清水ゼミ「タイのバンコクでゼミ研修を行ないました −タイ研修報告(1)−」

 清水ゼミの3年生の15人、森山ゼミの4年生3人、および神戸夙川学院大学の3年生4人の計22人が2014年9月1日から6日まで、タイのバンコクで合同ゼミ研修を行いました。

 5泊6日の過密スケジュールでしたが、9月2日にゼミ研究発表会と参加企業との懇親会、9月3・4日はタイ国の公立大学であるラチャモンコン・クルンテープ大学での国際交流会と学生同士のまちあるきツアー実施、9月5日にはホテル視察とタイ国政府観光庁でのレクチャーと、多くのプログラムを実施しました。
 ゼミ合同研究成果発表会には、タイ国政府観光庁日本市場担当の鹿野氏、タイシンエキスプレス代表の花巻氏、レンブラントホテルバンコク営業次長の木村氏、スコソンホテルサールス&マーケティング部長の佐藤氏、通訳・コーディネーターの山口氏、近畿日本ツーリスト関西国際交流センターの夜久氏の6名がコメンテーターとして参加して下さり、企業や政策側からの非常に具体的で有意義なアドバイスをいただきました。このアドバイスを基に、学生は次のステップである12月に開催される日本観光研究学会全国大会の学生ポスターセッションに向けて準備を行ないます。

今回の発表テーマ

・「旅行会社におけるスポーツツーリズムの現状と課題」清水ゼミ
・「テーマパークにおける顧客満足とホスピタリティの関係性」森山ゼミ
・「大学生の旅行の現状研究 −近畿日本ツーリストとの共同研究−」清水ゼミ
・「テーマパークのマーケティング戦略 −コンテンツとの関係性の視点から−」森山ゼミ
・「USJの集客戦略」森山ゼミ
・「シニア層の旅行ニーズに関する研究 −日本旅行との共同研究−」清水ゼミ
・「外資系ホテルの宿泊マーケティング戦略についての調査・研究 −大阪市内の日本のシティホテルとの比較において」森山ゼミ

 アノーマホテルのバンケットルームでの発表会終了後、コメンテーターの方々、学生、教員が同ホテルで懇親会を開きました。5テーブルに分かれて、コメンテーターに1人ずつ入っていただき、発表会の追加コメントや感想のみならず、日本を飛び出し海外で仕事をし、活躍されている方々の話をじっくり聞くことができ、本当に貴重な体験になりました。
 ラチャモンコン・クルンテープ大学では、Puttachayong学長、Duangpattra副学長、Khowadhana同窓会役員、教養学部日本語専攻宮野講師、その他ビジネス社会科学部観光専攻、教養学部日本語専攻の教員および学生たちと交流会を持つことができました。ラチャモンコン・クルンテープ大学側は、事前に相当の準備をしてくださり、ホールは学生で埋め尽くされ、副学長の挨拶、大学紹介、タイダンスの披露、タイクッキングの実演、タイ料理のランチ会、タイの文化であるカービングレッスン、そして最後は小グループに分かれてのタイ人学生と日本人学生との交流会を行ないました。また阪南大学の学生は、事前に準備をしていた大学紹介と大阪の紹介のプレゼンテーションを英語で行ない、続いて日本の文化のソーラン節の踊りを披露しました。会場は非常に盛り上がり、学生たちは一生懸命練習を重ねた成果を喜んでもらい、とても満足していました。
 翌日は学生たちだけで、ラチャモンコン・クルンテープ大学の学生とのバンコクまちあるきを実施しました。日本人学生22人とタイ学生15人、計37人が3グループに分かれて、単に有名な観光地を訪問するのではなく、現在のタイの若年層の視点から日本人大学生に紹介したい場所を案内してもらうという企画です。1日一緒にいたことでお互いに親交が深まり、別れ際にはSNSの情報を交換し合うほど交流を深めることができました。
 バンコク滞在最終日には、バンコク市内のホテル視察と、タイ国政府観光庁の訪問を行ないました。都会のオアシスを謳う最高級ホテル、ザ・スコータイバンコク、タイの最高級老舗ホテルで王室も利用するデュシタニ・バンコクの2軒を見学しました。ザ・スコータイバンコクでは、日本と韓国担当の日本人セールスディレクターからお話を伺い、デュシタニ・バンコクでは、タイ人のセールスディレクターから英語で案内をしていただきました。ゼミ研究発表会ではホテルで活躍する方のお話を直接聞き、このホテル視察で直接現場を見たことで、ホテルへの就職を目指すゼミ生にとってかなりの刺激になり、外国のホテルで働いてみたいという夢ができた学生もいました。
 タイ国政府観光庁では、東アジア地区マーケティング担当ディレクターのAngkhasirisap氏よりタイ国政府観光庁の役割と現在の施策について、また日本市場担当の鹿野氏よりタイ国政府観光庁の観光プロモーションについてのレクチャーを受けました。1960年にタイ国政府観光庁の前身組織であるタイ国政府観光機構が設立され、タイ国の観光をリードし、その振興に貢献してきました。タイはインバウンド観光客数が2013年に約2700万人に達し、ようやく1千万人を迎えた日本から見ると、大変な観光立国であることがわかります。またタイ国政府観光庁は、本年度2014年日本旅行業協会ツーリズム大賞の最優秀賞を受賞しています。日本の観光振興においてタイから参考にすべきことの一端を教えていただきました。
 以上のように、学生たちはとても充実した研修を行ないました。今回の研究成果をさらに進めて、12月の学会での発表、来年2月のキャリアゼミでの発表につなげていきます。また今後ラチャモンコン・クルンテープ大学との交流も深めていく予定です。(清水苗穂子)