2023年6月30日、流通学部専門演習として池澤ゼミ1期生(3回生)7名は内装設計会社大手のスペース様へお邪魔しました。まず、阪南大学のOBである鈴木様の全体進行により講義及び学生プレゼンテーション、アドバイスといった形でお話がありました。会社概要説明の後、身近な商業施設の着想、ターゲットのペルソナ形成、コンセプトワーク、デザインのお話が豊富な事例をもとに紹介されました。学生たちは事前に準備したスライドを使用して、2つの班に分かれてそれぞれ、「富裕層ファミリー」に向けたSC、「統合型リゾート」のようなSCを提案し、スペース様よりご助言をいただきました。森田様からは、商業施設開発に通常求められるマーケットイン発想だけではなく、学生ならではの新たな切り口でプロダクトアウト発想をも期待する、といったコメントを頂戴しました。4月にプロジェクトを開始したばかりのゼミ生たちへ、今後具体的にどのような組み立てをして、価値提案すべきかについて、マーケティングやデザインなどの視点から丁寧に様々なアドバイスをいただきました。学生たちは聴くばかりではなく、活発な質問を出して議論が活性化していました。
 
6月30日、内装設計会社スペース様へお邪魔しました。本学のOB鈴木部長を取り囲んで!
 
スペース様の大阪本部は、オフィスもおしゃれな空間です。
 
会社概要から具体的な設計・施工事例まで詳しくお話をうかがいました。
 
商業施設のプランニングについて、順序立てて教えて頂きました(森田様)。

 
山根様より、フードホールの企画、設計事例についてお話をいただきました。

 
A班から富裕層ファミリーを狙った企画案をプレゼン。
 
B班は複数のターゲットを狙った統合型リゾートタイプのSCを提案。

 
ターゲティングのためのイメージ、属性、ライフスタイルなどをペルソナ化する手法について高尾様よりお話をいただく。

 
鈴木様からは商業施設の売上向上のため、A班が客単価向上、B班が客数増大を狙った施設であると総括していただきました。

 
ゼミ生からも、商業空間に関する質問が数多く投げかけられました。

 
商業空間の形成には、「場所性」を生かした取り組みが必要だと斉藤様からご説明がありました。

 
企画は試行錯誤の連続だと、太田様に励ましていただきました。

学生コメント

 空間を作る中で、お店一つ一つの個性を大切にし、自らが欲しいと思うようなお店を世界観としてどう集合体とするか、ついついお客様が立ち止まってしまう仕掛けを作る。といったことをスペース社は大切にされていました。普段僕たちが何気なく行く商業施設ですが、普段では気付くことがないであろう手法やデザイン、集客誘導が色々と知れて楽しかったです。
光永 圭吾


 今回(株)スペースさんへお邪魔しました。私たちが普段当たり前に利用しているショッピングセンターについて様々な貴重なお話を聞くことができました。ショッピングセンターの形について長方形の箱型は効率が良いことが分かりました。ショッピングセンターの形によって、人間に馴染みがあり入りやすいイメージをもたらすことがわかりました。また周辺地域の人の属性、情報やデザインなど、設計のうえでこれらがとても重要な情報であることを学び、私たちの今後のゼミ活動に活かせる情報が多く、とても参考になり貴重な時間を過ごせました。
高倉 逸樹

参加学生一覧

青井 鏡悟、大西 虹輝、高倉 逸樹、流 稜太、孫崎 輝、光永 圭吾、𠮷田 圭

連携先コメント

株式会社スペース 
取締役常務執行役員 大阪本部長 森田 昭一 様

【プロフィール】
2000年 スペース入社
2010年 大阪本部CE研究所長
2015年 執行役員東京事業本部商環境研究所長
2019年 執行役員商環境研究所長
2020年 執行役員商環境研究所長兼内装監理本部長
2022年 執行役員大阪本部長
2023年 取締役 常務執行役員大阪本部長(現任)

【コメント】
 大学で商業施設に関わる講座(講義)が設定されている事が大変興味深く感じました。
 商業施設は暮らしにチョットした彩や豊かさをもたらすウェルービーな生活インフラと考えています。
 生活者の目がより新しいモノや施設に目を向けがちですが、マーケットや市場が世に出たころから、変わっていない不変的な要素もあるのではと感じています。

 先日説明させていただきました、次世代SCの企画・マスタープランの領域は都市計画程大きくはなく、建築やインテリアの領域の間、ヒューマンスケールの街的要素が必要と考えております。
アメリカではアーバンデザインと呼ばれているのですが、ここを学べる学校が日本には殆どありません。
様々な情報がネット・web上で取れるようになり生活者の意識や暮らし方も多様化してきました。
 ただ、そのアンチテーゼとして、人がより人らしく生活をより豊かにしていくには商業施設の存在が
不可欠であり、これが街のハブとなり、デジタルとリアルの対峙ではなく、補完関係になって進化していく事を予測しています。

 そういう意味もあり、従来のマーケットイン、地域のマーケティングをもとにした商業開発だけでは生活者の暮らしに創造性や充実性をもたらす商業施設の創造が難しいのではと考えています。
ロケーションやその場の価値、地域のアイデンティティに拘った、『場の属性』から想像しクリエーションされた商業施設、パブリック空間が必要とされてきていると思います。
お客様から参画者へ、他人事から私事の場所になるには、場づくり視点でのプロダクトアウト的な商業施設の考え方も企画できればと、学生の自由な発想と若い感性で、自分達が利用してみたい、こんなのあったら買い物以外でも行くよね?自分達の街の自慢、誇りに思える商業施設とは?などをフリーで会話していっても面白いと感じました。

 また、機会あれば学生の方々とカジュアルな会話・トークが出来ると事を期待しています。

株式会社スペース
開発本部 大阪開発部部長 鈴木 幹男 様

【プロフィール】
2008年 スペース入社
2011年 開発本部大阪開発部大阪開発課 主任
2014年 開発本部大阪開発部大阪開発2課 課長
2020年 開発本部企画推進事業部大阪企画部 部長
2021年 開発本部リーシング企画事業部大阪開発部 部長
2023年 開発本部大阪開発部 部長(現任)

【コメント】
 この度は弊社事務所までお越し頂きまして、誠にありがとうございました。
「Z世代の考える未来のSC開発」をテーマにした学生の皆様の資料を基にしたディスカッションやスペースの業務領域や実績を基にした空間づくりについて意見交換をさせて頂き、普段接する機会の少ない世代の方々の考えに触れ、貴重な機会を頂き有意義な時間を過ごす事ができました。ありがとうございました。
今回はスペースの実績をベースに空間づくりに繋げる根拠作りとそのストーリーに沿った環境計画の一連の流れを説明させて頂きました。
商業施設の中でお店の個性を生かしつつ、世界観を一体で表現する事の重要性とそれを表現するためのプロセスと環境計画へ繋げる為のストーリー作りについて少しでも興味や関心、そのヒントを感じ取っていただけば嬉しいです。
この度のワークショップの開催にあたっては、学生のみなさんにどういう流れと内容で伝える事で理を深めていただけるか?関心を高めていただけるか?苦慮する所もありましたが、自分なりに良い頭の体操になったかなと感じます。
また、弊社への質問では中々的確な質問も頂き、良い刺激を頂きました。
いい意味で学生のみなさんのフレッシュな思考で今の商業施設をはじめとする商空間に関心と疑問をもって頂き、わたしだったらこんな空間が欲しいなぁと是非ジブンゴトに捉え、引き続き思考を巡らせていただきたいと思います。
学生の皆さんには馴染みの無い「内装」というスペースの業務領域について、少しでも関心を持って頂き商業を軸とした空間創りの面白さや、やりがいに是非関心を持って頂く機会となれば幸いです。

教員のコメント

流通学部
池澤 威郎 准教授

 スペース様大阪本部でのワークショップは、同社のそれぞれの分野での6名のプロフェッショナルからご講義とご指導をいただきました。学生たちもドキドキしながら、外部の企業様へ初めて大きなプレゼンテーションを行い、この機会に大きく成長したと思います。また、マーケティングの発想方法からターゲットイメージ、具体的なデザインへの落とし込みなど、商業施設ができるまでのストーリーや作業群をコンパクトかつ濃密に学ぶことができました。さらに、何より阪南大学OBの鈴木様からはキャリアの歩み方についてのアドバイスがあり、就職活動を控える学生たちはより身近に感じ、将来に向けた目標の設定に役に立ったのではないか、と思います。同社のご協力やご指導を踏まえて、プレゼンテーションをさらに磨き上げなければならないとゼミ生たちは自覚をしました。