大学入門ゼミ支援体制充実のための学生スタッフ養成事業 — 学部一体となって進める導入教育としての「大学入門ゼミ」—

1.大学入門ゼミの目的と内容

 経営情報学部では,入学後、4年間で経営学をはじめ会計学,情報学など現代ビジネスを理解して展開するために必要となる分野の学びを深めます.入学後の学習を効果的に進めるために、初学年において、現代ビジネスに必要な学問分野に対する興味喚起を図り、経営、会計、情報学を横断的に学ぶ態度や意欲を喚起することが重要です。また、入学後の大学生活における友人関係の構築や人間関係形成など離学者を低減するための方策が求められています。これらを総合的に勘案し、経営情報学部では、新入生が取り組みやすく興味を持てるテーマを設定し、グループにおける問題解決に取り組む授業を『大学入門』ゼミとして展開しています。
 2016年度大学入門ゼミでは、学生の興味持ちやすいテーマとして、これまで実施いている「テーマパーク探求」を全体テーマとすることになっており,会場はひらかたパークで行います。半期の授業は、テーマパークに関する全体講演、事前学習、現地でのフィールドワーク、事後学習、発表準備、全体発表会の内容で運営する計画となっています。

2.大学入門ゼミにおける学生スタッフ(SA)の役割

 新入生の慣れない大学生活をスムーズにスタートさせ、学習習慣などを定着させるためには、1年生の教育指導において、きめ細かな配慮が必要です。そのため、担当教員に加えて、2年生以上からなる学生スタッフを配置することで、調査探求活動における疑問点の相談に加えて、大学生活全般に対する1年生へのフォローアップの充実を図ることになっています。新入生にとって相談しやすい学生スタッフは、1年生の支援要員としては、重要な役割を担うことになります.そのため,新入生を支援する学生スタッフが,新入生を支援するための知識やスキルを修得する学生スタッフ養成プログラムを実施しています.学生スタッフ養成プログラムでは、大学入門ゼミ運営のための事前学習会やフィールド会場の事前調査、学生スタッフによるプレ発表会を実施します。

3.2016年大学入門ゼミ支援学生スタッフ養成プログラム実施報告

 2年生以上のスタッフとして40名以上の在学生が参加することになっています.学生スタッフの事前学習は,リーダによるひらかたパーク訪問,大学入門ゼミ運営会議,ひらかたパークで担当者による講義,フィールドワーク会場の事前調査,テーマ探求と模擬報告会の実施となっています.3月の春季休暇中に毎週集まりながら,大学入門ゼミで行うことを具体化しています.これらの活動を簡単に報告します.

①リーダによるひらかたパーク訪問(2016年2月5日)
 大学入門ゼミ運営に当たっての内容や全体スケジュールの打ち合わせを、学生スタッフ幹部と共に行いました。

②ひらかたパークでの講演会参加と事前フィールド調査(2016年3月14日)
 学生スタッフ全員が、ひらかたパークを訪問しひらかたパークマーケティング担当の石川様にひらかたパークの現状についてのご講演をいただきました。ひらかたパークは,岡田館長などユニークな広告で話題を集めています.また,ここ数年,来場者も100万人を超えにぎわっています.担当者石川様から遊園地の取り巻く経済環境,ひらかたパークのマーケティング戦略など様々な話を伺いました.その後、園内を探索し、大学入門ゼミでのテーマに関連づけた情報収集を行いました。
③学内テーマ探求(2016年3月28日)
 ・フィールドワーク現地(ひらかたパーク)での事前学習会と事前調査
 ・学生スタッフによる入門ゼミ運営会議
④学生スタッフによるプレ発表会(2016年4月4日)
 ・フィールドワーク現地(ひらかたパーク)での事前学習会と事前調査
 ・学生スタッフによる入門ゼミ運営会議

 学生スタッフは、大学入門ゼミを担当する教員と運営についてのミーティングを行い、教員からのテーマを学生スタッフ自身が取りまとめる活動を行います。その活動の中で、課題に対する情報収集方法やその取りまとめ方法を修得し、新入生のサポート力を向上しました。ひらかたパークのSWOT分析、メディア戦略、モバイルアプリ提案やコストパフォーマンス分析など、様々な発表がなされました。これらの情報をSAが共有して新入生の支援を行うことで、大学入門ゼミをより充実が期待できます。
謝辞:本事業は阪南大学学会の2015年度学部教育研究活動助成事業補助を受けて実施しました.支援いただいたことに感謝いたします.