阪南大学 学長 平山 弘
<半端ないプロローグ>
2024年4月1日に就任した平山弘学長。
所信表明時の言葉が学内の教職員たちをざわつかせた。
それが、「半端ないゼミ活動」の始動。半端ないゼミ活動とは何なのか。
その真意を確かめるべく、新学長のもとへ向かった。
「半端ないゼミ活動」という言葉に隠された真相とは!?
聞き手:学長!単刀直入にお聞きします。半端ないゼミ活動とは何なんですか?
学長:簡潔ににいうと「学内に埋もれたダイヤモンド」に私が名前を付けたようなものです。
聞き手:原石に名前を付けた?
学長:まずこのお話をしないといけないと思うのですが、阪南大学が人材育成活動に力を入れ始めたのは最近のことではありません。およそ24年前からです。
聞き手:そんなにも前からなんですか?
学長:学生たちが社会で生き抜くためには、一人ひとりが自分の強みを徹底的に理解し、身に付けることが大事だという観点から2000年4月に「キャリアステップアッププログラム」を開始。キャリア教育科目として「起業塾」を開講(2023年度生まで対象科目)。ここでは、経営者をお招きし、会社設立の方法を学び、実際に学内で模擬的会社を設立するなど実学教育に力を注いできました。
聞き手:実践のオンパレードですね。
学長:それから2007年〜2009年にかけては文部科学省が実施している「現代GP※1」に全国600件の応募、採択率が約19%の中から選ばれ、始まったのが「地域社会の課題解決プログラム」。いわば、阪南大学のゼミ活動は国からのお墨付きをもらった「学びの集大成」につながる端緒にもなったと考えています。
聞き手:採択率約19%から選ばれたゼミ活動?
学長:簡潔ににいうと「学内に埋もれたダイヤモンド」に私が名前を付けたようなものです。
聞き手:原石に名前を付けた?
学長:まずこのお話をしないといけないと思うのですが、阪南大学が人材育成活動に力を入れ始めたのは最近のことではありません。およそ24年前からです。
聞き手:そんなにも前からなんですか?
学長:学生たちが社会で生き抜くためには、一人ひとりが自分の強みを徹底的に理解し、身に付けることが大事だという観点から2000年4月に「キャリアステップアッププログラム」を開始。キャリア教育科目として「起業塾」を開講(2023年度生まで対象科目)。ここでは、経営者をお招きし、会社設立の方法を学び、実際に学内で模擬的会社を設立するなど実学教育に力を注いできました。
聞き手:実践のオンパレードですね。
学長:それから2007年〜2009年にかけては文部科学省が実施している「現代GP※1」に全国600件の応募、採択率が約19%の中から選ばれ、始まったのが「地域社会の課題解決プログラム」。いわば、阪南大学のゼミ活動は国からのお墨付きをもらった「学びの集大成」につながる端緒にもなったと考えています。
聞き手:採択率約19%から選ばれたゼミ活動?
学長:そうです。
中でも重視したのは自ら課題を発見し解決できる自律的人材の育成です。その阪南大学の思いやDNAは今も「キャリアゼミ※2」として引き継がれています。
キャリアゼミには年間20万円を大学から支給するので、活動範囲も様々。
大阪だけでなく、京都、兵庫、あるいは宮崎、北海道、沖縄など学生自らが現地に足を運び、課題発見から解決までを実践的に学んでくれています。
なお、阪南大学には100以上のゼミ活動があるので、個性あふれる先生と多種多様な体験を通して、学生たちの成長は計り知れません。
聞き手:そんなにあるんですか!
学長:しかしですよ。
プロフェッショナルな先生方が集まってくださり、プロフェッショナルなゼミ活動が毎年行われているにも関わらず、学外にきちんと届いていない。学内だけでゼミ活動の“ダイヤモンド”が埋もれてしまっている。そう思わざるを得なかったんです!
もっとこの活動の全てを知らしめたい!
本当は「半端ないことやってんだぜ!」と声を大にして届けたかったんです!
だから生まれたのが「半端ないゼミ活動」です。
聞き手:学長の熱量、半端ねぇーーー!
学長:私が学長になったからには伝えていく責任がある。
阪南大学の強みであるゼミ活動を半端なく大声で届けていく。
半端ないゼミ活動を届けることで、もっともっともっと!
半端ない学生たちが集まる大学になると、私はそう確信しています。
中でも重視したのは自ら課題を発見し解決できる自律的人材の育成です。その阪南大学の思いやDNAは今も「キャリアゼミ※2」として引き継がれています。
キャリアゼミには年間20万円を大学から支給するので、活動範囲も様々。
大阪だけでなく、京都、兵庫、あるいは宮崎、北海道、沖縄など学生自らが現地に足を運び、課題発見から解決までを実践的に学んでくれています。
なお、阪南大学には100以上のゼミ活動があるので、個性あふれる先生と多種多様な体験を通して、学生たちの成長は計り知れません。
聞き手:そんなにあるんですか!
学長:しかしですよ。
プロフェッショナルな先生方が集まってくださり、プロフェッショナルなゼミ活動が毎年行われているにも関わらず、学外にきちんと届いていない。学内だけでゼミ活動の“ダイヤモンド”が埋もれてしまっている。そう思わざるを得なかったんです!
もっとこの活動の全てを知らしめたい!
本当は「半端ないことやってんだぜ!」と声を大にして届けたかったんです!
だから生まれたのが「半端ないゼミ活動」です。
聞き手:学長の熱量、半端ねぇーーー!
学長:私が学長になったからには伝えていく責任がある。
阪南大学の強みであるゼミ活動を半端なく大声で届けていく。
半端ないゼミ活動を届けることで、もっともっともっと!
半端ない学生たちが集まる大学になると、私はそう確信しています。
社会で通用する人材は、社会を目の前で見てきた人材だ。
聞き手:ゼミ活動が活発な阪南大学だからこそ感じる、学生の成長などありますか?
学長:レジリエンス=精神的回復力、「打たれ強さ」があると思っています。これは我慢する力ではありません。言い換えると「バネ」のように押されても押し返す「柔軟性」と言えるかもしれません。
学生たちは毎年、就職していきますが、みんながみんな、一つの会社で働き続けるとは限りません。社会の壁にぶち当たることもあるし、本当にやりたかったことと出会う可能性だってある。しかし、そんな時に阪南大学の卒業生は現状を打破するバイタリティを持っている。
新しい未来へ果敢に挑戦する卒業生たちです。
それは、これまで展開したゼミ活動に直結していると思います。1年生から4年生までの時間で、失敗も成功も経験した卒業生にとってチャレンジは当たり前。まさしく、社会で通用する人材というのは、社会を目の前で見てきた人材だと感じます。
聞き手:学長自身、今もゼミ活動を続けられていると思いますが、実学をメインで教えられているのですか?
学長:そうですね。
私は世界のファッションブランドの成り立ちや裏側、時代が遷移する中でのファッション・コーディネートの本質や見せ方の違いなどを教えているのですが、2009年から大手アパレルメーカー株式会社POINT様(現アダストリア)や株式会社パル様から衣装提供を受け、神戸コレクションの生みの親でもある高田恵太郎氏やアンミカ氏をゲストにお招きして、阪南コレクション=ファッションショーがスタートしました。
そして、2012年度から2014年度にかけてはデジタルファッションショー(デジタルとリアルの融合)に進化。
その後学園祭やオープンキャンパスでの活動を経て、2021年度は着物・浴衣と洋装(バッグ・パンプス・アクセサリーなど)をコラボした「令和時代の新しい和のファッション」をテーマに開催。
2022年度からは毎年大型商業施設セブンパーク天美スタジアムで学生たちの研究成果の披露の場として阪南コレクション(ファッションショー)を開催しています。モデル、MC、音楽、ランウェイでのポーズの演出などの運営は全て学生が担当しています。
聞き手:全てですか??
学長:他にも協賛いただくテナント各社様と協議を行い、ステージで着る衣装の選定、各ブランドの思いをヒアリングした上でのブランド紹介をMCが当日行うなど、従来のファッションショーにはないステージ作りまで本当に全てです。
聞き手:すごい!
学長:失敗してもいいのです。
自分で考えてトライ&エラーを繰り返すからこそ人は成長していく。
新しい考えが生まれる。学生たちの自信にもつながると考えています。
今、未来が見えず、悩んでいる高校生も多くいると思います。けれど、大丈夫。
阪南大学のゼミ活動が「自分を知り」「自信を与え」「自分を超える」学びの場になるはずだから。
きっと4年後、まったく想像できないあなたが阪南大学にはいるはずです。
聞き手:半端なく熱いお言葉の数々ありがとうございました!
学長:レジリエンス=精神的回復力、「打たれ強さ」があると思っています。これは我慢する力ではありません。言い換えると「バネ」のように押されても押し返す「柔軟性」と言えるかもしれません。
学生たちは毎年、就職していきますが、みんながみんな、一つの会社で働き続けるとは限りません。社会の壁にぶち当たることもあるし、本当にやりたかったことと出会う可能性だってある。しかし、そんな時に阪南大学の卒業生は現状を打破するバイタリティを持っている。
新しい未来へ果敢に挑戦する卒業生たちです。
それは、これまで展開したゼミ活動に直結していると思います。1年生から4年生までの時間で、失敗も成功も経験した卒業生にとってチャレンジは当たり前。まさしく、社会で通用する人材というのは、社会を目の前で見てきた人材だと感じます。
聞き手:学長自身、今もゼミ活動を続けられていると思いますが、実学をメインで教えられているのですか?
学長:そうですね。
私は世界のファッションブランドの成り立ちや裏側、時代が遷移する中でのファッション・コーディネートの本質や見せ方の違いなどを教えているのですが、2009年から大手アパレルメーカー株式会社POINT様(現アダストリア)や株式会社パル様から衣装提供を受け、神戸コレクションの生みの親でもある高田恵太郎氏やアンミカ氏をゲストにお招きして、阪南コレクション=ファッションショーがスタートしました。
そして、2012年度から2014年度にかけてはデジタルファッションショー(デジタルとリアルの融合)に進化。
その後学園祭やオープンキャンパスでの活動を経て、2021年度は着物・浴衣と洋装(バッグ・パンプス・アクセサリーなど)をコラボした「令和時代の新しい和のファッション」をテーマに開催。
2022年度からは毎年大型商業施設セブンパーク天美スタジアムで学生たちの研究成果の披露の場として阪南コレクション(ファッションショー)を開催しています。モデル、MC、音楽、ランウェイでのポーズの演出などの運営は全て学生が担当しています。
聞き手:全てですか??
学長:他にも協賛いただくテナント各社様と協議を行い、ステージで着る衣装の選定、各ブランドの思いをヒアリングした上でのブランド紹介をMCが当日行うなど、従来のファッションショーにはないステージ作りまで本当に全てです。
聞き手:すごい!
学長:失敗してもいいのです。
自分で考えてトライ&エラーを繰り返すからこそ人は成長していく。
新しい考えが生まれる。学生たちの自信にもつながると考えています。
今、未来が見えず、悩んでいる高校生も多くいると思います。けれど、大丈夫。
阪南大学のゼミ活動が「自分を知り」「自信を与え」「自分を超える」学びの場になるはずだから。
きっと4年後、まったく想像できないあなたが阪南大学にはいるはずです。
聞き手:半端なく熱いお言葉の数々ありがとうございました!
<半端ない列伝>
ルイ・ヴィトンを、世界的ブランドに押し上げたのは日本人だった。
聞き手:学長はゼミで世界のブランドについても教えられていると思いますが、どのようなことですか?
学長:例えば、ルイ・ヴィトンというブランドを知っていますよね?
聞き手:もちろんです!
学長:では、そのルイ・ヴィトンを世界的なブランドに押し上げたのは日本人だと知っていますか?
聞き手:えぇ?
学長:1970年代、ルイ・ヴィトンがまだパリ本店とニースの2店舗しかなかった時代、「日本での販路を拡大できないか?」と相談を受けた日本人がいました。それが、ルイ・ヴィトンジャパンの初代社長になる人物です。その頃、日本でも輸入品として販売されていましたが、現地よりも高い法外な値段設定。まずは価格を流通コストも考慮した上での価格コントロール ( 内外価格差の縮小・最大1.4倍まで)。また歴史や伝統などブランド本来の価値を理解してもらうことなど、日本人向けにビジネスモデルを新たに作り上げていきました。その結果、日本で大成功し、他の国にも広がり、世界的なブランドへと成長していったのです。
聞き手:まさか、あのルイ・ヴィトンの成功に日本人が関わっていたなんて!
学長:びっくりですよね。他にもファッションブランド「クロエ」もユニークな戦略を採用しています。本来、鞄は物を持ち運ぶ道具として扱われていましたが、クロエはそうじゃないと。鞄はファッションなのだ!と季節ごとに持ち替えられる鞄、そして南京錠:パドロックキーと呼ばれるクロエの特徴的な鍵付き鞄をクロエは提案したのです。そうすることによって、人々の意識がガラッと変わり、一気にクロエの鞄が日本でも人気を博し定着していったという歴史があります。
聞き手:裏側を知るだけで、ブランドの見方が変わりますね。他にも教えてもらえませんか?
学長:それは、私のゼミを取ったら教えてあげますよ(笑)
聞き手:そりゃ、そうですよね・・・
学長:例えば、ルイ・ヴィトンというブランドを知っていますよね?
聞き手:もちろんです!
学長:では、そのルイ・ヴィトンを世界的なブランドに押し上げたのは日本人だと知っていますか?
聞き手:えぇ?
学長:1970年代、ルイ・ヴィトンがまだパリ本店とニースの2店舗しかなかった時代、「日本での販路を拡大できないか?」と相談を受けた日本人がいました。それが、ルイ・ヴィトンジャパンの初代社長になる人物です。その頃、日本でも輸入品として販売されていましたが、現地よりも高い法外な値段設定。まずは価格を流通コストも考慮した上での価格コントロール ( 内外価格差の縮小・最大1.4倍まで)。また歴史や伝統などブランド本来の価値を理解してもらうことなど、日本人向けにビジネスモデルを新たに作り上げていきました。その結果、日本で大成功し、他の国にも広がり、世界的なブランドへと成長していったのです。
聞き手:まさか、あのルイ・ヴィトンの成功に日本人が関わっていたなんて!
学長:びっくりですよね。他にもファッションブランド「クロエ」もユニークな戦略を採用しています。本来、鞄は物を持ち運ぶ道具として扱われていましたが、クロエはそうじゃないと。鞄はファッションなのだ!と季節ごとに持ち替えられる鞄、そして南京錠:パドロックキーと呼ばれるクロエの特徴的な鍵付き鞄をクロエは提案したのです。そうすることによって、人々の意識がガラッと変わり、一気にクロエの鞄が日本でも人気を博し定着していったという歴史があります。
聞き手:裏側を知るだけで、ブランドの見方が変わりますね。他にも教えてもらえませんか?
学長:それは、私のゼミを取ったら教えてあげますよ(笑)
聞き手:そりゃ、そうですよね・・・
阪南大学の“半端ないゼミ活動”
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