーキングコースでした。所々で脈を自分で測るので自分の体調と合わせた運動ができて気軽に続けられる運動だと感じました。今回は西山コースを歩きましたが、他にも距離や高低差の異なる5つのコースがあるので、上山市では飽きずにウォーキングを楽しめると思いました。
 3日目は、山形駅周辺を散策しました。そこで訪れた文翔館は1916年に英国ルネッサンス様式を基に建てられたレンガ造りの建物です。 大正時代における日本の洋風建築を表す貴重な遺構として、国の重要文化財に指定されているそうです。レトロな洋風建築でヨーロッパに来たかのような館内と落ち着いた雰囲気でゆっくり見学することができました。他にも七日町御殿堰で老舗の蕎麦やフルーツジュースを堪能しました。
 山形県は歴史的建造物や名産のラ・フランスや葡萄を楽しめる自然豊かな県でした。山形駅から少し歩くと街灯が多くない分、星が綺麗に見えたのも印象的でした。観光中は常に晴れていたことと空気が澄んでいたので気持ちよく旅行を楽しむことができました。コロナの影響でゼミ生で旅行に行くのが今回が初めてとなりましたが、この旅行でより仲が深まったように思います。初めていくゼミ旅行が山形県でよかったと思いました。

山形の自然に触れて
 4年生 竹内 良輔

 私は、2022年11月18日から20日にかけてゼミ旅行として山形県上山市から始まり、山形市内を散策してきました。初日は、空港に着いてすぐにレンタカーに乗り、上山市のホテル「あづま屋旅館」に向かいました。到着後、チェックインを済ませると、雨の中、ゼミ生全員でホテル周辺の散策をし、大阪とは違う風景などに触れました。例えば、上山城を挙げたいと思います。上山城は、上山市にある城で、別名「月岡城」と言われています。江戸時代には上山藩も藩庁が置かれていました。
 夜には先生がホテルの方に教えてもらったという中華料理屋に行き、本場の中国人の方が働かれているところで美味しい料理を食べました。
 2日目は、9時頃から上山市で行われているクアオルトウォークのイベントに参加し、クワオルトウォークならではの健康的な山登りを体験しました。心拍数を一定に保ちながら歩くことで、血行促進に繋がり、健康体でいられるというものでした。私は普段からウォーキングをしているのですが、いつもと違ったペースで歩き、景色も紅葉の季節というのもありますが、普段歩いているコースとは全然違うので、とても楽しく参加することができました。途中でシャインマスカットなどのおやつをいただき、上山市の皆さんの温かさを感じました。参加したイベントは、地元のPanasonicとの共同企画で行われており、終わりには抽選会や景品の配布など、最後までとても楽しむことができました。
 宿泊予定の山形市内のホテルに向かう前に、近くにあったフルーツ園に寄りました。そこにはカフェがあり、地元で採れた梨や柿などを使ったパフェを堪能することができました。2日目のホテルは「ダイワロイネット」というところで、周りには大規模な駅や飲食店などが多く立ち並んでいました。夜中に、ホテル周辺を散策したのですが、思っていたよりも栄えていて、星空も見ることができ、大満足でした。
 最終日は、朝からゼミのみんなで山形県郷土館である「文翔館」を訪れました。そこは旧県庁舎が残されている場所であり、外観も綺麗で、旧県会議事堂や旧会計課、「るろうに剣心」の撮影場所などを無料で見学することができました。見学後は、班ごとに分かれて町の散策や昼食、お土産を選んだりする時間がありました。昼食は前の日から決めていたそば処「庄司屋」に行きました。そこでは期待を裏切らないコシのきいた蕎麦を堪能しました。お土産を見るところも多くあり、目に留まったフルーツサンドを食べながら、山形県名物のいも煮や玉こんにゃくを買い、大阪に帰りました。

山形県の魅力溢れる観光地
 4年生 白崎 葵

 私たち塩路ゼミは、11月18日から20日の3日間でゼミ合宿を行いました。今回、私たちが訪れた場所は山形県です。私は、これまでに山形県を訪れたことはなく、山形県に観光地が発展している印象はあまりありませんでした。そのため、私は今回のゼミ合宿を通して、山形県の観光地としての魅力を見出すことを目標にしてゼミ合宿に臨みました。
 1日目は主に移動で、1日目に泊まる旅館近くにある上山城を散策しました。2日目はドイツ発祥である「クアオルトウォーキング」を体験しました。3日目は、山形市内を散策しました。
 私がこの3日間で特に印象に残っているのは、3日目の山形県の散策です。このゼミ合宿を行うにあたって、私が目標としていた「山形県の観光地としての魅力を見出す」という目標を、この3日目に積極的に取り組みました。まず、全員で文翔館に訪れました。文翔館とは愛称であり、本来は「山形県郷土館」という名称です。ここには、重要文化財である「山形県旧県庁舎及び県会議事堂」などの建物の一般公開をはじめ、郷土の歴史や暮らしに関する常設展示コーナー、復原工事を紹介する映像ホールなどが設けられています。また、議場ホール、ギャラリー、会議室などの貸し出しを行っており、県民の文化活動の発表の場として開放されています。
 実際に建物を見学して感じたことは、外観・内観共に西洋風のアンティーク調で、日常とは違った世界観を味わうことができました。特に知事室は、「るろうに剣心」の撮影に使われていることもあって、とても印象に残っています。この知事室以外にも様々な部屋があり、ステンドグラスや大理石の飾柱など、細かいところまで装飾が施されているので華やかな雰囲気でした。そのため、若者の間で流行している“インスタ映え”にはうってつけの場所であると感じました。
 文翔館を見学した後は、3班にわかれて行動をしました。私たちの班は、「銀山温泉」へ行きました。銀山温泉は、江戸時代初期の大銀山として栄えた「延沢銀山」の名称に由来しています。大正末期から昭和初期に建てられた洋風木造多層の旅館が、銀山川の両岸に沿って軒を並べているので、昔ながらの独特な景観を味わうことができました。また、山の中にあるので自然を感じられ、心が休まりリラックスすることができました。

 山形県でゼミ合宿を行ったことにより、かなり山形県の印象が変わりました。特に3日目の山形県散策で、文翔館や銀山温泉などの観光地を訪れて、山形県内の多様な魅力を体験することができました。今回、山形県に興味を強く感じたので、機会があればまだ山形県を訪れてみたいです。そして、今回のゼミ合宿で学んだことを糧に、山形県の魅力を発信していきたいと感じました。

クアオルトを通して感じた山形
 4年生 平山 聖翔

 私は11月18日から3日間、山形県を訪れました。その中の上山市で行われているクアオルトウォーキングに参加しました。クアオルトとはドイツ語で健康保養地・療養地という意味で地域貢献や健康増進などを目的でウォーキングを行うというものです。観光で訪れる年間宿泊者数の減少などもあり、市民の健康寿命の延伸のみならず地域活性化など、まち全体を最盛させようと平成20年度からスタートしました。
 朝9時頃集合しウォーキングを始める前に血圧や脈拍を測りました。ウォーキングの道中で定期的に脈拍を測り、その変化を実感することができます。上山城で準備体操を行うところからスタートしました。日本唯一の認定8コースを含む約20コースを整備している中で私たちは西山コースを歩きました。
 西山コースは全長3.1km高低差が110mの中級者向けのコースでした。ドイツでは心臓のリハビリや高血圧の治療として実施される運動療法で「頑張らないで楽しく運動効果を高める」というのが特徴の一つです。ガイドの木村さんも道中「どんどんお話しながら進んでくださいね」とおっしゃっていて、苦しいというよりも楽しくて気持ちが良いという印象でした。道中にはリンゴなど山形特有のフルーツ畑やたくさんの植物、昆虫など、とにかく自然豊かで歩く人を和ませてくれる環境でした。ある程度山を登ると、上山市の街並みを一望することができ、スキーで有名な蔵王山なども眺めることができました。頑張らなくても運動効果が期待できる歩き方をレクチャーしてもらいながら、参加者みんなで楽しく歩く運動をすることが魅力だと感じました。初心者の方や老若男女誰でも気軽に安心で安全に参加することができると思います。
 約3㎞歩いたあと上山城に再集合して、ストレッチをし、豪華賞品がかかった抽選会に参加しました。山形のリンゴや名産である「つや姫」というお米なども景品・参加賞にあり非常に盛り上がりました。これらのイベントも地元の方々が運営してくださり、大阪から来た我々を温かくもてなしてくださいました。最後には山形の郷土食材を使った「クアオルト弁当」をいただきました。有名な芋煮やつや姫を使ったおにぎりなど、景色から食事まで存分に山形を感じることができました。このクアオルトウォーキングが今後も長く続き、上山市がより良く発展していくことを確信しました。必ずまた訪れたいと思います。