堺市の観光資源とまちづくりの研究に関する現地調査レポート

 清水ゼミではゼミのテーマのひとつとして「南大阪の観光資源の研究」に取り組んでいます。今回、4年生のゼミ生たちが昨年から継続して研究を行なっている堺市の食とまちづくりイベントをテーマにした現地調査を行ないました。
※この学生教育研究活動は阪南大学学会の補助を受けています。

『堺市のフィールド調査 〜ガシバルに参加して〜』 4回生 淺野衣紀

 私は3回生の後期から堺市の研究をしています。そこで堺市の魅力に惹きつけられ、4回生でも違う視点で堺市を活性化させたいと思い『大学生まちづくりコンテスト2013』に参加する事に決め、取り組んでいます。
 フィールド調査として、今回は堺東で行われた“ガシバル”に参加しました。まず、“バル”とは、スペイン風居酒屋 Bar(バル)をイメージした「飲み物+逸品」のセットを楽しむイベントの事を指します。お酒にピンチョスという一品がついてくるスペインのバルをヒントに、日本各地で特色のあるまちバルが開催されています。堺東では昭和の面影が残る立ち飲みやから小粋な割烹やお洒落なバーまで混在する商店街を歩きながら、多様な飲食とまちの雰囲気を楽しめます。また、堺市で有名な和菓子やお土産と交換するなど、チケットの使い方は様々です。更に、堺のめぐみスタンプラリーがあり、スタンプを3つ集めると堺のお野菜が先着順に頂ける特典があります。

 このガシバルは平成23年12月1日〜3日の3日間から始まり、今回で4回目の開催となります。私は昨年の12月に行われた第3回と今回の第4回に参加しました。前回は初めての参加でバルの仕組みもあまり把握しておらず、研究のために参加しているという気持ちが高かったです。そのため、お店の方に目的のお話を伺うことに必死でお店の方や他のお客さんたちと世間話をするなど、触れ合いを大切にせず楽しめていなかったように感じます。しかし今回は2回目の参加だったため、仕組みも把握しており行く前から楽しみにしていました。皆でパンフレットを眺め、行きたいお店をピックアップしました。そのお店を選ぶ時間も楽しみの一つであり、全部が美味しそうなので迷ってしまいました。実際に堺東の商店街を歩く中で、飲食店の多さに驚きました。普段であれば自分の知っているお店に入ってしまいますが、ガシバルのポスターが貼ってあると非常に入りやすく、いつもは足を運ばない所にもすんなりと足を運ぶことができました。これもバルの魅力の一つだと感じました。

 また、私は研究で『堺のめぐみ』に着目しています。『堺のめぐみ』とは、堺市内で栽培・収穫された農産物で生産農家が使用した農薬などを生産履歴簿に記入し、集荷者がその農薬使用状況が適正であると確認した安心・安全は農産物のことです。春菊・小松菜・ホウレン草・水菜・シロナ・ジャガイモ・玉葱・トマト・キュウリ・ナス・ネギ・大根・キャベツ・白菜・温州みかんの15品目が指定されています。このように地産地消を心掛けているものの、堺市以外に広まっていないのが残念です。前回も今回も、この『堺のめぐみ』を使用しているお店を積極的に訪れ、バルメニューを頂きました。お料理はどれも美味しく大満足でした!今回はお店の方やお客さんと沢山お話をすることができ、本当に楽しかったです。お店を出てからも、お店の前を通る度に手を振って下さり、良いまちだと実感すると共に、バルによって人とまちの繋がりができ、まちが明るくなっていると実感しました。また、前回は『堺のめぐみ』のお店に回ったものの、スタンプをお店の方に押して頂くのを忘れていましたが、今回はきちんと押して頂き堺のお野菜を持って帰ることができました。自宅に帰ってからも堺を感じることができ、更に身近な存在になりました。
 “ガシバル”の運営はボランティアで行われ、その利益は次回のバル開催の原資となっています。協力して下さる企業、そして訪れる方々ももっと増えて、堺の活性化に繋がってほしいと思います。今回、バルを通じて堺市の良さを感じることができたので、今後もバルを含め堺市の魅力に迫っていきたいと考えています。

『人と人を繋ぐ魅力満載のバル』  4回生 夏野未羽

 8月2日に堺東で行われた「ガシバル」に行きました。私は今までバルというものに行った経験がなかったので、ガシバルが人生で初めてのバルでした。私がバルを知ったのは、約1年前です。同じゼミの学生が南大阪の活性化について研究しており、バルに着目したのがきっかけです。そこからバルとは何かを知り、バルに興味を持ちました。

 今回のガシバルで私たちが訪れたのは、炭火焼鳥『鳥道』・ダイニングバー『フェイク』・喫茶店『カフェ 伊太利庵』の3軒です。どのお店も大変良かったため、簡単に各店舗の説明をしたいと思います。1軒目の炭火焼鳥『鳥道』は5月1日にオープンした炭火焼鳥のお店で、堺のめぐみを使用しています。堺のめぐみとは、安全・安心な堺産農作物のことで、今回のガシバルの参加店舗75店中19店が堺のめぐみを使用しています。2軒目のダイニングバー『フェイク』も同じく堺のめぐみを使用しており、様々なニーズに応えられるよう3種類のバルメニューを用意しているお店でした。カウンターの中には様々なお酒がびっしり並べられていたり、照明を工夫していたりと大人な雰囲気が漂っていました。3軒目の喫茶店『カフェ 伊太利庵』は、挽きたてこだわりのドリップコーヒーと手作り王様の生プリンが自慢の落ち着いたカフェです。ここでは店内で飲食をするのではなく、生プリンと焼き菓子をおみやげとして持って帰ることができました。私たちは今回5人で参加していましたが、4枚綴りのチケットを3セット買ったのでどうしても端数が出てしまいました。しかし、『カフェ 伊太利庵』のようにチケット1枚とおみやげを交換してくれるお店があったおかげで、全員で分けることが出来ました。

 私はガシバルに参加し、様々なバルの魅力を感じました。まず、普段は行かないようなお店に行くことが出来るという点です。今回私たちが飲食をした『鳥道』と『フェイク』は2軒とも、私が普段行く飲食店とは少し違っています。どちらのお店もお酒が飲める人が好みそうで、さらに常連客が行きそうなお店です。お酒がほとんど飲めない私が初めて行くには少しハードルが高いように感じます。しかし、お店の外にバルの張り紙があることで入りやすく、バルメニューがある程度決まっているので注文もスムーズに出来ました。普段は入らないようなお店で少し緊張しましたが、お店の方が気さくに話しかけて下さって、お料理も雰囲気も楽しむことができ、また来たいと強く思いました。バルで普段は行かないお店にチャレンジし、それをきっかけに常連客へなる可能性を感じました。そのため、お店がバルに参加することは、今までとは違った客層の顧客を得る大きなチャンスだと思います。
 また、バルは人と人を繋げる存在だということに気付きました。お店の人とお客さん・お客さん同士・バルのボランティアスタッフと参加者など、いろいろな場面でたくさんの人を繋いでいると感じました。私たちもこのガシバルで多くの方と話すことが出来ました。お店の人や常連のお客さん、さらに私たちと同じようにこの日初めて店を訪れたお客さんとたくさん世間話をしたり、一緒に写真を撮ったり、とても楽しい時間を過ごしました。
 このガシバルを通じて、多くの人やお店と出会うことが出来ました。バルには本当にたくさんの魅力が詰まっていることを実感しました。これからもガシバルを含め、様々な場所で開催されるバルに参加していきたいと思います。そして、バルの素晴らしさがもっと多くの人に広がれば良いと思いました。