阪南大学経済学部では、「キャリアアップ」枠並びに「リーダーシップ」枠という学部独自の給付制奨学金制度(2・3・4年次生各5名、1名につき年間給付額40万円)を用意して、学生の成長をサポートしています。
 「キャリアアップ」枠は、金融・公務・国際という三つのキャリア分野を設け、学業成績が優良で主体的に進路目標の実現をめざして資格取得等に励んでいる学生に給付される奨学金です。
 「リーダーシップ」枠は、学業成績が優良で経済学部や大学が主催する行事等の企画・運営で中心的な役割を果たした学生に給付される奨学金です。
 今回は、2018年度「キャリアアップ」枠・公務分野奨学生である吉田誠さん(3年生)、高木克さん(4年生)の活動成果を紹介します。

経済学部3年生 吉田誠さん

 初めまして私は経済学部公共サービスパッケージの吉田誠と申します。自らの一年についての報告をします。
 私は阪南大学の奨学生に選ばれ嬉しさの反面、勝手にプレッシャーも感じていました。そこでプレッシャーを自分の活力にするために今年の目標や達成したいことを3つ決めそれらを全力で取り組みました。そして、それらの目標を達成するために奨学金を使いました。
 私が決めた目標というのは、1つ前期、後期の全ての科目でGPAのA評価をとること。2つ、12月に実施される法学検定試験(スタンダードコース)に合格すること。3つ、昨年受けた公務員模擬試験の結果を上回る成績を残すということです。
 1つ目の目標を達成するために改めて授業の取り組みかたや参加姿勢を変えてみました。その結果、様々なことに積極的に挑戦することができ、より多くを学ぶことができたと感じています。しかし、一方でひとつの科目でA評価を取得することができず目標達成とはいきませんでした。ですが様々なことに挑戦したことが自らの経験や人生にとって素晴らしいものになりました。経済学史の授業がその良い例だと感じています。特に経済学史の先生の薦めで読んだアダムスミスに関する本に出てくる、スミスの幸福論にはもの凄く影響を受けました。自分にとっての幸福の価値観が変わるほどスミスに共感しました。また、この目標のために参加した2つのワークショップもそうです。夏に行われたワークショップではなかなか自分の意見が出せず、悪戦苦闘しました。上手に立ち回る4回生や同級生を見て悔しさと同時に負けたくないと感じました。そのおかげで冬に行われた「未来の商店街をつくるワークショップ」では前回の悔しさを活かして自分の意見をしっかり主張し、班のリーダーとして行動することができたと自負しています。現在も企画が実施できるように班のメンバーと構想を練っております。結果として目標は達成することはできませんでしたがそれ以上の満足感を手にすることができました。
 2つ目の目標については無事に法学検定(スタンダード)を合格することができ目標を達成することができました。合格するために受けた法学検定の授業とそのためにした努力が実を結んで良かったです。
 3つ目の目標については現在も努力を続けている状況です。学内で実施されている公務員試験対策講座に参加し日々、実力をつけている最中です。1年間しっかり苦手な数的処理に時間をかけて勉強したので3つ目の目標が達成できると私は考えています。
 この1年間、阪南大学の奨学生として自覚をもって日々を過ごすことが財政的な面だけでなく学業の面でも私を支えてくれました。これからも阪南大学の学生として品格持った行動を心がけ、社会にとって必要な人材になれるよう邁進していきます。

経済学部4年生 高木克さん

 この度、阪南大学経済学部奨学金を頂いた経済学部4年生の高木克と申します。私は、阪南大学から奨学金を頂いたことによって時間にとても余裕を持てるようになりました。本来であれば公務員受験でかかる費用のためにアルバイトをしなければなりませんが、奨学金を受給できたことにより金銭的な面で気にせずに集中して勉強に取り組むことができました。
 私は、阪南大学で開かれている公務員試験対策講座を2017年9月から翌年3月まで受けていました。公務員対策講座では週に2回程度を基本に教養科目の授業を実施しており、基礎から応用までを網羅できるよう計画的に授業スケジュールが組まれていました。わからなかったところは授業の最後に個別で質問することができ、解けなかった問題でもその日のうちに解消することができたので、授業ごと確実にステップアップしながら勉強を進めることができました。公務員対策講座が終了した4月からは、公務員の友人に勉強を教えてもらいながら基本的に図書館や自宅での独学を中心とした試験勉強を進めていました。奨学金のおかげでアルバイトによって制約される時間が少なくなり、勉強を中心とした生活スタイルを確立することができました。勉強の進め方としては公務員講座や公務員模試で自分が苦手としていた理系科目を克服するため、新しい教材を購入して同じ問題を理解できるまで何度も解き直しながら取り組んでいました。同時に論文対策も進め、過去に実際に出題された例題を友人に添削してもらいながら取り組んでいました。このような公務員講座での基礎を中心とした授業と苦手を克服するための毎日の勉強によって、公務員模試では上位10%に入る成績を残すことができました。
 頂いた奨学金の使い道としては、主に自分が苦手だった教科の教材費や試験会場に向かう際の交通費や宿泊費、模試の受講費などに使用させて頂きました。奨学金のおかげで金銭的に余裕が生まれ、積極的に様々な公務員模試を受講することができたり、実家から離れた自治体でも受験を視野にいれたりすることができました。7月からは姫路市、8月は御所市、9月は羽曳野市役所と学校事務職員の4つ公務員試験を受験しました。勉強の成果もあり、すべての1次試験を無事通過することができました。残念ながら二次試験の面接試験で落ちてしまったのですが、卒業してからも今回頂いた残りの奨学金を無駄なく使用させてもらい、立派な公務員になることができるよう勉強に励んでいきたいと思います。