産官学連携先:テキスタイルマテリアルセンター、渡六毛織

2024年10月26日、流通学部基礎演習(ゼミ合宿)として池澤ゼミ2・3期生は尾州(愛知県一宮市・岐阜県岐阜羽島市ほか)の毛織物産地のオープンファクトリー「ひつじサミット尾州2024」に参加してきました。最初はマテリアルセンターで山田様に各種コレクション等の生地見本を見せて頂き、世界三大毛織物産地の1つである尾州産地の解説から、メリノ種など羊毛の種類の基礎的な内容、各種デザイナーやテキスタイルの展示を見せて頂きました。ツイードランなどの文化的要素や最近上映開始された「BISHU」など産地が行っている発信についても教えて頂きました。渡六毛織では、経糸の準備工程から製織工程まで工場を解説付きで丁寧に見せて頂きました。ご協力いただきました産地企業の皆様、ありがとうございました。

学生コメント

■流通学部3年 中澤 怜大
10月25〜26日にかけて、愛知県名古屋市・岐阜県羽島市へのゼミ合宿を行ない、毛織物や古着についていろんな事を学びました。岐阜県羽島市は、毛織物が盛んな尾州地区という場所で、国内だけでなく世界中で使われる毛織物を作っている工場がたくさんありました。まず、テキスタイル・マテリアルセンターという施設で毛織物の歴史や作り方などを教えて頂きました。その後、2つの工場に訪れ実際に毛織物を作っているのを拝見させて頂きました。すごく繊細な作業が多く見ていてとても興味を持つことが出来ました。最後にひつじサミットのハイライト、三星毛糸に行き、実際にひつじに触れ合うことも出来てとても充実した時間を過ごすことが出来ました。

■流通学部3年 岩本 大輝
毛織物の製造過程がどのようなものなのか実際に現地に足を運び視察をすることで、見る・聞く・触れるといった経験が重要であることがわかりました。マテリアルセンターでは、加工された羊の毛が何種類もあり、手にとって触ってみると一つ一つが全く違う感触で同じ動物とは思えなかったです。廊下の壁には歴史を感じさせるポスターでいっぱいで、オーストラリアやニュージーランドに住む羊のポスターが壁一面に貼られており、すごく目が惹かれました。製織し終えた布が数多く揃えられている部屋があり、種類豊富で柄も違えば手触りも違う布がこんなにもあるなんて正直驚きました。紡績が行われている工場では多くの機械が設置されていて、ここで羊の毛が一本の糸になってそれが何束にもなり、製造を終えたウールが私たちが身につけている素材の一部として成り立ち、親しみ深いモノに変化しているのだと改めて実感することができました。

名鉄竹原線江吉良駅を拠点に、尾州岐阜羽島エリアを回ります。


江吉良駅、不破一色駅近辺の工場群を回ります。


 マテリアルセンターへ到着!!


マテリアルセンターで山田幸士様より毛織物産地の基礎的な部分を教えて頂きました。


さまざまな動物性繊維のサンプル。触り心地はさまざま。


豊富なバリエーションの生地の販売をされています。





デザイナーのコレクションのお洋服も展示されています。



豊富な生地サンプルに驚かされます。洋服づくりのインスピレーションが湧きます。



渡六毛織様へ訪問。製織工程です。


まずは経糸(たていと)の準備からスタート。




経糸をビームに巻き取っています。


緯糸(よこいと)を通して生地に。これが機織り(製織)の工程です。


次の訪問先まで時間がないので、きつねうどんを駆け足で食べました。







連携先コメント

岐阜県毛織工業協同組合・岐阜県毛織工業組合
専務理事 山田 幸士 様

【プロフィール】
2008年にテキスタイルマテリアルセンターを一般に公開し、海外移転が進んだファッション業界、とりわけ苦境に苦しむ全国のテキスタイル産地をバックアアップしたいと開館しました。

【コメント】
学生さんが、ものづくり産地、尾州に興味を深めてもらえるとうれしい。さまざまな業種、進路に進まれるでしょうが、ものづくりには、多くの人たちの思いが詰まっていることを感じてもらえたなら、店頭の商品を見たり購入する時の見方が変わってくるかも知れません。そう願います。今回の研修が今後の学びにお役にたてられたら幸甚です。

教員のコメント

経営学部
池澤 威郎 教授

池澤ゼミ2期生は昨年、岡山児島ジーンズストリートや、福山のデニムテキスタイル産地の工場見学を行なってきました。そして今回の毛織物産地訪問で、インディゴ綿布(デニム)と毛織物との製造工程の違いについて、かなり踏み込んだ勉強ができたと思います。また、産地での各工程における事業者(工場)がどのような役割を行ない、連携されているかがよく理解できたと思います。産地の職人さんたち、そして人材育成や事業承継が今後の課題であると認識されます。また、産地からの新しい発信がなされていることも同時にわたくしたちを驚かせるところでした。「ひつじサミット」のような取り組みが、産地への理解を啓発し、担い手を生み出していく一助になっていることを学ぶことができたと思います。

参加学生一覧

牛島 敬介、 作田 美結菜、 下村 栞菜、 杉原 大樹、 杉村 暁洋、 高塚 星弥、 中上 元、 中澤 怜大、 柳本 怜音、 岩本 大輝、 三浦 由有、 上野 萌衣