活動テーマ:企業、観光局とのマーケティング、プロモーション共同研究
産学連携先:Peach Aviation株式会社、株式会社エイチ・アイ・エス、タイ国政府観光庁


 清水ゼミでは、この1年間キャリアゼミとして、株式会社Peach Aviation, 株式会社エイチ・アイ・エス、タイ国政府観光庁の3つの企業、公官庁と共同研究を行ってきました。以下、各チームの研究成果を簡単に報告します。

「株式会社Peach Aviation」

 企業から設定されたテーマ「機内販売の課題」に沿って、それに対する回答を出すべく研究を行いました。LCCとしての競争力を高めるために、航空券を安くすることがPeach Aviationの企業理念になっています。航空券を安くするためには航空券以外の収入をいかに得るかいくつか方法がある中で、どのように機内販売の売上げを高めるかを研究しました。根拠としてPeach Aviationから提供された3万人のアンケートを分析し、採用してもらえることを目標にいくつかの提案を行いました。

「株式会社エイチ・アイ・エス」

 企業から、団体営業に新たな顧客を設定し、既存の営業方法から打開を図りたいという考えを聞き、学生がウォーキングを行うアクティブシニアにターゲットを設定、実際に堺市のウォーキング団体にアンケート調査およびヒアリング調査をして、どのようなウォーキングの企画が望まれているのかを調査しました。それらのデータを基に和歌山県への日帰り、1泊2日のツアー企画を提案しました。株式会社エイチ・アイ・エスとは何度も意見交換し、適切なアドバイスをいただきました。

「タイ国政府観光庁」

 タイ国政府観光庁では初めての、家族で卒業旅行に行くという「卒業記念家族旅行」を学生が設定し、ターゲットに合ったタイでの過ごし方を提案しました。成果として、実際にタイ国政府観光庁の公式ウェブサイトにて5回シリーズで学生が記事を書き、写真を選択してプロモーションをさせていただきました。またこのターゲットに向けて商品販売を行っていたジャルパックと産学連携を行い、学生が企画した「タイ卒業記念家族旅行」をジャルパックのウェブサイトで販売していただきました。

学生活動状況報告

国際観光学部
東 優月

 キャリアゼミに1年間の集大成として、2020年2月13日(木)に、本校ハルカスキャンパスにて行われたNPO法人観光力推進ネットワーク関西・学生連絡協議会主催「第6回 学生研究発表会」にて研究発表を行いました。
 私達TATチームは、この1年間行ってきた研究と、その研究の成果より実現したPR活動を合わせて、「タイ誘致へ新たなコンセプト“卒業記念家族旅行”の発信」と題し発表を行いました。
 研究内容ですが、大きく3つのことを研究しました。1つ目は予備調査です。共同研究を行わせていただいているタイ国政府観光庁(通称TAT様)、ヒアリング調査にご協力いただいたエイチ・アイ・エス様、エーアンドエー様、そしてアンケート調査にご協力くださった1028名の阪南大学・他大学の学生の皆様及び先生方のお力添えのおかげで、新たなコンセプト“タイ×卒業記念家族旅行”の可能性を立証することができました。そして2番目行ったこととして、このコンセプトが更なるタイへの観光客誘致に繋がるよう、私たちが原稿を作成し、PR活動の一環としてTAT様の公式webサイトに5回シリーズで記事を掲載していただくことができました。3つ目として、2019年10月24日、25日と、インテックス大阪で行われたツーリズムEXPOで、“卒業記念家族旅行”を考案された、ジャルパックの堀切様にお会いすることができ、そのご縁から、産学連携プロジェクトとして“卒業記念家族旅行inタイ”のパッケージツアーの商品化が実現し、現在ジャルパックのウェブサイトで販売されています。
 私たちのこの発表は、今回の学生研究発表会において最高賞である「理事長賞」を頂くことができました。この1年間チームが一丸となって走り抜けてきた成果が評価されたことは、とてもうれしくまた自分たちの自信にもつながりました。さまざまな調査を限られた時間の中でどのように行うのか、収集したデータや情報をどのようにまとめ・有効活用していくのか、どのように表現すれば簡潔に伝えたいことをしっかり伝えられるのかなどの課題を、1つ1つ乗り越えながら、今まで取り組んできたこと全てに意味があり、どこかで必ず役立つのだと改めて実感しました。

参加学生一覧

伊藤 早穂、大森 唯衣、木村 拓海、小池 祐里奈、中居 歩実、西本 昂生、東 優月、平岡 卓、福田 朋乃果、藤本 莉奈、松井 涼華、明神 果歩、宮本 若加菜、山越 航太、吉田 葵

ゼミ集合写真

連携団体担当者からのコメント

株式会社エイチ・アイ・エス
法人旅行営業本部 小原 崇 様

 団体旅行という旅行形態に普段はあまり関わることのないもので分からない点が多くあったかとは思います。研究が進むにつれて以前は分からなかった問題に対して、どこに需要があるのか、その中からターゲットを絞って目的を明確にし、自分達で旅行商品を作り上げたことは1つの成果と思います。今回の経験で大変な事、困難な場面にぶつかったこともあると思います。経験を生かし、大変なことに取り組む姿勢を忘れずに最後までやり遂げて満足のいく発表が出来るのを楽しみにしています。

教員のコメント

国際観光学部
清水 苗穂子 教授

 1年間、株式会社Peach Aviation、株式会社エイチ・アイ・エス、タイ国政府観光庁の3団体と3年生ゼミ生3チームが共同研究を行ってきました。ゼミでは「論理的に物事を考え、課題解決に臨むために、基礎資料から必要な情報を得て、実際に現場の声を聞き、課題に取り組むことが大切である」と伝えています。3チームともこの考えに基づき、きちんと基礎資料に当たりそれを分析しながら、アンケート調査をし、テーマにもよりますができるだけ現場の声を反映して研究を進めていくことができたと思います。企業の期待に応えることは本当に大変だったと思いますが、ゼミ学生の努力と研究は企業からも評価され、また学会関連団体の学生研究発表会でも最高賞、審査員特別賞を受賞できました。学生全員がこの1年間、言葉に出来ないほどゼミ活動に尽力してくれたことがとてもうれしく、また誇らしく思います。