阪南大学大学院企業情報研究科では、実社会におけるビジネスの動態を実地調査するために、定期的に企業見学会を実施しています。今年度は、感染症対策、少子高齢化、気候変動、格差拡大などの複雑な社会問題の解決に資するシミュレーション技術の発展について学ぶために、神戸市中央区の理化学研究所・計算科学研究センターを訪れ、スーパーコンピュータ「富岳」を見学しました。
多くのハード機材が櫛比するコンピュータルームを背景に、運用技術部門長の庄司文由様から、「富岳」誕生にいたる経緯、その性能および社会問題への貢献について、分かりやすく解説していただきました。アプリケーションの特性に合わせてシステムが設計されているため、高性能というだけでなく、世界最高水準の使いやすさも実現されている点が印象的でした。講演の後、教員・院生から活発な質問が投げかけられ、世界最高レベルのコンピュータが社会問題の解決にどのように役立つのか、そして研究者・研究機関によるアクセスがどの程度可能なのかについて見聞を広げることができました。
多くのハード機材が櫛比するコンピュータルームを背景に、運用技術部門長の庄司文由様から、「富岳」誕生にいたる経緯、その性能および社会問題への貢献について、分かりやすく解説していただきました。アプリケーションの特性に合わせてシステムが設計されているため、高性能というだけでなく、世界最高水準の使いやすさも実現されている点が印象的でした。講演の後、教員・院生から活発な質問が投げかけられ、世界最高レベルのコンピュータが社会問題の解決にどのように役立つのか、そして研究者・研究機関によるアクセスがどの程度可能なのかについて見聞を広げることができました。
次に、神戸市西区のグリコピア神戸を訪問し、会社の沿革に関する説明を受けるとともに、製造工場を見学させていただきました。まず、牡蠣から抽出したグリコーゲンを使用しており、エネルギー補給に役立つ食品の製造が目指されました。「おいしさと健康」を価値として提供し続けることを目標とするグリコの企業理念は、ここを出発点としています。工場では、プリッツやポッキーをはじめ我々に馴染みのお菓子が、どのようなプロセスで製造されるのかを仔細に確認することができ、その作業の迅速さ、精巧さには目を見張るものがありました。ちなみに、昭和初期の自動販売機が展示されていて、店舗で10銭のキャラメルが8銭で購入できたそうです。懐かしいおまけのミニチュアも展示されており、歴史から製造技術に至るまで、グリコという企業について多くのことを学ぶことができました。
また、1日目の神戸元町では、牛革によるキーケースの作成に挑戦しました。裏側の生地を牛革に貼り合わせるところから作業がスタートしましたが、きれいに仕上げるためにはかなりの熟練が必要です。完成したキーケースには工房でしか出ない味わいがありましたが、その背後に洗練された熟練の技があることを学びました。
神戸元町にてキーケース作りに挑戦する院生たち
※この活動は、2024年度阪南大学学会学部・大学院教育研究活動助成事業補助を受けています。
企業見学会の行程は、下記のとおりです。
行程
2024年9月17日(火)
8:30 天王寺出発
8:30 天王寺出発
10:00 神戸元町にて店舗リサーチ、市内散策、昼食
15:00 理化学研究所・計算科学研究センター到着
15:05 「富岳」説明会、質疑応答
16:45 三宮周辺で夕食
20:00 ホテル到着
2024年9月18日(水)
10:00 ホテル出発、明石市内を散策、昼食
13:50 グリコピア神戸到着
14:00 会社説明会、工場見学
17:00 天王寺到着
日本の製造業の強さは世界的に知られるところですが、その背後にどれだけ多くの人々の品質改善に向けた創意工夫や努力があったのかは、現場を見ることによってしか学ぶことができません。今回の企業見学会を通じて、参加者一同にはその点を学び取ってもらえたのではないかと思います。貴重な機会を提供していただきました理化学研究所、グリコピア、ファーストピクチャー神戸の皆さまに心より感謝申し上げます。