社会連携課「平成29年度産官学連携活動」報告!流通学部平山弘ゼミ3回生は6月29日に京都デニム協力工場の一つである「手捺染(てなっせん)工場」で京友禅の染色体験を行いました!

 流通学部平山弘ゼミ3回生は社会連携課の「産官学連携活動」に採択され、京都デニム(有限会社豊明)様と連携活動を行っております.

【社会連携課/産官学連携活動概要】

◆活動テーマ:「現代社会で求められるジーンズの価値とは何か」
◆連携先担当者:有限会社豊明 京都デニム
 店長宮本和友氏、デザイナー兼代表取締役社長 桑山豊章氏
◆活動概要:ジーンズは現在では機能的なもの、ファッショナブルなデザインを意識したもの、カジュアル・ブランドからモード系のブランドなど、さまざまな価値が考案され、流通している.日本においても、倉敷児島ジーンズ発の個性的なブランド群が存在し、海外有名ブランドのOEM(相手先ブランド)生産をしている企業も少なくない.一方で、唯一京都で和の伝統的技術や材料に着目し、京都発のジーンズを創造している京都デニムが異彩を放っている.本活動ではそうしたジーンズ×京都伝統工芸の乗算から見えてくる新たなブランド価値について、産学連携活動を通して、探究することになる.

 今回はこれまでの活動でトピック的なものを紹介させていただきます.

【6月29日】京都デニム「京友禅の染色体験」実施!

京都デニム協力工場の一つである「手捺染(てなっせん)工場」で京友禅の染色体験を実施しました! この工場は幕末の新選組と縁が深かった壬生寺からすぐ近くにあります.
◆体験内容
(1)デニム生地の藍色を抜く「抜染」の技および染色技術を見学
 ジーンズの生地であるデニム.これはインディゴ色(藍色)に染まった経糸(たていと)と、染まっていない白色の緯糸(よこいと)から綾織り生地のことです.つまり、この技の特色はこのインディゴ色の成分を「抜染」いう方法で柄状に抜いていくというところにあります.他にも平山ゼミ3回生は、この道60年の職人竹名人のカラフルな染色の実演を見学し、また貴重なお話しを聞かせていただきました.
(2)京友禅の染色体験
 今回の体験では抜染された生地のカードケースに色が抜けた柄に色を入れていきます.ゼミ生たちは思い思いに自らパレットにある4種類の原液からなる色を混ぜることで、いかにきれいな色をつくるか、きれいなさくら色を出すためにはどの色を使えばよいのか、思案しながら、熱心に取り組んでいました.普段の3回生はとてもにぎやかで声が至るところで聞こえてくるクラスですが、今回は染色体験による作品作成ということで、無言で集中していたのがとても印象的でした.作成後は学生同士でお互いに批評をしあいながら、誰が一番上手に染色できたのか、このカードケースはいつもやさしくしてくれる祖母に渡したいなど、いろいろと話し合っていました。最終的には彼らの作品は職人さんの手により、色止めの作業が行われ、より一層染色部分が映えるそうで、後日郵送していただくことになりました。その日をゼミ生一同とても楽しみにしています。
  • 写真1 平山弘教授作成カードケース入れ

  • 写真2 壬生寺南門にて

  • 写真3 職人竹名人の染色技見学

  • 写真4 染色体験

  • 写真5 抜染された生地

  • 写真6 平山弘教授のパレット

  • 写真7 染色作業中の様子(1)

  • 写真8 染色作業中の様子(2)

  • 写真9 染色作業中の様子(3)

  • 写真10 完成〜自信たっぷりの様子

【7月9日】流通学部ゼミナール大会(第20回記念大会)

 今年度の流通学部ゼミナール大会は7月9日に開催されました。参加者は過去最大の284名で、参加ゼミ数も24ゼミから52チームがベスト・プレゼンテーションを目指し、鎬を削りました。
 平山ゼミ3回生からは5チームが出場し、前期の準備期間を通してそれまで調査・研究してきた内容を、それぞれのチームがよりよきプレゼンテーションにつながるように、開始時間の2時間前には各チームごとに集合し、最終確認のための調整を行っていました。
 当日のプレゼンテーションにおいても参加した平山ゼミの各チームはそれぞれが十分なパフォーマンスを展開し、表彰式において平山ゼミからは2チームが最優秀賞(第1位)を獲得することができました。審査委員のみなさま、関係企業のみなさま、ゼミナール大会のスタッフのみなさまに厚く御礼申し上げる次第です。
 平山ゼミは常日頃からブランド価値とは何かについて調査・研究を深めていますが、ブランドとは何らかの意味付けがなされた製品・サービスであるとの立場から、そのブランドの根本を成す基本価値(機能性・便宜性)を超えるところ、経験価値や感覚価値、象徴価値といった価値の本質について、追究し深堀りをおこなっています。今回の結果はそうした意味でも非常に意味のあることだと考えています。ゼミ生たちもそれぞれの問題意識を大切に最後の最後までよく努力してくれました。入賞あるいは入賞には至らなかったチームに関係なく、すべてのみなさんに心から拍手を送りたいと思います。
 京都デニム宮本和友店長様にこのことを報告すると、「最優秀賞、すばらしいですね!平山先生のご指導、生徒のみなさんの熱い想い=情熱の賜物だと思います。もしも、内容など拝見させていただければ、今後の参考にさせていただきます。また、京都デニムの産学連携の事例として、ご紹介させていただいてもよろしいでしょうか?ご検討よろしくおねがいします」との返事があり、先方様にも喜んでいただき、わたしたちも本当に今回京都デニム様との社会連携活動を展開してきてよかったと率直に思いました。あわせて、こうした活動に対して、本学から「はるか遠いあべのハルカス・キャンパスの地」にて、常日頃から尽力されておられる社会連携課 鶴谷昌也課長、小林清作課長、田中一郎課長、降井様、石田様にも衷心から御礼を申し上げます。有難うございました!

◆参加チーム・メンバーとテーマ

テーマ メンバー
Dチーム 日本国内のラグジュアリー・ブランドのコピー商品問題とその課題(最優秀賞受賞) 吉村一馬・形部 輔・北野翔太・加茂拓真・木下 隼
Cチーム 京都デニム 現代ジーンズに求められる価値とは何か(最優秀賞受賞) 上田奈波・松浦優衣
Eチーム 松原市内における地域ブランド探訪 藤井真奈・堀 安砂美
Bチーム 大阪で求められるホテルのブランド価値とは何か 今次拓海・栗林七海・下村真里奈・白石佳奈子・瀬尾麗奈・西田将規
Aチーム ファッションの歴史と流行を探る 木村早希・相賀果南・乾 梨佳・田中沙耶
  • 写真11 平山ゼミ3回生Dチーム(威風堂々)

  • 写真12 平山ゼミ3回生チームCチーム(潜在能力)

※本活動は社会連携課「平成29年度産官学連携活動」の支援を受けて行っております.