清水ゼミ「北船場でフィールドワークを行ないました」

 大阪市中央区の北船場地区にて、9月10日に清水ゼミの2年生と3年生がフィールドワークを行ないました。大阪市では2014年度から、市の観光魅力向上のための歴史・文化的まちなみ創出事業を推進しており、先行的に取り組む地域として船場地区が検討されています。清水ゼミでは、学生たちが自分たちの目線で北船場を歩き、意見や提案をしていく予定です。今回は第1回目のフィールドワークです。

3年生中川光華

 9月10日(水)、船場地区まちなみプロジェクト第1回目のフィールドワークを行いました。このプロジェクトは大阪市のプロジェクトです。当日は、建設局、観光局の方6名と、阪南大学からは清水先生、清水ゼミ3回生3名、2回生5名の計15名が一緒にフィールドワークをしました。
 中央区淀屋橋にある商業ビルODONA前に集合した私たちは、まず大阪市建設局道路部道路課の小松さんにこのプロジェクトについて説明をしていただきました。その後に土佐堀川付近の北船場地区をフィールドワークし、大阪市立愛珠幼稚園や旧緒方洪庵家住宅(適塾)といった国重要文化財、また芝川ビルや大阪倶楽部やといった国登録有形文化財が数多く存在することを知りました。
 大阪は大正から昭和にかけて「大大阪」と呼ばれて繁栄を遂げ、経済の中心となり、同時に幅広い文化が育まれました。船場地区にも「大大阪」時代の名残がたくさん残っています。街全体がミュージアムと言うほど、美しく古き良き建物がある同地区を活気あふれるまちにしていくと共に、ぜひ観光客の方に来てもらいたいとおっしゃっていました。
 観光客を呼び込む取り組みとして最近では「船場を遊ぼう!」や「船場まつり」「船場博覧会」等のイベントを開催するなど、年間を通して様々な集客の仕掛けを行なっています。イベント以外の取り組みとして、電線類地中化が計画、実行されています。例えば国登録有形文化財である芝川ビルや大阪倶楽部を眺めようとすると電信柱や電線が視界を遮ってしまいます。
 そのような事から大阪市では、電線類を地面の下に埋め、道路上から電柱を無くす(電線類地中化)計画が進んでいます。電線類地中化のメリットは都市景観を良くすること以外にもあります。まず、都市防災機能の向上です。地震や台風などの災害時に、電柱が倒れたり電線が切れたりするなどの危険がなくなります。また歩道が広く使え、歩行者だけではなくベビーカーや車椅子の人にも安全で快適な通行空間が確保できます。実際に電線類地中化された歩道とされていない歩道を見学しましたが、いつも何気なく目にする電線類が無いことで景観が良くなり、歩道が広くすっきりしているという印象を受けました。

 フィールドワークの最後に会議室に移動し、その日に歩いて見学した場所の感想を述べ、不明な点は質問をしました。船場には船場建築後退線という船場だけのルールがあることや、夜は近代建築のビルなどがライトアップされ、また違ったまちなみがあることも教えていただきました。私たち大学生にとってこのようなプロジェクトに参加できることは、とても貴重な事です。大阪市の方々と共に今後どのようなプロジェクトになるのかとても楽しみです。