清水ゼミ「藤井寺市で“癒しの美彩・美酒モニターツアー”を実施しました」

 清水ゼミは2011年度から、南大阪地域大学コンソーシアム主催の南大阪の魅力を発掘し、紹介するプロジェクト「南大阪の歩き方」に参加しており、本年度で4年目になります。2014年度はゼミから3チームが参加しましたが、その中の1チームが3月21日に藤井寺市にて地域の資源を紹介するモニターツアーを企画、実施しました。今回は、葛井寺、辛国神社、藤本雅一酒造醸、掌の4ヶ所を巡るコースを作りました。

 対象地域を藤井寺に決定してから、藤井寺市世界遺産登録推進室副理事の山田様に大変お世話になりました。藤井寺市は古市古墳群の世界遺産登録に向けて活気づく中、若い層へのアピールも考えたいとの意向をいただき、今回の学生が企画運営するモニターツアーに至りました。研究を始めたとき、現地調査の設定と当日のガイドをしてくださり、地域資源の知識や、地域の特性などについて詳しくご教授いただきました。その後も何度もアドパイスをいただき、またツアー当日はガイド役も引き受けてくださったことに深くお礼を申し上げます。
 今回は参加者を公に集客せず、学生が参加するモニターツアーの形を取りましたが、実際にツアーの企画、運営、集客、実施までをトータルに行うことは容易ではありません。その難しさを経験できたことは学生にとって、大きな収穫になったと感じます。以下、学生の活動報告(学年は2015年3月31日時点で表記)です。

「藤井寺モニターツアーで学んだこと」 国際観光学部 3年生 山本紗希

 清水ゼミでは毎年「南大阪の歩き方」に参加し、地域の観光資源を発掘する取り組みを行っています。私たちは6人のチームで藤井寺市を調査することになりました。藤井寺市には世界遺産への登録を目指している古市古墳群という観光資源があります。観光客は高齢者が多く、若年層の来訪者が少ないことが問題点として挙げられ、若年層を惹きつけるために学生ならではのアイデアを考えることになりました。フィールド調査で知った大正2年から続く藤本雅一酒造醸に焦点を当て、日本酒の美容効果を広めようと女性をターゲットとし、「美」をテーマに決めました。それに付随して藤井寺駅周辺を調査した結果、美の神様が祀られている辛國神社と日本野菜ソムリエ協会に認定されているうどん屋・掌(たなごころ)があることがわかりました。そして、この3か所を巡る「癒しの美彩・美酒モニターツアー」を企画しました。
 モニターツアーは3月21日(土)に開催し、清水先生と2年生と3年生のゼミ生4名に参加していただきました。研究が始まってからご協力いただいていた、藤井寺市役所の山田さんの案内で藤井寺駅から出発しました。まず辛國神社に向かい神主の伊藤さんに基本的な神社の参り方と美の神様についてのお話を伺い、ツアー当日に開催された筑前琵琶の演奏を一部鑑賞しました。次に藤本雅一酒造醸に向かい藤本さんの案内で酒蔵見学、利き酒を行いました。最後にうどん屋・掌に向かいました。店主の堂脇さんには今回のモニターツアーのために特別メニューを作っていただきました。サラダやうどんに使用されている野菜の美容効果を説明し、食べ終わり次第随時解散という流れでした。
 モニターツアーを開催して準備不足が目立ちました。学生が企画・運営するツアーですが一人一人の役割が曖昧になってしまっていて、案内をしてくださる方にご迷惑をかけてしまいました。また、ルートや時間配分についても、もっと細かく決めておくべきだと実感しました。集客にも苦労したので、今後藤井寺市でツアーが開催される際はPR方法を考えたいです。今回の経験で、ツアーを開催するのがいかに難しいか学ぶことができました。
 ツアーの最後にアンケートを行いました。藤井寺市を訪れたことがない人が大半でしたが、参加者全員に「地域の魅力を感じることができた」と答えていただきました。また、今回のツアーで回った3か所についても満足していただけていたので、今回の地域がどのようなまちかを知ってもらい、地域の魅力を感じてもらえたことに関しては良かった点だと思います。
 このツアーの開催にあたり協力してくださった地域の皆様、市役所の方々、参加者の皆様に感謝いたします。

「藤井寺まちあるきモニターツアーを開催して」 国際観光学部 3年生 倉本篤

 私たちのグループは、「南大阪の歩き方」の研究として藤井寺市に注目しました。藤井寺市は現在、百舌鳥・古市古墳群を世界遺産に登録しようと活動を行っています。藤井寺市が出している観光客数の推移を見てみると増加傾向にありますが、高齢者が多く若年層の観光客が少ないのが現状です。その中で、私たちは、若年層の女性を惹きつける為にテーマを「美」にしました。テーマを「美」にした理由として、藤井寺には大正2年からある酒蔵があり、日本酒には美容効果があると言われています。また、「美」の神様を祀っている辛國神社、野菜ソムリエの資格を持った夫婦が営業する掌(たなごころ)といううどん屋があり、掌では野菜を初めに食べることにより脂肪の吸収を抑えるベジファーストという取り組みをしています。この3つを取り上げ、ツアーの企画・実施をしました。
 ツアーを行った結果、たくさんの改善点が見つかりました。ツアーに一番大事なのは、来ていただいたお客様に楽しんでもらい、藤井寺をもう一度観光したいと思っていただく事だと私は思います。しかし私たちのツアーでは、スタッフが準備不足であった為、来ていただいたお客様やツアーに協力していただいた方々に少し迷惑をかけてしまいました。
 それを振り返ってみて、今回のツアー実施の反省点は、フィールドワークをしっかり行い、チーム内でしっかり話し合う事だと感じました。また、役割分担をしっかりし、自分の仕事を確実にする必要があったと考えています。
 ツアーを企画、開催するためには地域の方々の協力が必要不可欠です。そのためにはもっと地域を知り、地域の人々と交流をすることが大事だと思いました。地域の人たちと交流を行うことにより、様々なお話を聞くことが出来るからです。今回のツアーで地域の人と関わりを持つのがとても少なかったのも反省の一つです。反面、ツアーを企画・実施する難しさやツアーを進行する為の準備に必要な事など学ぶこともたくさんありました。
 このツアーを通して感じたことは、もっと地域の人たちとコミュニケーションを取り、交流を深めることが必要だと感じました。このツアーを行った際に参加者にアンケートを実施し、藤井寺市には歴史ある観光資源の存在があまり知られてないということがわかりました。このことから、藤井寺市をもっといろんな人に知ってもらう為にはどうしたらいいのかを考え、藤井寺市に観光客を呼び入れる研究をこれからも続けていきたいと思います。

「南大阪の歩き方 “藤井寺モニターツアー” に参加して」 国際観光学部 3年生 鈴木成美

 私たち清水ゼミの後期の研究課題は、南大阪地域大学コンソーシアムが主催するプロジェクト「南大阪の歩き方」に参加することです。学生目線で南大阪の地域を歩き、魅力的な観光資源を見つけ地域の活性化を目指します。今年は、大阪市中央区北船場地区、和泉市、藤井寺市の3つのチームに分かれ研究を進めました。3チームの中の藤井寺チームは、自分たちで考案したツアー企画・運営しました。
 3月21日(土)、「癒しの美彩・美酒モニターツアー」と題し、清水ゼミの仲間が藤井寺チームのゼミ生を応援すべくモニターとして参加しました。この日は天気も良くまちあるきに最適でした。今回のツアーの企画から実施まで、その経過をずっと見守ってくださった藤井寺市の世界遺産推進室室長の山田さんも出迎えてくださいました。私は藤井寺に行くのが初めてで、街並みやどのような観光資源があるのか知りませんでした。小さいまちというイメージがありましたが、実際全国で5番目に小さい市ということを伺い、このまちに何があるのだろうかという、ワクワク感が増しました。駅前は交通量も多く、人が多いまちだなと感じました。古墳が密集しており、かつてはプロ野球の近鉄バッファローズの本拠地でもありました。
 当日のスケジュールは、山田さんに藤井寺市を目的地まで移動しながら、まちなみについて説明して頂きました。まずは辛國神社にて参拝し、宮司さんのお話を伺いました。この日は筑前琵琶奉納演奏を行っていたので、その一部を鑑賞することができました。なかなか普段機会がない琵琶の演奏に感動しました。鑑賞しているのは、高齢層が目立ちました。次に移動したのは、藤本酒造醸へ行き酒蔵の見学と、利き酒、日本酒の美容に関することを学びました。お酒の種類によって色も違い、もちろん風味も違います。日本酒の苦手な私ですが、このような体験をしたことが無かったので、楽しかったです。ここでは、「いのまなり」という日本酒のお土産を頂きました。利き酒の次は昼食です。うどん屋さん「掌」にてこの日限定のスペシャルメニューを頂きました。野菜をふんだんに使用しており、野菜の栄養素をきちんと考えて作られています。本当に美味しかったです。このツアーの値段からお酒のお土産も頂くことができ、昼食も非常においしく満足することができました。私自身、また行きたいなと思うまちでした。
 しかし、学生が企画・運営しているという目線からみると、主に山田さんが案内しながら説明をしていたので、もっと学生が前に出て堂々と藤井寺の魅力を伝えることが必要だと私は思いました。お客様に対する心配りや、気遣いがもう少しあればよかったかなと思います。歴史ある藤井寺市ですが観光を促進するためには、藤井寺市のみならず、行政と地域の連携や繋がりが今後重要であり、このモニターツアーがきちんとした形で一般のお客様を巻き込み、ひとつのツアーとして実施されると共に、これからも持続可能な観光になれば良いなと思いました。