産学連携先:吹田歴史文化まちづくり協会
 2023年度のキャリアゼミは、連携先の「吹田歴史文化まちづくり協会」にご協力をいただき、初夏に3年生が吹田まち案内人の方々とまち歩き(岸辺、千里山・関大の2コース)を行い、7月に吹田市内の浜屋敷で市民の方々と意見交換する「吹田フットパス交流会」を開催しました。年度末には、歩いたエリアについて英語でのパンフレット作成にも取り組みました。また、吹田市の魅力発見という視点から2年生が千里万博記念公園を散策し、国立民族学博物館を見学しました。
 3年生は、9月に海外調査旅行に出かけ、アメリカ、韓国、オーストラリアで現地を歩き、日本との違いを見聞きしました。また、11月には、キャリアゼミ活動として、福島県西郷村で開催された「全国フットパスの集い」(日本フットパス協会主催)に参加しました。
 以上の塩路ゼミの2023年度のキャリアゼミ活動の具体的詳細については、大学HPに研究室記事として学生の報告文を掲載しています。

学生活動状況報告

 2023年5月と6月に、私たちは吹田市の千里山地区と岸辺地区を2チームに分かれて各2回まち歩きを行いました。1回目のまち歩きでは、吹田まち案内人の方に普通に歩くだけでは気づくことのできない各地の歴史や特徴などを説明していただきました。2回目のまち歩きでは、ゼミ生だけで行い、1回目では回ることのできなかった場所や改めて訪れたいと思った場所を見学しました。その後、吹田市の浜屋敷で吹田まち案内人の方々に自分たちが気づいたことを発表し意見交換を行いました。私は、まち案内人の方々が岸辺や千里山だけでなく、吹田市のことについて多くを知っていることに気づき驚きました。
 9月と10月には、韓国、オーストラリア、アメリカの3ヵ国で海外調査を行いました。私は韓国に4日間行きましたが、オーストラリアとアメリカチームはそれぞれ2週間滞在して、現地を歩いて回りました。実際に行ってみないとわからない地域の魅力、食文化、人の温かさを知ることができ、吹田での活動同様、地域を知るにはイメージではなく、実際に歩いて体験することが大切だと学ぶことができました。
国際観光学部3年 福山 星汰

ゼミ集合写真

連携先コメント

吹田歴史文化まちづくり協会
佐藤 和彦 様

 本年度のコースの、「吹田市岸部エリア」、「千里山・関西大学エリア」は吹田市の中でも、伝統の街と新しい街の二つの顔を持ったエリアなので、学生さん達がどの様な印象を持ったのか、非常に興味が有りました。吹田市岸部エリアでは、「吉志部神社の歴史」、「旧中西家住宅の庭園」、「健都の桜並木の遊歩道」に関心を示しているのが伺い知れました。普段はあまり注目されない「風災記念碑」にも関心が寄せられたのは、最近災害が多発している影響でしょうか。
 千里山・関大大学エリアでは、大正時代に造られた欧州風の高級住宅エリアで、限られた地域に、教会、神社、お寺と3つの宗教施設が存在するのは、進歩的自由な発想で造られたエリアである事を感じ取られたと思います。同じ私大である関西大学では諸施設、大学構内で家族連れが集い子供の遊び場になっている環境に関心を寄せているのが分かりました。
 一方で、美味しいパン屋さん、コーヒー店、ガンバカラーの郵便ポストに眼を向けているのは、若者らしい微笑ましさを感じました。
 報告会では、スマートフォンを上手に利用して、模造紙に正確な地図や写真を織り交ぜた見やすい作品が出来上がっていましたし、「フットパス」というテーマで、一緒に行動されている為でしょうか、先生と学生さん達の距離が非常に近く、和気あいあいとした雰囲気が感じられた報告会でした。

教員コメント

国際観光学部
塩路 有子 教授

 2023年度は、コロナウイルス感染もほぼ収束し、キャリアゼミ活動は大阪府だけでなく、福島県でも行うことができました(各詳細は研究室記事に掲載)。
 大阪では、8年目となる吹田歴史文化まちづくり協会との連携で、3年生が2回のまち歩きと吹田フットパス交流会を行うことができました。今年度は、「岸辺エリア」と「千里山・関西大学エリア」の2コースを歩きました。吹田まち案内人などの市民が参加したフットパス交流会では、模造紙を使って自分達が歩いたエリアで気づいたことを発表しました。古い地名の残る場所や過去の大災害での逸話などを市民の方々から教わりました。学生目線で気づいた各コースの新旧文化や千里山の住宅街の景観などについて発表し、市民の方々から意見をいただいたことは、コロナ禍で社会と接触する機会の少なかった学生たちにとって初めての社会経験であり、緊張の連続だったようです。学生たちは、案内人の方と話すことで知ることのできる町の歴史や文化があることを再確認し、地域の歴史に住民の経験が息づいていることや先人がまちづくりをどのように行ってきたかなどを学ことができました。
 また、11月に福島県西郷村で行われた「2023全国フットパスの集いin 西郷村」では、全国各地のフットパスとまちづくりの現状を知ることができ、それらを推進する人々と会うことができました。実際に、学生たちは西郷村でフットパスのコースを歩いたことで、住民の方々の温かいもてなしに感動し、人々の地元愛やイベント開催に多くの協力があることに気づくことができました。同会場で、他大学の学生と交流したことで刺激を受け、社会人としての力をさらにつけるべくフットパス活動に取り組もうと頑張る姿も見られました。