国際観光学部1年生の2017年度 Overseas Study Program 研修報告
国際観光学部の1年生3名が、Overseas Study Programを活用して、カナダ、ベトナム、オーストラリアで研修に参加しました
国際観光学部に入学したばかりの1年生3名が、Overseas Study Programを活用してカナダ、ベトナム、オーストラリアでそれぞれが計画を立てた研修に参加しました。Overseas Study Programとは、海外の研修機関でボランティア活動やインターンシップ、語学研修などに参加し、自らの人間力を高めることを目標とする科目です。現地受入機関との交渉から旅行手続きの一切を学生がおこない、事前に提出した計画書が認められた者のみ研修に参加することができます。
カナダで語学研修に励んだ住田冴織さん、母国ベトナムで日本語教師アシスタントを勤めたTRAN THI LOANさん、オーストラリアで語学研修と日本語教師アシスタントに挑んだ中島朋香さんら3名の体験記です。
カナダで語学研修に励んだ住田冴織さん、母国ベトナムで日本語教師アシスタントを勤めたTRAN THI LOANさん、オーストラリアで語学研修と日本語教師アシスタントに挑んだ中島朋香さんら3名の体験記です。
英語と触れ合う機会
国際観光学部1年 住田 冴織
私は Oversea Study Programを通して語学研修に行きました。研修先はカナダのカルガリーにあるOHC English schoolにしました。そこは小規模でアットホームな雰囲気の学校でした。クラスは個々のレベルに応じて細かく分けられ、月に1度学生の英語力を測るテスト(speaking writing)がありました。そして、毎日アクティビティーが用意されており好きな時に興味がある活動に参加できました。私はそこで週30時間3週間のコースで研修を受けました。午前中のクラスは基礎である英語の文法や発音を学び、午後の授業は、スラングを中心に学びました。そのスラングを使った会話を考えて発表したり、グループに分かれて映画をつくったり、タクシーやレストランなどでのロールプレイをしたりと実践的な授業でした。机に座ってノートをとるスタイルの授業ではなく自分で考えたり、話したりする機会が期待していた以上に多くあって、とても良かったです。またディスカッション形式の授業が多く、クラスメイトと英語で話す機会が与えられ、色々な国籍の人との価値観の違いを知り学ぶことに繋がりました。
研修において私が最も大きな問題に直面したと感じ頑張ったことは、ホームステイについてです。カルガリーに到着した初日、ホームステイ先を訪れたところホストファミリーが私の来る日にちを間違えていて、アメリカに旅行に行っていました。そのため、その日は近くに住んでいたホストファミリーの親戚の家で一晩を過ごすことになりました。ホストファミリーはフィリピンから移住してきた人で、私以外と話すときは母国語を使っていました。二人の子供がいて、英語で話す彼らとはよく会話をしましたが、ホストマザーからベビーシッターを強要されたり、子供たちからイタズラされたり、さらに私だけ質素な食事を提供されたりしました。居住環境の悪い部屋で生活しなければならないことから肉体的にも精神的にも苦痛でした。最初は慣れない生活のせいでこれが普通だと思いこんでいて、しばらくの間誰にも相談せずにいました。
しかし、どうしても耐えられなくなり、勇気をだして語学学校で一番仲良くしていたKatie Ryman先生に相談しました。すると先生は「あなたのホストファミリーが間違っているから校長先生に話し、ホームステイ先を変えてもらうべきだ」と助言してくれました。その際、ちゃんと英語で伝えるように工夫し話すことを頑張りました。そして無事に、ホームステイ先を変えることができました。Katie先生が「辛かったね。あなたはよく頑張った。私はあなたの味方だ。」と優しく語りかけてくれたときほど嬉しかったことはありません。先生の優しさに私は救われました。卒業するときもハグをしてくれました。私が最も意義があったと感じたことは拙い英語でも一生懸命伝えようとすることで周りの人との信頼関係を築くことができたことです。私はその先生と出会えて本当に良かったと思いました。
今まで英語は教科の一部であると考えていましたが、話せなくては生活できないコミュニケーションの道具であると身をもって認識しました。実際に使う機会がないとなかなか話そうともせず、自分のものにすることはとても難しいと実感しました。机上で書いたり読んだりしてきた英語の授業は好きではなかったし、進んで学ぼうという意識はなかったですが、研修先で色々な国の人と英語という一つの言語によって会話を楽しむことができたとき英語に強い魅力を感じ、もっと話せるようになりたいと思いました。それからは意欲的に英語を学ぶようになり、英語に対する意識が大きく変わりました。
私は研修前に人見知りをなくしコミュニケーション力を高めることを目標とし、色んな人とたくさん会話をして異文化を知ることを目的にしました。そのために朝、教室をまわって「おはよう」とたくさんの人にあいさつをしました。会話の話題として相手の人の出身国のことを教えてもらいました。またショッピングに行った際は、一つ探す商品を決めてその商品の売っている場所や行き方を店員さんに尋ねまわることで会話する機会をつくりました。最初は人に、話しかけることが本当にこわくて仕方ありませんでしたが、自分に他者と話すというノルマを課すことによって徐々に楽しく会話できるようになりました。その結果、研修前に比べると、人見知りを克服できたと思います。しかし、それは外国人が日本人よりフレンドリーな人が多く、話しかけやすかったことも関係していると思われます。
今後の大学生活では、英語力をさらに向上させ自信を持って人と話せるようになること、そして知らない土地であった人々とコミュニケーションをとる経験を増やしていくことで人見知りの性格を直していきたいです。社会に出てから今以上に必要となってくるコミュニケーション能力を養うことを目標にできた研修となりました。
今後の大学生活では、英語力をさらに向上させ自信を持って人と話せるようになること、そして知らない土地であった人々とコミュニケーションをとる経験を増やしていくことで人見知りの性格を直していきたいです。社会に出てから今以上に必要となってくるコミュニケーション能力を養うことを目標にできた研修となりました。
祖国ベトナムで日本語アシスタントのボランティアに参加
国際観光学部1年 TRAN THI LOAN
8月28日から9月17日までOversea Study Program(OSP)研修として、ベトナムの「ひまわり」という社会福祉法人センターで日本語教師アシスタントとボランティア活動を行いました。
研修施設がある町は、ベトナムの大都会ホーチミン市から100kmぐらい離れており、かなり田舎です。ひまわり施設は、孤児や障害を持っている子どもたちを学校へ通えるようにサポートするところです。これまで小学校1年生から大学生まで120人の若者がひまわり施設の支援を受けています。子どもたちは、この施設から一般の学校に通い、興味によって外国語やスポーツ、コンピュータ技術などを学んでいます。また、大学に入るまでに自立できるよう、自己管理力や問題解決力も身に付ける指導がされています。
研修施設がある町は、ベトナムの大都会ホーチミン市から100kmぐらい離れており、かなり田舎です。ひまわり施設は、孤児や障害を持っている子どもたちを学校へ通えるようにサポートするところです。これまで小学校1年生から大学生まで120人の若者がひまわり施設の支援を受けています。子どもたちは、この施設から一般の学校に通い、興味によって外国語やスポーツ、コンピュータ技術などを学んでいます。また、大学に入るまでに自立できるよう、自己管理力や問題解決力も身に付ける指導がされています。
私は、研修期間中、全く日本語がわからない12人の中学生に日本語を教える教師のアシスタントを行いました。文字と音節の発音を教え、口述筆記や音読などもします。目標は、子どもたちが3週間のうちに文字を書いたり読んだりできるようになること、挨拶や簡単な自己紹介もできるよう指導することでした。研修の中で、子どもたちがもっと日本語に興味を持ってくれるよう、面白くて分かりやすい歌や映画、アニメを教材として使用しました。ひらがな、カタカナと漢字を覚えるためのゲームをし、楽しんで学べる方法を工夫しました。また、施設内の寮で子どもたちと一緒に生活し、障害を持っている子どもたちを世話したり、施設の行事を手伝いしたりすしました。子どもの世話や指導をすることが初めだったので、どうすれば彼らと仲良くなれるのか、どのように話しかけたら良いのかが全く分かりませんでした。最初、施設の教員から子どもたち一人ひとりの家の事情や性格を聞き、育児についてインターネットで調べたり、経験がある人と相談したりしました。子どもの性格によっては、話しかけ方を変えるという工夫をしました。子どもたちの夢や期待を聞いてから話を始めました。
日本はどんな国なのかまだ想像できませんが、日本へ留学したいと言った子もいました。私は、日本語だけ勉強すればよいのではなく、日本文化やマナーも勉強しなければならないことを強調して伝えました。研修期間中に子どもたちから、日本人の習慣や日本の歴史について聞かれました。たとえば、同じ漢字で同じ意味を表すのに、「年明けと年末」のように読み方が違うのはどうしてかといった質問です。こうした質問に対して答えられないことがたくさんありました。その時は謝って、インターネットで調べるか、先生に尋ねるかして次の授業までに解決できるように準備をしました。子どもたちのおかげで、以前に自分が勉強したものの、今は忘れてしまった点を復習することができました。また、自分の弱さや、知識不足にも気が付きました。また、研修後、これまで頑固だった私が少し変わりました。相手が正しいか正しくないかにかかわらず、まず、最後まで話を聞くように努めるようになりました。相手との意見の違いや立場の違いなどを尊重しつつ、対応するという柔軟性を身につけることができました。その上、施設を創設したグエンテェービン氏の生き方に習い自分ももっと努力しなければならないと思いました。
グエンテェービン氏は7歳の時に両親を亡くし、その後、生きるために様々な仕事をしました。ある日、事故で右手を失いましたが、諦めず、国立経済大学に合格しました。卒業後、子どもたちを育てる塾を開設しました。幼いころから苦労してきた彼は、40歳の時に、自分がこれまで苦労した分、次の世代を支援したいと思い、ひまわり施設を創設しました。それだけでなく、左手しか自由に使えませんが何でもできます。政治から歴史、数学、物理、化学などを子どもたちに教えられる広い知識を持っています。料理もできますし、車の修理もその左手でできます。グエンテェービン氏の熱意や努力に感動しました。これからは、自分に自信のあることでも完璧ではないことを心がけ、日々知識の吸収に努めていきます。また、緊急事態が起こったとき、慌ててしまってどうすれば良いか分からなくなってしまうことがあります。この点を改善するため、どんなに些細なことでも落ち着いてよく考えて進んでいくよう心掛けたいと考えています。
オーストラリアで語学研修と日本語教師アシスタント
国際観光学部1年 中島 朋香
Overseas Study Program(OSP)の授業で、オーストラリアに3週間の留学をしました。最初の1週間はMilner International College of Englishで英語を学びました。後2週間はRossmoyne Senior High Schoolで日本語教師のアシスタントボランティアをさせていただきました。初めての留学はたくさんの気づきと、経験を与えてくれました。苦労したこともありましたが、やはり1年生のうちに留学に行けてよかったです。
今回の研修で最も意味があったことは、英語を話すことについての考え方が変わったことです。語学学校では年齢も国籍も異なる様々な人たちと一緒に、日本とは違うスタイルの授業を受けました。授業は時間通りに始まりませんし、休憩時間の長さも日によって差があるなど、日本といろんな違いがありました。初日は家に帰ると思っていた以上に疲れていて自分でもびっくりしました。いろんな国から集まってきた人たちと英語で会話するのは、とても神経を使いました。それぞれが母国語なまりの英語を話すからです。慣れない土地で、母国語ではない言語で生活することは想像以上に大変でした。
今回の研修で最も意味があったことは、英語を話すことについての考え方が変わったことです。語学学校では年齢も国籍も異なる様々な人たちと一緒に、日本とは違うスタイルの授業を受けました。授業は時間通りに始まりませんし、休憩時間の長さも日によって差があるなど、日本といろんな違いがありました。初日は家に帰ると思っていた以上に疲れていて自分でもびっくりしました。いろんな国から集まってきた人たちと英語で会話するのは、とても神経を使いました。それぞれが母国語なまりの英語を話すからです。慣れない土地で、母国語ではない言語で生活することは想像以上に大変でした。
私自身も英語が上手く話せず、もどかしい日々が続きました。しかし語学学校に通って気付いたことがありました。それは、みんなが堂々と英語を話していることです。母国語なまりはもちろん、文法を多少間違えていても本人たちは気にしていませんでした。よく考えると、みんな語学学校には英語を学びに来ているのだから、完璧な英語を話す必要はありません。頭ではわかっていても、どこかできちんとした英語を話さないといけないと思っている自分がいました。ですが、みんなが間違えを気にしないで話している姿を見て、私もまずは英語で自分の意見を言うことに全力を注ぎました。ジェスチャーを交えながらでも相手に話しかける勇気を持てば、相手もそれに応えてくれます。大切なのは相手に伝えようとする姿勢だということがわかりました。そうすることで自分の課題を見つけることができました。失敗しても挑戦し続けることが大切だとわかりました。たくさん失敗しましたが、そこからも得られることが多くあり、自分自身をさらに成長させることができました。
ボランティアをしたRossmoyne Senior High Schoolでは先生たちに本当に良くしていただきました。日本人の先生たちでしたが、みなさんオーストラリアに住んでおられるので、とてもフレンドリーで気さくでした。教員用のパーティーが放課後にあったのですが、それに参加もし、日本では体験できないことをたくさん体験させていただきました。ボリウッドパーティーというインドのパーティーで、民族衣装を着ている先生もいました。一番びっくりしたのは休み時間の合間をぬって先生たちがヘナタトゥーを書いてもらっていたことです。そしてヘナタトゥーをしたまま授業に出ていました。日本ではありえないことですが、先生たちも楽しむところはしっかり楽しんでいて、すごくいいなと思いました。生徒からもたくさんの刺激をもらいました。日本語教師のアシスタントをさせてもらったのですが、日本語を学んでいる高校生の子たちはほとんどの子が日本語で会話できました。勉強熱心な子がとてもたくさんいてこっちが圧倒されるくらいでした。質問して理解したことや新しい単語が出てきたときは、絶対にすぐメモを取っていたし、少しでもわからないことはどんなことでも質問をしに来ました。同じ第二言語を学んでいる身として、改めて語学への学びの姿勢について見直すいい機会でした。必死に勉強し、それを自分のものにしていく姿は本当に感動的でした。また、私自身の日本語力についても考えさせられました。助詞についての質問など、生徒たちから日本語に関しての質問をたくさん受けました。普段使っているはずの日本語だけど、説明するのがすごく難しくて苦労しました。自分の日本語があっているのか、不安になるときもありました。英語を学ぶことも大切だけど、母国語をしっかりと学ぶことも大切だと気づきました。
今回の研修を通して、見つかった課題は勉強のことだけではありません。普段の生活から計画的に行動することの大切さも、学びました。帰国前日に準備を始め真夜中を過ぎても準備が終わらず苦労しました。普段の生活からその時その時にやるべきことをしっかりする癖をしっかりつけていきます。今後は英語力を伸ばしつつも、私生活もきちんとしていきたいです。