一般社団法人まつばら阪南大学スポーツクラブの概要と特徴:後半

育成計画のステージ4

育成計画のステージ5 & 6

 ステージ5と6では、それぞれ高校生と大学生を対象に「競技志向」と「レクリエーション志向」、加えて「マネジメント志向」を満たすことを目的に活動します。前述の競技志向とレクリエーション志向は学年が上がるにつれて後者が増える傾向にあり、大学生になると「高校までは運動部に所属していたけど大学では部には入らない、けれども、たまにスポーツしたい」という学生が相当数います。

 本学には約5000名の学生がいて、そのうちの5~10%程度が運動部に所属しています。部活動に所属している学生が競技志向と仮定すると、レクリエーション志向は低く見積もっても全体の30%くらいになると予想しています。本学の付属高校と連携しながら、こういった需要にも応えていくのが、このステージの目的になります。

 加えて、この段階から導入するマネジメント志向とは、「クラブで開催するスポーツイベントの運営や子どもへのスポーツ指導は面白そう」と捉える志向性を意味します。2016年にスポーツマネジメント部を立ち上げましたが、部員たちが中心となって各種イベントを企画・運営し、コーチとして子どもの指導にあたってくれています(資料2, 3)。

 まだ十分と言えるほどの謝礼は渡せていませんが、将来的にはマネジメント志向の高校生や大学生がアルバイト感覚で参加できるように法人格を有するクラブで財源を確保していきます。こうした人件費も中学、高校、大学の運動部のガバナンスにおいて早急に解決しなければならない課題のひとつになります。

 あわせて進めなければならないのが指導者の育成です。これについては、筆者が担当しているコーチング論やアスリートキャリアといった講義などを進めていますが、その内容については、また別の機会に紹介します。

「循環型」とは?!

① クラブフィロソフィーの作成(全ステージ)
② 根拠に基づいた育成計画の立案・推進(全ステージ)
③ 生涯を通じたフィジカルリテラシーの醸成(全ステージ)
④ 多様な運動機会の創出(ステージ1, 2)
⑤ 複数種目の奨励(ステージ3, 4)
⑥ 競技志向とレクリエーション志向の把握と対応(ステージ4 ~ 6)
⑦ マネジメント人材の育成と人件費の確保(ステージ5 ~ 7)
⑧ 人材と資金の循環(全ステージ)