産学連携先:網走市観光協会

 私たちは若年層に対する北海道網走市の認知度向上と観光動機の促進を目的に、キャリアゼミ活動に取り組んでいます。
 網走市の年間観光客数は1992年度の約230万人をピークに減少傾向にあり、2021年度はコロナ禍の影響もあって約141万人となっています。また、40代以上の中高年層の認知度は約100%であるのに対し、20代の若年層では約77%と差があります。実際、私自身もフィールドワークの候補地としてあがってくるまで、「網走」の名前すら知りませんでした。今後、世代交代が進めば、さらに網走の認知度が低下し、観光客数の減少が続くことが懸念されます。
 網走市は能取岬や歴史的にも貴重な網走監獄、冬のシーズンに見られる流氷など、さまざまな観光資源を持つ日本有数の観光地でもあります。しかし、網走は流氷を目的に訪れる観光客がほとんどで、冬季に集中していることも課題です。そこで、私たちは既存の観光資源に加え、若者に興味・関心を持ってもらえる新たな資源を発見するため、冬季と夏季の2回現地でフィールドワークを行いました。現在はフィールドワークを通して感じた冬・夏それぞれの魅力をどのような方法で発信するかについて、議論しています。
(国際観光学部3年 山田 さくら)
  • サイクリングによる調査の様子

  • 能取岬での現地調査の様子

  • 網走市観光協会への聞き取り調査の様子

学生活動状況報告

国際観光学部3年 山田 さくら

 フィールドワークを行うにあたり、事前に以下の3つに取り組みました。
 1つ目は網走の観光資源をピックアップし、その中から訪れる観光地を選定するとともに、所要時間や距離を計算し、サイクリングコース、ドライブコースを作成することです。今回はサイクリングコースとドライブコースをそれぞれ2案ずつ作成しました。
 2つ目は網走市観光協会と網走市役所観光課に、若年層に向けた観光政策やお勧めの観光地などをお聞きするためアポイントメントを取りました(網走市役所については予定が合わず、お話は聞けていません)。
 3つ目は、若年層である私たちから見て、どのような動画が目に止まりやすいのか、動画の中にどのような写真や内容が含まれていれば見続けられるのかについて考えました。話し合いを続ける中で、動画が長すぎると次に飛ばしてしまうことや、文字が多すぎると読むこともなく飛ばしてしまうという気づきがありました。
 これらの事前準備を踏まえ、9月に2度目のフィールドワークを行いました。コースによってさまざまな感想がありましたが、ゼミ生全員が共通して、大阪では見ることのない雄大な自然に感動していました。どこまでも続くまっすぐな道や両端に広がるジャガイモ畑、時々出会える野生動物、9月とは思えない快適な気候など、実際に訪れることで気づいた夏季の魅力は十二分にありました。また、観光協会への聞き取り調査の中で、「網走でしかできない」より「網走でもできる」という売り込みをしていることを知りました。これらを動画を作成する中で参考にしていきたいと思います。
 これから私たちは若年層への魅力発信の方法を考えていく予定です。若年層の利用率が高いSNSはどのアプリケーションなのか、そしてその動画にはどのような要素が必要で、それはなぜ必要と言えるのかなどを議論し、網走市に提案していきます。

参加学生一覧

吉本 慧悟、 山田 さくら、 稲毛 悠陽、 古林 広暉、 坂上 真悠、 古本 涼馬、 岡田 健伸