妖怪の街、水木しげるロード
CHOゼミでは5月4日、鳥取県境港市にある「水木しげるロード」の調査に出掛けました。「水木しげるロード」は、境港駅から境港本町アーケード商店街までの全長約800メートルの間に、水木しげるの『ゲゲゲの鬼太郎』のキャラクターなど、日本各地の妖怪をモチーフとした銅像などが設置されており、観光型商店街として多くの観光客を集めています。また、観光事業によってシャッター商店街からの再生を成功させたとし、大きな脚光も浴びています。そんな、多くの観光客が訪れる『水木しげるロード』について調査してきました。ここでは、それを報告いたします。
*この報告は、阪南大学【実学志向型総合的キャリアシステムの構築】事業の2014年度キャリアゼミ支援事業「共に歩むための他者理解(CHOゼミ)」の「妖怪の町、水木しげるロードの調査」活動報告の一部です。
*この学生教育研究活動は阪南大学学会より補助を受けています。
*この報告は、阪南大学【実学志向型総合的キャリアシステムの構築】事業の2014年度キャリアゼミ支援事業「共に歩むための他者理解(CHOゼミ)」の「妖怪の町、水木しげるロードの調査」活動報告の一部です。
*この学生教育研究活動は阪南大学学会より補助を受けています。
水木しげるロードの歴史について
橋本裕月
水木しげるロードがある鳥取県境港市はかつて、水産業に活気がある一方、境港駅前の商店街はシャッター商店街(営業休止中でシャッターが閉まっている商店街)となっていました。そこで1989年に「緑と文化のまちづくり」の一環として、境港市出身である水木しげるの代表作「ゲゲゲの鬼太郎」「悪魔くん」「河童の三平」に登場する妖怪のブロンズ像を設置する「水木しげるロード」の整備を決めました。こうして1993年に23体のブロンズ像が設置され水木しげるロードがオープンしました。それと同年に、米子駅から境港駅間を走る境線で鬼太郎列車の運行も開始されました。ほぼ10年間の年月をかけて1997年には当初の目標であった80体の像が設置され、2003年には「水木しげる記念館」も完成しました。2005年には、境線の米子駅から境港駅までの駅名に、ゲゲゲの鬼太郎に登場する妖怪の名前が愛称として付けられるようになりました。2006年には、「ねこ娘列車」や「ねずみ男列車」が運行され、2007年には「目玉おやじ列車」が運行されました。同年に、妖怪をデザインした街灯群を新設する「妖怪街灯増殖計画」が発表され、ねこ娘の街灯が第1号として設置されました。この街灯は、有志の寄付によって増殖し、寄付者の名前が刻まれるそうです。そして、徐々に像の数が増やされ、現在の「水木しげるロード」には、合計153体の像が設置されています。
「水木しげるロード」は、ブロンズ像が設置されて間もない頃、像が破壊されたり盗まれたりといった事件が発生していましたが、その事件報道をきっかけに全国的に知名度が上がり、観光客数の増加に繋がったそうです。また、2005年の映画『妖怪大戦争』がヒットすることで、偶然の妖怪ブームが起こり、観光客数はさらに増加することになりました。2007年には『ゲゲゲの鬼太郎』のテレビアニメシリーズ第5期の放送開始と、実写版映画『ゲゲゲの鬼太郎』が公開された影響もあり、観光客数が鳥取砂丘への観光客数を上回る数となりました。そして2010年にはNHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』の放送によりさらに人気が高まり、最近は、年間370万人の観光客数を誇っています。
「水木しげるロード」は、地域商店街の活性化や地域おこし、まちづくりの成功事例として注目を集めています。つまり、シャッター通りであった商店街がここまで多くの観光客を集める観光スポットとなり、その取り組みが地域活性化のモデルとして注目されるほか、2004年に「美しい日本の歩きたくなるみち500選」に入選、2006年には水木しげるロード周辺商店街が「がんばる商店街77選」のうち、「まちづくりと一体となった商業活動」部門に入選、2011年には水木しげるロードの妖怪たちと地元関係者が、第8回関西元気文化圏賞・特別賞を受賞するなどさまざまな面で評価され、注目を集めています。
水木しげるロードの風景
長谷恭子
水木しげるロードには、漫画家水木しげるの作品『ゲゲゲの鬼太郎』のキャラクターの銅像やオブジェ、店舗・施設などが全長約800メートルの間に立ち並んでいます。
153体ものキャラクターがある銅像は、「妖怪ブロンズ像設置委員会」である境港商店街連合会、境港市観光協会、水木しげるロード振興会、水木プロダクションが、制作し、運用・管理を担っています。
ポストや街灯、公衆電話、トイレの標識まで細かく世界観が再現されており、妖怪のおどおどしさと愉快さなども、ロードの隅々まで表現されています。ゲゲゲの鬼太郎の曲や妖怪が今にも飛び出してきそうな音が流れ、雰囲気から鬼太郎の世界にのめり込むことが出来ました。また、立ち入り禁止の注意書きも「妖怪しか入れないので〜」や「この泉は妖界につき立ち入りはご遠慮ください」等、鬼太郎の世界観を壊さない工夫がされていました。
153体ものキャラクターがある銅像は、「妖怪ブロンズ像設置委員会」である境港商店街連合会、境港市観光協会、水木しげるロード振興会、水木プロダクションが、制作し、運用・管理を担っています。
ポストや街灯、公衆電話、トイレの標識まで細かく世界観が再現されており、妖怪のおどおどしさと愉快さなども、ロードの隅々まで表現されています。ゲゲゲの鬼太郎の曲や妖怪が今にも飛び出してきそうな音が流れ、雰囲気から鬼太郎の世界にのめり込むことが出来ました。また、立ち入り禁止の注意書きも「妖怪しか入れないので〜」や「この泉は妖界につき立ち入りはご遠慮ください」等、鬼太郎の世界観を壊さない工夫がされていました。
妖怪神社も、妖怪テイストたっぷりのスポットでした。妖怪神社は、妖怪のふるさとで、妖怪達が住みやすいような自然環境を守り育てようという意味が込められています。つまり、妖怪の故郷です。一反木綿の鳥居や、目玉石と呼ばれている目玉おやじの清めの水があります。目玉石の目玉の部分は、手で転がすことが出来ます。観光客の方は、上手く目玉を手前に向け、写真を撮っていました。
水木しげるロードの終盤にはお土産屋が立ち並び、食べ歩きのできるお店もあります。ここもやはり、ゲゲゲの鬼太郎のキャラクターをモチーフにしたお土産がよく売られていました。一反木綿のイカ焼きや、キャラクターのパンなどもありましたが、今回私達は目玉おやじのお饅頭を食べました。とてもリアルで精巧に作られていて、飲み込む怖さとともに食べてしまうのが何だかもったいないような気もしました。お店の方から、目玉おやじ饅頭の見た目や味だけでなく、お土産屋の立ち並びで遠近法を用いて写真にする楽しみ方なども紹介して頂きました。
水木しげる記念館も見どころの一つです。記念館は2003年の3月8日、水木しげるの誕生日に開館され、今では大型連休や夏休みになると大勢の人が押し寄せるそうです。ここでは、水木しげる自らが世界中の妖怪グッズを寄せ集めたもの、また、創作されたものが中心に飾られています。水木しげるの歩みなどもここで詳しく知ることが出来ます。
私たちはゴールデンウィーク後半にここを訪れたのですが、休日ということもあり、家族連れがとても多かったです。観光客の方々を見ていると、子供達は豊かな想像力で妖怪と遊び、大人は少し温かい気持ちになれるところであり、世代を超えて愛されるロードだと感じました。水木しげるロードの入り口から出口まで、妖怪の世界を堪能できる異次元スポットであり、ここでも、妖怪達と人間が共に生きることで共に発展できると感じました。
私たちはゴールデンウィーク後半にここを訪れたのですが、休日ということもあり、家族連れがとても多かったです。観光客の方々を見ていると、子供達は豊かな想像力で妖怪と遊び、大人は少し温かい気持ちになれるところであり、世代を超えて愛されるロードだと感じました。水木しげるロードの入り口から出口まで、妖怪の世界を堪能できる異次元スポットであり、ここでも、妖怪達と人間が共に生きることで共に発展できると感じました。