清水ゼミでは旅行業の現状と課題に関する研究を行なっています。その成果を発表することを目的に、去る12月2日に宮城県宮城大学で開催された日本観光研究学会全国大会でのポスターセッションに3グループが参加しました。今回の全国大会は東日本大震災の被災地となった宮城県で開催され、大会の前日には甚大な被害を受けた石巻市、女川町を廻る視察も行われました。学生たちは今回の研究発表とともに、この被災地視察に参加することで貴重な経験を得ることができたと思います。以下、学生の報告です。
※この教育研究活動は阪南大学学会の補助を受けています。
※この教育研究活動は阪南大学学会の補助を受けています。
現地へ行くことの重要性
3回生 夏野 未羽
私たちは12月2日宮城県宮城大学で行われた「日本観光研究学会第27回全国大会」のポスターセッションに参加しました。私は「近畿日本ツーリストにおけるサービスの課題〜リピーターを増やすために〜」という題で発表しました。この研究は8月の東北亜観光学会でも発表しましたが、今回のポスターセッションに向けてさらに研究を深めました。現状調査のため現場視察を行ったり、近畿日本ツーリストへメールでのヒアリング調査を実施したりしました。さらに、ポスターセッションでの発表はPower Pointでの発表とは少し異なるため、全体を一度に見ることができるという特徴を活かし、表を多く使用した発表へと工夫をしました。私を含め4人でグループ研究をしてきた内容を、1人で発表できるのかとても不安でしたが、何人もの方が発表を聞いてくださり、質問や感想をいただくことができました。その中でも「何度も足を運んでいることが伝わる学生らしい研究」と言っていただけたことが本当に嬉しかったです。一生懸命に研究をすれば、発表を聞いてくれる人にも必ず伝わることを実感しました。
私たちはポスターセッションの前日に津波被害に遭った地域の視察に参加しました。地域視察は、石巻市立大川小学校、雄勝町の仮設商店街、女川町地域医療センター、魚町、石巻まちなか復興マルシェ、日山公園、門脇小学校、日本製紙株式会社石巻工場の順番に回りました。その中でも私が一番印象に残っているのは、初めに訪れた石巻市立大川小学校です。東日本大震災の大津波で全校児童108人のうち74人が死亡・行方不明となった大川小学校は、震災後のニュースでも見たことがありました。しかし、津波でボロボロになったままの校舎や、津波の高さを表した裏山の印を実際に見て何とも言えない気持ちになりました。学校と裏山は本当に近くて、そこへ登って避難していれば助かっていたかもしれないのに、どうしてこんなに多くの犠牲がでてしまったのかという疑問も強く感じました。また、大川小学校は地震発生から津波が来るまでの50分間の詳細について、1年9か月が経過した今でも明確になっていないことが問題になっています。どれだけ悔やんでも子供たちが戻ってくることのない現在、本当に必要なことはあの日を明確にすることだと思いました。私は現地で感じた何とも言えない気持ちから、大阪に帰ってきて大川小学校の惨事について調べました。そして、文部科学省が事態を進展させるために遺族・県教育委員会・市教委と4者会合を開き、事故検証委員会を設置して1年後に最終報告をまとめる方針を11月3日に明らかにしたことを知りました。あいまいにしたままでは遺族の方の市教委や市に対する不信感は強くなる一方なので、一刻も早く事実が明らかになることを願っています。
私は今回のポスターセッションと地域視察を通して、現地へ行くことの重要性を実感しました。ポスターセッションに参加して意見をいただくことで、自分では気付かなかった問題点に気付き、違った視点から研究を見ることができました。また、実際に被災地を見たり、被害にあった方のお話を直接聞いたりすることで、ニュースで見た時とは異なった感情を持ちました。「百聞は一見にしかず」ということわざの意味を実感し、これからはできる限り自分の足で現地へ行き、自分の目で見ようと思いました。このような貴重な体験ができて本当に良かったです。
ポスターセッションと東日本大震災被災地視察
3回生 家永 由貴子
今回私たちは12月2日に宮城大学で開催された「日本観光研究学会第27回全国大会」にポスターセッションという形で参加しました。
8月に韓国で行った発表を引き続き研究し、さらに内容を深めていきました。今回の研究で一番大変だった事は、週刊のトラベル雑誌を1年分まとめた事です。同じチームの永井さん、瀬尾君と手分けしてまとめましたが、情報量が多く連日徹夜をし、宮城県へ行く当日の朝に、やっと完成させる事ができました。一緒にがんばってくれた永井さん、瀬尾君には、感謝の気持ちでいっぱいです。
ポスターセッション当日は、たくさんの方々に私たちの発表を見たり、聞いたりして頂けました。中には、お忙しい中わざわざ時間をさいて見てくださった方もいらっしゃって、研究に対する意見も頂くことができました。とても的確で、私たちとは全く異なった視点から見ていて、頂いた意見はどれも勉強になりました。
8月に韓国で行った発表を引き続き研究し、さらに内容を深めていきました。今回の研究で一番大変だった事は、週刊のトラベル雑誌を1年分まとめた事です。同じチームの永井さん、瀬尾君と手分けしてまとめましたが、情報量が多く連日徹夜をし、宮城県へ行く当日の朝に、やっと完成させる事ができました。一緒にがんばってくれた永井さん、瀬尾君には、感謝の気持ちでいっぱいです。
ポスターセッション当日は、たくさんの方々に私たちの発表を見たり、聞いたりして頂けました。中には、お忙しい中わざわざ時間をさいて見てくださった方もいらっしゃって、研究に対する意見も頂くことができました。とても的確で、私たちとは全く異なった視点から見ていて、頂いた意見はどれも勉強になりました。
ポスターセッションの前日の12月1日には、東日本大震災の被災地の、石巻地域視察にも参加させて頂きました。当時ニュースでよく見た女川町や、そこに居たほぼ全員が亡くなったという大川小学校など、8箇所ほどを見て回りました。中でも、私が1番印象に残ったのが門脇小学校という所です。この小学校は、津波が押し寄せて来た時、学校の裏にある山に全員避難した為、奇跡的に犠牲者はいなかったそうです。しかし、地震後に火災が発生し、校舎が燃えてしまったそうです。なので、外観は今まで見た建物の中で1番悲惨なものでした。さらにこの小学校のすぐ両脇にはお墓がたくさん並んでおり、より一層怖くなるような景観になっていました。
ここでは、実際に被害にあった大学生のお話を聞く機会がありました。彼は一年半たった今、ようやく津波の恐ろしさを感じるようになってきたと言っていました。それまでは、生きることに必死で何も考える事ができなかったそうです。話を聞いているだけでも恐ろしいのに、それを実際に体験したとなると、被害にあっていない私には、想像も出来ないほどの恐怖だったのではないかと思います。
今回体験したポスターセッションと石巻地域視察は、実は最初は行く予定はありませんでしたが、今は本当に行って良かったと思っています。簡単には出来ない事ばかり体験させて頂き、いろんな経験が増えました。これからもいろいろな体験をし、どんどん経験を増やしていきたいと思います。
ここでは、実際に被害にあった大学生のお話を聞く機会がありました。彼は一年半たった今、ようやく津波の恐ろしさを感じるようになってきたと言っていました。それまでは、生きることに必死で何も考える事ができなかったそうです。話を聞いているだけでも恐ろしいのに、それを実際に体験したとなると、被害にあっていない私には、想像も出来ないほどの恐怖だったのではないかと思います。
今回体験したポスターセッションと石巻地域視察は、実は最初は行く予定はありませんでしたが、今は本当に行って良かったと思っています。簡単には出来ない事ばかり体験させて頂き、いろんな経験が増えました。これからもいろいろな体験をし、どんどん経験を増やしていきたいと思います。
「第27回 日本観光研究学会全国大会」に参加して
3回生 林 英里子
12月2日宮城県石巻市、宮城大学で行われた、第27回 日本観光研究学会全国大会のポスターセッションに参加しました。私たちの研究テーマは「旅行会社のカウンターサービスとオンライン旅行会社のサービス比較」です。研究内容としては、現在の現状を把握した上で、旅行会社のカウンターで行われているサービスとWebサイトで行われているサービスの違いについて表を作りました。次に学生と社会人対象にアンケート調査を行い利用者の動向を知り、どのようなサービスや機能を重要としているかを知りました。学生と社会人の方とのアンケート結果では違いが大きく現れ、とても有意義なアンケート調査になりました。そこで一番苦労した点は、会人対象にアンケート調査でした。私たちの周りには社会人の方が少なく制限されている為、なかなか先に進まずくじけそうになりました。しかし、色々な方の協力のおかげで、皆の前で無事発表することができました。当日、大学教授の方々から貴重なご意見をいただくことができたので、その意見をもとに今後の研究にも生かしていきたいです。
前日、1日に石巻の地域視察へ参加しました。その中で最も印象に残った視察場所は、女川町にある蒲鉾本舗 高政というお店です。現在、高政は店内にある工場で蒲鉾を作り、それを店舗内で販売しています。また、他の地域やお店にも輸送し販売も行っています。3月11日の大震災が起こった当時は、お店が建設中だったという事もあり被害は少なかったものの、周りは大打撃を受けていたことは言うまでもありません。しばらくして高政の建設が終わると、そのお店で作った蒲鉾を避難所などで配布したというお話を聞きました。何もない、何もできない、どうしていいかわからない、考える事ができない状況の中で皆が一丸なり、夢や希望を捨てず、助け合っていた姿を知り、胸が熱くなりました。高政のHPのトップには力強く「頑張っぺ女川!負けねーど宮城!おだづなよ津波!」と書かれていました。今回の視察を通して命の尊さ、助け合いの大切さを改めて知り、実感しました。